(戻る)

<宇宙の歴史+地質時代+ミクロの世界+ミクロな粒子+細胞生物学+ウイルス学>


Update 2025.03.31
1.宇宙史年代  宇宙創成や太陽系誕生の年代を知る
2.宇宙の歴史  物質や太陽系ができあがる経緯を知る        → まとめ
3.宇宙の未来  宇宙の未来人類の滅亡リスク持続可能な開発目標
4.宇宙創成理論 宇宙創成理論未解明の謎
5.地質時代   地球上に生物がどのように進化していったかを知る  → まとめ
6.地球史年表  地球史年表(相似的) 、地球史年表(等間隔)
7.生物系統図  地球生物系統図(□枠) 、系統図(階層)
8.ミクロの世界 超々微小の物質世界に働く3つの力         → まとめ
9.ミクロな粒子 超々微小の物質を構成する素粒子          → まとめ
10.放射線    放射線と原子力、放射性物質、宇宙線
11.元素と周期表 元素記号一覧周期表周期表の仕組み電子配置
12.量子論    ミクロの世界の不思議なルール
13.DNARNA DNA・RNADNAの複製セントラルドグマ
14.タンパク質  タンパク質の一生タンパク質の分類三大栄養素
15.ATP光合成 ATP光合成と呼吸C3植物・C4植物・CAM植物
16.細胞内共生  細胞内共生説光合成と葉緑体ミトコンドリア
17.生物の増え方 生殖とは減数分裂無性生殖遺伝の法則
18.ウイルスとは ウイルスの種類ウイルスの増殖ウイルスと細菌
19.感染症とは? 感染症の種類感染見舞金制度感染症の分類
次へ前へTOP 1.宇宙史年代 宇宙創成や太陽系誕生の年代を知る

                       TOP
宇宙史年代
TOP
宇宙創成は138億年前:宇宙マイクロ波背景放射の温度は完全に一様ではなく、ごくわずかのムラがあることが発見され、
            このムラを分析すると宇宙の年齢が判明した
            宇宙の温度が下がって可視光より波長が長い電波になったのが宇宙マイクロ波背景放射
            宇宙創成38万後宇宙の晴れ上がり直後の姿が宇宙マイクロ波背景放射なのです
            宇宙の晴れ上がり前の宇宙は光子は自由電子の雲の中で散乱して、濃い霧の状態で光によっては
            観測できません(重力波による観測が期待されている)
約60億年前宇宙の加速膨張:ハッブルにより遠い銀河ほど赤方偏移が大きくなること(宇宙の膨張)が確かめられた後、
            Ia型超新星を標準光源とする銀河までの距離と赤方偏移の測定によって、宇宙の膨張の歴史が
            再度調べられた結果、宇宙の膨張速度はなぜか加速に転じていた
            ダークエネルギーの斥力が物質の引力を上回り、宇宙の膨張速度が加速し始めた
太陽系誕生は46億年前:コンドライトという隕石の生成年代を調べてわかった
            コンドライト隕石中の鉱物を鉛の放射性同位体206Pbと207Pbを使った年代測定を行い、隕石の中で
            かなり早い時期に形成される鉱物の形成年代が45億6820万年前であると結論づけた
            分子雲→原始星→主系列星の誕生(中心部で核融合反応の開始)
生命誕生は約40億年前:生物の進化をさかのぼり、全生物の最後の共通祖先(コモノート)は38億年前と推定された
            グリーンランドのイスア地域の岩石に38億年前に活動していた生物の痕跡がグラファイトとして
            残されていると報告、39億5000万年前より古い堆積岩のグラファイトにも痕跡がある事を発見した
6550万年前の大量絶滅小惑星の衝突により、恐竜が絶滅した
             イリジウムが凝集した粘土層→衝突クレーターの発見→天体衝突を裏付け→大量絶滅
人類の出現は700万年前:トゥーマイ猿人の出現
             霊長類の進化→人類の出現→人類の進化:猿人→原人→旧人→新人

次へ前へTOP 2.宇宙の歴史 物質や太陽系ができあがる経緯を知る → まとめ

TOP

宇宙の歴史

TOP
時刻温度(K)エネルギー(eV)宇宙の創成  物質相  力の分岐
~10-44秒:プランク時間真空の量子ゆらぎ → 真空の相転移
10-44秒後:宇宙創成の瞬間1032度:1京度の1京倍1028eV:100兆eVの100兆倍超々微小宇宙      重力の分離
10-36秒後:宇宙創成直後1028度:1000兆度の10兆倍1024eV:1兆eVの1兆倍           強い力の分離
10-36秒~10-34秒後真空の相転移で生じる光速を超える指数関数的な膨張インフレーション(10-33cm→1033倍)
10-34秒後:ビッグバン真空のエネルギーで宇宙が再加熱された火の玉宇宙物質(粒子・反粒子)と光の誕生
10-11秒後:ビッグバン直後~数千兆度 ~1011eV:千億eV以上超微小宇宙 弱い力・電磁気力の分離
10-12秒~10-6秒後 ~5兆度 ~5億eVクォーク・グルオン相 ヒッグス機構
10-6秒~1秒後~3分後 ~500億度 ~500万eV核子・電子・ニュートリノ相:素粒子
3分~20分後 ~50億度 ~50万eV原子核相:重陽子・ヘリウム核
20分~10万年後 ~4000度  ~0.5eV原子相:原子核・電子
10万年~38万年後自由電子が原子核に束縛され光子が直進(3000度程度) 宇宙の晴れ上がり    電離→結合
38万年~数億年後漂う原子や自由な光子・ニュートリノだけの真暗宇宙宇宙の暗黒時代   星の重力凝集前
2億年~数億年後最初の恒星群の誕生 → 鉄までの重い元素の生成最初の星の誕生    宇宙の再電離
10億年~30億年後  → 超新星爆発 → 鉄よりも重い元素の生成銀河の形成~銀河団の形成
78億年後:60億年前ダークエネルギーによる宇宙の加速膨張第2のインフレーション
92億年後:46億年前軽い元素 → 星間ガス雲(分子雲) → 双極分子流
     → 収縮進み核融合開始 → 原始太陽
原始太陽系円盤 → 太陽系の誕生
星間ガスが散逸 → 岩石惑星
星間ガスを取込 → 巨大ガス惑星
重力の大きさで相違 巨大氷惑星
重い元素 → ダスト → 微惑星 → 衝突・合体
   → 暴走成長 → 原始惑星 → 巨大衝突
46億年前~138億年後冥王代→太古代→原生代→古生代→中生代→新生代地質時代 → 先史時代
138億年後現在の宇宙有史時代(歴史時代)
1eV=1.16045×104K(1eVは、11,600度に相当する)
K:ケルビン(水の三重点温度0.01℃を273.16Kとする絶対温度),eV:電子ボルト(1eV=1電子を1ボルトで加速時のエネルギー)
104=1万,108=1億,1012=1兆,1016=1京,10-12=1兆分の1,1028=1015+13=1015×1013=1000兆×10兆=100兆×100兆
インフレーションの膨張速度は光速を超えていた:特殊相対性理論が禁じているのは「運動」であって空間の膨張ではない
ヒッグス機構  :宇宙が膨張して冷えてきたある時点で、ヒッグス粒子が凝縮して真空に満ち素粒子が動きにくくなった
宇宙背景ニュートリノ:宇宙創成数秒後、宇宙の膨張によりエネルギーや密度が下がりニュートリノは衝突せずに飛び去る
宇宙ニュートリノ背景放射:宇宙創成3分~20分後、原子核の合成(ビッグバン元素合成)の過程でニュートリノを放出
宇宙の再電離  :星からの強い紫外線の衝突によって宇宙に漂う水素原子の原子核と電子がばらばらに別れて分離された

TOP
相転移による相互作用の進化
TOP
──────────宇宙の相転移(力の分化)──────────
プランク時間 宇宙(時空)が生まれる、時空の量子的ゆらぎの終わり
 10-44秒後 第1の相転移:重力の分離、クォークの誕生    
 10-36秒後 第2の相転移:強い力(色)の分離、グルーオンの誕生
 10-11秒後 第3の相転移:弱い力の分離(電弱分離)、電子の誕生
 ゲージ対称性    ヒッグス場    光子だけ無質量・光速 
  電弱対称性─→対称性の自発的破れ─→電弱分離       
  質量を禁止  ヒッグス粒子の出現  弱ボソンが質量を獲得
──────輻射の時代の終わり、物質の時代の始まり──────
 10-4秒後  第4の相転移:クォーク(素粒子)がハドロン(核子)に
 100秒後  軽元素合成の開始(核融合反応)、He,D,Liなどの合成

TOP
物質相
TOP
  素粒子  ⇒  核子  ⇒  原子核 ⇒ 原子
クォーク(uud) … 陽子──┐         
              ├→原子核─┐   
クォーク(udd) … 中性子─┘     ├→原子
レプトン(e-)  …       電子──┘   
   陽子は、 クォークからできている
   原子核は、陽子と中性子からできている
   原子は、 原子核と電子からできている

TOP
相互作用による物質相の進化
TOP
色の力で、クォーク   → 陽子 :3種の色で結びつく、色の力を伝えるのはグルーオン
弱い力で、陽子     → 中性子:β変換、陽子(uud)→中性子(udd)
核力で、 陽子+中性子 → 原子核:核内で陽子と中性子がπ中間子の放出・吸収、核力が発生
電気力で、原子核+電子 → 原子 :原子内で原子核と電子が光子の放出・吸収、電気力が発生

TOP
対称性の自発的破れ
TOP
◆ビッグバンのあと、宇宙の温度がどんどん下がっていき、粒子が反粒子より多くなった経緯
当初は、粒子とともにペアの反粒子も対生成したが、すぐに対消滅したりをくりかえしていた … 対称:粒子数=反粒子数
10の-10乗秒後のどこかで、「対称性の自発的破れ」により、反粒子は4秒後までに消失する … 破れ:粒子数>反粒子数
そして、「対称性の自発的破れ」によって、わずかに多くなった粒子だけが残るようになった … 対生成が起こらなくなる
粒子:クォーク・ハドロン・レプトン、反粒子:反クォーク・反ハドロン・反レプトン、中間子は自分自身が反粒子である
※:「消えた反物質」の謎については、さまざまな機構が提案されているが、どれが正しいのか現在はまだ確定していない
                   → 消えた反物質の謎の解明に挑む

TOP
恒星の原子核反応
TOP
核融合:陽子+陽子→ヘリウム4核
陽子が弱い力の作用で中性子になり、陽子と重陽子を形成、
重陽子と陽子はヘリウム3になり、2個でヘリウム4を形成
  陽子    重陽子   ヘリウム3核 ヘリウム4核
  4個    2個      2個    1個
  2p───→2D(pn)───→2He3───→He4
    W   ↑    ↑  (ppn)  ↓ (ppnn)
  2p─→2n─┘    2p     2p
陽子2個からできたヘリウム3核が2個反応してヘリウム4核になる
さらなる連鎖反応:3He4 → C12、C12+He4 → O16
核融合:陽子+中性子→ヘリウム4核
陽子と中性子が重水素と光子を形成、重水素はヘリウム3や
トリチウムを形成、重水素とそれらはヘリウム4を形成する
  p+n  → D+光子 p:陽子,n:中性子,D:重水素(pn)
①D+D → He3+n  He3:(ppn)
②D+He3 → He4+p  He4:(ppnn)
①D+D → T+p   T :三重水素(pnn)
②D+T → He4+n  ①+②:2p+2n→He4
 ①+②:p→nとすれば左図と同じ4p→He4
重陽子(重水素原子核):水素の同位体である重水素の原子核(陽子1個と中性子1個) ⇔ 陽子:水素の原子核(陽子1個)
ヘリウム4核:ヘリウムの同位体であるヘリウム4の原子核(陽子2個と中性子2個) … ビッグバンの3分後に大量生成
恒星内部での元素合成=水素燃焼反応(PPⅠ反応=Proton-ProtonⅠChain Reaction):現在の太陽活動の主要なエネルギー源
水素核融合反応は結局 4p → He4 + 2e+ + 2νe + 2γとなる反応である(e+:陽電子,νe:電子ニュートリノ,γ:光子)
陽子が中性子に変われるのは重水素の原子核の質量が、もともとの陽子2個の合計の質量よりも軽くなるからです
この現象は「質量欠損」と言い、軽くなるということはエネルギーが下がることなので、陽子が中性子に変われるのです
4つの陽子が核融合によりヘリウム4核になる際に、質量は0.7%ぐらい減り、その分の静止質量エネルギーに相当する2500
万eVの核エネルギーが解放され、エネルギーの一部は太陽の外に飛び出すニュートリノが持ち去り、そのほかのガンマ線の
エネルギーは、太陽内の電子と衝突を通して熱エネルギーとなり、10万年かけて太陽表面に達し、太陽光として放射される
+電荷の陽子同士の強い反発力に打ち勝つ陽子の激しい運動や反応温度未満でも起こるトンネル効果で核融合が起きている

TOP
恒星内部での水素燃焼
TOP
恒星内部での水素燃焼には、PPⅠ反応とCNOサイクルの両方が働いているが、CNOサイクルは大質量星のエネルギー
生成過程に大きく寄与している→太陽内部でCNOサイクルによって生み出されるエネルギーは全体の約1.6%に過ぎない
※CNOサイクル:炭素(C)・窒素(N)・酸素(O)が円環状に連続した触媒核になって水素核(陽子)が燃える原子核反応

TOP
原始太陽系円盤
TOP
         ┌─────────────原始太陽の形成───────────┐
         星間分子雲──→分子雲の収縮─→ガス円盤と双極分子流─→原始太陽
星間物質分子雲分子雲コア
密度1cm3水素原子数個まだら1cm3水素分子10万~100万個
大きさ100光年0.1光年
質量太陽の10万倍太陽の10倍
 分子雲コアの収縮でできた原始太陽に落ち込むガスやダストが、回転しながら、周囲に平らな円盤を形成した
 原始太陽の中心部が約1000万度に達すると、水素中心核融合反応が起こり、主系列星となって太陽が誕生した
┌─────────────────────原始惑星の形成─────────────────────┐
 円盤の温度が下がるとガスは個体微粒子に凝縮、太陽に近い部分は岩石と金属に遠い部分は氷等の物質となる
 ガス・個体微粒子→ダスト層→微惑星→衝突合体→原始惑星:内周部は岩石惑星、外周部は氷惑星→ガス捕獲
 弱い重力の惑星は星間ガスが太陽風で吹き飛び、強い重力の惑星は星間ガスを捕獲して巨大氷惑星となった

TOP
太陽系の姿
TOP
         岩石惑星    スノーライン 巨大ガス惑星    巨大氷惑星 短周期彗星源      長周期彗星源
        地球型惑星 アステロイドベルト 木星型惑星   天王星型惑星 カイパーベルト   球殻状の微惑星群
太陽●○─→○──→○──→○──→◎──→○──→○──→○──→○───→◎───→◎──∥──→◎
    水星 金星  地球  火星 小惑星帯 木星  土星  天王星 海王星  冥王星 散乱円盤天体 オールトの雲
    ↑              ↑   ↑           ↑    ↑           ↑
    └────太陽系内周部────┘   └──太陽系外周部───┘    └──太陽系外縁天体──┘

   0          1          2          3       4         太陽からの
   0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 0 1 2 3 4 5億km ← 平均距離
   ─+-+─────-+─────-+──────────────-+────────────-+-
   地火     木     土              天             海
   球星     星     星              王             王
                               星             星
TOP
太陽風
TOP
  ┌──────太陽圏:太陽風の勢力圏(ヘリオスフィア)─────┐       恒星間領域
  │                    ヘリオシース  ヘリオポーズ
  ├────────────────┬…………………………………:    太陽風の圧力と星間物質や
  │    →超音速の太陽風→      →亜音速の太陽風→  ≫⇔≪  ←銀河系の磁場の圧力が釣り合う  
太陽●─∥→○────→◎─────→○────────────→────∥───→◎
  │  海王星 カイパーベルト 終端衝撃波面         太陽圏の境界    オールトの雲
  │  太陽から30AU ~50AU↑  75~90AU         太陽から123AU  太陽から1万~10万AU
  └───────────────太陽系:太陽の重力圏───────────────┘

AU:1天文単位=1億4959万7870.7km(地球と太陽の平均距離に由来)、123AU(太陽圏の境界)=184億54万km
太陽から噴き出す太陽風の勢力圏(太陽風の荷電粒子が存在する領域)を太陽圏(ヘリオスフィア)という
太陽風は太陽系外縁部で天の川銀河内の星間物質や星間磁場と衝突し、終端衝撃波(termination shock)を形成する
太陽から太陽風が100万km/h以上の速度で吹く、半径約150億kmの終端衝撃波面は、ほぼ球形です

太陽圏では、太陽風の外向きの圧力が、入ってくる星間物質の圧力と釣り合っています
太陽風が星間物質や銀河系の磁場と衝突して完全に混ざり合う境界面をヘリオポーズ(Heliopause)と言う
終端衝撃波面の外側は、低速度の太陽風と星間物質とが混ざり合うヘリオシースという領域です
カイパーベルトの分布範囲は、概ねヘリオポーズの内側にあり、オールトの雲は完全にヘリオポーズの外側にある
太陽圏の圧力で生じる星間物質乱流領域(バウショック)は星間物質の中を進む太陽の速度が遅いため形成されない

TOP
地球を守る磁場
TOP
地球型惑星の星間ガスや原始大気上層の軽い水素は太陽風に吹き飛ばされた
  原始惑星創成時のガス成分は、ほとんどが強い太陽風で吹き飛ばされた
  火星にはかつて大気があったが、太陽風がそれを吹き飛ばしてしまった
地球型惑星の初期大気は、その後の火山活動で固体部分から放出された
  大部分は、形成初期の激しい火山活動によって脱ガスとして放出された
  この時点では、惑星内部に核が形成され、磁場が太陽風をさえぎった
磁気バリアに守られた地球の宇宙空間領域は「地球磁気圏」と呼ばれています
  太陽風は、地上から3万km(静止軌道と呼ばれる高度付近)から10万km
  くらいの位置で食い止められていて、その反対側の磁気圏は太陽風に吹
  き流されたような形をしていることがわかっています
TOP

太陽系の惑星

TOP
地球の内側・外側内惑星外惑星
惑星水星金星地球火星木星土星天王星海王星
太陽からの平均距離0.5790億km1.0820億km1億4960万km2.2790億km7.7830億km14.3億km28.7億km45億km
惑星の大きさ0.4880万km1.2104万km1.2742万km0.6795万km14.2984万km12.537万km5.1119万km4.9529万km
大きさの地球比0.3830.9510.53311.2219.8394.01193.887
公転周期0.240.6211.8811.929.584.0164.8
自転周期58.646日243日逆行24時間24.5時間10時間10時間17時間逆行16時間
質量の地球比0.055倍0.82倍10.107倍318倍95.2倍14.5倍17.2倍
惑星の分類地球型惑星木星型惑星天王星型惑星
鉄・ニッケル合金(火星は+硫化鉄)岩石・氷
マントルケイ酸塩液体金属水素(ヘリウム含む)アンモニア・水・メタン混合の氷
地殻ケイ酸塩
大気主に二酸化炭素主に窒素と酸素主に二酸化炭素液体分子水素(気体を含む)ヘリウム・メタンを含む水素ガス
惑星の衛星数001272662714
惑星の衛星数 … 確定分、自転の逆行:公転に対して逆方向に自転
海王星の最大の衛星であるトリトンは、太陽系で唯一、逆行軌道をたどり、惑星の自転と反対方向に移動する大きな衛星です

TOP
ハビタブルゾーン(生命生存可能領域)
TOP
太陽からの距離:遠からず近からず程よく太陽エネルギーを受け取る距離、液体の水の存在、大気の組成、など
地球は、太陽から22億分の1のエネルギー(光や熱)を受け取って、その恩恵によって豊かな自然が育まれ多種
多様な生命が暮らす生命の星ですが、太陽から来るのはそれだけでなく太陽風と呼ばれる高温のプラズマがある
惑星の大きさ:惑星内部の活動が存在できる質量、太陽風の影響下でも大気を保つ磁場と重力がある
                     |         |
       水が蒸発してしまう領域 ← | ハビタブルゾーン | → 水が凍ってしまう領域
                     |          |
   太陽●────────→○────────→●────────→○────────→
               金星    |    地球    |    火星
                     |         |
                     |         |

太陽風」は太陽系外から流入する銀河宇宙線をブロックして、銀河宇宙線の地球に対する影響を抑えています
 太陽風自体も放射線をもっていますが、今度は「地磁気」がこれをおよそ完全にブロックしています
 最後に「大気」が太陽風のすき間をぬって侵入してきた銀河宇宙線をブロックしています
TOP

宇宙や天体の大きさ

TOP
地球太陽太陽系天の川銀河ラニアケア超銀河団観測可能な宇宙
3,474.8km12,742km1,392,700km3.15光年10万5700光年5億光年930億光年
1万3千km139万km30兆km100京km50垓km9300垓km
3.5×103km1.3×104km1.4×106km3×1013km1×1018km5×1021km9.3×1023km
地球の4分の11地球の109倍太陽の2154倍太陽系の3.5万倍天の川銀河の5000倍
大きさは円形の直径、数字は全て(約)、1光年=9兆4607億km≒10兆km=1013km
大きさの比率【太陽:地球】≒【直径1m:ビー玉】≒【東京ドーム:直径1m】
1万=104,1億=108,1兆=1012,1京=1016,1垓=1020,太陽系の大きさはオールトの雲の両端(太陽の重力圏)
誕生時の月は地球から2万kmの近くと推定され、潮汐力により公転速度が加速して、46億年後は38万kmに移動
地球から月までの距離は、38万4400Km(光速で片道1.28秒)、月は地球から毎年3.8cmずつ遠ざかっています
地球から太陽までの距離は、1億4960万km(光速で片道8分19秒、太陽は月の400倍も遠い)
天の川銀河のダークマター=光る物質(星やガス)の10倍くらいのダークマター、100万光年

TOP
宇宙の階層構造
TOP
アンドロメダ銀河→局所銀河群→おとめ座銀河団→超銀河団→局所超銀河団→宇宙の大規模構造
銀河群=規模の小さい銀河団、銀河団は銀河の100倍前後、宇宙の大規模構造の大きさは不明
アンドロメダ銀河=天の川銀河の2~2.5倍、地球から253.7万光年、40億年後には天の川銀河と衝突

TOP
宇宙の大規模構造
TOP
大規模構造(泡構造) :超銀河団同士が相互につながって形成する構造
グレートアトラクター:局所超銀河団の銀河を引き寄せている巨大な高密度領域、巨大引力源、銀河の大集団
               [グレートアトラクター]=[宇宙のメガロポリス]
                      [ボイド]=[過疎の村]
グレートウォール  :超銀河団は平面状の壁のような分布、銀河フィラメントとも呼ばれる
TOP

宇宙空間を進む地球

TOP
 宇宙空間の地球進行  秒速  時速 
地球の自転460m1,700km
地球の太陽系公転30km10万km
太陽系の銀河系軌道230km83万km
銀河の宇宙空間疾走600km216万km
太陽系は、銀河核中心から約3万光年の軌道を単独で回っています
一周に要する期間、銀河年はおよそ2億2000万年から2億5000万年です
その形成以来、太陽系は銀河系を少なくとも20周したことになります
TOP

