石炭ストーブ せきたんストーブ
とじる

 冬は各教室(かくきょうしつ)で石炭(せきたん)ストーブをたいて教室をあたためていました。  煙突(えんとつ)の筒(つつ)が、一部が厚くなっているかべのなかをたてにとおっていて、各階(かくかい)の教室からの 煙(けむり)をあつめて屋上(おくじょう)の煙突から外に出していました。  教室の壁に丸い穴があいていて、冬だけここにストーブからの煙を出す筒をつないで使いました。(使わない季節(きせつ)には穴にフタをします)

 石炭とコークスの両方をもやしていたとおぼえています。 中ほどがふくれた形の「ダルマストーブ」を使っていました。

 低学年(ていがくねん)の教室では、ダルマストーブのまわりには金属(きんぞく)の格子(こうし)のかこいがありました。 それでも、今から思うとあぶないこともありました。 給食(きゅうしょく)の食パンを、ストーブの上にのせてトーストにするいたずらっ子もいました。 toUpperRight1

fromLowerLeft1   今から思い返すと、いたずら好きなこどもがいる教室のまんなかに焼(や)けた鉄のかたまりがはだかのままおいてあったのですから、こわいといえばこわい。 でも、それが何があぶなくて注意(ちゅうい)しなければならないのかを学(まな)ぶことになっていたのでしょう。

 石炭をもやすと煙突(えんとつ)にはすすがたまります。 よごれると煙突そうじやさんが来て、すすを取ってくれました。  煙突のそうじ用のフタを取(と)ると、中にはおどろくほどたくさんのすすがつまっていました。

 夏にはカラスなどが屋上(おくじょう)の煙突の出口に巣(す)を作ることがありました。  冬にストーブを使う時には煙突の点検(てんけん)が必要(ひつよう)でした。

石炭ストーブの煙突 2010-07

 南側(みなみがわ)と北側(きたがわ)の校舎の屋上(おくじょう)に残(のこ)る煙突(えんとつ)です。  より古い北側校舎の煙突と比べると、北側校舎の煙突には南側にある穴の上の「おおい」が見えません。

 古い写真とくらべて見たところ、北側も南側とおなじにおおいがついていました。 使わなくなってからはずしたみたいです。

 北側の煙突にならんでエアコンの室外機(しつがいき)が見えます。  私がいたころには全くなかったエアコン(クーラー)がいつのころかに取り付けられていました。

写真は、2010年7月24日の旧校舎のとりこわし前の見学会(けんがくかい)で撮影(さつえい)したものです。
右下に南北の校舎をつなぐ渡り廊下(わたりろうか)のいちばん上(3階)が見えます。 屋根(やね)がないので、雨の日はわざわざ別の階をとおったものです。

【石炭】[せきたん] 石油(せきゆ)のように地中(ちちゅう)からほりだされる燃料(ねんりょう)  つやのある黒色(こくしょく)で、石のようにかたい。 火(ひ)をつけるとゆっくりともえる。  石油が発見(はっけん)される前(まえ)からつかわれていて、蒸気機関車(じょうききかんしゃ)の燃料にもなっていた。
【コークス】 石炭からガスやコールタールをぬいたもので、石炭より高い温度(おんど)を出せる燃料(ねんりょう)。  コールタールはべとべとしたこい油のようなもので、金属(きんぞく)のさびどめなどにつかわれる。

また、コールタールを精製(せいせい)してつくったクレオソートは、昔はたくさんあった木製(もくせい)の電柱(でんちゅう) や鉄道(てつどう)の枕木(まくらぎ)にしみこませて木がくさるのをおさえるのに使われていた。(おなかのくすりのクレオソートとは全くべつのものです)
【ダルマストーブ】 ダルマのようにまるくふくらんだ形の鉄(てつ)の鋳物(いもの)でできたストーブ。 中で石炭、コークス、薪(まき)などをもやして部屋をあたためる。

»  ウェブ上にある「ダルマストーブ」の画像 

【すす】 石炭やコークスなどがもえるとできる黒くこまかい粉(こな)。  煙突にたまるので、そうじしないと煙突がつまってしまう。