黒板と黒板消したたき こくばんとこくばんけしたたき
とじる
2018-08-14: タイトルに「黒板」を加え、内容を一部書き換えました。

 授業(じゅぎょう)では、先生が緑色(みどりいろ)の黒板(こくばん)にチョークで 板書(ばんしょ)するのは今も昔(むかし)もおなじです。

 黒板(こくばん)が黒くなく、こい緑色(みどりいろ)なのは、より見やすいからだといいます。  でも、たしか私(わたし)が小学校1年生で西生田小にいたころは、 黒板はほんとうに黒い色だったとおぼえています。(ちょっとあやふや)

 2010年と2012年の百合小の校舎見学会(こうしゃけんがくかい)で、取り壊(こわ)し前の校舎と新しい校舎の中を見ることができました。  「最新の黒板」がどうなっているか興味(きょうみ)がありましたが、2つの校舎の教室にある黒板を見比べることができました。 

 旧い校舎の教室の黒板も、私が百合小に通っていたころよりは新しくなっていたと思います。  そして、新しい教室の黒板は、旧い教室の黒板とほとんど同じでした。

 教室には大型のモニタ画面もありますがこれは旧い教室にもあって、補助的(ほじょてき=たりないところをつけくわえる)な 役割(やくわり)だとおもいます。

 やはり、授業の中心は黒板。 先生は、今も板書技術(ばんしょぎじゅつ)を誇(ほこ)っているように思えます。 toUpperRight1

fromLowerLeft1   ちなみに、私が高学年のころには教室に「テレビ」は入っていました。ブラウン管式の今よりずっと画面が小さいものです。  映(うつ)るのはテレビ放送(ほうそう)だけ。 パソコンもDVDなどのビデオ機材(きざい)もありません。
NHK教育(きょういく)テレビの学校向け放送とか、たしか1968年10月のメキシコシティーオリンピックも見たおぼえがあります。

✔ブラウン管(ぶらうんかん) = ガラスでつくられた奥行(おくゆ)きがあってとても重い表示装置(ひょうじそうち=ディスプレイ) ✔NHK教育テレビ = 今は ETV(イーティーブイ)とか、Eテレ(イーテレ)と呼んでいるみたいです。

 新しい教室の写真をよく見ると、黒板の床からの高さがひくいようです。 教壇(きょうだん)もおいてありません。  これじゃこどもたちからは黒板の字が見えにくいな、とおもったのですが、よく見ると黒板の下の部分(ぶぶん)にレバーらしきものがあります。  どうやらこの黒板は昇降式(しょうこうしき=上げたり下げたりできる)ですね。 ここは進歩(しんぽ)していました。

 教壇って、おもくてそうじのときに動かすのがたいへんだったんだよね。

 新しい教室は、教室と廊下(ろうか)のさかいめのないオープンスペース構造(こうぞう)になっていました。  ここも進歩!  授業中(じゅぎょうちゅう)にとなりがうるさくないのか気になるところですが、だいじょうぶだそうです。  もうひとつ、天井(てんじょう)にエアコンの吹(ふ)き出し口がついているのもスゴイな。

 わたしが百合小にいたころは、授業中(じゅぎょうちゅう)にとなりの人とおしゃべりをするなど、わるさをしていると、 罰(ばつ)として廊下にたたされることもありました。  もし、低い棚(たな)だけで区切(くぎ)られたオープンスペースで立たされるとなると、 となりのクラスからもよく見えて、そうとうにはずかしいことになりそうです。

旧教室(ふるいきょうしつ)の黒板 2010-07
新教室(あたらしいきょうしつ)の黒板 2012-09

 黒板に書いた文字を黒板消(こくばんけ)しで消(け)すと、黒板消しにたくさんのチョークの粉(こな)がつきます。   黒板消しをそうじするのは日直(にっちょく)のしごとでした。  窓(まど)の外(そと)で長(なが)い棒(ぼう)で黒板消しをパンパンとたたいて、 チョークの粉をたたきだしていました。

 その後(ご)、手動(しゅどう)の「黒板消したたきマシン」が使(つか)われるようになりました。  木でできた箱(はこ)の中で回転(かいてん)するたくさんのほそながいバネの棒(ぼう)が、 黒板消しをたたいて粉をおとします。  フタを閉めて黒板消しを箱の中にとじこめてたたくので、粉はほとんど外にでてきません。  窓の外でたたくのとちがい、たたきだした粉を口やはなから吸(す)ってしまうことがありませんでした。 

 こどもたちは、たのしみながらガラガラとハンドルをまわしてバタバタバタと黒板消しをそうじしていました。  落とした粉は箱の底(そこ)にたまりますが、この底(そこ)が高さの低い引き出しになっていて、 時々引き出しを引きぬいてはたまった粉をすてていました。

 今は電動(でんどう)の機械(きかい)を使(つか)っていると思(おも)います。  これは黒板消しをたたいているのではなく、掃除機(そうじき)のようにチョークの粉をすい取っています。

 ここで、シロウトの私はどこぞのフトン掃除機のようにパタパタたたきながらすい取るようにすれば もっときれいに粉をとれそうだ、などとおもうのです。 ハイ!特許出願!(とっきょしゅつがん)