宇宙の歴史のまとめ

TOP
時刻宇宙の年表
0秒~10-44秒後プランク時代超々高温の超々微小宇宙
10-44秒~10-36秒後大統一時代宇宙が膨張し始め、力はこの時代以降順次分離
10-36秒~10-34秒後インフレーション時代宇宙がものすごい勢いで膨らむ(1030倍以上)
10-34秒~10-11秒後電弱時代(ビッグバン)素粒子であふれかえる超高温の火の玉宇宙超微小宇宙
10-12秒~10-6秒後クォークの時代ヒッグス粒子が質量に動きにくさを与える
10-6秒~1秒ハドロンの時代:核子クォークが合体してできたハドロンは少し残る
1秒~10秒後レプトンの時代:電子少しの電子と自由に飛び回る光子とニュートリノ
10秒~38万年後光子時代:光子光子は荷電した陽子、電子、原子核と干渉し38万年続く
3分~20分後原子核の合成陽子と中性子が原子核を作り出す(ビッグバン元素合成)
20分~10万年後原子の形成原子核が電子を捕まえて原子ができる
10万年~38万年後宇宙の晴れ上がり自由電子が原子核に束縛され光子が直進(3000度程度) 
38万年~数億年後宇宙の暗黒時代漂う原子や自由な光子・ニュートリノだけの真暗宇宙
2億年~30億年後恒星の誕生~銀河の誕生重力で集まったガス雲→星→銀河→銀河団の形成
92億年~138億年後地球の誕生~現在の宇宙原始太陽の周りに惑星ができて地球ができる
プランク長=1.616×10-35m,光速(c)=299792.458km/sec(毎秒約30万km)
プランク時間:光子が光速でプランク長を移動するのにかかる時間=(プランク長÷光速)=5.391×10-44
プランク時代 … プランク時間の瞬間は重力は他の力と同じくらい強く、全ての力は統一されていた
大統一時代  … 4つの力のうち重力を除く3つの力(電磁力、強い力、弱い力)が統一されていた

次へ前へTOP 3.宇宙の未来 宇宙の未来、人類の滅亡リスク、持続可能な開発目標

TOP

宇宙の未来

TOP
時刻予測
9億年~10億年後太陽光度の上昇による地球生命圏の最後、植物の光合成停止→生物絶滅
植物絶滅のシナリオ:二酸化炭素濃度の減少
     3億年後:100ppm、C3植物の光合成が停止
     9億年後: 10ppm、C4植物の光合成が停止、ほとんどの生物が絶滅
15億年~20億年後太陽光度の上昇により地球がハビタブルゾーン(生命生存可能領域)外へ
40億年~60億年後銀河の衝突 → 巨大/楕円銀河に
50億年~75億年後老化する太陽、地球が太陽に飲み込まれるか、急激に蒸発していく(地球の終わり)
1000億年後銀河の孤立(銀河の合体、局所銀河群の合体)
1013年~1015年後恒星が核融合を停止し燃え尽きる → 暗い宇宙
1014年~1040年後縮退の時代(星の形成の終結)
1019年~1020年後星の残骸物の消滅
1030年~1033年後銀河・銀河団がすべて中心ブラックホールに飲み込まれる
1034年~1040年後陽子崩壊 → 陽電子・光子・ニュートリノなどに崩壊して物質が消滅
10100年~10131年後ブラックホールの蒸発 → 暗黒の時代
生命誕生から40億年後の現在の地球は9億年後が生命圏の最後ならば、老年期に入ったことになる

TOP
ブラックホールの蒸発
TOP
ホーキング放射の理論
エネルギーから粒子・反粒子が発生する対生成が事象の地平線
近くで生じた場合、正のエネルギーの粒子が外へのがれ、
負のエネルギーの反粒子が落ち、正のエネルギーを失い、
ブラックホールは徐々に消滅に向かいブラックホールが蒸発する
TOP

恒星の一生

TOP
太陽質量の恒星の誕生と死
0.08倍以下星間ガス → 褐色矮星
0.08倍~8倍星間ガス → 主系列星 → 赤色巨星 → 惑星状星雲 → 白色矮星
8倍~30倍星間ガス → 主系列星 → 赤色巨星 → 超新星爆発 → 中性子星
30倍以上星間ガス → 主系列星 → 赤色巨星 → 超新星爆発 → ブラックホール
星間ガス→主系列星:水素中心核核融合→赤色巨星:ヘリウム中心核・外層水素の核融合
→ヘリウム中心核核融合→炭素や酸素の核・外層ヘリウム核融合→核融合終了→白色矮星
太陽の寿命:100億年(現在46億年経過、残り約50億年)

TOP
宇宙の終焉(宇宙の終わり)
TOP
ビッグフリーズ(寿命死):宇宙は物質が希薄過ぎて何もないような死の空間になる宇宙の低温死
ビッグクランチ(過収縮):宇宙の膨張が止まり収縮に向かい、最後には宇宙は潰れてしまう
ビッグリップ (過膨張):宇宙の膨張で時空が引き裂かれ、それ以上は宇宙が存続できなくなる
宇宙の熱的死 (熱的死):熱的平衡状態になり、何も起こらなくなる熱力学的な死亡状態
真空の崩壊  (突然死):真空の相転移のような予測不可能な突発的な変化
ビッグバウンス(周期的):特異点で跳ね返り、収縮と膨張を何度も繰り返す
TOP

人類の滅亡リスク(文明の終わり)

TOP
リスク理由
感染症の世界的流行
(パンデミック)
人間の自然破壊や自然界介入による危険な人獣共通感染症の人への伝染
抗微生物薬耐性の細菌や未知のウイルスの蔓延
人工的な病原体の生成と拡散
食料や水資源の枯渇異常気象、人口爆発、経済発展による食料や水需要の激増
天然資源の大量消費による人為的気候変動や生態系の崩壊
地球規模の自然現象壊滅的な自然的気候変動による生態系の崩壊や自然災害の増加
氷期の到来生物の絶滅や生態系の破壊
海洋無酸素イベント
洪水玄武岩を噴出する超巨大噴火塵に覆われ寒冷化
小惑星の衝突
世界戦争(核戦争)大量の核弾頭保有、偶発的
世界規模のテロリズム貧困の拡大、宗教や思想の対立、資源の争奪、暴力的過激思想の拡散
貧者の兵器による戦争の拡大(生物化学兵器,小型核兵器,自爆ドローン)
人工知能やロボットの暴走自立兵器の乱用や粗悪な開発
制御不能な誤動作や反乱
ナノテクの誤用自己増殖能力を持つナノマシン
大規模なシステム崩壊世界規模での経済システムや社会システムの崩壊
一部に起こる想定外事態や人的失敗による全体システムの破綻

TOP
人類の文明を脅かす12のリスク
TOP
英オックスフォード大とスウェーデンの財団等で構成する研究チームが2015年発表
「12 Risks That Threaten Human Civilization」(人類の文明を脅かす12のリスク)
Current risks             現在のリスク
  1. Extreme Climate Change       極端な気候変動
  2. Nuclear War            核戦争
  3. Ecological Catastrophe       生態系の崩壊
  4. Global Pandemic          世界規模のパンデミック
  5. Global System Collapse       国際的な経済・社会システムの崩壊
Exogenic risks            外因性リスク
  6. Major Asteroid Impact       巨大隕石の衝突
  7. Supervolcano            大規模な火山噴火
Emerging risks            新たなリスク
  8. Synthetic Biology         合成生物学(病原体の生成)
  9. Nanotechnology           ナノテクノロジー
  10. Artificial Intelligence      人工知能
  11. Uncertain Risks          未知の可能性
Global policy risks          グローバルポリシーリスク
  12. Future Bad Global Governance    劣悪なグローバル・ガバナンス
未知の可能性
「人類を不妊にする超汚染物質の開発」
「人工ブラックホールが開発され、地球を飲み込むこと」
「動物実験により人類を超える知能をもつ生物が出現」
「誰かが地球外生命にコンタクトし、危険な異星人の注意を呼び寄せること」

TOP
パンデミック
TOP
14世紀:黒死病(ペスト)、1520年:天然痘、19~20世紀:コレラ、1918~1920年:スペインかぜ、
1981年:エイズ(HIV)、2002年:重症急性呼吸器症候群(SARS)、2009年:新型インフルエンザ(A/H1N1)、
2020年3月11日:WHOが新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック宣言

TOP
小惑星の衝突
TOP
潜在的に危険な小惑星(PHA):1300個以上発見、全PHAの20~30%、ほとんどは未発見、隕石落下:年平均40回程度
今後100年以内では878個の小惑星が地球に衝突するリスクがあるようです(PHA:Potentially Hazardous Asteroid)
恐竜を絶滅に追いこんだ小惑星の直径は約10kmです … メキシコのユカタン半島海底のクレーターは直径180km
1994年SL第9彗星が木星重力に引き寄せられ、潮汐力で直径1~5kmに分裂した破片が秒速60kmで木星に衝突した
時の衝撃は広島に投下された原爆の1億倍~10億倍と概算され、衝突時のきのこ雲が地上の望遠鏡でも観測された
2013年ロシアのチェリャビンスク州で大きな隕石が落下、NASAの推定によれば、直径17m、重量七千トン、地球へ
の入射速度は18km/s、エネルギーは広島原爆30個分、損害は死者0人、負傷者1491人、4474棟の建造物が損壊した
直径1kmほどの小惑星が衝突しても、全人口の10%は失われると試算されています
日本のJAXAやアメリカのNASAで打ち上げられた小惑星探査機の使命は「宇宙・太陽系の科学的探査」だけではなく、
もう一つの「将来の潜在的に危険な小惑星(PHA)に人類が対処する方法を探る」という重要な使命を帯びています
欧州宇宙機関やNASAは、宇宙機を小惑星に衝突させて地球に向かう小惑星の軌道を変える地球防衛の実験を計画
NASAは2022年09月26日無人探査機DARTを小惑星ディモルフォスに体当たりさせる「惑星防衛」の実証実験を行った

TOP
核戦争
TOP
2022.01.03:国連安保理の常任理事国(核保有国5か国米中露英仏)は、「核兵器国の間の戦争回避が最も重要な責務」
「核戦争に勝者はなく、決して戦ってはならないことを確認する」と声明した
原爆死没者慰霊碑の碑文「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」
Let all the souls here rest in peace ; For we shall not repeat the evil

TOP
貧富の差の拡大
TOP
平等は破壊の後にやってくる → 不平等を是正してきたのは、「戦争・革命・崩壊・疫病」
格差による感染症のリスクと格差の拡大、貧しい国のテロリストが裕福な国に移動、他国への移住が止められない
世界経済がグローバル化して、経済危機や貧富の差が拡大し、「格差の世襲化」は社会混乱や無法状態をもたらす
現在の先進国は端的にいえば、「持続可能性がないコース」を突き進んでいます … 文明の崩壊リスク

TOP
人類の滅亡を取り上げた映画
TOP
YouTube
核戦争の恐怖 → ターミネーター2 サラ・コナーの悪夢(核爆発の炎が押し寄せる)

YouTube
太陽フレア  → ノウイングのラストシーン(地球上が建物ごと炎の波に流される)

YouTube
核戦争後   → テイラーが自由の女神像を見つける(猿の惑星は地球だった)

TOP
世界の潮流変化
TOP
           未来社会構想 2050「豊かで持続可能な世界」を実現するために
デジタル経済圏の台頭
  2050年にかけて、プラットフォーマーなどが発行するデジタル通貨や、それにひもづく経済活動
  が拡大し、デジタル経済圏が形成される
覇権国のいない国際秩序
  国際社会では絶対的な覇権国のいない世界が実現する
  「デジタル移民」の増加と広がる国内格差、高度人材比率が国の成長の鍵
脱炭素を実現する循環型社会
  デジタル技術のさらなる普及は、循環型社会の実現を後押しする
  太陽光や風力など再生可能エネルギーを軸とした需給構造、資源面はリサイクル・代替が加速する
変容する政府の役割
  行政サービスの効率化、国際的なルールの策定や順守体制の構築、デジタル経済圏の拡大に伴う
  新しい環境整備、経済格差に対するセーフティーネットの提供などで、政府の役割が拡大しよう
多様なコミュニティが共存する社会
  デジタル空間中で議論や主張をする際、情報の偏りや意見の偏りのようなコミュニティの分断が
  深まる恐れがある
技術によって変わる人生
  さまざまなイノベーションの実装に伴って、経済活動の半分以上はデジタル経済圏に関わるものに
  なり、家事の自動化や通勤時間が減ることで自由時間が増え、健康寿命も延伸される
実現に向けて必要なアクション(2050年の日本)
  「人間中心の技術活用」データ・AI・ロボット
  「日本の良さ・強み」和・匠・美、「前向きな挑戦」で社会を変革

TOP
世界の当面の課題
TOP
いくつかの国の、力による領土拡張や一方的現状変更は、当事国や近隣諸国との軋轢を生み、戦争の危険性を孕んでいます

TOP

持続可能な開発目標

TOP
SDGsの17の目標
SDGsは、2015年9月の国連サミットで全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に掲げられ
た、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことです
SDGsは「17の目標」と「169のターゲット(具体目標)」で構成されています
5つのP … 人間:People、豊かさ:Prosperity、地球:Planet、平和:Peace、パートナーシップ:Partnership
      1~6     7~12       13~15     16     17
                  ┌── 1.貧困をなくそう            
                  │   2.飢餓をゼロに             
                  │   3.すべての人に健康と福祉を       
          ┌─「社会」──┤   4.質の高い教育をみんなに        
          │       │   5.ジェンダー平等を実現しよう      
          │       └── 6.安全な水とトイレを世界中に      
          │       ┌── 7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
          │       │   8.働きがいも経済成長も         
SDGsの17目標リスト─┼─「経済」──┤   9.産業と技術革新の基盤をつくろう    
          │       │  10.人や国の不平等をなくそう       
 社会・経済・環境 │       │  11.住み続けられるまちづくりを      
 の3分野と枠組み │       └──12.つくる責任つかう責任         
          │       ┌──13.気候変動に具体的な対策を       
          ├─「環境」──┤  14.海の豊かさを守ろう          
          │       └──15.陸の豊かさも守ろう          
          └─「枠組み」─┬──16.平和と公正をすべての人に       
                  └──17.パートナーシップで目標を達成しよう  

ただし、一部のカルト宗教団体は勧誘手段としてSDGsを悪用しているものもありますので要注意です

次へ前へTOP 4.宇宙創成理論、未解明の謎

TOP

宇宙創成理論

TOP
量子ゆらぎ→インフレーション→密度ゆらぎ→銀河や銀河団の成長
無からの宇宙創成

インフレーション理論

量子宇宙論
真空の状態
無は宇宙の種が量子ゆらぎしている時空の泡状態(粒子・反粒子の生成消滅繰返し)
宇宙の種→確率的なトンネル効果で超々微小宇宙が誕生する
重力の分岐
宇宙のインフレーション
超々微小宇宙とともに量子ゆらぎも大きくひきのばされて
現在の銀河や銀河団の種になる(エネルギー密度のムラ:密度ゆらぎ)
強い力の分岐
ビッグバン理論

火の玉宇宙→宇宙の膨張

一般相対性理論
ビッグバン
インフレーション終了→潜熱の解放→全エネルギーが熱に変換→物質と光の誕生
          対称性の自発的破れ(真空の相転移)
          冷たい宇宙──────→熱い宇宙
          真空のエネルギーが物質と光に転化
弱い力電磁気力の分岐
物質の誕生(素粒子→核子→原子核→原子)
ヒッグス粒子が作用する → 質量に動きにくさを与える → 素粒子の誕生
色の力が作用する    → クォークの閉じ込め    → 核子の誕生
核力が作用する     → 核子の結合(核融合)    → 原子核の合成
電気の力が作用する   → 電子が原子核に束縛される → 原子の形成
宇宙の大規模構造形成
重力が作用する     → 原子が集まる(星間ガス雲) → 恒星の誕生
星・銀河・銀河団の形成、超銀河団の連なりと超空洞が網の目構造を形成
太陽系の誕生、地球・月の誕生
生命誕生、人類誕生
トンネル効果:量子力学において、波動関数がポテンシャル障壁を超えて伝播(浸透し透過)する現象 or
量子の世界において、電子が古典的には超えられないエネルギー障壁を一部反射せず通り抜ける現象
質量が大きいほど、トンネル効果は起きにくくなる … 不確定性原理⊿x⊿p≧h/4π
                         (x:位置=波の広がり、p:運動量=質量×速度)
量子トンネリングは障壁の厚さがおよそ1–3nm以下の場合に起こる(1nm=10億分の1メートル)
ヒッグス機構:宇宙創成の直後は真空(ヒッグス場)は水蒸気のように透明に広がっている状態ですべての
素粒子は質量がなく光速で飛びまわったいたのですが、対称性の破れが起こりエネルギー状態が変わると
水蒸気が水滴に変わるようにヒッグス粒子は粒子として出現しこれがくっついて素粒子は動きにくくなり
質量が誕生しました
TOP

新理論の創設に貢献した理論

TOP
宇宙創成後の宇宙の姿を変えた謎の解明新理論
対称性の自発的破れの理論
(CP対称性の破れなど)
真空の相転移=対称性の自発的破れ
インフレーション宇宙モデル
ヒッグス粒子による質量の誕生(ヒッグス機構)
消えた反粒子(CP対称性の破れのおかげ)← 未解明
C対称性:電荷の対称性(+/-)、P対称性:空間反転
元の物質を構成する素粒子のすべてにC変換を施すと反物質になる
CP対称性の破れ … クォークの変身の種類が増すことにより破れが生じる可能性がある
           そのことによりその分の反物質が消滅する
宇宙の物理法則  … 対称性は何種類もあり、どの対称性がどの程度破れているかによって、
           宇宙の物理法則が決まっている
           万有引力定数やクーロン定数がいまある値になったのも、
           対称性の破れ具合によるものです
TOP

未解明の謎

TOP
未解明の謎
宇宙の歴史宇宙創成の瞬間真空の相転移とは、真空の基底状態が変化することか
消えた反物質バリオン数生成問題、物質・反物質の対生成・対消滅の差
暗黒物質宇宙の見えない質量、ゆっくり動く質量の大きな粒子
暗黒エネルギー宇宙の加速膨張、負の圧力(重力斥力)を持つ仮想的なエネルギー
ブラックホール光さえも脱出できないほど重力が強い天体
宇宙の果て果ての有無、観測可能性
人類の未来人類の滅亡リスクパンデミック・小惑星の衝突
宇宙創成理論量子宇宙論量子論に基づいて宇宙の始まりを考える
真空のエネルギー時空の泡状態(粒子・反粒子の生成消滅繰返し)、ゼロ点エネルギー
重力波光速で伝わる時空のさざ波、超新星爆発などが発生源
地質時代生命の起源宇宙起源説・地球起源説
地球外生命地球外に生命を探す宇宙探査
未来の人類人類の進化の方向、超人?、機械との融合?
地球史年表人新世人類が地球の生態系や気候に大きな影響を及ぼすようになった現代
生物系統図起源生物全生物共通祖先(コモノート)
ミクロの世界大統一理論強い力と電弱力を統合
ミクロな粒子ニュートリノ振動宇宙線起源の大気ニュートリノの変化
超対称性理論フェルミ粒子とボース粒子の組が対称な超対称性粒子を考える理論
陽子崩壊クォークからなる陽子がレプトン族に変換され、物質が消滅する
超弦理論粒子でなくひも、ひもの振動の強弱で素粒子の種類が決まる
ヒッグス粒子ヒッグス粒子による質量の誕生(ヒッグス機構)
量子論多世界解釈多数の世界の同時存在

TOP
消えた反物質の謎の解明に挑む
TOP
提案1:反物質の寿命がわずかに短かったので、反物質だけが消滅し、物質だけが取り残された
提案2:物質が反物質よりも少しだけ余計にあって、対消滅を免れた
提案3:粒子と反粒子の反応法則に、ごくわずかの違いがあり、その差の分だけ粒子が残った
提案4:ニュートリノと反ニュートリノの同一性を実証すれば、反粒子が粒子に変わり得ること
    がわかり、粒子と反粒子の数量の比が変化することが説明できる

レプトジェネシス機構
   宇宙初期の相転移が、ニュートリノに物質と反物質の入れ替えを可能とさせたとする理論
   ニュートリノは電気的に中性な粒子であり、反物質から物質の入れ替えが可能な最も有力
   な候補とされています
         粒子                   反粒子      
     ○○○○……○○○○           ●●●●……●●●●  
     ○(10億+1)個             ●(10億+1)個    

         粒子                   反粒子      
     ○○○○……○○○○           ●●●●……●●●●  
     ○○(10億+2)個    ○←──●     (10億)個     
             反粒子の1個が普通の粒子に
         粒子                   反粒子      
                10億のペアが対消滅             
        ○○2個                  0個      
      対消滅をまぬがれた素粒子は10億個のうちわずか2個程度だった

バリオン数生成問題
   初期宇宙のインフレーションによって、仮にそれ以前に正味バリオン数があったとしても
   薄まってしまうので、観測されているバリオン非対称は、すべてインフレーション後に作
   られなければならない
   物質・反物質対生成の偏りが生じたイベントのことを「バリオン数生成」と呼んでいる

実証済みの事柄
   対消滅:電子と陽電子が衝突してエネルギーとなり物質は消滅(対消滅)して光になる
   対生成:空間の1点にエネルギーが集中すると、粒子と反粒子が誕生する(対生成)
  ①高エネルギー光子同士の衝突
               光子光子 → 電子 + 陽電子
   光のエネルギーが相対性理論の効果で物質に変わるからです
  ②更にエネルギーを上げると質量の大きい粒子や多数の粒子が一度に作られるようになる
   レプトン(電子)ができれば、バリオン(陽子、中性子)も作れる
               電子 + 陽電子 → 陽子 + 反陽子
①高いエネルギーの光子同士の衝突
   光と光がぶつかっても消えてなくなったり、跳ね返ったり、地面に落ちたりはしません
   素通りするだけです
   しかし、エネルギーの高い光である「ガンマ線」同士をぶつけると、反応が起こります
   これは、光のエネルギーが相対性理論の効果で物質に変わるからです
   光子1個のエネルギーが、電子の質量に対応するエネルギー(0.511MeV)より大きくなると、
   2個の光子の衝突により、電子とその反粒子である陽電子のペアが作られます
   2個の光子は消えてなくなってしまいます … 光子光子 → 電子 + 陽電子
②更にエネルギーを上げると質量の大きい粒子や多数の粒子が一度に作られるようになります
   重い中間子の生成(0.5~5GeV程度の光子で起こる)や
   エネルギーの高いクォークやグルーオンから作られる多数の粒子群(ハドロン)の生成
   (おもに2GeV以上の光子による)
   ※1MeV=100万電子ボルト、1GeV=10億電子ボルト

TOP
生命の起源の諸説
TOP
オパーリンが唱えた物質の化学進化説
還元的環境を前提としたユーリー・ミラーの実験
(予想した原始地球の大気組成に高電圧火花放電=雷を発生させ1週間後にアミノ酸生成)
は、地球における有機物の誕生を再現したものとは言えないことになった
一次大気(原始大気):還元的組成、水素、メタン、アンモニア ユーリーミラーの実験
二次大気(初期大気):酸化的組成、二酸化炭素、窒素     当時の地球大気

新たな有機物生成過程
化学進化の第一段階である有機物合成には、
当時の地球大気を再現していないユーリー・ミラーの実験に代わる、別の過程が必要になる
その後、マグマオーシャン中には金属鉄が含まれ、大気と金属鉄の反応によって初期大気は
二次大気組成だけでなく水素や一酸化炭素を大量に含む還元的組成になることが判明した
パンスペルミア説が「宇宙起源説」、他は「地球起源説」をとる
   表面代謝説          (粘土界面上のアミノ酸重合反応)
   パンスペルミア説       (生命のタネは宇宙の星間分子雲から飛来した)
   深海熱水孔での独立栄養生物説 (最初の生命は独立栄養生物だった)
   分子生物学的化学進化説    (地球から細胞が生まれた)

