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<予防的履行確保>


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Update 2010.01.18
債権者の履行確保 債務者の履行確保

はじめに


日本にも、やって来るかもしれない訴訟社会。それに向けた各種の法整備。
...毎週、「訴えてやる!」とテレビを賑わす、生活法律相談類似番組。
番組は啓蒙する役割を果たしており、重要で、大変参考になりますが..。
  (背後から、心の内から、「別の方法、ないの?」の声)
契約自由の反面、社会で守るべき、信義誠実の原則・権利乱用禁止の原則。
日本人の譲り合い精神、几帳面さでトラブル防止・訴訟回避に使える手段
が既にあれば、まずはそちらを優先してみては?。
そんな訳で、予防法務の行政書士が本頁を設けてみました。
こんな、ことわざもありますし。

  ・後の百より今五十
  ・馬持たずに馬貸すな 貸したものは忘れず借りたものは忘れる
  ・金の貸し借り不和のもと 借りる時の恵比須顔、返す時の閻魔顔
  ・負けて勝つ 負けるが勝ち 損して得とれ
  ・夫婦喧嘩は貧乏の種蒔き

【裁判外紛争解決】
ADR Japan(裁判外紛争解決)
日本仲裁人協会(JAA)

債権者の履行確保


  1. 必要性
    1. 債務者の履行が不確実な場合、履行しないと損する圧力/法定の権利
    2. 当初から債務者の履行を促す契約形態
    3. 決済の便宜上など
  2. 当事者同士の話し合いによる約定と任意の履行による解決
    1. 場合により、当事者の親との話し合いか親同士の話し合い
      • 一方又は双方が未成年者か、経済的自立前の青年の場合
      • 債務者の親が立て替えることで履行が確保できる場合
    2. 双方が時間的経済的に負担を強いられることを説明して法的手段を回避した提案
    3. 双方が歩み寄って法的権利義務を軽減し、任意に履行すれば得をする内容の提案
    4. 提案どおり履行しないと結果的には損することを理解させ任意の履行を約定する
      • 緊急に手当てしないと負担が増える部分を先に履行約束
      • 残りは場合によっては、再度話し合って互譲の精神で約束を取り付ける
  3. 手付金の受領
    • 宅建業者が自ら売主となる不動産売買の手付金は宅建業法上、解約手付として
      賠償額の予定と同じく、代金の2割を超えない額とする制限あり。
  4. 同時履行の抗弁権
    1. 代金の支払請求権と目的物の引渡請求権
    2. 債権者の仮登記担保実行後の清算金支払義務と
      債務者の担保物の所有権移転登記/引渡義務
  5. 留置権
    • 他人の物の占有者が債権の弁済を受けるまでその物を留置できる権利
      例:依頼を受け有償で物の修理をした者が修理代金の支払を受けるまで物を留置
  6. 先取特権
    • 債務者から弁済が得られない場合に、債務者の財産から優先弁済を受ける権利
      1. 一般の先取特権:債務者の一般財産(または遺産)
        • 共益費用・雇人給料・葬式費用・日用品供給
          ※会社使用人の先取特権は会社の総財産の上に有す。
      2. 動産の先取特権
        1. 不動産賃貸 :賃借人が賃借不動産に備え付けた/持ち込んだ物
        2. 旅店宿泊飲食:旅店に宿泊者が持ち込んだ荷物
        3. 旅客荷物運輸:運送人が占有する債務者の荷物
        4. 種苗肥料供給:生じた果実
        5. 農工業労役賃:農業収穫物や工業製品
      3. 不動産の先取特権:不動産の保存・工事・売買につき、その不動産
  7. 交互計算
    1. 継続的取引関係にある商人と(商人/非商人)の間の一定期間の、債権債務につき、
      その総額で相殺して残額の支払をする契約。
    2. 効果:個々の債権は独立性を失い、個別に債権の行使や処分ができない。
      この交互計算不可分の原則は第三者にも及ぶ。
  8. 代位弁済者と債権証書・担保物
    • 債務者のために弁済をなした者が債務者に求償するにつき、
      債権者から、債権証書や債権者が占有する担保物の交付請求権がある。
  9. 債権者代位
    1. 債務者がその財産減少を権利があるのに放置している場合、
      債権者が自己の債権を保全するため、債務者の権利を債務者に代わって行使する権利。
    2. 一般債権は債務者の無資力が必要。特定物債権では要しない
      債権者の名で裁判外でも行使し得る。履行期前は保存行為以外は裁判所の許可が必要。
    3. 登記以外は債権者に直接引渡しを請求もできる。
      登記の移転請求権は債務者名義にのみ移転登記を求め得る
  10. 詐害行為取消権
    1. 債務者と受益者・転得者がその当時、債権者を害することを知ってなした法律行為の
      取消を債権者が裁判所に請求できる権利。
    2. 債務者の無資力が必要。債権者の名で裁判上でのみ行使できる。
  11. 債権譲渡
    1. 債権の弁済期到来前における投下資本の回収。
    2. 譲渡人が譲渡後、債務者に確定日付ある通知をなすことが債務者への対抗要件である。
      債務者から債権者に、確定日付ある承諾でもよい
  12. 準消費貸借契約
    • 売掛金の短期消滅時効を長期化。
  13. 公正証書化
    • 契約書(私署証書)の強制執行認諾約款ある公正証書化。
  14. 保証人を立ててもらう
    • 保証、連帯保証。
  15. 質権設定
    1. 債権者が、債権の担保として、債務者/第三者から受け取った物を占有・留置し、
      債務が弁済されない場合、質物から優先弁済を受ける。
      (商行為債権者や質屋以外は流質契約禁止、競売が必要。弁済期後の流質契約は可)
    2. 動産質権の対抗要件は引渡と占有継続。不動産質権の対抗要件は登記。
  16. 抵当権設定
    1. 債権者が、債権の担保として、債務者(または第三者)から提供された物を債務者の
      占有に留めておきながら、債務が弁済されない場合、目的物から優先弁済を受ける。
    2. 抵当権の対抗要件は登記。(不動産、地上権など)
  17. 譲渡担保
    1. 物を借主の占有に留めおくのは質権と似ているが、質権と異なり、所有権を貸主に
      移転するもので、流質契約の禁止もない。
      (債務者の「商品」の譲渡担保は債務者の処分の危険があり、拒否が良い)
      融資の借主は物の代金の完済後は目的物を取り戻し得る。
    2. 「売渡担保」は信用授受が物の売買でなされ、債権債務を残さず、貸主も代金返還
      請求権がない。
    3. 「譲渡担保」は物の所有権は貸主に移転させるが、金銭消費貸借契約が交わされ、
      債権債務関係を残し、貸主も代金返還請求権がある。
    4. どちらも登記名義の返還は所有権移転登記の抹消でも所有権移転登記でもよい。
  18. 所有権留保
    • 売主は目的物の引渡しを終えるが、代金の完済されるまで停止条件付所有権移転の状態
      であり、買主は代金完済で所有権移転を受け、売主は買主が債務不履行時、所有権に基
      づき、目的物の返還を請求するもの。
  19. 仮登記担保
    1. 金銭債務を担保するため、その不履行があるとき、債務者に属する所有権などの権利を
      移転することを目的としてなされる代物弁済予約/停止条件付代物弁済契約/売買予約。
    2. 移転請求権仮登記/条件付仮登記により、仮登記が対抗要件。