➜ 何枚か撮影(さつえい)した新しい教室の黒板の写真の中にたまたま「電動黒板ふきクリーナー」も写っていました。  黒板の写真にのせておきました。 パナソニックのものだと思います。1台 14,000円くらい(定価(ていか))けっこう高い。  ダイソンの黒板ふきクリーナーってないのかな。5万円くらいしそう。

 

 ところで、しばらく前から「電子黒板」(でんしこくばん)も、学校で使われるようになっていると聞きました。  最新(さいしん)のものでは、パソコン画面(がめん)をそのままうつし出して、手で書き込むこともできるそうです。  黒板の代わりに大きなパソコン画面が教室の前に取り付けてあるようなものです。

 チョークの粉のそうじがいらないし、先生も手がよごれなくてすみます。 資料(しりょう)を映(うつ)し出すのもかんたん。  でも、黒板でそだったひとたちには少しものたりないような気もします。  (…といいながら、パソコンでこの文章(ぶんしょう)を書いているわたし)

 チョークがないと、先生は授業中(じゅぎょうちゅう)にいたずらをしているこどもになにをぶつければ良いのでしょう。
 こどもにチョークをなげてくる先生もいたんです。今もいるのかな。

 もうしばらくすると、チョークや黒板消しを知らない小学生が出てくるのではないでしょうか。

 黒板のかわりといえばホワイトボードというのものがあります。  フェルトペンで書いて、「字消し」でふいて消すことができるものです。  フェルトペンはマーカーとよばれる専用(せんよう)のもので、ふきとりやすいインクをつかっています。

 でも、チョークとはちがって粉がでないのかとおもったら、ボードにかいたインクをふき取ると粉がでるのです。  まわりも粉でよごれます。 そして、マーカーはチョークよりも何倍(なんばい)もねだんが高いものです。  たくさん書く学校ではつかいにくそう。

電子黒板

 電子黒板には、いくつかの種類があるそうです。

 昔ながらの黒板に板書するにも技術(ぎじゅつ)が必要(ひつよう)です。 その技術を生かして教えることが大切であると考える先生たちも多いでしょう。 電子黒板がどこの教室にもあるということになるまでには、まだまだ時間がかかるでしょう。  お値段(ねだん)も高いですし。

 2012年の夏に完成した百合小の新校舎の教室には、ちゃんと緑色の大きな黒板が取り付けられてありました。
もちろん、チョークと黒板消しもありました。

オープンスペース教室について

 オープンスペース教室は、教室と廊下や教室どうしの区切りがはっきりしていなくて床がつながっています。  百合小では教室「内」と「外」とのあいだに棚(たな)がおいてありますが、この棚にはキャスターがついていてすぐに動かすことができます。  使用していない教室も見ましたが、何もないと真っ平らです。 

(使っていない教室があるという自体がオドロキです。そして、クラス内の机の数が少ないのにもオドロキ。1クラス20〜25人くらいでしょうか)

 クラスの表示板「3-2」は外して付け替えられるようです。  隣の教室との間には黒板がとりつけてある壁がありますが、学校によってはこの壁も取り外せるところがあります。

 オープンスペース教室は、日本では1970年に始まったということで結構歴史のある方法ですが、 それから40年以上経って百合小にもやってきたということになります。(アメリカ合衆国でも1970年代に始まっているとのこと)

 一般には賛否両論(さんぴりょうろん)あるようです。 次のような利点があげられています。

  • クラス間の区切りがうすいので、より多くのこどもどうしが触(ふ)れ合う機会が増える。
    (私が小学生の頃は「許可なく他の教室に入ってはいけない」ことになっていました)
  • 簡単な組み替えで授業に適した設備の構成をとりやすい。 たとえば、別のクラスとの合同授業とか、 こどもの算数の理解度のちがいによって教え方を変えた授業を同時に行うなど。

 壁と窓で仕切られた部屋で授業をうけていた私としては、オープンスペースは先進的できれいでいいな〜、 などと思うのですが、現実はそれだけではないようです。

 当日いらっしゃった先生は、オープンだからといって授業中に隣のクラスの音が気になることはないとおっしゃっていました。  でも、隣のクラスのビデオ教材の音が聞こえるとか、大声を出すこどもがいるとやはり気になることもあるんじゃないかと思いました。

 百合小では完全なオープンではなく、不都合な点も考慮(こうりょ)して棚や仕切りで教室の独立性も考えた「セミオープンスペース」 にしてあるように見えます。  また、壁や間仕切りに吸音(きゅうおん=音をすってよわめる)の工夫(くふう)がしてあるように見えます。 

 一般には不都合な点も指摘(してき)されています。  アメリカの小学校での話ですが、オープンスペース教室にして何年も授業を続けた結果、こどもたちの集中力が隣の雑音で続かなくなりました。  けっきょく、元にもどしたそうです。  また、広い範囲の空調はエネルギーの無駄づかいになっているかも。 壁(かべ)があれば、廊下を冷やしたり暖めたりしなくとも良いのではないかと思います。

 もうひとつ、オープンスペースでは、教室の入り口の引き戸の上に黒板消しをはさんでおいて 先生が入ってきた時に落ちて先生が粉まみれになる、 という古来(こらい)の伝統芸(でんとうげい)を引きつげないのは重大な問題ですっ