TOP
宇宙起源説
TOP
宇宙では、重い元素からなるダストに宇宙線や紫外線が当たり、有機物ができる
隕石が落下して地球に衝突し、生命の材料(有機物)がたどりつき、エネルギーが供給され、
深海の熱水噴出孔で金属イオンを触媒にして化学的な進化をとげた
隕石中に生命の源か
炭素質コンドライト隕石(マーチソン隕石)には右手型と左手型のアミノ酸が含まれていた
地球上の生物はタンパク質生成の際に左手型だけを使う

TOP
地球起源説
TOP
深海の熱水噴出口が生命誕生の場所
原料分子(H2O,CO2,CO,N2)→低分子素材→高分子部品(タンパク質,糖類,核酸)→組立→小胞

以下はどの説でも大枠は同じ
アミノ酸をペプチド結合させ(アミノ酸の重合)タンパク質(高分子化合物)を合成、
糖質や脂質、核酸も合成された
糖質はエネルギー源のグルコース、脂質は細胞膜、核酸はDNAやRNAとなり、小胞が形成され、
細胞の原型ができた(DNA:デオキシリボ核酸、RNA:リボ核酸)
細胞の基本機能は進化し、代謝や細胞形状の形成や自己複製機能(遺伝子)を持つに至った
共通祖先→原核生物(真正細菌、古細菌)、真核生物(細胞内にさまざまな細胞内小器官をもつ)

TOP
ワールド仮説
TOP
DNAが遺伝情報保存、RNAを仲介として、タンパク質を発現する流れ(セントラルドグマ)では、
DNAをつくる際にはDNA合成酵素、DNAからRNAをつくる際にはRNA合成酵素が必要です
DNA合成酵素もRNA合成酵素もタンパク質です
タンパク質を作るためにはDNAが必要ですが、
DNAからタンパク質を作る際には、反応を触媒する酵素(タンパク質)が必要です
化学進化後の最初の生命でこれら3つの物質のいずれが雛形となったのか、以下の諸説ある
DNAワールド仮説:DNAの情報をコピーしたRNAをもとにタンパク質をつくるので、DNAが先
   複製   転写   翻訳     
DNA─→DNA─→RNA─→タンパク質
        逆転写     (アミノ酸)
     DNA←─RNA       
プロテインワールド仮説:合成酵素はタンパク質なので、タンパク質が先(GADV仮説も出現)
RNAワールド仮説:RNAが遺伝情報と触媒機能の両方を担う
   太古の昔はRNAが遺伝子を作っていたと考えられています
   太古の生命体はDNAやタンパク質を使わずにRNAだけでできており
   それが情報と機能の両方を兼ね備えていたという説
   RNAがタンパク質と同じような触媒機能をもつ(酵素としてはたらく)という発見だった
   遺伝子として情報を保持する働きも、実際に活動するタンパク質としての働きもRNAが
   すべて担っていた ← 触媒としてはたらくRNA(リボ核酸)や逆転写酵素の発見
   RNAワールド仮説の下では、まず初めに、自己複製機能と様々な反応の触媒機能を持つ
   (つまり、代謝も担うことができる)RNA分子(リボザイム)が出現したと考える
   それらのRNA分子が「進化」の結果複雑化していき、
   RNAの代わりに代謝を担うタンパク質を生成するようになったと考えられている
   RNAの情報をタンパク質へと読み換えるプロセスである「翻訳(タンパク質合成)」の
   メカニズムの発生が生命の「進化」に必須であったということになる
   当初はRNAだけで遺伝も触媒もになっていたものが、
   触媒に効率のいいタンパク質を使うようになった
   一方、遺伝情報の量が増加し複雑になると、RNAより安定なDNA、
   それもより安定な二本鎖DNAに情報を保存するようになり、
   遺伝子を貯蔵するにも安定したDNAを使い始める
   DNAからRNAへの「転写(必要部分のコピー)」が始まったと考えられています
   またこのように一段階増やすことによって、より複雑な調節が可能になりました
①      RNA       
↓        (翻訳)     
②      RNA─→タンパク質
↓   (転写)  (翻訳)     
➂ DNA─→RNA─→タンパク質
最初の生命はRNAワールド仮説で説明するのが主流、現在の生命はDNAワールドです

次へ前へTOP 5.地質時代 地球上に生物がどのように進化していったかを知る → まとめ

TOP

地質時代

TOP
地質時代開始年代出来事動物界植物界
先カンブリア時代冥王代45億6700万年前地球の誕生
45億年前小天体の重爆撃、巨大衝突
(ジャイアントインパクト)
により月の誕生
ダスト表面 → 有機物(アミノ酸等)
糖,脂質,ペプチド,核酸の合成→小胞
44億年前原始大気と原始海洋の出現
海洋と大陸地殻の形成
(マグマで地表更新→地殻破壊)
41億年前始原生物(共通祖先)の出現原始生命体(代謝系,細胞膜,自己複製)
役割受持ち(蛋白質,糖脂質,核酸DNA)
太古代原太古代(40)
古太古代(36)
中太古代(32)
新太古代(28)
40億3100万年前陸地の出現(アカスタ片麻岩)
堆積岩中のジルコン粒子包有物
グラファイト(光合成生物の痕跡)
単細胞生物(40-38)億年前
嫌気性微生物(真正細菌)
メタン菌(古細菌)
原核生物:真正細菌、古細菌
微化石:微生物の化石(34)億年前
38億年前小天体後期重爆撃(39-38)億年前
地磁気の形成(38-27)億年前
27億年前光合成生物の進化(30-25)億年前シアノバクテリア(酸素発生型光合成)
原生代古原生代(25)
中原生代(16)
新原生代(10)
25億年前全球凍結(23)億年前
大酸化イベント(24.5-22)億年前
縞状鉄鉱層の形成(25-19)億年前
共生共進化(寄生→相利、任意→必須)
細胞内共生(ミトコンドリア・葉緑体)
真核生物(21)億年前、グリパニア
7億年前全球凍結(7)億年前
後期酸化イベント(7)億年前
全球凍結下生物痕跡?クリオコナイト
(雪氷微生物由来の有機物を含む粒)
エディアカラ紀6億3500万年前全球凍結(6.35)億年前
後期酸化イベント(6.35)億年前
エディアカラ生物群(無殻軟組織)
胚化石 (真正後生動物?)
多細胞生物(6-5.5)億年前
顕生代古生代カンブリア紀5億3880万年前カンブリア大爆発(硬い組織と眼)三葉虫の出現藻類の出現
オルドビス紀4億8540万年前生物大放散事変(生物多様化促進)
植物の陸上進出(コケ植物)
オウムガイの
全盛期
藻類の繁栄
シルル紀4億4340万年前昆虫の出現(4.8)億年前↑魚類の出現シダ植物の出現
デボン紀4億1920万年前昆虫の陸上進出
動物の陸上進出、有翅昆虫出現
魚類の繁栄
両生類の出現
シダ類森林(リンボク)
裸子植物の出現
石炭紀3億5890万年前軟骨魚類(サメ)の進化
昆虫類の大繁栄時代(巨大化)
爬虫類の出現
両生類の繁栄
木生シダ植物の繁栄
(大森林時代)
ペルム紀2億9890万年前超大陸パンゲアの誕生
単弓類の出現と絶滅
三葉虫の絶滅木生シダ植物の衰退
(種子植物に交代)
中生代三畳紀2億5190万年前最大規模の大量絶滅(PT境界)
哺乳類の祖が出現
爬虫類の繁栄
恐竜の出現
裸子植物の繁栄
ソテツ、イチョウ
針葉樹(南洋杉など)
ジュラ紀2億0130万年前アンモナイトの繁栄、始祖鳥恐竜の繁栄
白亜紀1億4500万年前鳥類の祖(羽毛恐竜)が出現
小惑星の衝突
哺乳類の進化
恐竜の絶滅
被子植物の出現
(虫媒花の進化)
新生代古第三紀6600万年前大型恐鳥類、クジラの祖先
霊長類の出現、飛ぶ鳥の繁栄
哺乳類の繁栄
サンゴ礁
被子植物の繁栄
熱帯雨林
新第三紀2303万年前霊長類の進化(猿類→類人猿)人類の出現メタセコイア(針葉樹)
第四紀258万年前氷河期、土器の発明、農耕牧畜時代
石器時代→青銅器時代→鉄器時代
先史時代→有史時代
大型哺乳類の
繁栄と絶滅
人類の繁栄
ワタスゲ(被子植物)
コケ類(ゼニゴケなど)
地質時代は常に見直されており、特に先カンブリア時代の出来事は年代数値も含め異説があり更新されます
最古の木:デボン紀後期の前裸子植物アーケオプテリス(30m)が河川沿いに生息域を拡大し最古の森林を形成
※年代は国際層序委員会,2023年09月によります(ただし三畳紀の開始年代は2億5190万年前に未満省略)

TOP
化石が教えること
TOP
示準化石:その化石を含む地層が堆積した時代がわかる化石、三葉虫、アンモナイト、貨幣石、コノドント
示相化石:その化石を含む地層が堆積した当時の環境がわかる化石、造礁サンゴ、アサリ、シジミ、タニシ
※体化石:殻・骨格・花粉・胞子など体の全体や一部、生痕化石:生活痕跡、化学化石:生物起源の有機物

TOP
地球の内部構造
TOP
地球の内部構造は花崗岩からなる大陸地殻と玄武岩からなる海洋地殻、マントル、外核、内核
地殻と硬いマントルの最上部をプレート、プレートを動かすマントルの水平対流とプレートの
下降流をコールドプルーム、マントルの上昇流をホットプルームと呼ぶ垂直対流によって循環
コア(外核にある液体の鉄)の対流が地球磁場の形成の原因とするダイナモ説は、未解明である
深さ: 0 60km 660km            2900km          5100km     6400km
   地 上部     下部マントル          外核         内核   
厚さ: 60km600km     2240km           2200km        1300km   
地表:├─────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─────┼─○:地球中心
   0     1000km   2000km    3000km   4000km   5000km   6000km
地殻    6km~60km :海底(厚さ6km)で玄武岩、陸地(厚さ30~60km)で花崗岩
地殻とマントル最上部間:リソスフェア(剛性)、厚さ100kmのプレート
マントル 60km~2900km:カンラン石など珪酸塩鉱物、深部は相転移
上部   60km~660km :アセノスフェア(柔らかくて流動性がある)
下部   660km~2900km:メソスフェア(高剛性)
外核  2900km~5100km:厚さ2200km、4400℃~6100℃、液体の鉄やニッケル
内核  5100km~6400km:厚さ1300km、5000℃~6000℃、固体の鉄やニッケル

TOP
地球のしくみ(概略)
TOP
 岩石組成 酸素・ケイ素・アルミ二ウム・マグネシウム・カルシウム・鉄の6元素98% 
 大気組成 窒素:酸素≒4:1(合計で99%)、その他は少量のアルゴン・二酸化炭素等 
 海水成分 塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等 
 海流   表層海流:偏西風や貿易風が原動力
      深層海流:海水の密度(温度や塩分)の違いが原動力
      海洋大循環:表層海流→深層海流→表層海流→深層海流、と循環している
 プレート 岩盤、地殻と最上部マントル(リソスフェア)、大陸プレート、海洋プレート 
      プレート同士が遠ざかる場所:海嶺(新たな海洋地殻)、地溝帯、火山活動 
      プレート同士が近づく場所 :山脈・海溝(深い海底)、地震、 火山活動 
      プレート同士がすれ違う場所:トランスフォーム断層(横ずれ)、内陸地震 
 断層   正断層(引っ張り、海嶺)、逆断層(押し合い、海溝)、横ずれ断層(水平移動) 
 火山活動 マントル上昇マグマ :海嶺沿いの火山、海底火山
      沈み込み帯マグマ  :海溝沿いの火山
      ホットスポットマグマ:ホットプルームマグマによる火山、火山列ができる
 地震   プレート境界型地震:沈み込み帯、海溝、固着域ゆがみ復元時に地震が発生 
      プレート内地震:活断層が動く(ずれる)ことで発生
      スラブ内地震 :沈み込み後の海洋プレート(スラブ)内部で発生
      地震波    :P波(速い,固体や液体中)、S波(遅い,固体中)
              地殻:固体、マントル:固体、外殻:液体、内核:固体
      マグニチュード:地震の大きさ、1増えると地震のエネルギーが32倍になる 
      震度     :揺れの強さ、10階級(0~4,5弱,5強,6弱,6強,7) 

TOP
原始大気が初期大気に変貌
TOP
誕生したばかりの地球には微惑星や隕石の衝突のエネルギーで地表は溶けたマグマオーシャン
で覆われ、放出されたガスで水素・メタン・アンモニアからなる原始大気が作られた
火星サイズの原始惑星が斜めに衝突して地球マントルと衝突天体の一部が合体してができた
微惑星中の水蒸気や水を含む彗星のような小天体から供給された水蒸気が冷えてができた
岩石蒸気と水蒸気でなる原始大気は、鉱物凝縮雨や水蒸気凝縮熱雨による水溶解成分除去後に
水素・二酸化炭素・一酸化炭素・窒素でなる初期大気に変わる(後に光合成生物が酸素を放出)
 大気圏:下層→対流圏・成層圏・中間圏・熱圏・外気圏←上層、オゾン層は成層圏の中 
        11km  50km  80km  800km 1万km     電離層は熱圏~中間圏 

TOP
全球凍結~大酸化イベント
TOP
全球凍結(スノーボールアース):地球全体が赤道付近も含め完全に氷床や海氷に覆われた状態、脱出は大規模な火山噴火
大規模な火山噴火→二酸化炭素の大量放出→温暖化加速→激しい雨風→陸地岩石中の栄養塩が海へ→光合成生物の大繁殖
大酸化イベント:大繁殖した光合成生物の酸素放出による大気中の酸素濃度の急激な上昇、豊富な酸素がオゾン層を生成
オゾン層は、太陽からの有害な波長の紫外線の多くを吸収し、地上の生態系を保護する役割を果たしている

      ┌→停滞→二酸化炭素の供給減少→寒冷化→化学反応速度低下→全球凍結
 火山活動─┤
      └→活発→二酸化炭素の供給増加→温暖化→化学反応速度増大→大酸化イベント

          ┌─────────炭素循環←──────────┐
          ↓                        │
    ┌─二酸化炭素の消費─┐  ┌─化学風化作用─┐    二酸化炭素の供給
    ↓          ↓  ↓        ↓       ↑
  「光合成→有機物の堆積、雨水→炭酸+地表岩石→炭酸塩鉱物」→大規模な火山噴火
    │↑                     │       ↑
    │└──────光合成生物の大繁殖←─────┘      全球凍結
    ↓                              ↑
 酸素濃度の上昇       火山活動停滞・二酸化炭素の供給減少→寒冷化の暴走
    ↓
 縞状鉄鉱層の形成(海中)→赤色砂岩を形成(地表)→大気中へ放出(成層圏)→オゾン層を生成

TOP
生命の誕生と進化
TOP
40億年前     27億年前      21億年前       12億年前
生命の誕生───→藍藻類の出現───→真核生物の誕生───→真核生物のビッグバン
真正細菌     酸素をつくる光合成 ミトコンドリアの出現 葉緑体の出現
※酸素を放出する光合成生物であるシアノバクテリアは、原核生物の一種、真正細菌である
※真核生物は古細菌に真正細菌が細胞内共生して誕生したと考えられている(古細菌が宿主)
※20億年前プロテオバクテリアが出現し真核細胞内に共生してミトコンドリアへと進化した
※真核生物のビッグバン:爆発的に進化・多様化、多数の分類群に急激に分化

TOP
細胞内共生(原核生物から真核生物へ)
TOP
嫌気性原核生物(A) 酸素呼吸する
ミトコンドリア
好気性原核生物(B)
べん毛を持つ
原核生物(C)
光合成する
シアノバクテリア
原核生物(D)
原核生物(A)
真核生物(A+B)
(A+B+C)
ミドリムシ(A+B+C+D)

TOP
シアノバクテリア
TOP
シアノバクテリアの祖先は30~25億年前に地球上に出現し、初めて酸素発生型光合成を始めました
光合成では水を電子供与体とすることができるため、
水と光があればエネルギーが得られることとなり、当時の地球上で大繁殖したようです
(水分子から電子を奪い、その副産物として酸素ができます) ←↑:大酸化イベント
葉緑体の起源はシアノバクテリアミトコンドリアの起源はプロテオバクテリア(好気性細菌)
という原核生物で、それぞれ独自のDNAを持ち、分裂して増えていた生き物です
植物細胞の中には、光合成によって、光エネルギーから有機物を合成する葉緑体と、
呼吸によって、有機物が蓄えた化学エネルギーをATPとして取り出すミトコンドリアが存在します
光合成の電子伝達系により、光エネルギーをATPやNADPHといった化学エネルギーに変換します
次いで、葉緑体で、その化学エネルギーをもとに二酸化炭素を固定し、有機化合物を合成します
ミトコンドリアで行われている呼吸では、酸素を用いて、有機物を二酸化炭素と水に分解します
その過程で、生命活動に必要なエネルギーをATPとして取り出しています
植物の還元反応:太陽光線→水から水素を奪う+二酸化炭素→酸素+炭水化物  葉緑体の機能
動物の酸化反応:炭水化物+水素を奪う酸素を吸う→二酸化炭素+水  ミトコンドリアの機能
還元:左→右 6H2O+6CO2⇔6O2+C6126 酸化:左←右

TOP
細胞内共生説の時系列
TOP
・細胞内共生説とは、真核生物が原核生物と共生することによって、
 細胞小器官を持った細胞を形成したという仮説です
・植物細胞は、ミトコンドリア葉緑体という細胞小器官を持っています
 実は、この2器官はそれぞれ独立して生きていたバクテリアで、
 葉緑体は光合成するシアノバクテリアミトコンドリアは呼吸をする
 プロテオバクテリアとして存在していました
・約20億年前に、ある真核生物がプロテオバクテリアを取り込みました
 真核生物の細胞の中で、プロテオバクテリアミトコンドリアへと変化し、
 菌類や動物へと進化しました
・一方、約10億年前にプロテオバクテリアを取り込んだ細胞が、シアノ
 バクテリア
を取り込み、シアノバクテリア葉緑体へと変化して、
 藻類や植物へと進化を遂げました
・共生する相手を取り込んだ生物を宿主(しゅくしゅ)と呼びます
 共生生物は宿主からは好適な生育環境を得ていると考えられている
・細胞内共生とは、宿主の生物が異なる種の原核生物を取り込んで共生し、
 細胞小器官を持った細胞を形成したことなのです
 真核生物は古細菌に真正細菌が細胞内共生して誕生したと考えられている
 宿主の増殖に合わせて共生細胞の増殖は宿主にコントロールされています
 宿主と葉緑体ミトコンドリアは切り離せない関係(絶対共生)になった
葉緑体ミトコンドリアがエネルギー変換の際に活性酸素を放出するので、
 原核生物が宿主と共生して細胞小器官へと進化する以前に、宿主にとって
 猛毒の活性酸素から遺伝子を守るために核膜をもつようになった

TOP
全球凍結と生物の大型化
TOP
40億年前  23億年前  21億年前  7億年前   6億年前
原核生物─→全球凍結─→真核生物─→全球凍結─→多細胞生物
1~10μm        5~100μm   2億年前:シアワセモが現存最小
単細胞のみ      単細胞:1mm以下    多細胞:20μm~30μm

TOP
多細胞生物の出現
TOP
単細胞生物は、酸素を利用してコラーゲンを生成し、細胞同士を結合させて多細胞生物に進化
単細胞生物が進化して定数群体をなし、細胞が分化して、内外組織や器官を形成するに至った
単細胞生物(植物性・中間的・動物性)→多細胞生物(植物・菌類・動物)→エディアカラ生物群

TOP
エディアカラ生物群
TOP
ディッキンソニア、ネミアナ、チャルニア、キンベレラ、スプリッギナ、シクロメデューサ
トゥリプラキディウム、フィロゾーン、スワートブンティア、エルニエッタ、ヨルギア

TOP
カンブリア紀の生命大爆発
TOP
カンブリア大爆発とは、一気に一万種類の水生動物が出現した化石記録(パージェス頁岩動物
群化石やチェンジャン動物群化石)の爆発的多様化であり、進化的な爆発は3億年前からで、
要因は捕食関係が生まれ、淘汰圧による生存競争の勝利と言う
   遺伝子の爆発的多様化(進化的な爆発)     化石記録の爆発的多様化
  ─┼───────┼──────┼───────┼─────┼────
   3億年前                   カンブリア紀第3期  
カンブリア紀の最初の覇者はアノマロカリスや三葉虫など硬い殻と複眼を持つ節足動物である
カンブリア紀:アノマロカリス、アイシュアイア、ウィクシア、ピカイア、マルレラ
       チャンセロリア、ワプティア、レアンコイリア、フクシアンフィア
       エルドニア、イソキシス、オパビニア、ハルキゲニア、三葉虫

TOP
オルドビス紀の生物大放散事変
TOP
オルドビス紀:三葉虫、オウムガイ、ウミサソリ、筆石、ウミユリ、床板サンゴ
シルル紀  :ウミサソリ
デボン紀  :トビムシ、ウミサソリ、アンモナイト(ペルム紀に絶滅後ジュラ紀に再繁栄)
石炭紀   :メガネウラ、アースロプレウラ

TOP
脊椎動物の出現
TOP
カンブリア紀に脊椎を獲得したピカイア・コノドント→顎口類→硬骨魚類→肉鰭類→両生類
絶滅魚類:板皮類(ダンクルオステウス)、棘魚類(顎をもつ最初の脊椎動物、ヒレは硬い棘)

    ┌無顎類(円口類)─ヤツメウナギ、ヌタウナギ──┐
    │                       │
脊椎動物┤   ┌軟骨魚類─サメ、エイ         │
    │   │                   │
    └顎口類┤    ┌条鰭類─コイ、タイ     │魚類:四足類を除く左記全て
        │    │              │
        └硬骨魚類┤   ┌シーラカンス類   │
             │   │          │
             └肉鰭類┼肺魚類─ハイギョ──┘
                 │
                 └四足類┬両生類
                     │
                     └羊膜類─爬虫類、鳥類、ほ乳類
TOP

生物の陸上進出

TOP
生物陸上進出
植物の陸上進出クックソニアは胞子嚢により空気中でも繁殖可能とし、乾燥対策にクチクラ層という膜で表面を覆う
コケ類などの陸上進出後は、植物は根・茎・葉の通道組織の役目の維管束を発達させ、巨木となった
昆虫の陸上進出体の小さい昆虫は世代交代が短期間なので進化が速く、加えて泳ぐためのエラを空を飛ぶ翅に変えた
昆虫は少ない食物を有効活用でき、食べ物を変えることで同じ環境で複数の種が暮らせる利点がある
動物の陸上進出両生類が、肺・腎臓・骨と筋肉をもつ足・卵を乾燥から守る羊膜を獲得して水中から陸上に進出した
鳥類の祖の恐竜は低酸素でも効率的な呼吸ができる気嚢を獲得して肺呼吸と違う呼吸システムに進化
最も古い陸上植物の化石は古生代オルドビス紀前期(約4億7000万年前)のゼニゴケの仲間の胞子と胞子の入った袋で
植物体全体の姿はわかりません
陸上植物の全体の姿が残された最も古い化石が、古生代シルル紀中期(約4億2500万年前)のクックソニアです
これはリニア植物の一種で、根も葉も無く、先端に胞子の入った袋を持ち、水の通る管を持っていました
リニア植物は、古生代デボン紀にかけて繁茂しましたが、絶滅しました
地球の歴史上最初の陸生動物は節足動物門のウミサソリ類だったと考えられている(両生類と同時期かそれよりも早く)