債務者の履行確保


  1. 必要性
    1. 債務者が債権者に弁済の提供をしても受領しない場合
    2. いわれのない請求の拒否
    3. 決済の便宜上など
  2. 受取証書の交付請求
    • 利息、代金の一部、今月分、いずれでも領収証を受け取る。
  3. 保証人の抗弁権・求償権
    1. 債権者から先に請求を受けたら、まずは借主に請求せよと主張できる催告の抗弁権。
    2. 借主には資力があり、執行も容易であることを証拠を挙げて主張する検索の抗弁権。
    3. 共同保証人には分別の利益があり、保証人の数で割った金額の返済責任を果たせばよい。
    4. 責任分、債務者に返済した保証人は借主にその分の額を請求できる求償権がある。
      この将来の求償権で、予め借主の財産を仮差押後、貸主に支払うと借主の履行を促せる
    5. 連帯保証人は上記の抗弁権や分別の利益を主張できないが、借主への求償権はある。
  4. 無権代理人の責任
    • 借主が本人の承諾を得ず勝手に保証人にした場合、無権代理人である借主本人が責任を
      負うが、表見代理が成立する場合は、相手方貸主を保護し、保証人に責任が及ぶ
  5. 弁済供託
    • 受領拒否による供託、受領不能(行方不明・死亡)による供託、債権者不確知による供託
  6. 代物弁済
    • 債権者の同意を得て、債務の弁済に代えて物を債権者に引き渡す。
      担保ではないから弁済可能な時期に返還請求は不可。
  7. 相殺
    1. 同一当事者に弁済期にある同種の債権がある場合、
      相殺適状である債権と債務(自働債権と受働債権)を対等額において消滅させる意思表示。
    2. 法定相殺は一方的意思表示。相殺契約は合意。
    3. 受働債権は期限の利益放棄可能ならば弁済期前でも相殺可能。
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