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発電パネル 設置角度変更

発電パネルを設置する方位と角度によって発電量が異なります。方位は真南が最も効果的で、角度については、30度前後が理想的です。下表は京セラのHPからの抜粋です。

東京地区での設置角度に対する年間発電電力量比率
(真南(方位角0°)、傾斜角30°設置を100%とした場合)
(単位: %)
 
方位角
0°(真南)
15°
30°
45°
90°(東、西)




水平面
88.4
88.4
88.4
88.4
88.4
10°
94.3
94.1
93.4
92.3
87.6
20°
98.2
97.8
96.6
94.6
85.8
30°
100
99.6
97.8
95.1
82.8
40°
99.7
99.0
97.0
93.6
78.9

我が家の方位は南南西(22.5度)です。パネルの傾斜角はセキスイハイムのパルフェ(フラット屋根)の場合、10度で設置されます。上の表に当てはめるとピンク色に網掛けした部分93〜94%の効率になります。

我が家の発電量を見ると、夏場はそんなに問題はありませんが、冬になると極端に発電量が落ちます。これはパネルの設置角度に問題があるわけです。南中時の太陽高度は夏至で約80度、冬至は約30度です。パネルの傾斜角が10度で太陽光の入射角が80度だと10度+80度=90度となり、パネルに対して垂直に太陽光が当たります。一方、冬至の場合、10度+30度=40度にしかなりません。

そこで我が家では冬場の発電量を改善するために2004年11月27日にパネルの傾斜角を上げました。ホームセンターで既製品のステンレス平板を購入し、切断・穴あけ・曲げ加工をして傾斜角を17度に変更しました。この場合、上の表に当てはめると96%くらいの効率になります。17度という角度は中途半端ですが、既製品のステンレス平板を無駄なく効率的に使い、コストを極力抑えた結果、このような角度になりました。それと、10度だと屋根の上のパネルはほとんど見えませんが、17度だと少し目立つようになりますので、家そのものの見た目の点からもこれくらいが限界だと思います。

パネル角度10度

パネル角度17度

【傾斜角変更による発電量の変化】

2003年(傾斜角10度)と2004年(傾斜角17度)の12月における1日の発電量と瞬間ピーク発電量を比較しました。
よく晴れた日の発電量が傾斜角10度では7〜8Kwhでしたが、17度では9〜10Kwhに改善しています。

同様に2004年(傾斜角10度)と2005年(傾斜角17度)の1月における1日の発電量と瞬間ピーク発電量を比較しました。
よく晴れた日の発電量が傾斜角10度では10〜11Kwhでしたが、17度では12〜13Kwhに改善しています。

 
2004年(傾斜角17度)
2003年(傾斜角10度)
 
2005年(傾斜角17度)
2004年(傾斜角10度)
12月
天気
発電量
(Kwh)
瞬間
ピーク
発電量
(Kw)
天気
発電量
(Kwh)
瞬間
ピーク
発電量
(Kw)
1月
天気
発電量
(Kwh)
瞬間
ピーク
発電量
(Kw)
天気
発電量
(Kwh)
瞬間
ピーク
発電量
(Kw)
1日
快晴
9
1.77
0
0.08
1日
快晴
5
2.34
快晴
8
1.34
2日
快晴
9
1.85
快晴
8
1.65
2日
快晴
10
2.10
快晴
8
1.55
3日
快晴
8
1.76
晴時々曇り
7
1.98
3日
晴午後曇り
9
2.16
快晴
7
1.46
4日
曇り夜大雨
4
0.95
晴時々曇り
7
1.94
4日
朝曇りのち晴
10
1.96
晴午後曇り
7
1.85
5日
8
1.95
曇り
4
1.53
5日
快晴
11
2.18
快晴
8
1.66
6日
快晴
10
1.95
晴時々曇り
6
1.98
6日
曇り一時晴
5
2.21
晴午後曇り
7
1.61
7日
晴時々曇り
7
1.94
快晴
8
1.55
7日
快晴
10
1.96
朝曇りのち晴
7
1.65
8日
快晴
8
1.76
朝曇り後快晴
7
1.64
8日
快晴
11
2.13
快晴
9
1.77
9日
曇り
1
0.19
晴午後曇り
7
2.09
9日
晴時々曇り
10
2.79
快晴
9
1.73
10日
晴昼頃一時曇り
7
2.21
快晴
8
1.60
10日
晴午後時々曇り
10
2.18
快晴
8
1.58
11日
快晴
9
1.75
曇り午後雨
1
0.76
11日
晴午後曇り
5
2.11
快晴
8
1.72
12日
曇り
1
0.82
1
0.33
12日
曇り時々晴
7
2.29
快晴
9
1.68
13日
快晴
9
1.80
晴午後曇り
7
1.69
13日
快晴
11
2.11
明け方雪曇り晴
6
2.00
14日
晴一時曇り
8
2.13
快晴
8
1.62
14日
10
2.09
快晴
9
1.89
15日
晴曇り
6
1.91
快晴
8
1.54
15日
1
0.33
快晴
9
1.80
16日
快晴
9
1.80
快晴
8
1.70
16日
1
0.33
晴一時曇り
9
1.87
17日
快晴
10
1.91
6
1.55
17日
10
2.45
曇り午後雪
2
1.07
18日
快晴
8
1.84
快晴
8
1.73
18日
快晴
12
2.17
晴午後曇り
6
1.94
19日
晴時々曇り
8
2.26
6
1.75
19日
曇り
5
2.29
雪午後晴
3
2.28
20日
曇り午後一時晴
2
1.31
8
2.03
20日
晴午後一時曇り
12
2.46
快晴
10
1.86
21日
快晴
10
1.95
快晴
8
1.64
21日
晴一時曇り
11
2.50
晴のち曇り
6
1.51
22日
曇りのち晴
8
2.05
快晴
7
1.61
22日
快晴
12
2.49
晴時々曇り
6
1.92
23日
快晴
9
1.98
快晴
8
1.58
23日
曇り夜小雪
3
0.58
快晴
11
1.92
24日
晴午後時々曇り
9
1.93
快晴
7
1.48
24日
晴午後一時曇り
9
2.16
晴時々曇り
6
1.97
25日
晴昼頃一時曇り
8
1.89
快晴
7
1.38
25日
晴午後一時曇り
10
2.20
晴午後曇り
7
2.17
26日
曇り昼頃晴
7
2.15
晴午後曇り夜みぞれ
5
1.58
26日
曇り
2
0.63
晴午後時々曇り
8
1.91
27日
快晴
9
1.89
晴午後曇り
6
1.91
27日
11
2.09
晴時々曇り
7
2.09
28日
快晴
9
1.90
快晴
8
1.65
28日
10
2.15
快晴
10
1.88
29日
みぞれ
1
0.11
晴一時曇り
8
1.79
29日
曇り時々晴
5
2.08
快晴夕方曇り
9
1.84
30日
晴昼頃一時曇り
9
2.34
快晴
8
1.61
30日
晴午後曇り
13
2.30
晴午後曇り
7
2.05
31日
曇り午後雪
1
0.85
晴午後曇り
6
1.50
31日
12
2.54
快晴
11
1.93
合計
 