TOP
哺乳類の祖先の誕生
TOP
PT境界大量絶滅を生き延びた単弓類の一類が哺乳形類に進化した
哺乳類の祖は、以下の真の哺乳類の特徴のいくつかを備えていた
内温性、鼻孔と口腔を隔てる骨、横隔膜、下顎の骨、耳小骨3つ

TOP
単弓類とワニの先祖
TOP
三畳紀は、単弓類、クルロタルス類(双弓類)、恐竜が生存競争を繰り広げる
PT境界大量絶滅を生き残った単弓類リストロサウルスも後に恐竜に代られる
TJ境界大量絶滅では多くのクルロタルス類は絶滅するが、ワニ形類は生き延
びてジュラ紀に台頭した恐竜と生存競争、単弓類のキノドン類は小型化
クルロタルス類の代表格はサウロスクス、ワニ形類の代表格はプロトスクス

TOP
両生類の進化と恐竜の出現
TOP
硬いヒレをもつ肉鰭類→両生類→羊膜類(羊膜と卵殻をもつ四肢動物)→単弓類(爬虫類とは別物)→獣弓類→哺乳形類
両生類は古生代石炭紀に哺乳類の祖先である単弓類と恐竜の祖先である爬虫類に分かれ、恐竜は一部が残って鳥類に進化
TJ境界大量絶滅を生き延びた恐竜形類:小型で直立歩行する爬虫類のトカゲで、俊敏性と内温性を備える優れた体の構造

  両生類──羊膜類─┬─単弓類─┬─盤竜類:ディメトロドン
イクチオステガ    │     │
           │     └─獣弓類:エステメノスクス,キノドン類:哺乳型類(哺乳類の祖先)
           │
           │           ┌─無弓類:側頭窓がない(単弓類の側頭窓は哺乳類の耳の穴の起源)
           │           │
           └─竜弓類───爬虫類─┴─双弓類:恐竜・ワニ・トカゲの祖先
                             恐竜:三畳紀に出現、白亜紀に鳥類以外絶滅

TOP
恐竜等の系統図
TOP
                     ┌─獣脚類  ティラノサウルス  肉食  羽毛を持つものが多い
                     │      ヴェロキラプトル  肉食 
                     │      デイノニクス    肉食 
                     │                   
               ┌─竜盤類─┴─竜脚形類 アンペロサウルス  植物食
               │            ブラキオサウルス  植物食
               │            ブラテオサウルス  植物食
               │            ディプロドクス   植物食
               │                         
         ┌─恐竜類─┤     ┌─装盾類  アンキロサウルス  植物食 鎧竜類
         │     │     │      エウオプロケファルス植物食 鎧竜類
         │     │     │      ケントロサウルス  植物食 剣竜類
         │     │     │                   
         │     └─鳥盤類─┼─周飾頭類 トリケラトプス   植物食 角竜類
双弓類──主竜類─┤           │      ハキケフォラサウルス植物食 堅頭竜類
     恐竜様類│           │                   
     恐竜形類│           └─鳥脚類  パラサウロロフス  植物食
         │                  コリトサウルス   植物食
         │
         └─────────────翼竜類  プテラノドン    魚食
                            ランフォリンクス  魚食

     その他───────────────首長竜  プレシオサウルス  魚食

                       魚竜   ステノプテリギウス 肉食

     恐竜絶滅直後の生き残り       恐鳥類  ガストルニス    肉食

    ※恐竜は現在の鳥類の祖先にあたる獣脚類の一部の系統を残して、白亜紀末に絶滅した

TOP

グランドキャニオン層序

TOP
地層年代出来事
 表土現在
1カイバブ石灰岩層2億6千万年前恐竜はこの地層で繁栄と絶滅
2トロウィープ層2億6千2百万年前
3ココニノ砂岩2億6千5百万年前グランドキャニオンが陸地になる
4ハーミット泥板岩2億7千万年前
5スーパイ・グループ2億7千5百万年前
6レッドウォール石灰岩3億4千万年前爬虫類の出現
7テンプル・ビュート石灰岩3億7千万年前脊椎動物の上陸・両生類の出現
8ムアヴ石灰岩5億年前植物の上陸
9ブライトエンジェル泥板岩5億1千万年前
10テーピーツ砂岩5億2千万年前カンブリア生命大爆発
11グランドキャニオンスーパーグループ(4層)7億4千万年前全球凍結
12ヴィシュヌ基盤岩(花崗岩変成岩帯)16億8千万年前激しい火山活動と巨大大陸の形成
 コロラド川コロラド川が浸食中
消えた10億年分の地層(11~12):全球凍結融解時に巨大な氷河が大地を削り10億年分の地層が消失

TOP
哺乳類の進化
TOP
恐竜絶滅後の地球上で哺乳類の進化が始まりました(授乳は哺乳類の特徴の一つで名前の由来です)
新生代の期間は中生代の白亜紀より短いのですが、哺乳類はその短期間のうちに進化・多様化します
このため、生存競争も激しく、進化と同時に絶滅種も出てきます
デスモスチルスは新生代中新世に生息していた大型の哺乳類ですが、その後絶滅してしまいます

    ┌─単孔類:カモノハシ、ハリモグラ
    │
哺乳類─┤ ┌─有袋類:オポッサム、カンガルー
    │ │
    └─┤      ┌─アフリカ獣類:アフリカ食虫類、近蹄類
      │      │
      └─有胎盤類─┼─異節類:ナマケモノ、アリクイ、アルマジロ
             │
             └─北方真獣類:サル(霊長類)、ネズミ、ウサギ、コウモリ、ウマ、
                     サイ、バク、ラクダ、ウシ、クジラ、ネコ

TOP
霊長類の進化
TOP
猿類→類人猿→人類
      霊長類─┬→オモミス類─→直鼻猿類─┬→真猿類──┬→狭鼻猿類⇒
          │             │      │
          └→アダピス類─→曲鼻猿類 └→メガネザル└→広鼻猿類 
     ┼─────┼──────┼──────┼──────┼────→
      7500    6550     6300     5800     4000 万年前

  ⇒┬→ヒト上科─┬→ヒト科──┬→ヒト亜科──┬→ヒト族─┬→ヒト亜族─→ヒト属
   │      │      │       │     │
   └→オナガザル└→テナガザル└→オランウータン└→ゴリラ └→チンパンジー       
 ───┼──────┼──────┼───────┼─────┼─────┼────
     2500     1800     1200      700     600     240万年前
広鼻猿類:新世界ザル、オナガザル:旧世界ザル、ヒト上科/ヒト科:類人猿、ヒト亜族/ヒト属:人類

TOP
四足歩行から二足歩行へ
TOP
二足歩行:恐竜類、鳥類(翼に変わった前肢→二足歩行)、霊長類以外の哺乳類ではカンガルーのみ
霊長類の二足歩行:樹上生活の進化→地上生活→類人猿:普段は四足歩行(ナックル・ウォーキング)
ヒト科:類人猿、初期猿人→猿人→原人→旧人→新人(現生人類)、安定した直立二足歩行は猿人から
二足歩行の最大の欠点は走るのが遅いこと、直立二足歩行にはメリットがあるが、デメリットもある
人類の出現:700万年前、サヘラントロプス=チャデンシス「トゥーマイ=生命の希望」猿人

TOP
人類の進化(440~30万年前)
TOP
アルディピテクス・ラミダス      ラミダス猿人   直立二足歩行
  ↓
アウストラロピテクス・アファレンシス アファール猿人  ルーシー、現生人類の祖先
  ↓
ホモ・ハピリス            能力ある人(原人) 旧石器時代
  ↓
ホモ・エレクトゥス          直立する人(原人) ジャワ原人・北京原人
  ↓
ホモ・ハイデルベルゲンシス      ハイデルベルクの人(旧人) ネアンデルタール人と現生人類の祖先
  ↓
ホモ・サピエンス           賢い人(新人)   クロマニヨン人、現生人類

上記の他に、オロリン属1種、アルディピテクス属1種、ケニアントロプス属1種、
アウストラロピテクス属4種、パラントロプス属3種、ホモ属3種、などがある


TOP

先史時代の歩み

TOP
地質時代考古年代道具・生活・住居・習俗人類・社会・文明
中新世
鮮新世
先史時代700万年前直立二足歩行
初期の打製石器、礫石器の使用
狩猟・採集・漁労(獲得経済)、群社会
猿人トゥーマイ猿人
ラミダス猿人
アファール猿人
更新世260万年前
~30万年前
前期
旧石器時代
火の使用
石核石器の発達(握斧・尖頭器)
言語の使用、洞穴住居
原人ホモ・ハピリス
ホモ・エレクトゥス
ジャワ原人、北京原人
30万年前
~3万年前
中期
旧石器時代
剥片石器の発達
死者の埋葬始まる、衣服の着用(獣皮)
旧人ハイデルベルク人
ネアンデルタール人
3万年前
~1万年前
後期
旧石器時代
骨角器の製作(槍・銛・釣針・針)
ランプの使用
装身具の使用(石・貝・牙・角)
洞穴絵画(アルタミラ・ラスコー)
女性裸像、呪術的行為の発生
屈葬・副葬品
新人クロマニヨン人
グリマルディ人
周口店上洞人、浜北人

ホモ・サピエンス
完新世1万年前中石器時代細石器の製作(鏃・銛・釣針)
漁労技術の進歩(釣針・網)
弓矢の使用、そり・車の発明、岩絵
動植物の家畜化
9000年前新石器時代農耕・牧畜(生産経済)
磨製石器の製作(石斧・石鎌・石包丁)
土器の普及(彩文土器)
織物の始まり(羊毛・麻)
地母神像、竪穴式住居(定住)
祭祀を中心に集落を形成
氏族・部族社会
原史時代4000年前青銅器時代文字が発明され文字記録が始まる
都市国家の成立
エジプト文明(象形文字)
メソポタミア文明(楔形文字)
インダス文明(インダス文字)
黄河・長江文明(甲骨文字)
歴史時代3000年前鉄器時代青銅器の製作
巨石建造物(ストーンヘンジなど)
  ※旧石器時代の年代区分は種々異論があり、明確でない

TOP
超大陸パンゲアの分裂
TOP
25億年前:ケノリア超大陸(地層が少なく検証が難しい)
19億年前:ヌーナ超大陸→誕生直後から分裂始める
18億年前:コロンビア超大陸→15億年前に分裂
15億年前:パノティア超大陸→10億年前に分裂
10億年前:ロディニア超大陸→6億年前にゴンドワナ大陸・ローレンシア大陸などに分裂
3億年前:パンゲア超大陸の誕生(パンゲア:全ての陸地、パンサラッサ:全ての海という意味)

約1億7500万年前、超大陸パンゲアは北がローラシア大陸に南がゴンドワナ大陸に分裂、ローラシア
大陸は西が北米大陸に東がユーラシア大陸に分裂して北大西洋が誕生、1億2000万年前、ゴンドワナ
大陸から、南極大陸とオーストラリア大陸が分かれて南に移動、ゴンドワナ大陸は、南米大陸の東海
岸とアフリカ大陸の西海岸が裂けて南大西洋になり、9000万年前、インド大陸は、アフリカ大陸から
分かれて北上、5500万年前にユーラシア大陸と衝突したため、ユーラシア大陸側が大規模に隆起して
ヒマラヤ山脈が誕生した
                      ┌─西→北米大陸
         ┌─北→ローラシア大陸──┤
         |            └─東→ユーラシア大陸←───衝突←──┐
         |                                ↑
超大陸パンゲア──┤                 ┌─西→南米大陸       北上
    の分裂  |            ┌─北──┤              ↑
         |            |    └─東→アフリカ大陸、インド大陸
         └─南→ゴンドワナ大陸──┤
                      |                    
                      └─南→南極大陸、オーストラリア大陸   
                       
暁新世:アフリカと南アメリカが分離、アフリカからインドが離れた
始新世:南アメリカから南極とオーストラリアが分裂
漸新世直前:ロッキー山脈、アンデス山脈が形成された
アフリカ大陸もユーラシア大陸西側の欧州大陸と衝突して、アルプス山脈が形成された

TOP
新生代の温暖化と寒冷化
TOP
新生代初期の温暖化:暁新世から始新世にかけて1~2万年の短期間
新生代の寒冷化  :始新世/漸新世境界と中新世後期の寒冷化
          第四紀は10万年周期の氷期・間氷期繰り返し
          最終氷期は1500年周期の急激な温暖化が繰り返される
TOP

地球環境の変動

TOP
予想変動予想被害
太陽フレアの増加による磁気嵐通信障害や広域停電
地磁気の減少による宇宙線の増加雲による(日傘効果)で寒冷化
隕石衝突被害衝撃波による人的・物的被害
巨大地震震災、火災、津波
火山の巨大噴火溶岩流、火山の冬
温暖化による自然災害の増加熱波、干ばつ、暴風雨、高潮、洪水
TOP

地球温暖化の影響

TOP
環境変動社会的リスク
湿潤地域の降水量の増加 食料や水資源の確保の問題、
人々の強制移転の増加、
経済成長の減速、
貧困の増加、
内戦や民族紛争
乾燥地域の乾燥化
海面水位上昇、海洋酸性化
海氷・氷床の減少、永久凍土の減少
極端な気象現象の頻度の増加
生物種の絶滅、生態系の遷移
世界平均気温の上昇幅
厳しい二酸化炭素排出緩和 → 0.3~1.7度
排出抑制の追加的努力なし → 2.6~4.8度
TOP

大量絶滅

TOP
地質時代境界年代事件原因代表的な絶滅種
オルドビス紀|シルル紀4億4340万±150万年前OS境界大量絶滅
  デボン紀|石炭紀 3億5890万±40万年前FF境界大量絶滅海洋無酸素イベント
  ペルム紀|三畳紀 2億5217万±6万年前PT境界大量絶滅海洋無酸素イベント三葉虫
   三畳紀|ジュラ紀2億130万±2万年前TJ境界大量絶滅火山活動活発化
   白亜紀|古第三紀6550万年前KPg境界大量絶滅小惑星の衝突アンモナイト,恐竜
絶滅の原因?:コールドプルームの落下→スーパープルームの上昇→大規模火成活動→温暖化と海洋無酸素イベント
海洋無酸素イベント:沈殿有機物が海水溶存酸素と反応して二酸化炭素を放出、超温暖化により陸上及び海洋生物が死滅
上記5回の大量絶滅の前後に2回と、上記前部4回の各中間に3回の、計5回若干規模の小さい絶滅があったとされるが
小天体の重爆撃・大酸化イベント・全球凍結・超大陸の形成と分裂時のスーパープルームでも大量絶滅があったとされる
TOP

地質時代のまとめ

TOP
地質時代開始年代出来事動物界植物界
先カンブリア時代冥王代45.67億年前地球の誕生、小天体の重爆撃、月の誕生
原始大気と原始海洋の出現
有機化合物の合成
始原生物(共通祖先)の出現
太古代40.31億年前陸地の出現、小天体後期重爆撃
地磁気の形成、光合成生物の進化
原核生物:真正細菌、古細菌
シアノバクテリア(酸素発生型光合成)
原生代25億年前全球凍結、大酸化イベント
縞状鉄鉱層の形成、エディアカラ生物群
真核生物、グリパニア
多細胞生物の出現
顕生代古生代5億3880万年前カンブリア大爆発、生物大放散事変
生物(植物→昆虫→動物)の陸上進出
三葉虫の出現
魚類、両生類
シダ類森林
裸子植物の出現
中生代2億5190万2000年前アンモナイトの繁栄、始祖鳥
恐竜の繁栄小惑星の衝突恐竜の絶滅
爬虫類の繁栄
哺乳類の祖が出現
被子植物の出現
(虫媒花の進化)
新生代6600万年前霊長類の進化(猿類→類人猿)
人類の出現
飛ぶ鳥の繁栄
哺乳類の繁栄
被子植物の繁栄
TOP

新生代の出来事

TOP
地質時代開始年代出来事
新生代古第三紀暁新世6600万年前大型恐鳥類
始新世5600万年前小型哺乳類
漸新世3390万年前哺乳類の多様化
新第三紀中新世2303万年前アルプス山脈形成
鮮新世533万3000年前原始人類
第四紀更新世258万年前石器時代
完新世1万1700年前農耕牧畜時代
TOP

先史時代の石器

TOP
地質時代考古年代石器/文明
中新世
鮮新世
先史時代700万年前打製石器
礫石器
更新世260万年前
~30万年前
前期旧石器時代石核石器
30万年前
~3万年前
中期旧石器時代剥片石器
3万年前
~1万年前
後期旧石器時代骨角器
完新世1万年前中石器時代細石器
9000年前新石器時代磨製石器
原史時代4000年前青銅器時代文字の発明
四大文明
歴史時代3000年前鉄器時代

次へ前へTOP 6.地球史年表 地球史年表(相似的) 、地球史年表(等間隔)

                   TOP
地球史年表(相似的)
TOP
←────────────────────宇宙の歴史────────────────────→ 
                               ←─────地質時代─────→ 
宇暗星                           原←─先カンブリア時代──→顕生代 
宙黒の                           始冥太     原     古中新 
創時誕                           太王古     生     生生生 
成代生  銀河の形成             宇宙の加速膨張 陽代代     代     代代代 
┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─
00 06 12 18 24 30 36 42 48 54 60 66 72 78 84 90 96 102 108 114 120 126 132 138 億年後
138 132 126 120 114 108 102 96 90 84 78 72 66 60 54 48 42 36 30 24 18 12 6  0  億年前

  ←────────────────先カンブリア時代───────────────→←顕生代→
  45.67億年前 40.31億年前          25億年前                5.4 2.50.7億年前
    冥王代        太古代               原生代         古
  億年 5.36         15                 19.59         2.8691.90.7億年
 ┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─-
 46 44 42 40 38 36 34 32 30 28 26 24 22 20 18 16 14 12 10 8  6  4  2  0 億年前
  ←──────────────────-太古代──────────────────→
  40.31億年前      36億年前       32億年前       28億年前          
      原太古代    |   古太古代    |   中太古代    |  新太古代  
  億年    4           4           4         3  億年
 ┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼
 40.5  39.0  37.5  36   34.5  33.0  31.5  30.0  28.5  27.0  25.5  24.0億年前
  ←────────────────────────原生代────────────────────────→
  25億年前                    16億年前             10億年前         
            古原生代          |      中原生代      |    新原生代    
  億年          9                    6             4.59   億年
 ┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼
 25.0  23.5  22.0  20.5  19.0  17.5  16.0  14.5  13.0  11.5  10.0  8.5   7.0 5.5億年前
  ←────────────────────-古生代-────────────────────→
  5.3880億年前   4.8540億年前 4.43億年前4.1920億年前   3.5890億年前    2.9890億年前  
    カンブリア紀 | オルドビス紀|シルル紀|   デボン紀   |    石炭紀   | ペルム紀 
  万年  5340      4200    2420     6030         6000      4700万年
 ┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼
 5400  5150  4900  4650  4400  4150  3900  3650  3400  3150  2900  2650  2400億年前
  ←────────────────────-中生代─────────────────────→
  2.51902億年前      2.0130億年前          1.4500億年前             
       三畳紀     |      ジュラ紀      |        白亜紀        
  万年   5060.2           5640                7900      万年
 ┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼
 25000  23500  22000  20500  19000  17500  16000  14500  13000  11500  10000  8500  6000万年前
  ←──────-新生代-──────→
  6600万年前      2303万年前 258万年前
      古第三紀    | 新第三紀 | ←第四紀
  万年   4297       2045  258万年
 ┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼
 6600 5500 4400 3300 2200 1100 0万年前
  ←────────-古第三紀─────────→|←───新第三紀───→|第四紀 |
  6600万年前  5600万年前     3390万年前  2303万年前        533万3000年前
    暁新世  |   始新世   |  漸新世  |     中新世     |  | |←鮮新世|更新世|完新世
  万年1000       2210      1087        1769.7     275.3  
 ┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼
 6600   5900   5200   3500   2800   2100   1400   700    0万年前
                           鮮新世533万3000年前 275万3000年
                           更新世  258万年前 256万8300年
                           完新世 1万1700年前  1万1700年

               TOP
地球史円グラフ(年数割合)
TOP
                      新生代1%

先カンブリア時代:41億2820万年(88%)               カンブリア紀:5340万年─┐
顕生代     :5億3880万年(12%)             オルドビス紀:4200万年 │
                      冥王代     シルル紀  :2420万年 古生代2億8690万年
古第三紀 暁新世:1000万年          13%      デボン紀  :6030万年 │
     始新世:2210万年         6%4%        石炭紀   :6000万年 │
     漸新世:1087万年                   ペルム紀  :4700万年─┘
                   原生代   太古代    三畳紀   :5060万年─┐
新第三紀 中新世:1769万7000年     42%     34%     ジュラ紀  :5630万年 中生代1億8590万年
     鮮新世: 275万3000年                 白亜紀   :7900万年─┘
                                古第三紀  :4297万年─┐
第四紀  更新世: 256万8300年                 新第三紀  :2045万年 新生代 6600万年
     完新世:  1万1700年                 第四紀   : 258万年─┘

                TOP
地球史時計(時:分:秒)
TOP
               TOP
地球史カレンダー(平年月日)
TOP
 開始時刻 開始月日 開始年代     地質時代     出来事     年数        
 00:00:00  1月 1日 45億6700万年前  冥王代  地球誕生 月誕生 5億3600万年   ↑  
 03:07:50  2月18日 40億3100万年前  太古代  生命誕生     15億年     先カンブリア時代
 10:57:23  6月16日 25億年前     原生代  光合成生物の進化 19億5900万年 ____↓____
 21:10:39 11月18日 5億3880万年前  古生代  カンブリア大爆発 2億7690万年   ↑  
 22:41:09 12月12日 2億5190万年前  中生代  恐竜の時代    1億8590万年  顕生代 
 23:39:20 12月27日 6600万年前    新生代  霊長類の出現     6600万年 ____↓____
 23:59:04 12月31日 30万年前    (現生人類) ホモサピエンス出現       新生代中    
 23:59:59 12月31日 6000年前    (有史時代) 文字の発明           新生代中    
 年数→時間数:(億年数÷46)×24時間と余りを分秒計算
 開始年代→開始時刻=((46-億年前)/46)×24と余り分秒計算、または、時間数→時間数累計(時分秒)
 年数→日数:(億年数÷46)×365日
 開始年代→開始月日=日数→通日(日数累計+1)から月日変換
※年代は国際層序委員会,2023年09月によります
                     TOP
地球史年表(等間隔)
TOP
←─────────-先カンブリア時代─────────→←───────────-顕生代-───────────→
冥王代太古代原生代古生代中生代新生代
45億6700万年前40.31255.38802.519020.6600

←──────────────先カンブリア時代──────────────→
冥王代太古代原生代
原太古代古太古代中太古代新太古代古原生代中原生代新原生代
45.6740.31363228251610

←─────────────────────────-顕生代─────────────────────────→
古生代中生代新生代
カンブリア紀オルドビス紀シルル紀デボン紀石炭紀ペルム紀三畳紀ジュラ紀白亜紀古第三紀新第三紀第四紀
5.38804.85404.43004.19203.58902.98902.519022.01301.45000.66000.23030.0258

←─────────────-新生代──────────────→
古第三紀新第三紀第四紀
暁新世始新世漸新世中新世鮮新世更新世完新世
0.66000.56000.33900.23030.053330.02580.000117
地球史年表(等間隔)

次へ前へTOP 7.生物系統図  地球生物系統図(□枠) 、系統図(階層)

TOP

地球生物系統図

TOP
全生物の共通祖先(コモノート)

