心で闘う120秒
1997年5月7日京都で開催 ………… 日本最難関試験に挑む
警察学校剣道師範 石田健一(48才)剣道八段審査5度目の挑戦
実技試験では最高段位。
剣道人口200万人中、八段審査合格者は戦後400人。
剣士5,000人に1人がようやく到達できる修業の頂点。
受験資格 早くて46才、七段合格後8年以上修業を積んでいること。
受験者721人中70才以上112人、合格率1%以下
一次審査(2分間=120秒×2回の立会):60人合格
型の審査で数人脱落
二次審査(2分間=120秒×2回の立会):6人合格
筆記審査(剣は心なりとい言う言葉について自分の意見を述べよ)
:6人全員合格
<全日本選手権> <剣道八段審査審査基準>
五段~七段が日本一 → 不動の精神力で攻撃の気迫は本物か
(勝つための剣道) (強いだけではダメ、打ち込みの強さ)
相手より一瞬でも早く打つ → 相手を崩して会心の一撃
(足裁きの速さと体の柔軟性) (結果を恐れず、偶然ではなく)
相手の次の一手の洞察力 → 気・剣・体一致の無意識
(若さより経験の深さ) (意識し過ぎず、心の動揺をなくす)
持田盛二十段が残した剣道の神髄の言葉
私は剣道の基礎を体で覚えるのに50年かかった。
50才を過ぎてから本当の修業に入った。
心で剣道をしようとしたからである。
60才になると足腰が弱くなって
心を働かして弱点を強くするように努めた。
70才になると体全体が弱くなって
心を動かさない修業をした。
相手の心がこちらの鏡に映ってくる。
中心線と間合の奪い合い、相手の心の動きを読む。
焦って勝ち急いだ方が負け。我慢比べの120秒。
攻撃の土壇場で打ち急ぎず、
冷静に相手の剣をさばき、攻撃に転ずる。
相手の剣をかわして中心線をはずし、
間合い(距離)を読み切って打ち込む。
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