221
   
201
 
合計
 
263
   
237
 

上記の表データを1日の発電量の多い順、瞬間ピーク発電量の高い順に並べ替えたグラフです。

【傾斜角の変更方法】

パネルはL字型のステンレス支柱4本で固定されています。

上の支柱に「コの字型」のステンレス金具を継ぎ足して傾斜角を上げました

厚さ 2mm 幅 25mmのステンレス板です。
この金具を42個使いました。(パネル枚数21枚)
もとからある支柱の長さが約22cmですので、この金具を継ぎ足すと約34cmになります。

 

 

【傾斜角を上げた時の注意点】

★★パネルとパネルの間隔はできるだけ広くすることが大変重要です。★★

パネルを起こしたことでパネル自身が作る影の影響が出てきますが、これによる発電量低下は著しいものがあります。たった1枚のパネルに影ができただけでも全体の発電量が低下します。パネルを起こしたらパネルとパネルの間隔も十分に広げないと効果がなくなります。

パネル間隔はこのようになりました。
★傾斜角10度の時 34〜40cm → 傾斜角17度に変更後 57〜71cm
本当はもっと広げたいのですが、パネル間をつないでいるケーブル類の長さにあまり余裕がなくて今の間隔が限界です。

我が家は産業技術総合研究所の「太陽光発電性能モニター」になっていますので、1分毎の発電量データを取得できます。今回はこのデータが大変役に立ちました。時刻ごとに影の長さを計算し、発電量データと照合した結果、パネル間隔の狭いところに影ができ始めた途端に発電量が急激に落ちることが確認できました。そのため傾斜角を変更した後、2度に渡ってパネル間隔を広げる作業をしました。

蛇足ですが・・・
我が家の南東側13mくらい離れた所に電柱が1本あるのですが、これが12月・1月の朝9時半頃まで屋根のパネルの一部に影を作っています。この影がなくなった途端に200whくらい発電量が増えます。電柱の影くらいなんてことないと思っていたのですが、パネルのほんの一部に影ができるだけで全体の発電量を低下させるという実例です。 ですから、家の近くに高い木立があってそれが屋根の一部にでも影を作るようなら、発電効率をかなり落としていると考えられます。

【費用について】

総費用は約17,000円でした。
(内訳 ステンレス製フラットバー:約12,500円 ステンレス製フラットバー加工賃:約2,500円 ボルト・ナット類:約2,000円)

元を取るには・・・
売電単価が1Kwh当たり26.25円(消費税込)ですから、17,000円÷26.25円=647Kwhの発電量に相当します。
2003年12月と2004年12月では、20Kwhの発電量増加となりました。2004年の方が天候に恵まれていなかったことも加味して、月に25Kwhの発電量増加が見込めるとしたら、647Kwh÷25Kwh≒26ヶ月となります。

精神的にとてもいいですね・・・
春から初夏にかけては1日に20kwhも発電するのに、冬至前後の2〜3ヶ月はどんなに快晴でも7〜9Kwh止まりでした。それと、11月から2月の冬場は他の季節よりも快晴の日が多いことも事実です。せっかく天気がいいのに、発電量が伸びないのは精神的に良くありません。天候がいい季節に一番良く発電するシステムが「効率的なシステム」と言えます。 天候不順な日が多い夏場に照準を合わせたシステムでは「効率的なシステム」とは言えませんよね。
ハイムさん。。。

【気を付けること】

セキスイハイムが10度にしている理由の一つには、風に対する配慮があります。セキスイハイムでは風速60m/秒まで大丈夫と言っています。強い勢力の台風が来るような地域では、瞬間最大風速が60m/秒を越えることも珍しくありません。ですから、このような地域では安易にパネルの傾斜角を上げるべきではありません。幸いにも我が家の場合は、1979年からの気象データを調べた結果、最大風速は9m/秒が最高でした。