                ┌───非核酸複製生物(絶滅)              
                │                            
 化学進化…プロテノイドミセル─┤            ┌─低温菌(絶滅)       
 (有機物)  アミノ酸の   │            │               
        熱重合体の   │            ├─常温菌(絶滅)       
        分子集合体   │            │               
       (生命の起源)  │ ┌─DNAゲノム生物─┤      ┌───真正細菌(バクテリア)
                │ │          │      │        
                │ │          ├─超好熱菌─┴─┬─古細菌 (アーキア) 
                │ │          │(共通祖先)  │
                └─┤          │        └─真核生物(ユーカリア)
                  │          │               
                  │          └─好熱菌(絶滅)       
                  │                          
                  └─RNAゲノム生物(絶滅)             

 プロテノイド・ミクロスフェア … プロテノイド:蛋白質類似体、
                  ミクロスフェア:ミクロンサイズの球状粒子、
                  ミセル:分子集合体
 LUCA「Last Universal Common Ancestor」(最終普遍共通祖先)は、
 その起源を約40億年前にまでさかのぼることのできる単細胞生物である

3ドメイン説

      ┌───真正細菌(原核生物)         
      │                      
 起源生物─┴─┬─古細菌 (原核生物)         
共通祖先)  │       
        └─真核生物──原生生物、植物、菌類、動物

 ※ドメイン:界より上位の階級、古細菌の幹からの分岐は、最初が真正細菌で次が真核生物という説が主流

五界説

      ┌───────原核生物 … 核膜がなく、核酸が細胞質に直接露出している             
      │                                                
 起源生物─┤     ┌─原生生物 … 真核生物のうち、菌界にも植物界にも動物界にも属さない生物の総称   
共通祖先)│     │                                          
      └真核生物─┼─植物   … 細胞壁を有し、独立栄養で光合成を行うことができる生物をいう     
            │                                          
            ├─菌類   … 細胞壁をもつが、専ら動植物に寄生し、生活の全てを宿主に依存している 
            │                                          
            └─動物   … 細胞壁をもたず、従属栄養で栄養源は植物に依存している        

      ※真核生物:真核とよばれる核膜で囲まれた明確な細胞核をもっている生物の総称            

TOP
地球生物系統図(五界説)
TOP
原核生物、原生生物、植物、菌類、動物
系統図(□枠)
┌──────────────────────────────────────────────────────┐
│                          起源生物                         │
│ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ │
│ ┃                        原核生物                       ┃ │
│ ┃         ┌─────────────────┐┌────────────┐        ┃ │
│ ┃         │   真正細菌(バクテリア)   ││  古細菌(アーキア) │        ┃ │
│ ┃         │シアノバクテリア(藍藻、藍色細菌)││メタン生成菌、超好熱菌 │        ┃ │
│ ┃         │紅色硫黄細菌、亜硫酸菌、枯草菌  ││高度酸性菌、高度好塩菌 │        ┃ │
│ ┃         │大腸菌、乳酸菌、放線菌      │└────────────┘        ┃ │
│ ┃         └─────────────────┘  原核生物:核膜がない          ┃ │
│ ┃                単細胞生物         真核生物:核膜がある          ┃ │
│ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ │
│┌────────────────────────────────────────────────────┐│
││                         真核生物                        ││
││┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓││
││┃                        原生生物                       ┃││
││┃┌────────────────────────────────────────────────┐┃││
││┃│                       植物性                      │┃││
││┃│           ┌─────────────────────────┐           │┃││
││┃│           │            藻類           │           │┃││
││┃│           │┌────────┐┌────┐┌───────┐│           │┃││
││┃│           ││   緑藻類  ││紅藻類 ││  褐藻類  ││           │┃││
││┃│           ││アオノリ、アオサ││テングサ││コンブ、ワカメ││           │┃││
││┃│           │└────────┘└────┘└───────┘│           │┃││
││┃│           └─────────────────────────┘           │┃││
││┃│┌──────┐┌──────┐┌──────┐┌────┐┌───────┐┌───────┐│┃││
││┃││ミドリムシ類││ 渦鞭毛藻類 ││  珪藻類  ││ 卵菌類 ││ 変形菌類  ││ 細胞性粘菌類 ││┃││
││┃││ミドリムシ ││ ツノモ  ││ハネケイソウ││ミズカビ││ムラサキホコリ││タマホコリカビ││┃││
││┃│└──────┘│ヤコウチュウ│└──────┘└────┘└───────┘└───────┘│┃││
││┃│ ↑      └──────┘               ↑                │┃││
││┃│ │                             └真正粘菌            │┃││
││┃│ └鞭毛運動をする動物的性質を持ちながら、同時に植物として葉緑体を持ち光合成を行う「単細胞生物」│┃││
││┃│                                                │┃││
││┃│            クロロフィルa+b:ミドリムシ類、緑藻類、植物             │┃││
││┃│            クロロフィルa  :紅藻類                       │┃││
││┃│            クロロフィルa+c:渦鞭毛藻類、珪藻類、褐藻類             │┃││
││┃└────────────────────────────────────────────────┘┃││
││┃         ┌───────────────────────────────┐        ┃││
││┃         │              動物性              │        ┃││
││┃         │┌────┐┌───────┐┌─────┐┌───────┐│        ┃││
││┃         ││肉質虫類││  鞭毛虫類  ││ 繊毛虫類 ││ 胞子虫類  ││        ┃││
││┃         ││アメーバ││トリパノソーマ││ゾウリムシ││マラリア病原虫││        ┃││
││┃         │└────┘└───────┘└─────┘└───────┘│        ┃││
││┃         │             単細胞生物             │        ┃││
││┃         └───────────────────────────────┘        ┃││
││┃              藻類:酸素発生型光合成生物で地上生息以外の総称             ┃││
││┃                   水生・海生生息                        ┃││
││┃                 バクテリアに属する藻類(単細胞生物)                ┃││
││┃                   シアノバクテリア、藍藻、藍色細菌               ┃││
││┃                 真核生物に属する藻類(単細胞生物、多細胞生物)           ┃││
││┃                                                  ┃││
││┃              菌類:ほとんどが多細胞生物、酵母は単細胞生物              ┃││
││┃                 地衣類は菌類と藻類の共生生物                   ┃││
││┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛││
││┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓││
││┃                        植物                        ┃││
││┃              ┌─────────────────────┐             ┃││
││┃              │         コケ植物         │             ┃││
││┃              │┌─────┐┌─────┐┌─────┐│             ┃││
││┃              ││ コケ類 ││ツノゴケ類││ 鮮類  ││             ┃││
││┃              ││ゼニゴケ ││ツノゴケ ││ミズゴケ ││             ┃││
││┃              │└─────┘└─────┘└─────┘│             ┃││
││┃              └─────────────────────┘             ┃││
││┃ ┌──────────────────────────────────────────────┐ ┃││
││┃ │                     維管束植物                     │ ┃││
││┃ │       ┌──────────────────────────────┐       │ ┃││
││┃ │       │             シダ植物             │       │ ┃││
││┃ │       │┌─────┐┌────┐┌──────┐┌───────┐│       │ ┃││
││┃ │       ││ シダ類 ││トクサ類││マツバラン類││ヒゲノカズラ類││       │ ┃││
││┃ │       ││ゼンマイ ││トクサ ││マツバラン ││ヒゲノカズラ ││       │ ┃││
││┃ │       │└─────┘└────┘└──────┘└───────┘│       │ ┃││
││┃ │       └──────────────────────────────┘       │ ┃││
││┃ │┌────────────────────────────────────────────┐│ ┃││
││┃ ││                    種子植物                    ││ ┃││
││┃ ││┌──────────────────────┐┌──────────────────┐││ ┃││
││┃ │││         裸子植物         ││       被子植物       │││ ┃││
││┃ │││┌──────┐┌─────┐┌─────┐││┌──────┐┌────────┐│││ ┃││
││┃ ││││  球果類 ││ ソテツ類 ││イチョウ類││││ 単子葉類 ││  双子葉類  ││││ ┃││
││┃ ││││スギ、ヒノキ││ ソテツ ││イチョウ ││││イネ、コムギ││サクラ、アサガオ││││ ┃││
││┃ │││└──────┘└─────┘└─────┘││└──────┘└────────┘│││ ┃││
││┃ ││└──────────────────────┘└──────────────────┘││ ┃││
││┃ │└────────────────────────────────────────────┘│ ┃││
││┃ │               種子で増える:裸子植物・被子植物               │ ┃││
││┃ └──────────────────────────────────────────────┘ ┃││
││┃   胞子で増える:藻類・菌類・コケ植物・シダ植物、維管束なし=コケ植物、維管束あり=シダ植物   ┃││
││┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛││
││┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓││
││┃                         菌類                         ┃││
││┃     ┌──────┐┌─────┐┌──────┐┌──────┐┌───────┐     ┃││
││┃     │ 担子菌類 ││不完全菌類││ 子嚢菌類 ││ 接合菌類 ││ ツボカビ類 │     ┃││
││┃     │ シイタケ ││アオカビ ││アカパンカビ││クモノスカビ││カエルツボカビ│     ┃││
││┃     └──────┘└─────┘└──────┘└──────┘└───────┘     ┃││
││┃                     ツボカビ類:鞭毛あり                   ┃││
││┃                     他    :鞭毛なし                   ┃││
││┃                     カビの姿=菌糸+胞子                   ┃││
││┃                     キノコ=子実体+菌糸体+胞子               ┃││
││┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛││
││┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓││
││┃                         動物                         ┃││
││┃                ┌────────────────┐                ┃││
││┃                │       無胚葉       │                ┃││
││┃                │┌──────────────┐│                ┃││
││┃                ││     海綿動物      ││                ┃││
││┃                ││カイロオウドウケツ、カイメン││                ┃││
││┃                │└──────────────┘│                ┃││
││┃                └────────────────┘                ┃││
││┃         ┌──────────────────────────────┐         ┃││
││┃         │              二胚葉              │         ┃││
││┃         │     ┌─────┐┌───────────┐     │         ┃││
││┃         │     │ 有櫛動物 ││    刺胞動物    │     │有櫛動物:刺胞なし┃││
││┃         │     │クシクラゲ││サンゴ、イソギンチャク│     │刺胞動物:刺胞あり┃││
││┃         │     └─────┘└───────────┘     │         ┃││
││┃         │         ┌───────────┐        │         ┃││
││┃         │         │    平板動物    │        │         ┃││
││┃         │         │  センモウヒラムシ  │        │         ┃││
││┃         │         └───────────┘        │         ┃││
││┃         └──────────────────────────────┘         ┃││
││┃   ┌──────────────────────────────────────────┐   ┃││
││┃   │                    三胚葉                    │   ┃││
││┃   │┌────────────────────────────────────────┐│   ┃││
││┃   ││                  旧口動物                  ││   ┃││
││┃   ││  ┌──────────────────────────────────┐  ││   ┃││
││┃   ││  │                無体腔                │  ││   ┃││
││┃   ││  │┌────────────────────────────────┐│  ││   ┃││
││┃   ││  ││              扁形動物              ││  ││   ┃││
││┃   ││  ││┌──────┐┌──────┐┌──────┐┌──────┐││  ││   ┃││
││┃   ││  │││  渦虫類  ││  吸虫類  ││  単生類  ││  条虫類  │││  ││   ┃││
││┃   ││  │││プラナリア ││ ジストマ ││フタゴムシ ││サナダムシ │││  ││   ┃││
││┃   ││  ││└──────┘└──────┘└──────┘└──────┘││  ││   ┃││
││┃   ││  │└────────────────────────────────┘│  ││   ┃││
││┃   ││  └──────────────────────────────────┘  ││   ┃││
││┃   ││         ┌────────────────────┐         ││   ┃││
││┃   ││         │         偽体腔         │         ││   ┃││
││┃   ││         │┌────────┐┌────────┐│         ││   ┃││
││┃   ││         ││  冠輪動物  ││  脱皮動物  ││         ││   ┃││
││┃   ││         ││┌──────┐││┌──────┐││         ││   ┃││
││┃   ││         │││ 輪形動物 ││││ 線形動物 │││         ││   ┃││
││┃   ││         │││ツボワムシ ││││カイチュウ │││         ││   ┃││
││┃   ││         │││ネズミワムシ││││線虫、鞭虫 │││         ││   ┃││
││┃   ││         ││└──────┘││└──────┘││         ││   ┃││
││┃   ││         │└────────┘└────────┘│         ││   ┃││
││┃   ││         └────────────────────┘         ││   ┃││
││┃   ││┌──────────────────────────────────────┐││   ┃││
││┃   │││                  真体腔                  │││   ┃││
││┃   │││┌────────────┐┌──────────────────────┐│││   ┃││
││┃   ││││    冠輪動物    ││         脱皮動物         ││││   ┃││
││┃   ││││  ┌──────┐  ││┌────────────────────┐││││   ┃││
││┃   ││││  │ 環形動物 │  │││        節足動物        │││││   ┃││
││┃   ││││  │ヒル、ミミズ│  │││   ┌────────────┐   │││││   ┃││
││┃   ││││  └──────┘  │││   │     鋏角類     │   │││││   ┃││
││┃   ││││┌──────────┐│││   │クモ、サソリ、カブトガニ│   │││││   ┃││
││┃   │││││   軟体動物   ││││   └────────────┘   │││││   ┃││
││┃   │││││┌────────┐││││   ┌────────────┐   │││││   ┃││
││┃   ││││││  二枚貝類  │││││   │     多足類     │   │││││   ┃││
││┃   ││││││ハマグリ、アサリ│││││   │ ムカデ、ゲジ、ヤスデ │   │││││   ┃││
││┃   │││││└────────┘││││   └────────────┘   │││││   ┃││
││┃   │││││┌────────┐││││ ┌────────────────┐ │││││   ┃││
││┃   ││││││   巻貝類   │││││ │       甲殻類       │ │││││   ┃││
││┃   ││││││アワビ、サザエ │││││ │ エビ、カニ、ミジンコ、フジツボ │ │││││   ┃││
││┃   ││││││カタツムリ   │││││ └────────────────┘ │││││   ┃││
││┃   │││││└────────┘││││┌──────────────────┐│││││   ┃││
││┃   │││││┌────────┐│││││        六脚類        ││││││   ┃││
││┃   ││││││   頭足類   ││││││┌────────────────┐││││││   ┃││
││┃   ││││││ タコ、イカ  │││││││       内顎類       │││││││   ┃││
││┃   ││││││ オウムガイ  │││││││ トビムシ、コムシ、カマアシムシ │││││││   ┃││
││┃   │││││└────────┘│││││└────────────────┘││││││   ┃││
││┃   ││││└──────────┘││││ ┌──────────────┐ ││││││   ┃││
││┃   │││└────────────┘│││ │      昆虫類      │ ││││││   ┃││
││┃   │││              │││ │カブトムシ、ゴミムシ    │ ││││││   ┃││
││┃   │││              │││ │チョウ、ガ、トビケラ    │ ││││││   ┃││
││┃   │││              │││ │ハエ、カ、アブ、ノミ、シラミ│ ││││││   ┃││
││┃   │││              │││ │スズメバチ、ミツバチ、アリ │ ││││││   ┃││
││┃   │││              │││ │セミ、カメムシ、アザミウマ │ ││││││   ┃││
││┃   │││              │││ │バッタ、キリギリス、コオロギ│ ││││││   ┃││
││┃   │││              │││ │カマキリ、カゲロウ、トンボ │ ││││││   ┃││
││┃   │││              │││ │ゴキブリ、シロアリ     │ ││││││   ┃││
││┃   │││              │││ └──────────────┘ ││││││   ┃││
││┃   │││              ││└──────────────────┘│││││   ┃││
││┃   │││              │└────────────────────┘││││   ┃││
││┃   │││              └──────────────────────┘│││   ┃││
││┃   ││└──────────────────────────────────────┘││   ┃││
││┃   │└────────────────────────────────────────┘│   ┃││
││┃   │┌────────────────────────────────────────┐│   ┃││
││┃   ││                  新口動物                  ││   ┃││
││┃   ││         ┌────┐┌───────────────┐        ││   ┃││
││┃   ││         │毛顎動物││     棘皮動物      │        ││   ┃││
││┃   ││         │ヤムシ ││ウミユリ、ヒトデ、ウニ、ナマコ│        ││   ┃││
││┃   ││         └────┘└───────────────┘        ││   ┃││
││┃   ││┌──────────────────────────────────────┐││   ┃││
││┃   │││                 脊索動物                 │││   ┃││
││┃   │││         ┌──────────────────┐         │││   ┃││
││┃   │││         │       原索動物       │         │││   ┃││
││┃   │││         │┌───────┐┌───────┐│         │││   ┃││
││┃   │││         ││  頭索類  ││  尾索類  ││         │││   ┃││
││┃   │││         ││ ナメクジウオ ││   ホヤ   ││         │││   ┃││
││┃   │││         │└───────┘└───────┘│         │││   ┃││
││┃   │││         └──────────────────┘         │││   ┃││
││┃   │││┌────────────────────────────────────┐│││   ┃││
││┃   ││││                脊椎動物                ││││   ┃││
││┃   ││││              ┌──────┐              ││││   ┃││
││┃   ││││              │  無顎類  │              ││││   ┃││
││┃   ││││              │ヤツメウナギ│              ││││   ┃││
││┃   ││││              └──────┘              ││││   ┃││
││┃   ││││┌──────────────────────────────────┐││││   ┃││
││┃   │││││                顎口類                │││││   ┃││
││┃   │││││             ┌──────┐             │││││   ┃││
││┃   │││││             │ 軟骨魚類 │             │││││   ┃││
││┃   │││││             │サメ、エイ │             │││││   ┃││
││┃   │││││             └──────┘             │││││   ┃││
││┃   │││││┌────────────────────────────────┐│││││   ┃││
││┃   ││││││              硬骨魚類              ││││││   ┃││
││┃   ││││││            ┌──────┐            ││││││   ┃││
││┃   ││││││            │  条鰭類  │            ││││││   ┃││
││┃   ││││││            │コイ、タイ │            ││││││   ┃││
││┃   ││││││            └──────┘            ││││││   ┃││
││┃   ││││││┌──────────────────────────────┐││││││   ┃││
││┃   │││││││              肉鰭類              │││││││   ┃││
││┃   │││││││       ┌───────┐┌─────┐       │││││││   ┃││
││┃   │││││││       │シーラカンス類││ 肺魚類 │       │││││││   ┃││
││┃   │││││││       │ラティメリア ││ハイギョ │       │││││││   ┃││
││┃   │││││││       └───────┘└─────┘       │││││││   ┃││
││┃   │││││││┌────────────────────────────┐│││││││   ┃││
││┃   ││││││││             四足類             ││││││││   ┃││
││┃   ││││││││┌───┐┌─────────────────────┐││││││││   ┃││
││┃   │││││││││両生類││         羊膜類         │││││││││   ┃││
││┃   │││││││││カエル││┌─────┐┌─────┐┌─────┐│││││││││   ┃││
││┃   │││││││││イモリ│││ 爬虫類 ││  鳥類  ││ 哺乳類 ││││││││││   ┃││
││┃   ││││││││└───┘││ヘビ、ワニ││ハト、タカ││ヒト、イヌ││││││││││   ┃││
││┃   ││││││││     ││トカゲ  ││スズメ  ││クジラ  ││││││││││   ┃││
││┃   ││││││││     │└─────┘└─────┘└─────┘│││││││││   ┃││
││┃   ││││││││     └─────────────────────┘││││││││   ┃││
││┃   │││││││└────────────────────────────┘│││││││   ┃││
││┃   ││││││└──────────────────────────────┘││││││   ┃││
││┃   │││││└────────────────────────────────┘│││││   ┃││
││┃   ││││└──────────────────────────────────┘││││   ┃││
││┃   │││└────────────────────────────────────┘│││   ┃││
││┃   ││└──────────────────────────────────────┘││   ┃││
││┃   │└────────────────────────────────────────┘│   ┃││
││┃   │                                          │   ┃││
││┃   │              旧口動物・新口動物                   │   ┃││
││┃   │ 体壁と消化管の隙間を体腔と呼び、体腔が内胚葉で包まれているものを真体腔と呼ぶ   │   ┃││
││┃   │ 初期胚の体内を貫通する腸管が貫入した入口(先にできた口なので原口とか前口と呼ぶ)と │   ┃││
││┃   │ 初期胚の体内を貫通した腸管が反対側に出た出口(後にできた口なので後口と呼ぶ)が各々 │   ┃││
││┃   │ 何になるかによって旧口(前口)か新口(後口)かに分ける                │   ┃││
││┃   │                                          │   ┃││
││┃   │ 入口が口になり、出口が肛門になるのが旧口(前口) … 入口:旧い口         │   ┃││
││┃   │ 出口が口になり、入口が肛門になるのが新口(後口) … 出口:新しい口        │   ┃││
││┃   │                                          │   ┃││
││┃   └──────────────────────────────────────────┘   ┃││
││┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛││
│└────────────────────────────────────────────────────┘│
└──────────────────────────────────────────────────────┘
TOP
地球生物系統図(五界説)
TOP
原核生物、原生生物、植物、菌類、動物
系統図(階層)
・------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------・
:起源生物┬原核生物┬真正細菌(バクテリア)                         シアノバクテリア(藍藻、藍色細菌)  :
:    │    │                                   紅色硫黄細菌、亜硫酸菌、枯草菌   :
:    │    │                                   大腸菌、乳酸菌、放線菌       :
:    │    │----------------------------------------------------------------------------------------------------------:
:    │    └古細菌(アーキア)                           メタン生成菌、超好熱菌       :
:    │    :                                   高度酸性菌、高度好塩菌       :
:    │--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------:
:    └真核生物┬原生生物┬植物性┬藻類┬緑藻類                    アオノリ、アオサ          :
:    :    │    │   │  │----------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │    │   │  ├紅藻類                    テングサ              :
:    :    │    │   │  │----------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │    │   │  └褐藻類                    コンブ               :
:    :    │    │   │----------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │    │   ├ミドリムシ類                    ミドリムシ             :
:    :    │    │   │----------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │    │   ├渦鞭毛藻類                     ツノモ、ヤコウチュウ        :
:    :    │    │   │----------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │    │   ├珪藻類                       ハネケイソウ            :
:    :    │    │   │----------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │    │   ├卵菌類                       ミズカビ              :
:    :    │    │   │----------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │    │   ├変形菌類(真正粘菌)                ムラサキホコリ           :
:    :    │    │   │----------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │    │   └細胞性粘菌類                    タマホコリカビ           :
:    :    │    │------------------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │    └動物性┬肉質虫類                      アメーバ              :
:    :    │    :   │----------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │    :   ├鞭毛虫類                      トリパノソーマ           :
:    :    │    :   │----------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │    :   ├繊毛虫類                      ゾウリムシ             :
:    :    │    :   │----------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │    :   └胞子虫類                      マラリア病原虫           :
:    :    │----------------------------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    ├植物┬コケ植物─┬コケ類                       ゼニゴケ              :
:    :    │  │     │----------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │  │     ├ツノゴケ類                     ツノゴケ              :
:    :    │  │     │----------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │  │     └鮮類                        ミズゴケ              :
:    :    │  │----------------------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │  └維管束植物┬シダ植物┬シダ類                  ゼンマイ、ウラジロ、ワラビ     :
:    :    │  :     │    │------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │  :     │    ├トクサ類                 トクサ               :
:    :    │  :     │    │------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │  :     │    ├マツバラン類               マツバラン             :
:    :    │  :     │    │------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │  :     │    └ヒゲノカズラ類              ヒゲノカズラ            :
:    :    │  :     │----------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │  :     └種子植物┬裸子植物┬球果類             スギ、ヒノキ、メタセコイア     :
:    :    │  :     :    │    │--------------------------------------------------------------------:
:    :    │  :     :    │    ├ソテツ類            ソテツ               :
:    :    │  :     :    │    │--------------------------------------------------------------------:
:    :    │  :     :    │    └イチョウ類           イチョウ              :
:    :    │  :     :    │------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │  :     :    └被子植物┬双子葉植物┬合弁花類      アサガオ、ツツジ、タンポポ     :
:    :    │  :     :    :    │     │--------------------------------------------------------:
:    :    │  :     :    :    │     └離弁花類      アブラナ、エンドウ、サクラ     :
:    :    │  :     :    :    │--------------------------------------------------------------------:
:    :    │  :     :    :    └単子葉植物           イネ、コムギ、ショウガ、ラン    :
:    :    ├----------------------------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    ├菌類┬担子菌類                            シイタケ、ヒトヨタケ        :
:    :    │  │----------------------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │  ├不完全菌類                           アオカビ              :
:    :    │  │----------------------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │  ├子嚢菌類                            アカパンカビ、酵母、冬虫夏草    :
:    :    │  │----------------------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │  ├接合菌類                            クモノスカビ            :
:    :    │  │----------------------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    │  └ツボカビ類                           カエルツボカビ           :
:    :    │----------------------------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    └動物┬無胚葉─海綿動物                        カイロウドウケツ、カイメン     :
:    :    :  │----------------------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    :  ├二胚葉┬有櫛動物(刺胞なし)                  クシクラゲ             :
:    :    :  │   │--------------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    :  │   ├刺胞動物(刺胞あり)                  サンゴ、イソギンチャク       :
:    :    :  │   │--------------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    :  │   └平板動物                        センモウヒラムシ          :
:    :    :  │----------------------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    :  └三胚葉┬旧口動物┬無体腔─扁形動物┬渦虫類           プラナリア             :
:    :    :  :   │    │        │----------------------------------------------------------------:
:    :    :  :   │    │        ├吸虫類           ジストマ              :
:    :    :  :   │    │        │----------------------------------------------------------------:
:    :    :  :   │    │        ├単生類           フタゴムシ             :
:    :    :  :   │    │        │----------------------------------------------------------------:
:    :    :  :   │    │        └条虫類           サナダムシ             :
:    :    :  :   │    │----------------------------------------------------------------------------------:
:    :    :  :   │    ├偽体腔┬冠輪動物─輪形動物          ツボワムシ、ネズミワムシ      :
:    :    :  :   │    │   │--------------------------------------------------------------------------:
:    :    :  :   │    │   └脱皮動物─線形動物          カイチュウ、線虫、鞭虫       :
:    :    :  :   │    │----------------------------------------------------------------------------------:
:    :    :  :   │    └真体腔┬冠輪動物┬環形動物          ヒル、ミミズ            :
:    :    :  :   │    :   │    │----------------------------------------------------------------:
:    :    :  :   │    :   │    └軟体動物┬二枚貝類     ハマグリ、アサリ          :
:    :    :  :   │    :   │    :    │------------------------------------------------------:
:    :    :  :   │    :   │    :    ├巻貝類      アワビ、サザエ、カタツムリ     :
:    :    :  :   │    :   │    :    │------------------------------------------------------:
:    :    :  :   │    :   │    :    └頭足類      タコ、イカ、オウムガイ       :
:    :    :  :   │    :   │--------------------------------------------------------------------------:
:    :    :  :   │    :   └脱皮動物─節足動物┬鋏角類      クモ、サソリ、カブトガニ      :
:    :    :  :   │    :   :         │------------------------------------------------------:
:    :    :  :   │    :   :         ├多足類      ムカデ、ゲジ、ヤスデ        :
:    :    :  :   │    :   :         │------------------------------------------------------:
:    :    :  :   │    :   :         ├甲殻類      エビ、カニ、ミジンコ、フジツボ   :
:    :    :  :   │    :   :         │------------------------------------------------------:
:    :    :  :   │    :   :         └六脚類┬内顎類  トビムシ、コムシ、カマアシムシ   :
:    :    :  :   │    :   :         :   │----------------------------------------------:
:    :    :  :   │    :   :         :   └昆虫類  カブトムシ、ゴミムシ        :
:    :    :  :   │    :   :         :   :     チョウ、ガ、トビケラ        :
:    :    :  :   │    :   :         :   :     ハエ、カ、アブ、ノミ、シラミ    :
:    :    :  :   │    :   :         :   :     スズメバチ、ミツバチ、アリ     :
:    :    :  :   │    :   :         :   :     セミ、カメムシ、アザミウマ     :
:    :    :  :   │    :   :         :   :     バッタ、キリギリス、コオロギ    :
:    :    :  :   │    :   :         :   :     カマキリ、カゲロウ、トンボ     :
:    :    :  :   │    :   :         :   :     ゴキブリ、シロアリ         :
:    :    :  :   │--------------------------------------------------------------------------------------------:
:    :    :  :   └新口動物┬毛顎動物                   ヤムシ               :
:    :    :  :   :    │----------------------------------------------------------------------------------:
:    :    :  :   :    ├棘皮動物                   ウミユリ、ヒトデ、ウニ、ナマコ   :
:    :    :  :   :    │----------------------------------------------------------------------------------:
:    :    :  :   :    └脊索動物┬原索動物┬頭索類          ナメクジウオ            :
:    :    :  :   :    :    :    │--------------------------------------------------------------:
:    :    :  :   :    :    │    └尾索類          ホヤ                :
:    :    :  :   :    :    │------------------------------------------------------------------------:
:    :    :  :   :    :    └脊椎動物┬無顎類          ヤツメウナギ            :
:    :    :  :   :    :    :    │--------------------------------------------------------------:
:    :    :  :   :    :    :    └顎口類┬軟骨魚類     サメ、エイ             :
:    :    :  :   :    :    :    :   │------------------------------------------------------:
:    :    :  :   :    :    :    :   └硬骨魚類┬条鰭類 コイ、タイ             :
:    :    :  :   :    :    :    :   :    │--------------------------------------------:
:    :    :  :   :    :    :    :   :    └肉鰭類┬シーラカンス類  ラティメリア   :
:    :    :  :   :    :    :    :   :    :   │------------------------------------:
:    :    :  :   :    :    :    :   :    :   ├肺魚類      ハイギョ     :
:    :    :  :   :    :    :    :   :    :   │------------------------------------:
:    :    :  :   :    :    :    :   :    :   └四足類┬両生類  カエル、イモリ  :
:    :    :  :   :    :    :    :   :    :   :   │----------------------------:
:    :    :  :   :    :    :    :   :    :   :   └羊膜類┬爬虫類 ヘビ、ワニ :
:    :    :  :   :    :    :    :   :    :   :   :   │--------------------:
:    :    :  :   :    :    :    :   :    :   :   :   ├鳥類  ハト、タカ :
:    :    :  :   :    :    :    :   :    :   :   :   │--------------------:
:    :    :  :   :    :    :    :   :    :   :   :   └哺乳類 ヒト、イヌ :
・------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------・
(参考)二界説 … 動物界:動いてえさをとるもの(動物性原生生物、動物)
         植物界:動物ではないもの(原核生物、植物性原生生物、菌類、植物)
TOP
リサイクル
TOP
生産者生産者植物:無機物から有機物を合成
消費者消費者動物:植物を食べて有機物を排泄
分解者菌類:植物と栄養分をやりとりして共生
きのこ有機物を分解・吸収して無機物に戻す役割
生物全体:184万種 … 世界で確認されている生物種数
  動物:130万種┬節足動物:109万種、全動物種の85%以上を占める、大部分が昆虫:100万種
  植物: 37万種├軟体動物: 6万種
  菌類: 14万種├脊索動物: 7万種┬魚類:3万種
  藻類: 2万種└ その他: 8万種├鳥類:1万種
 その他: 1万種          └両生類+爬虫類+哺乳類+その他:3万種

