あったもの:レコード
とじる

 音楽(おんがく)や声(こえ)の録音(ろくおん)と再生(さいせい)においても、CD(シーディー)プレーヤーや iPod(アイポッド)のような機械(きかい)はありませんでした。そのかわりになっていたのはレコードです。  レコードはCDににているひらたい円盤(えんばん)で、音楽が録音(ろくおん)されたものが売(う)られていました。  自分(じぶん)たちで音楽や声を録音したいときには、テープレコーダーを使いました。  百合小の放送室(ほうそうしつ)では両方(りょうほう)とも使(つか)っていたと思(おも)います。

 レコードは、直径(ちょっけい)が17センチまたは30センチのプラスチックなどでできたうすい(2mmくらいか?)円盤(えんばん)で、両面(りょうめん)にほそい溝(みぞ)が、細(こま)かくうずまきの形に刻(きざ)んであります。  その溝の表面(ひょうめん)に音の振動(しんどう=ふるえ)をでこぼことして記録(きろく)してあるものです。

 レコードを回転(かいてん)させて、この溝に固い針をあてることにより針のふるえとして音を取り出し、電気を使って大きな振動にしてスピーカーを鳴(な)らしていました。

 円盤の各面(かくめん)は、A面(えーめん)、B面(びーめん)と呼び、片面を聞いた後はレコードを手で裏返(うらがえ)して反対側を聞きます。

 細かい溝(みぞ)の左の壁(かべ)と右の壁(かべ)に音を別々に記録し、ステレオの立体音(りったいおん)が楽しめるようになっていました。  古い技術(ぎじゅつ)ながらその内容はすごいものだったのです。

 もっとうすくてペラペラのソノシートというものもありました。  レコードとちがい薄(うす)いので、片面(かためん)しか使えません。  これはテレビアニメを元にした絵本に、そのアニメのテーマソングや短い話などを入れて付録とし、音入りの絵本として販売されていました。この他の形でもレコードの安い代用品(だいようひん)として使われていました。

 テープレコーダーは、小さなカセットテープではなく、オープンリールといって直径(ちょっけい)が10センチから30センチくらいある大きなリール(巻き枠;まきわく)にセロハンテープみたいな薄(うす)いテープがたくさん巻(ま)いてあるものを使(つか)いました。  もちろん、セロハンテープのようにべたべたはしていません。 リールを回(まわ)してテープをくり出しながら音(おと)を録音(ろくおん)したり再生(さいせい)したりするものです。 音はテープにうすくぬられた鉄(てつ)などからつくった粉(こな)に磁力(じりょく)で記録(きろく)します。  くり出し側(がわ)のリールからでてくるテープは、もうひとつの巻(ま)き取(と)りリールに巻き取られて行きます。

 給食(きゅうしょく)の時間とか運動会(うんどうかい)とか音楽(おんがく)を流(なが)す時には、レコードを再生(さいせい)するか、あらかじめテープレコーダーに録音(ろくおん)しておいた音(おと)を使っていました。


 レコードやそのプレーヤー(再生装置(さいせいそうち))、テープやテープレコーダーは現在(げんざい)でも売(う)られています。  これは専門家(せんもんか)やマニアが使(つか)うためのものが多(おお)いと思ってました。

 ところが、「昔の機械」(むかしのきかい)に興味(きょうみ)をもつ若(わか)いひとたちのための製品(せいひん)もあるようです。 レコードプレーヤーや、カセットテープとラジオが1つになった「ラジカセ」が、新製品(しんせいひん)として売られているという話も聞きます。

【カセットテープ】 細(ほそ)い幅(はば)の録音テープを小さなまき枠(わく)にまいて、うすく小さい箱(はこ=カセット)におさめたもので、オープンリールよりあとに使われるようになりました。  最近(さいきん)まで使われていたテレビ番組録画用(ばんぐみろくがよう) VHS ビデオテープをさらに薄(うす)く、小さくしたような形(かたち)です。 カセットテープは今(いま)も使われていますが、見ることは少なくなりました。

»  ウェブ上にある「カセットテープ」の画像