地球上の生物種数は推定約870万とする研究報告発表(2011) … 未知の生物を含む
  陸上種650万、海洋種220万 → 陸上種の86%、海洋種の91%が未知種
国際自然保護連合はレッドリストを公開(2019) … 絶滅危惧種の数は28,338種
  1975年~2000年の25年間に年平均4万種、13分間に1種の生き物が絶滅
環境省レッドリスト(日本の生物)
  野生動物の3割が絶滅危惧種
  野生植物の2割が絶滅危惧種

次へ前へTOP 8.ミクロの世界 超々微小の物質世界に働く3つの力 → まとめ

TOP

ミクロの世界

TOP
物質粒子力の伝達粒子力の作用先力の種類力の強弱:目安力の作用範囲
原子光子原子核・電子電磁気力弱い:0.01原子核からの距離の二乗に反比例
原子核中間子陽子・中性子強い力(核力)強い:110-13cm:水素原子核(陽子サイズ)
素粒子グルーオンクォーク強い力(色の力)
弱ボソンフェルミ粒子弱い力はるかに弱い:10-14~10-710-16cm:水素原子核の1/1000
物質粒子  :物の成り立ちの基本の粒子
力の伝達粒子:物を動かす力の基本の粒子 … 力は素粒子によって媒介される(交換:放出⇔吸収)
力の作用先 :複合粒子(陽子,中性子)、クォーク(u,d,s)、フェルミ粒子(クォーク,レプトン)
電磁気力  :原子同士を結び付け分子を作る力も電磁気力です
弱ボソン  :弱い力はフェルミ粒子以外に、ハドロン(バリオン・メソン)にも作用する

TOP
ミクロの世界の力の種類
TOP
核力:中間子はグルーオンが媒介する強い力の「強い残留力」を近接核子に伝える(近づき過ぎると斥力になる!)
核力は遠距離では引力ですが、至近距離では強い斥力になることが分かってきましたが、これを核力の斥力芯と呼びます
この斥力芯のおかげで、陽子や中性子が近づきすぎず、原子核は比較的低密度に保たれています(引力で潰れずに済む)
         |←─-陽子-─→|   |←─中間子─→|   |←─中性子─→|
         |○⇔ℓℓℓℓℓℓ⇔○|⇔⇔⇔|○⇔ℓℓℓℓℓℓ⇔●|⇔⇔⇔|○⇔ℓℓℓℓℓℓ⇔○|
         | グルーオン |   | グルーオン |   | グルーオン |
               陽子・中性子の中の3つ目のクォーク○は省略
強い相互作用は、2つの範囲で観測でき、2つのフォースキャリア(中間子、グルーオン)により媒介される
大きいスケール(約1-3 fm)では、陽子と中性子(核子)を結合させて原子核を形成する力(中間子が運ぶ力)である
小さいスケール(核子の半径約0.8 fm以下)では、クォークを結合して陽子、中性子などのハドロン粒子を形成する力
である(グルーオンが運ぶ色の力(color force))
大きいスケールでは、中間子が陽子や中性子間を行き来するとき、
陽子や中性子の中のグルーオンがクォーク間を行き来して媒介される強い相互作用核力を生みます
π中間子はクォーク○と反クォーク●の対で、グルーオンにより結びついている
大きいスケールでは、コイル状のバネのように強い力が働く:離れるほど引力が強くなり、近づくほど斥力が強くなる

色の力:色力線の閉じ込めで核子の内部でしか働かない、電磁気力:原子の大きさの数倍以内の範囲で働く
弱い力:粒子の種類を変える力など、力には以上3つの力のほか、マクロの世界を支配する「重力」がある

[陽子のパートン構造]:陽子をより短い時間の尺度で観測すると、内部構造が現れる
強い相互作用によって、グルーオンの放射やクォーク・反クォークの対生成が起こり、
クォーク・反クォーク・グルーオンという素粒子(=パートン)の複合体になっている
強い力の基本結合:グルーオン放射、グルーオン分裂、グルーオン自己結合
グルーオンは自らが色荷をもっているため、グルーオン同士も相互作用します
TOP

素粒子に働く力

TOP
相互作用クォークレプトン備考
荷電レプトンニュートリノ
電磁気力×荷電レプトン:(e±,μ±,τ±)
強い力 ××クォーク  :(u,c,t),(d,s,b)
弱い力 ニュートリノ:(νμτ)
重力  ○:力を及ぼす、×:力を及ばさない
レプトン:色荷無し、ニュートリノ:電荷無し

TOP
原子内の電気の力
TOP
原子核と電子は、電気力を運ぶ光子をやりとり(放出⇔吸収)して引き合う
光子が互いに電気力を伝え、+の原子核と-の電子を電気力で引寄せさせる
  マクロの世界                 ミクロの世界
  従来の電磁気学─────→場の量子化────→量子電気力学
  電荷と電場の相互作用   力も飛び飛び    光子の交換

TOP
場の量子化のもとでは光子の交換
TOP
粒子同士は粒子間で力の伝達粒子をキャッチボールして力を伝えると考えます
キャッチボールを続けるには、ボールが届く相手のそばにいなければなりません
キャッチボールすること自体が粒子同士をつなぐ接着剤のような役目を果たします
力の伝達粒子がボールであれば、互いに向き合って受け取ると斥力になります
力の伝達粒子がブーメランであれば、背中合わせで受け取ると引力になります
力が引力になるか斥力になるかは、交換する仮想量子のスピンによって決まります
スピン1の光子は同符号の荷電粒子同士を反発させ異符号の荷電粒子同士を引寄せる
  光子=ボール(斥力):++/--、光子=ブーメラン(引力):+-/-+
     同符号の荷電粒子同士はエネルギーが高くなるので斥力が働く
     異符号の荷電粒子同士はエネルギーが低くなるので引力が働く
     物理現象はエネルギーが低い方向へと流れるため光子の交換
     でエネルギーがより低い安定した状態に移行しようとします
光子の交換=量子化された場を介して相互作用するという意味(場が力を伝えている)
          磁石の場合(光子電磁気力を伝える)
            電気の力+磁気の力=電磁気力
     電流を導線に流すと導線のまわりに磁場ができる
     磁石をコイルに出し入れするとコイルに電流が発生する(電磁誘導)
     磁石は電子のスピン:電子が自転する(環状の電流)と磁石になる
     電子1個にもN極とS極があり磁気を帯びています
磁石の場合、光子がN極の電子とS極の電子を行き来することで引力が生じます
磁石の場合、光子が同じ極の電子の間を行き来することで反発力(斥力)が生じます

TOP
引力・斥力についてのクーロンの法則
TOP
            q12         m12
         F=k───     F=G───
             r2          r2
           k:クーロン定数   G:万有引力定数
         F:力、q:(±)電荷量、m:質量、r:距離
クーロンの法則の式は万有引力の法則の式に似ているが、万有引力には斥力がない

TOP
電子や核子の軌道運動
TOP
原子核の周りを回る電子の波は1周の軌道の長さが波長で割り切れる周回位相一致
     原子内の電子の軌道 :K殻・L殻・M殻…各軌道グループ
     原子核内の核子の軌道:Ⅰ殻・Ⅱ殻・Ⅲ殻…各軌道グループ
原子核の外側を回る複数電子も原子核の内側を回る複数核子も各軌道を回っている
各軌道には粒子の定員がありエネルギーの低い内側の軌道から順に満席にしていく
各電子殻に存在する軌道は、外側になるほど数が増え、K殻にはs軌道、L殻にはs,
p軌道、M殻にはs,p,d軌道、N殻にはs,p,d,f軌道 … が存在する
ジャンプ先の軌道はすぐ外側とは限らないが粒子で満席でなく空席がある条件では
特定軌道の粒子に光子を衝突させると、粒子は光子吸収して、外側の軌道に移る
外側の軌道にジャンプした粒子は、暫くすると光子放出して、内側の軌道に戻る
粒子が不連続に原子核の周回軌道を変える現象(ジャンプ)を量子飛躍と言います

原子内の電子の軌道や運動を調べる方法:原子分光法
原子核内の核子の軌道運動や自転運動、核子の集団運動を調べる方法:原子核分光法

 ・電子は放電や光のエネルギーを受けると、原子核から遠い外側の軌道に移る
 ・外側の軌道に移った電子が再び内側の軌道に移るとき、
  内外の軌道のエネルギーの差を光子として放出する
            外側の軌道→K殻…紫外線
            外側の軌道→L殻…可視光線
            外側の軌道→M殻…赤外線
  高エネルギー粒子がK殻の電子に衝突すると、電子は原子の外に飛び出して、
  K殻の軌道は空席ができ、外側のL殻やM殻の軌道の電子がK殻の軌道の
  空席にジャンプし、それぞれの軌道のエネルギー差の分の光子を放出する
   … KX線と言う特性X線

  特定の光子(E=hν)を原子内に照射すると、外側軌道の電子が内側軌道
  に移り、入射光子と同位相・同波長の放射光(E=hν)を放出する(誘導放出
  誘導放出を利用して位相と波長のそろった強い光、レーザー光が得られる

TOP
原子核と電子の電気力
TOP
電子のエネルギーは外側の軌道の電子ほど軌道特有のエネルギーが高い
原子核と電子の結合エネルギーは内側ほどエネルギーが高いので、回転
遠心力と平衡を保つために、近いほど速く回り、遠いほどゆっくり回る
原子番号が増えるほど電子を引きつける原子核の電気の力も大きくなる
化学反応では原子と原子が外側の電子を交換したり共有して分子を作る

TOP
強い力(核力)
陽子と中性子は相互にπ±中間子を放出・吸収することによって核力が発生する
電荷の衣のやりとりで「陽子→中性子」「中性子→陽子」のように状態が変化する
                 →π+→
               陽子 ⇔ 中性子
                 ←π-←
         陽子→π+→中性子  中性子→π-→陽子
          ↓     ↓    ↓     ↓
         中性子    陽子   陽子    中性子
陽子同士や中性子同士はπ0中間子を放出・吸収することによって核力が発生する
          陽子→π0→陽子  中性子→π0→中性子
原子核の中ではこれが繰り返されている(電荷の状態が変わっても核子の本質は不変)
陽子とマイナスの中間子がセットで中性子、中性子とプラスの中間子のセットで陽子
元:中間子が+の電荷を運んで陽子が中性子に-の電荷を運んで中性子が陽子になる
先:中間子が+の電荷を運んで中性子が陽子に-の電荷を運んで陽子が中性子になる
クォーク3個の質量は陽子1個の質量の1%以下
陽子の質量の99%は強い力のエネルギーによる質量←E=mc2で換算すると相当する

TOP
中間子雲モデル
TOP
原子核の中では核子同士が中間子を交換して核力が生じていますが、核子が単体で存在
している場合でも、核子が中間子を放出して自己吸収するという過程が起こり得、この
過程では中間子が核子を取り巻く雲のように分布すると考えられる(中間子雲モデル)
陽子は一時的に中間子を放出し中性子に姿を変え、その後中間子を吸収し再び陽子に
戻ることができます
中間子雲モデルでは、中間子が雲のように中性子を覆う状態として陽子を捉えます

TOP
クオークを結ぶ色の力
TOP
[パウリの排他律]:物質を構成する粒子は、同じ種類が1つの場所に同時には存在しえない
陽子(uud:uクォーク2個とdクォーク1個)、中性子(udd:uクォーク1個とdクォーク2個)
では、同じ種類のクォークが同じ場所で同時に重なり合って1つのハドロンを構成している
排他律違反を回避する色という属性が互いに異なる3色()のクォークを考えた
3種のクォークで構成する陽子や中性子などのバリオンは3色がそろえば白(無色)になる
補色であるシアン(反赤)、イエロー(反青)、マゼンタ(反緑)を反クォークの色として
メソンもやはり白と表現できる:クォークは反赤クオークと合体して、白いメソンになる
これでクォークに色があっても、バリオンやメソンには色がないことが自然に表現できます
   陽子(uud)の色の例:uud
  中性子(udd)の色の例:udd
π+中間子(u反d)の色の例:ud反赤
量子色力学(QCD)
TOP
色の力を伝えるグルーオン
TOP
クオーク同士を結び付けているのは色の力で、色の力を伝えるのはグルーオン
3色()のクォーク→グルーオン→3色()のクォーク
中間子(反赤)のクォーク→グルーオン→中間子(反青)のクォーク
クオークは色の組(受取る色と渡す色)をもつグルーオンを通して色を交換する

TOP
グルーオンによる色の交換
TOP
クオーク→(,反緑)グルーオン放出:渡す色()と受取る色()→クオーク
                ↓
クオーク→(,反)グルーオン吸収:受取る色()と渡す色()→クオーク
グルーオンは与える色ともらう色の組み合わせで8種ある(正方行列3×=1+8、1:行列の対角成分)
(赤,反青)、(赤,反緑)、(青,反赤)、(青,反緑)、(緑,反赤)、(緑,反青)、(赤,反赤)、(青,反青)、(緑,反緑)
の9種で、最後の3つは、そのうち任意の2つでもう1つを表せるので、グルーオンの色は8種類とされる

TOP
クォークの閉じ込め
TOP
長さに比例した色の力:ゴムひも状の色力線の閉じ込めでクォークやグルーオンは単独では取り出せない
光子を衝突させてひもが伸びても、核子内からのクォークとの間に、クォークと反クォークの対が生まれ、
ひもが切れて、反クォークと核子内からのクォークが合体して中間子として放出され、クォークは元に戻る
理由:力線のエネルギーよりも新たなクォークと反クォークの対を生成したほうがエネルギー的に安定する
漸近的自由性:クォークの色や色力線(グルーオン)による色の力は離れるほど大きくなり近いほど弱くなる
クォーク同士が近くなると(ひもが弛み)色の力が働かなくなり、近距離内でクォークは自由に動く訳です
  ○:u  ○      ○   旧    ○  新   旧    ○          
        ○ ⇒      ○ ⇒     ○ ◎ ○ ⇒    ○  ◎ ○
  ●:d  ●      ●        ●   u 反u       ●   
      陽子       →→       対が生まれ     陽子   π0中間子放出
             ひもが伸びる     ひもが切れる
             エネルギーの蓄積   蓄積エネルギーで真空から対が生まれる

TOP
弱い力
TOP
弱い力=「ベータ崩壊を引き起こす力」=「電荷を運ぶ」粒子
弱い相互作用は中性子と陽子を互いに入れ換えることができる
弱い相互作用は電子とニュートリノを互いに入れ換えることができる
①電子から出た-電荷の弱ボソンは陽子に入り、電子は-電荷を失いニュートリノになり
    陽子は-電荷の弱ボソンを吸収して、電荷が中和され中性子になる:EC
    e-──→νe  p+──→n     W             W
  ① ↓W-    ② ↓W+    ③ p+──→n+e++νe  ④ n ──→p++e-νe
    p+──→n   e-──→νe   (β+崩壊)        (β-崩壊)
   (EC:電子捕獲) (EC:電子捕獲)
②陽子から出た+電荷の弱ボソンが電子に入り、陽子は+電荷を失い中性子になり
    電子は+電荷の弱ボソンを吸収して、電荷が中和されニュートリノになる:EC
③陽子が 弱い力の作用で+電荷を失い中性子になり、陽電子とニュートリノを放出:β+
④中性子が弱い力の作用で+電荷の陽子になり、   電子と反ニュートリノを放出:β-
⑤中性子の周囲にある電子ニュートリノがWボソンを放出して
    中性子の中のdクォークがWボソンを吸収してuクォークに変わり、
    中性子は陽子になり、電子ニュートリノは電子になる(NC:ニュートリノ捕獲)
    n(udd)+νe──→W──→ p+(uud)+e-  … ④変形、①(EC)の逆反応
※ニュートリノ・反ニュートリノのスピン
     ニュートリノと 電子の組は常に左回りにスピンして進む(下向き)
    反ニュートリノと陽電子の組は常に右回りにスピンして進む(上向き)
          W                 W
  ⑥ p+(uud)+e-──→n(udd)+νe  ⑦ p+(uud)+μ──→n(udd) + νμ
        W               W
  ⑧ μ+νe──→νμ+e- ⑧変形: ⑨ μ──→νμ+e-νe
⑥⑦陽子(uud)と中性子(udd)のβ変換は核子のuクォークとdクォークの変換:(u→d)
⑥⑦はクォークとレプトン組の変換、⑧はレプトン組の変換、⑨はミュー粒子変換
⑥⑦⑧の各組は一つを反転させて左辺から右辺に、右辺から左辺に移す変形が可能
「カミオカンデ」で反ニュートリノを観測、反ニュートリノが弱い力で陽電子に変化
                 W(反ニュートリノが放出、陽子が吸収)
  ⑥変形=③変形:νe+p+(uud)──→e++n(udd)
弱い力は、太陽が燃える際に必要、放射性同位体のベータ崩壊の際にも必要
中間子の場合、
⑦式でdクォークを左辺に移して反dクォークに、μ粒子を右辺に移して反μ粒子にする
           W
  u反d(π+中間子)──→νμμ … 弱い力の作用でπ+中間子が反μ粒子に変わる
ストレンジ粒子は弱い力の作用で陽子や中性子になる:ラムダ粒子(uds)→uud/udd
電子・陽電子間、μニュートリノ・電子間に電荷を変えない中性弱ボソン(Z)が作用する

TOP
クォーク組み換え反応
TOP
光子+陽子(uud) → ラムダ粒子(uds)+K+中間子(su)
②K-中間子(us)+陽子(uud) → π-中間子(ud)+シグマ+粒子(uus)
③ハイパー核 → 通常の原子核
               W
 ラムダ粒子(uds)+陽子(uud)──→陽子(uud)+中性子(udd)

TOP
場の理論
TOP
場の古典論:量子の考え方が入っていない場の理論
      電場・磁場の理論
場の量子論:波も粒子も量子的な場の振動であり、同じものである
      相互作用を媒介するゲージ粒子は場の振動である
重力相互作用を媒介する重力子は未発見であり、
重力相互作用を場の量子論で記述することもできていない

TOP
重力理論の課題
TOP
マクロの世界の重力
  ニュートン力学は、「(重力が十分に大きい)巨視的なスケールで、かつ光速よりも十分遅い速さ
  の運動を扱う際の、無矛盾・完結的な近似理論」で「絶対時間」と「絶対空間」を前提とした
  アインシュタインの「特殊相対性理論」は、重力の影響を考えない特殊な環境下において、
  「時間の進み方や空間の大きさは『絶対的』なものではなく、観測者の置かれた状況によって
  変わる『相対的』なものである」とする物理理論です
  アインシュタインの一般相対性理論は3次元空間と1次元時間をひとつの4次元時空に統合し、
  重力を時空の曲がりの幾何学として記述する
  これで多くの重力現象の説明や予言に成功してきた
  また2015年には、ブラックホール連星が合体する過程からの重力波が史上初めて直接観測され、
  強い重力場での一般相対性理論の検証が一段と進歩した今後、さらに多くの重力波源が観測され、
  様々な極限的状況下の一般相対性理論の性質がより明らかになると期待されている
ミクロの世界の重力
  実験的には0.01ミリメートルより小さい距離では重力がどのように働くかは我々は知らない
  それより小さい距離では重力が我々のまったく予想していなかった振る舞いをしているかもしれない
  たとえば小さい距離では隠れた次元があるかもしれない
  宇宙初期には全く異なる重力理論が宇宙を支配していたかもしれない
  超弦理論やM理論など多くの理論はそのような余剰次元の存在や重力理論の修正を示唆する
  余剰次元が宇宙のいたる所に存在していて我々には見えないだけなのかもしれない
  余剰次元は直接に見ることはできないが、
  高エネルギー実験や宇宙観測から間接的証拠を得られるかもしれない
宇宙の大規模構造の重力
  数十億光年といったような大きな距離での重力も一般相対性理論とは異なるかもしれない
  最近の精密観測は宇宙の膨張が加速していることを明らかにした
  これは、もし一般相対性理論が正しければ、
  宇宙の70%以上が見えない、しかも圧力が負のエネルギーで満たされていることを意味する
  このエネルギーは暗黒エネルギーと呼ばれているが、その正体はまったくわかっていない
  アインシュタイン理論を大きな距離で変更して暗黒エネルギーの謎を解明できないか、探究が続く

TOP

力の統一の歴史

TOP
4つの力(電磁気力、弱い力、強い力、重力)を一つの理論で説明したい
ニュートン力学=(重力:ケプラー)+(力学:ガリレオ)
電磁気学   =((電気+磁気):ファラデー、マクスウェル)
量子力学   =(原子、ミクロの世界)
量子電気力学 =電磁気力+ガンマ線(電磁波)
電弱統一理論 =電磁気力弱い力+ベータ線(電子)
大統一理論  =電磁気力弱い力強い力+アルファ線(ヘリウムの原子核)
超弦理論   =電磁気力弱い力強い力+重力
相対性理論:アインシュタイン
特殊相対性理論=ニュートン力学と電磁気学を統一
一般相対性理論=相対性理論に重力を組み込む
TOP

ミクロの世界のまとめ

TOP
力の伝達粒子力の作用先力の種類力の働き力の源
光子原子核・電子電磁気力原子核と電子間の電気力電荷
中間子陽子・中性子強い力(核力)陽子と中性子間の核力色荷(カラー)
グルーオンクォーク強い力(色の力)クォーク同士の色の力
弱ボソンフェルミ粒子弱い力電荷を運ぶ(β変換)弱荷=弱アイソスピン

次へ前へTOP 9.ミクロな粒子 超々微小の物質を構成する素粒子 → まとめ

TOP

ミクロな粒子

TOP
素粒子フェルミ粒子
(基本粒子)
物質粒子第1世代第2世代第3世代電荷スピン
クォーク
(ハドロン構成粒子)
u(アップ)c(チャーム)t(トップ)2/31/2
d(ダウン)s(ストレンジ)b(ボトム)-1/3
レプトン
(軽粒子)
電子e-,陽電子e+ミュー粒子μ±タウ粒子τ±±1
電子ニュートリノνeミューニュートリノνμタウニュートリノντ
ボース粒子力の伝達粒子電磁相互作用弱い相互作用強い相互作用電荷スピン
ゲージ粒子
(力の粒子)
フォトン
(γ:光子)
弱ボソン
(W±,Z)
グルーオン
(g:膠着子)
(注1)
粒子に質量を与える粒子電荷スピン
スカラー粒子ヒッグス粒子(H)
複合粒子ハドロン
(強粒子)
バリオン
(重粒子)
核子(陽子p,中性子n),デルタ粒子⊿(計算)(注2)
ハイペロン(ラムダ粒子Λ,シグマ粒子Σ,グザイ粒子Ξ,オメガ粒子Ω)(計算)(注3)
メソン(中間子)π,η,ρ,ω,φ,J/ψ,Y,K,B,D(計算)(注4)
その他原子核,ハイパー核,原子,分子,イオンなど
注1:Wボソンは電荷±1、それ以外のゲージ粒子は電荷0
注2:核子はスピン1/2、デルタ粒子はスピン3/2
   スピンが3/2ということは、デルタ粒子を構成する3つのクォークは、3つのうち1つが反対の
   方向を向いている核子とは異なり、全て同じ方向を向いていることを示している
   デルタ粒子強い力の作用で瞬時に核子に変わる
注3:ハイペロンはストレンジ粒子とも言われ、奇妙さに応じsクォークを1~3個もつ
   オメガ粒子はスピン3/2、それ以外のハイペロンはスピン1/2
   ハイペロン弱い力の作用で中間子を放出して、ゆっくりと核子に変わる
注4:擬スカラー中間子はスピン0:π中間子,η中間子など
   ベクター中間子はスピン1:ρ中間子,ω中間子,φ中間子,J/ψ中間子,Υ中間子など
   K,D,B中間子は荷電の有無や構成クォ―クで擬スカラー中間子またはベクター中間子に属す
上記以外:仮説上の素粒子(重力子など),仮説上の複合粒子,準粒子他多数のハドロンが発見されている
核子や中間子のように核力を感じる物質粒子を「強粒子(ハドロン、hadron)」と総称
核力は感じないものの、電磁気力弱い力を感じる物質粒子を「軽粒子(レプトン、lepton)」と総称

TOP
物質の大きさ
TOP
 ○生体の構成:生き物─→器官─→組織─→細胞小器官─→組織化された高分子─→分子や原子
                     オルガネラ 高分子:タンパク質,核酸,多糖類
 分子の大きさ 
水分子
1千万分の1cm
10-7cm


 原子の大きさ 
酸素原子
1億分の1cm
10-8cm


原子核の大きさ
酸素原子核
1兆分の1cm
10-12cm


 核子の大きさ 
陽子
10兆分の1cm
10-13cm


素粒子の大きさ
クォーク
1京分の1cm
10-16cm以下
 10倍に拡大  |        ↑| 10倍に拡大  |        ↑↑
        |        ||        └→1千倍に拡大→┘|
        |        ||                  |
        └→1万倍に拡大→┘└─────→1万倍に拡大─────→┘
    【ピンポン玉:水素原子】 ≒ 【地球:ピンポン玉】
        【原子:原子核】 ≒ 【甲子園球場:1円玉】
原子・分子の世界:電子を動かす電気の力を伝える光子、電子と光子が主役
原子核・素粒子の世界:太陽や宇宙や超高温・高エネルギー現象、究極の粒子
原子核の大きさは原子の1万分の1、原子核の比重は原子の比重の数兆倍程度

TOP
素粒子発見の歴史
TOP
陰極線の発見─┬→電磁波の発見→X線の発見→放射線の発見→原子核の発見
       │                    (原子にα線照射)
       └→電子の発見(陰極線は電子)
   陽子の発見→中性子の発見→中間子の発見→ニュートリノの発見
   反陽子の発見→クォークの存在予言と発見→ヒッグス粒子の発見
   電子以外の素粒子は20世紀に発見、ヒッグス粒子は2012年に発見

TOP
核子は複合粒子でクォークが素粒子
TOP
核子は3つのクォークからなる複合粒子、中間子はクォークと反クォークからなる複合粒子
クォーク:((u,d),(c,s),(t,b))、反クォーク:((反u,反d),(反c,反s),(反t,反b))

TOP
素粒子・ハドロンの電荷
TOP
素粒子の電荷:(u,c,t)クォーク=2/3、(d,s,b)クォーク=-1/3、(e,μ,τ)=±1、ν=0
ハドロンの電荷:陽子(uud)=1、中性子(udd)=0、デルタ粒子(uuu,uud,udd,ddd)=(2,1,0,-1)、
π+中間子(u反d)=1、π-中間子(d反u)=-1、π0中間子=(u反u)or(d反d)=0
ラムダ粒子(uds)、シグマ粒子(uus,uds,dds)、グザイ粒子(uss,dss)、オメガ粒子(sss)
    Λ( 0)、    Σ( 1, 0, -1)、    Ξ( 0, -1)、    Ω( -1)

TOP
反物質
TOP
粒子と電荷が反対の反粒子が出会うと中間子や光子を放出して消滅する(クォークと反クォークが消滅する)
中間子はクォークと反クォークからなり、中間子と核子、+中間子と-中間子が別の核子や別の中間子になる
陽子(uud)+π-中間子(d,反u)=中性子(udd)、中性子(udd)+π+中間子(u,反d)=陽子(uud)
陽子(uud)=中性子(udd)+π+中間子(u,反d)、中性子(udd)=陽子(uud)+π-中間子(d,反u)
+中間子(u,反s)+K-中間子(反u,s)=Φ中間子(s,反s)
バリオン:クォーク3つでできた白色状態、バリオンの反粒子反バリオン:反クォーク3つでできた白色状態

TOP
粒子の量子数
TOP
原子や分子、素粒子などの量子状態を表わす数値として、量子力学で使われる各種の「量子数」がある
   量子状態とは電子のような粒子を見分けるための量子数の組み合わせ(=個体識別データ
電子の量子状態を決める量子数は次の4種類:電子が原子核のまわりを公転する電子軌道を決定する①②③
   ①主量子数n :軌道の大きさ(原子核・電子間の距離、電子殻:K,L,M,N,…殻)n=1,2,…,7
   ②方位量子数l:軌道の形  (円・楕円、電子軌道の種類:spdf軌道)l=0,1,2,…,n-1
   ③磁気量子数m:軌道の向き (軌道の立体的な角度:電子軌道は磁場の中にある)-l≦m≦l
   ④スピンs  :磁気的な性質(電子の自転?回転角運動量?電子の磁気?)+1/2,-1/2
粒子には電荷や性質(内部量子数)の符号が反対の粒子(=反粒子)があるが、区別のない光子などもある
内部量子数(運動量や座標によらない量子数):フレーバー(6種のクォーク),電荷,バリオン数,レプトン数等
2種のクォークは3世代で6種のフレーバー、3種のの状態、スピンが2種の回り方で計36種類の状態です

TOP
素粒子のスピン
TOP
フェルミ粒子:クォーク,レプトン,核子(陽子,中性子)  … スピンが半整数になるのがフェルミオン
ボース粒子 :ゲージ粒子,重力子,ヒッグス粒子,中間子 … スピンが整数になるのがボソン    
パウリの排他律:ボース粒子は重ねられるけれどフェルミ粒子は重ねられない(スピンが性格を決める)
・ボース粒子 :2個以上の粒子が同じ状態をとれる (同じ位置に重ねられる、 空間的大きさがない)
・フェルミ粒子:一つの状態を1個の粒子しかとれない(同じ位置に重ねられない、空間的大きさがある)

TOP
超流動・超伝導
TOP
ボース粒子は極低温でボース・アインシュタイン凝縮(BEC理論)を起こす
  ある転移温度以下で巨視的な数のボース粒子がある1つの1粒子状態に落ち込む相転移現象
  ボース粒子であるヘリウム4はその凝縮を起源とする超流動状態(粘性ゼロ)を示す
フェルミ粒子2個は疑似ボース粒子としてボース・アインシュタイン凝縮を起こす
  電子の対はその凝縮を起源とする超伝導状態(電気抵抗ゼロ)を示す … 電荷を持った粒子の超流動
  ヘリウム3の対はその凝縮を起源とする超流動状態を示す

TOP
クォークのスピン
TOP
素粒子のスピンは大きさと向きをもち、クォークのスピンの大きさは1/2,向きは右回りが(+),左回りが(-)
核子のスピン:核子内の3つのクォークのうち2つは右回り(+)、1つは左回り(-)で、全体で右回り(+)の
スピン1/2です:+1/2+1/2-1/2=+1/2 … uクォークが+、dクォークが-ではなく、各々+か-がある
ラムダ粒子はuクォークとdクォークのスピンが逆で打ち消しあいラムダ粒子のスピンはsクォークのスピンです
デルタ粒子は3つのクォークのスピンの向きが同じ(左/右)3/2
核子は特定のエネルギーの光子を吸収して左回りの1つが右回りになりスピンの向きが同じデルタ粒子になる
電荷がありスピンしているクォークはミニ磁石で、クォーク磁石が3つ合わさって核子の磁石になる

TOP
電子のスピン
TOP
電子のスピンは上向きスピンと下向きスピンの2種類
パウリの排他原理:ひとつの電子軌道に入れる電子は2個までで、そのスピンは逆でなければならない
同じ量子状態の共有を禁ずるのがパウリの排他原理
最低ひとつの量子数は違っていなければならない、軌道が同じならスピンは異なってなくてはならない
ひとつの電子軌道に複数の電子が入るにはスピンが違っていなければならないしスピンは2通りしかない
ひとつの電子軌道に入れる電子は互いにスピンが逆のふたつだけ
電荷がありスピンしている電子はミニ磁石です(電流と磁界の向きはアンペールの右ねじの法則に従う)
上向きスピンは下から見て右回り(+)でN極が上、下向きスピンは下から見て左回り(-)でN極が下
                   N                      S  
             →     ▲                ←     △  
   +1/2       ↑○↓    ◎      -1/2       ↓○↑    ◎  
             ←     ▽                →     ▼  
                   S                      N  
「電流と磁界に関する法則」と「電磁誘導に関する法則」は別ものなので混同しないようにしましょう
アンペール、ビオ・サバール  ファラデー、フレミング

TOP
クォークの色は3色
TOP
デルタ++粒子は3つのクォークが、同じ電荷+2/3の状態、同じuのフレーバーの状態、同じスピンの向きで、
同じ場所にあり、パウリの排他原理に違反しないためには3つの異なる色の状態が必要になる
クォークの新しい3種の状態として、の3原色が考えられた
オメガ-粒子内の3つのクォークも同じsフレーバー、同じ-1/3電荷ですが、3つの異なる色の状態をもつ
核子・デルタ粒子・ハイペロンなどの重粒子は3つのクォークが3つの色の衣を持ち、中間子はクォーク
・反クォークが2つの補色関係の色の衣をもつ(クォークや中間子の色の衣は時々衣を交換する)
クォークの閉じ込め:クォークが単独では存在しないのは、色は単色では存在できず、無色の粒子だけが
単独で存在できる事や、単独の分数電荷では存在できず、整数電荷だけが単独で存在できる事を意味する

TOP
フェルミ粒子の世代
TOP
フェルミ粒子:軽い順に第1世代,第2世代,第3世代と呼ぶが、現在の原子の構成要素は第1世代のみ
他の世代は、宇宙創成時に存在したが現在の地球にはなく、加速粒子を衝突させて、人工的に作られる
ミュー粒子は、宇宙線が大気中の原子と衝突して生成され地表に到達する2次宇宙線として観測される
世代が高い粒子は、それより前の世代の対応する粒子よりも大きな質量を持つ … 質量階層
各世代間は、粒子の質量のみ異なり、全ての基本相互作用および量子数は同一

TOP
ハイペロンとハイパー核
TOP
核子と高エネルギーの中間子や光子の衝突でハイペロン(ストレンジ粒子)が作られる
ラムダ粒子(uds),シグマ粒子(uus,uds,dds),グザイ粒子(uss,dss),オメガ粒子(sss)
核子内の3つのクォークのうち1個~3個がsクォークであるのがハイペロンです
ハイペロンを含む原子核をハイパー核と言い、ハイパー核内のハイペロンは弱い力
の作用で陽子や中性子に変わり、ハイパー核は通常の原子核に戻る

TOP
レプトンの3世代
TOP
レプトンの各世代は弱い力の作用で±W弱ボソンを交換して変換する(ただし同世代の中に限る)
電荷を持つ粒子と電荷を持たない粒子間で双方向に変換する(e⇔ν、μ⇔νμ、τ⇔ντ
μ粒子は百万分の22秒の寿命でμニュートリノに変わり、電子と反電子ニュートリノを放出する
τ粒子は10兆分の3秒の寿命でτニュートリノに変わり、電子と反電子ニュートリノを放出する
                        か、μ粒子と反μニュートリノを放出する

TOP
ニュートリノ
TOP
ニュートリノには電子ニュートリノ、μニュートリノ、τニュートリノの3種類があります
   これは「フレーバー」による分類です … 電子型ν、ミュー型νμ、タウ型ντ
   ニュートリノは物質に当たって弱い相互作用を受けると、荷電レプトンに変わります
      ・電子に変わるニュートリノを電子ニュートリノ
      ・μ粒子に変わるニュートリノをμニュートリノ
      ・τ粒子に変わるニュートリノをτニュートリノ
   3種類の荷電レプトン(e,μ,τ) : 質量でのみ識別可能
   3種類のニュートリノ : 物質と相互作用することによって識別可能=フレーバー

一方、ニュートリノは「質量」という分類で分けることもできます
   m1,m2,m3という3つの異なる質量を持つ、
   ニュートリノ1、ニュートリノ2、ニュートリノ3の3種類です … ν1、ν2、ν3
   ニュートリノ混合:ニュートリノν1、ν2、ν3の混合
   ν=[ν1>ν2>ν3]、νμ=[ν1<ν2≒ν3]、ντ=[ν1<ν2<ν3]
   ニュートリノは、異なる質量を持つ複数の可能性が重ね合わさった状態

TOP
ニュートリノの生成と検出
TOP
①原子炉内の核分裂の際の放射性核のベータ変換、②高エネルギー陽子加速器で生成(下図)
③宇宙、超新星、太陽、大気、地球の裏側、人体からやってくる
電気を帯びずよく透過する、弱い力だけが作用する、電子の100万分の1以下の質量
現時点では、左巻きらせん運動のニュートリノと、右巻きらせん運動の反ニュートリノ
しか見つかっていない(他の素粒子は、粒子は左右あり、反粒子も左右ある)

①核反応パイ中間子の変換によるニュートリノ生成
                 νμ   νμ
                 ↑    ↑
             π+中間子→μ+粒子→e+
             ↑       ↓
 500MeV         │       νe
②高エネルギー陽子→Be原子核
             │       νe
             ↓       ↑
             π-中間子→μ-粒子→e-
                 ↓    ↓
                 νμ   νμ

③太陽風陽子の場合→大気中の窒素や酸素→…ミュー粒子、電子、ニュートリノ

TOP
ニュートリノ振動
TOP
ニュートリノは、「粒子」であると同時に「波」としての性質を持ちます
   それぞれ異なる質量を持つニュートリノν1、ν2、ν3は、
   それぞれ異なる振動数を持つ「波」として空間を伝播します

ニュートリノのフレーバーは、3種類の質量の決まった「波」の「重ね合わせ」(合成波)となり、
ニュートリノが空間を飛ぶ間に合成波の位相が変化し、フレーバーの種類(型)が移り変わります
   ν⇔νμ、νμ⇔ντ、ντ⇔ν この現象をニュートリノ振動と呼びます
   ニュートリノが質量を持ち、ゼロではないニュートリノ混合があるときに起こる現象です

質量がわずかに異なる3種類のニュートリノν1、ν2、ν3は、それぞれ異なる速度で飛行する
これを飛行経路のある場所で観測すると、元々作られた型とは異なるタイプのニュートリノに、
   ある確率で変わってしまう … ニュートリノの世代交代(移動)が起こる
   ニュートリノ振動が起きる割合はν1、ν2、ν3の質量の二乗の差と飛行距離に比例し、
   ニュートリノが持つエネルギーに反比例する
   ニュートリノが反応した時に対になっている、電子やμ粒子、τ粒子を観測し、
   ニュートリノの型を判別することで型の変化がわかります(型:フレーバーによる分類)
TOP

ミクロな粒子のまとめ

TOP
素粒子・複合粒子第1世代
素粒子フェルミ粒子
(基本粒子)
クォーク
(ハドロン構成粒子)
u(アップ)
d(ダウン)
レプトン
(軽粒子)
電子e-,陽電子e+
電子ニュートリノνe
ボース粒子ゲージ粒子
(力の粒子)
光子,弱ボソン(W±,Z)
グルーオン(g:膠着子)
スカラー粒子ヒッグス粒子(H)
複合粒子ハドロン
(強粒子)
バリオン
(重粒子)
核子(陽子uud,中性子udd)
デルタ粒子(uuu,uud,udd,ddd)
メソン
(中間子)
π+-0
u反d,d反u,(u反u)or(d反d)
その他原子核
フェルミ粒子:クォーク,レプトン,核子(陽子,中性子)
ボース粒子 :ゲージ粒子,重力子,ヒッグス粒子,中間子
量子数   :粒子の量子状態を表わす数値(電荷やスピン)
二次宇宙線 :ミュー粒子は50万分の1秒の寿命ですが特殊相対性理論で10倍延びて地表に到達する
現存する核子を構成するクォークは第1世代のみで、現存する原子を構成する電子も第1世代である
他の世代のクォークやレプトンは宇宙創成時には存在したが現在の地球にはなく、人工的に作られる

物質の占める割合は多くなく宇宙の全質量の大部分は未知の物質で見えないので暗黒物質と呼ばれる
ニュートリノはいまだに謎の多い粒子でニュートリノの正体と暗黒物質の探索が活発に行われている

次へ前へTOP 10.放射線 放射線と原子力、放射性物質、宇宙線

TOP

放射線の種類

TOP
種類放射線
粒子線アルファ線ヘリウム原子核、電荷:+2
  放射性原子核はアルファ変換で陽子2個中性子2個減り質量数4少ない原子核になる
ベータ線電子・陽電子、電荷:±1
  電子が出るベータ変換では、放射性原子核の中性子が陽子になる
  陽電子が出るベータ変換では、放射性原子核の陽子が中性子になる
  電子や陽電子が出るベータ変換では、もう一つの粒子ニュートリノが放出される
陽子線陽子線:水素の原子核、重陽子線:重水素の原子核、電荷:+1
  人工的に原子核反応を起こす加速器等から作られる
中性子線核分裂などの際に核外に飛び出す中性子、電荷:0
  原子炉や加速器等から作られる、ベータ壊変して陽子になる
電磁波ガンマ線光子、波長:10-11m以下
  励起状態の原子核が励起エネルギー分のガンマ線を放出して基底状態になる
X線光子、波長:10-12~10-8
  特別なベータ変換では、陽電子放出の代わりに原子核の内側の軌道の電子を吸収して
  外側の軌道の電子が内側の軌道に移り、軌道差のエネルギーのX線が放出される
 放射性変換:アルファ変換、電子/陽電子/X線を放出するベータ変換ガンマ線放出
 電離放射線:荷電粒子線、非荷電粒子線、3千兆ヘルツ以上の電磁波(ガンマ線、X線)
非電離放射線:3千兆ヘルツ以下の電磁波(紫外線の一部、可視光線、赤外線、マイクロ波、電波)
放射線検出器:霧箱によって荷電粒子(アルファ線、ベータ線、宇宙線)の飛跡を見ることができる
放射線測定器:GM管式(ベータ線)
       シンチレーション式(ガンマ線、X線)測定器によってはアルファ線も測定可能
       電離箱式(ガンマ線、X線)
TOP

電磁波の種類と主な用途

TOP
電磁波波長主な利用
ガンマ線10-10~10-12cm科学観測機器
X線10-7cm医療機器
紫外線10-6cm殺菌灯
可視光線10-5cm光学機器
赤外線10-3cm赤外線ヒーター
サブミリ波0.1cm光通信システム
電波102~104cm携帯電話・TV・ラジオ・飛行機の通信

TOP
放射線と原子力
TOP
放射線:天然放射性物質や人工放射性物質からの放射線、宇宙線
放射線の利用:X線撮影、CT検査、重イオンビーム、ガンマナイフ、PET(陽電子放出断層撮影)
ラジオアイソトープ(RI)= 原子炉内の中性子を材料に照射して作られる放射性物質
天然にも存在し、放射性同位元素とも呼ばれ、医療用のほかに、工業・農業分野でも使われている
核医学検査 = 放射線を放出するRIを含んだ薬を使って、ガンマカメラで体内の状態を調べる検査です

原子核内の核子の軌道運動→高エネルギー粒子を原子核に衝突させると、
高エネルギー粒子のエネルギーの大きさに応じて下記のいずれかが起こる
原子核の振動→原子核の回転→原子核反応→高温核の生成と核子の蒸発→
沢山の核子が蒸発、終には原子核は核子や小さな原子核にばらばらになる

①安定な原子核に外から高エネルギー粒子を入射し、原子核反応が起こると放射性核になることがある
②安定な原子核に外から中性子を入射・吸収させると、放射性核ができる
③安定な原子核に高エネルギー陽子を当てて、中の中性子を弾き飛ばすと放射性核ができる
不安定な放射性核は放射線を放出して、静止質量エネルギーの低い原子核(安定核)に変わる

TOP
炭素同位体年代測定
TOP
宇宙線由来の放射線:中性子→大気中のN14→放射性同位体C14+H、C14+О2…→C14О2
                         ↓放射性崩壊
                     (半減期5730±40年)→N14+e-νe
炭素同位体年代測定:遺物や化石に含まれる炭素14(放射性同位体C14)の量を測定する
炭素14の中性子1個が弱ボソンの作用で陽子に変わり、窒素14に変わる = β-崩壊
    中性子中のdクォークが弱ボソンを放出してuクォークになる
    弱ボソンはすぐにこわれて電子と反電子ニュートリノに変わる
炭素14=陽子6個+中性子8個           窒素14=陽子7個+中性子7個

原子力エネルギー:ウラニウムやトリウムの核分裂の際の放出エネルギー … 原子力発電で利用中
核融合エネルギー:重水素や三重水素などの核融合の際の放出エネルギー
数百万~1千万eV:電子線(ベータ線)、陽子線、アルファ線、ガンマ線
    1千億eV:宇宙線(ミュー粒子)、化学反応は数eVで放射線エネルギーの百万分の1
    放射性変換前後の質量差:E=mc2  …  これが放射線エネルギーが高い理由

   核分裂の連鎖反応:ウラニウムが中性子を吸収して核分裂が起こり中性子を放出する
   核燃料の燃焼制御:原子炉では中性子の減速材や中性子を吸収する制御棒が使われる
   核融合の実用化:1億度位の超高温のプラズマをある時間維持し核融合の持続が必要

TOP
原子炉内のウラニウムの燃焼
TOP
中性子(点火剤)→U235核分裂→中性子+U238(天然核燃料)→U239→β変換→Np239→β変換→Pu239
             →I131,Cs137,Sr90…,Xe133→β変換→Cs133+中性子→Cs134
Pu239は人工核燃料になるが、一部は中性子を吸収してPu240になり、一部は中性子により核分裂する
核分裂による静止質量エネルギーの変化はウラニウム核あたり0.01%、エネルギーにして2億電子ボルト
半減期が数万年以上の放射能をもつ長寿命核種MA(Np,Am,Cm)の群分離・核変換技術の開発が求められている
資源量の多いトリウムによるトリウム燃料サイクルは、MAの生成量が小さい利点があるが課題も多い

TOP
放射線の遮蔽や防御
TOP
500万eVの放射線の速さと透過する厚さ            1000万eVの放射線の防御
アルファ線  :光速の5%、 アルミホイル0.002cmで止まる 銅箔0.03mm
陽子線    :光速の10%、 アルミ板0.02cmで止まる    銅箔0.25mm
ベータ線(電子):光速の99.5%、アルミ板1cmで止まる     銅板6mm
ガンマ線(光子):光速、    アルミレンガ20cmで1/4に減少 銅ブロック10cmで1/10,15cmで2/100に減少
中性子線   :光速の4.67%、               数十cm~数mのコンクリートで減らす
宇宙線    :ほぼ光速に近い速さ、            1000億eV、地下250m
アルファ線、陽子線、ベータ線、宇宙からのミュー粒子:物質中の電子の電気力で減速して止まる
ガンマ線:物質中の電子に何回か衝突すると吸収されて消滅する(一部又は全部が電子のエネルギーになる)
     光子は電子に衝突して、散乱、吸収、電子・陽電子対に変換される
中性子線:物質中の原子核に衝突して吸収されて消滅する

TOP
放射性物質
TOP
放射性物質は、壊変(崩壊)を繰り返し、最終的に安定した物質へ変化すると放射線を放出しなくなります
原子核の壊変には、規則性があり、放射能の量はある一定の時間が経過すると半分になり、更にその同じ
一定の時間が経過するとまたその半分になります … (1→1/2→1/4→1/8…)一定の時間:半減期は同じ
放射線の強度(ベクレル):放射性核数×変換率(%/年)、平均寿命=1/変換率、半減期=平均寿命の約70%
物理学的半減期:壊変によって、始めの原子核の数が半分になるまでの時間を半減期といいます
        半減期は、放射性物質によって違い、数秒のものから100億年を超えるものまであります
生物学的半減期:体内に取り込まれた放射性物質の量が代謝や排泄により体の外へ排出されて半分になる
        までの時間
実効半減期  :物理学的半減期と生物学的半減期の両方を考慮したもの
放射性物質物理学的半減期放射性物質物理学的半減期
クリプトン90   32.3秒クリプトン85     11
キセノン138   14.1分トリチウム     12.3
フッ素18    109.8分ストロンチウム90 28.8
ナトリウム24    15時間セシウム137   30.0
ラドン222     3.8日ラジウム226   1600
キセノン133    5.2日炭素14      5700
ヨウ素131    8.04日プルトニウム239 2.4万
ストロンチウム89 50.5日ウラン235    7.0億
ポロニウム210 138.4日カリウム40     13億
セシウム134    2.1ウラン238     45億
コバルト60    5.27トリウム232   141億
系列:放射性原子核から安定な原子核になるまで次々に核種が変化しながら壊変する
非系列:系列を作らず放射性原子核から直接(1回の壊変で)安定な原子核になる

TOP
放射線の単位
TOP
ベクレル (Bq):1秒間に壊変(崩壊)する原子核の数で、放射能を表す単位、Bq/ℓ、Bq/kg
シーベルト(Sv):体が受けた放射線による影響の度合いを表す単位、ミリSv、μSv
グレイ  (Gy):放射線のエネルギーが物質や人体の組織に吸収された量を表す単位、ナノGy、μGy
※原子爆弾の放出したエネルギーの50%は爆風に、 35%は熱線に、15%は放射線となりました

TOP
地球内外の放射性物質
TOP
天然放射性核
ウラニウム238→トリウム234→…→鉛206
ラジウム226→…
ラドン222→…
トリウム232…→タリウム208→鉛208
カリウム40→カルシウム40→…
カリウム40→アルゴン40→…
人工放射性核
セシウム137→バリウム137→…
→:壊変,セシウム137:核分裂生成人工放射性核
TOP

宇宙線の種類

TOP
種類宇宙線
一次宇宙線陽子、ヘリウム、電子
二次宇宙線ミュー粒子、中性子
銀河宇宙線超高エネルギーの宇宙線
太陽宇宙線ニュートリノ、ガンマ線、陽子、X線
一次宇宙線が大気に衝突して作られる二次宇宙線粒子の
更なる崩壊・生成の連鎖反応を大気シャワー現象と呼ぶ

次へ前へTOP 11.元素と周期表 元素記号一覧、周期表、周期表の仕組み、電子配置

TOP

元素記号一覧

TOP
Alphabet順
周期原子番号元素記号日本語名
89Acアクチニウム
11 47Ag
13 13Alアルミニウム
95Amアメリシウム
18 18Arアルゴン
15 33Asヒ素
17 85Atアスタチン
 11 79Au
13 5ホウ素
56Baバリウム
4Beベリリウム
107Bhボーリウム
15 83Biビスマス
97Bkバークリウム
 17 35Br臭素
14 6炭素
20Caカルシウム
12 48Cdカドミウム
58Ceセリウム
98Cfカリホルニウム
17 17Cl塩素
96Cmキュリウム
12112Cnコペルニシウム
27Coコバルト
24Crクロム
55Csセシウム
 11 29Cu
105Dbドブニウム
10110Dsダームスタチウム
  66Dyジスプロシウム
68Erエルビウム
99Esアインスタイニウム
  63Euユウロピウム
17 9フッ素
26Fe
14114Flフレロビウム
100Fmフェルミウム
  87Frフランシウム
13 31Gaガリウム
64Gdガドリニウム
 14 32Geゲルマニウム
1水素
18 2Heヘリウム
72Hfハフニウム
12 80Hg水銀
67Hoホルミウム
 108Hsハッシウム
17 53ヨウ素
13 49Inインジウム
  77Irイリジウム
19カリウム
 18 36Krクリプトン
57Laランタン
3Liリチウム
103Lrローレンシウム
71Luルテチウム
 16116Lvリバモリウム
15115Mcモスコビウム
101Mdメンデレビウム
12Mgマグネシウム
25Mnマンガン
42Moモリブデン
 109Mtマイトネリウム
15 7窒素
11Naナトリウム
41Nbニオブ
60Ndネオジム
18 10Neネオン
13113Nhニホニウム
10 28Niニッケル
102Noノーベリウム
  93Npネプツニウム
16 8酸素
18118Ogオガネソン
  76Osオスミウム
15 15リン
91Paプロトアクチニウム
14 82Pb
10 46Pdパラジウム
61Pmプロメチウム
16 84Poポロニウム
59Prプラセオジム
10 78Pt白金
  94Puプルトニウム
88Raラジウム
37Rbルビジウム
75Reレニウム
104Rfラザホージウム
11111Rgレントゲニウム
45Rhロジウム
18 86Rnラドン
  44Ruルテニウム
16 16硫黄
15 51Sbアンチモン
21Scスカンジウム
16 34Seセレン
106Sgシーボーギウム
14 14Siケイ素
62Smサマリウム
14 50Snスズ
  38Srストロンチウム
73Taタンタル
65Tbテルビウム
43Tcテクネチウム
16 52Teテルル
90Thトリウム
22Tiチタン
13 81Tlタリウム
69Tmツリウム
 17117Tsテネシン
92ウラン
23バナジウム
74タングステン
18 54Xeキセノン
39イットリウム
  70Ybイッテルビウム
12 30Zn亜鉛
40Zrジルコニウム
アイウエオ順
 周期原子番号元素記号日本語名
99Esアインスタイニウム
12 30Zn亜鉛
89Acアクチニウム
17 85Atアスタチン
95Amアメリシウム
18 18Arアルゴン
13 13Alアルミニウム
15 51Sbアンチモン
16 16硫黄
70Ybイッテルビウム
39イットリウム
77Irイリジウム
13 49Inインジウム
92ウラン
68Erエルビウム
17 17Cl塩素
18118Ogオガネソン
  76Osオスミウム
12 48Cdカドミウム
19カリウム
98Cfカリホルニウム
20Caカルシウム
64Gdガドリニウム
13 31Gaガリウム
18 54Xeキセノン
96Cmキュリウム
11 79Au
11 47Ag
18 36Krクリプトン
24Crクロム
14 14Siケイ素
14 32Geゲルマニウム
27Coコバルト
 12112Cnコペルニシウム
62Smサマリウム
16 8酸素
17 35Br臭素
106Sgシーボーギウム
66Dyジスプロシウム
40Zrジルコニウム
12 80Hg水銀
1水素
21Scスカンジウム
14 50Snスズ
38Srストロンチウム
55Csセシウム
58Ceセリウム
 16 34Seセレン
13 81Tlタリウム
74タングステン
14 6炭素
73Taタンタル
10110Dsダームスタチウム
22Tiチタン
15 7窒素
69Tmツリウム
43Tcテクネチウム
26Fe
17117Tsテネシン
65Tbテルビウム
16 52Teテルル
90Thトリウム
 11 29Cu
105Dbドブニウム
11Naナトリウム
14 82Pb
41Nbニオブ
10 28Niニッケル
13113Nhニホニウム
60Ndネオジム
18 10Neネオン
93Npネプツニウム
102Noノーベリウム
10 78Pt白金
108Hsハッシウム
72Hfハフニウム
23バナジウム
56Baバリウム
97Bkバークリウム
10 46Pdパラジウム
15 33Asヒ素
15 83Biビスマス
100Fmフェルミウム
17 9フッ素
87Frフランシウム
14114Flフレロビウム
59Prプラセオジム
94Puプルトニウム
91Paプロトアクチニウム
61Pmプロメチウム
18 2Heヘリウム
4Beベリリウム
13 5ホウ素
67Hoホルミウム
107Bhボーリウム
 16 84Poポロニウム
109Mtマイトネリウム
12Mgマグネシウム
25Mnマンガン
101Mdメンデレビウム
15115Mcモスコビウム
  42Moモリブデン
63Euユウロピウム
17 53ヨウ素
104Rfラザホージウム
88Raラジウム
18 86Rnラドン
57Laランタン
3Liリチウム
16116Lvリバモリウム
15 15リン
71Luルテチウム
44Ruルテニウム
37Rbルビジウム
75Reレニウム
11111Rgレントゲニウム
45Rhロジウム
103Lrローレンシウム
原子番号順
 周期原子番号元素記号日本語名
1
 18 2He
3Li
4Be
13 5
14 6
15 7
16 8
17 9
 18 10Ne
11Na
12Mg
13 13Al
14 14Si
15 15
16 16
17 17Cl
 18 18Ar
19
20Ca
21Sc
22Ti
23
24Cr
25Mn
26Fe
27Co
10 28Ni
11 29Cu
12 30Zn
13 31Ga
14 32Ge
15 33As
16 34Se
17 35Br
 18 36Kr
37Rb
38Sr
39
40Zr
41Nb
42Mo
43Tc
44Ru
45Rh
10 46Pd
11 47Ag
12 48Cd
13 49In
14 50Sn
15 51Sb
16 52Te
17 53
 18 54Xe
55Cs
56Ba
57La
58Ce
59Pr
60Nd
61Pm
62Sm
63Eu
64Gd
65Tb
66Dy
67Ho
68Er
69Tm
70Yb
71Lu
72Hf
73Ta
74
75Re
76Os
77Ir
10 78Pt
11 79Au
12 80Hg
13 81Tl
14 82Pb
15 83Bi
16 84Po
17 85At
 18 86Rn
87Fr
88Ra
89Ac
90Th
91Pa
92
93Np
94Pu
95Am
96Cm
97Bk
98Cf
99Es
100Fm
101Md
102No
103Lr
104Rf
105Db
106Sg
107Bh
108Hs
109Mt
10110Ds
11111Rg
12112Cn
13113Nh
14114Fl
15115Mc
16116Lv
17117Ts
18118Og
TOP

従来の周期表

TOP
族→
周期
101112 131415161718


水素
 
He
ヘリウム

Li
リチウム

Be
ベリリウム
 上段:原子番号(陽子数)、下段:日本名
中段:元素記号(文字色は常温の相) 


ホウ素


炭素


窒素


酸素


フッ素
10
Ne
ネオン
11
Na
ナトリウム
12
Mg
マグネシウム
  13
Al
アルミニウム
14
Si
ケイ素
15

リン
16

硫黄
17
Cl
塩素
18
Ar
アルゴン
19

カリウム
20
Ca
カルシウム
21
Sc
スカンジウム
22
Ti
チタン
23

バナジウム
24
Cr
クロム
25
Mn
マンガン
26
Fe
27
Co
コバルト
28
Ni
ニッケル
29
Cu
30
Zn
亜鉛
31
Ga
ガリウム
32
Ge
ゲルマニウム
33
As
ヒ素
34
Se
セレン
35
Br
臭素
36
Kr
クリプトン
37
Rb
ルビジウム
38
Sr
ストロンチウム
39

イットリウム
40
Zr
ジルコニウム
41
Nb
ニオブ
42
Mo
モリブデン
43
Tc
テクネチウム
44
Ru
ルテニウム
45
Rh
ロジウム
46
Pd
パラジウム
47
Ag
48
Cd
カドミウム
49
In
インジウム
50
Sn
スズ
51
Sb
アンチモン
52
Te
テルル
53

ヨウ素
54
Xe
キセノン
55
Cs
セシウム
56
Ba
バリウム
ランタ
ノイド
72
Hf
ハフニウム
73
Ta
タンタル
74

タングステン
75
Re
レニウム
76
Os
オスミウム
77
Ir
イリジウム
78
Pt
白金
79
Au
80
Hg
水銀
81
Tl
タリウム
82
Pb
83
Bi
ビスマス
84
Po
ポロニウム
85
At
アスタチン
86
Rn
ラドン
87
Fr
フランシウム
88
Ra
ラジウム
アクチ
ノイド
104
Rf
ラザホージウム
105
Db
ドブニウム
106
Sg
シーボーギウム
107
Bh
ボーリウム
108
Hs
ハッシウム
109
Mt
マイトネリウム
110
Ds
ダームスタチウム
111
Rg
レントゲニウム
112
Cn
コペルニシウム
113
Nh
ニホニウム
114
Fl
フレロビウム
115
Mc
モスコビウム
116
Lv
リバモリウム
117
Ts
テネシン
118
Og
オガネソン
上記周期表は「長周期型周期表」と呼ばれるもので、「ランタノイド(57番〜71番元素)」
や「アクチノイド(89番〜103番元素)」といった元素群が、表の下側に置かれています
一方、超長周期型の周期表では、ランタノイドやアクチノイドも一つの表の中におさめます
つまり、長周期型と超長周期型は、元素の配置の仕方がちがうだけで、内容は同じものです
ランタ
ノイド
57
La
ランタン
58
Ce
セリウム
59
Pr
プラセオジム
60
Nd
ネオジム
61
Pm
プロメチウム
62
Sm
サマリウム
63
Eu
ユウロピウム
64
Gd
ガドリニウム
65
Tb
テルビウム
66
Dy
ジスプロシウム
67
Ho
ホルミウム
68
Er
エルビウム
69
Tm
ツリウム
70
Yb
イッテルビウム
71
Lu
ルテチウム
アクチ
ノイド
89
Ac
アクチニウム
90
Th
トリウム
91
Pa
プロトアクチニウム
92

ウラン
93
Np
ネプツニウム
94
Pu
プルトニウム
95
Am
アメリシウム
96
Cm
キュリウム
97
Bk
バークリウム
98
Cf
カリホルニウム
99
Es
アインスタイニウム
100
Fm
フェルミウム
101
Md
メンデレビウム
102
No
ノーベリウム
103
Lr
ローレンシウム
元素記号=【:常温で気体(H,N,O,F,Cl,18族)、:常温で液体(Hg,Br)、黒:常温で固体】
背景の色=非金属アルカリ金属アルカリ土類金属遷移金属ハロゲン貴ガス、典型金属
金属元素:金属元素、非金属元素:金属元素以外、半金属元素:金属と非金属との境界付近の元素(両方の性質)
遷移元素(横の類似性):3~12族、3族のうち原子番号=57~70と原子番号=89~102は内部遷移元素
典型元素(縦の類似性):遷移元素以外、典型元素には非金属元素と金属元素がある、テネシンも典型元素に含む
内部遷移元素:原子番号=57~70:ランタノイド(La~Yb)、原子番号=89~102:アクチノイド(Ac~No)
希土類元素(17元素):Scスカンジウム,Yイットリウム,ランタノイド=(「ランタン」+「もどき」)
貴ガスは量的に少ないので希ガスとも言われる化合反応を起こしにくい不活性ガス(最外殻までの電子が満杯状態)
2005年に英語表記がrare gasからnoble gasに改められ,日本語での表記も希ガスから貴ガスへと変更になりました
令和3年度の教科書より、日本化学会の提言も踏まえて高貴なガスという意味から貴ガスと表記を変更しています
化学反応しやすい:電子が満杯+1個余計(Na+)、電子が満杯-1個少ない(Cl-)=化学反応を起こしてNaClになる
第12族から第16族は先頭元素名で呼ばれる(亜鉛族,ホウ素族,炭素族,窒素族,酸素族)
ニクトゲン:15族に位置する5つの元素(N,P,As,Sb,Bi),カルコゲン:16族に位置する5つの元素(O,S,Se,Te,Po)

TOP
人工元素
TOP
人工元素:天然に存在する元素は原則、原子番号92Uウランまでですが、原子番号92までのうち4つの例外元素
=43Tcテクネチウム,61Pmプロメチウム,85Atアスタチン,87Frフランシウム(同位体)および原子番号が93以上の
超ウラン元素(アクチノイドの一部93~103,104-118の24個),いずれも放射性元素

TOP
遷移元素
TOP
殻 ---spdf軌道---
K 1s      
L 2s 2p    
M 3s 3p 3d  
N 4s 4p 4d 4f
O 5s 5p 5d 5f
P 6s 6p 6d 6f
Q 7s 7p 7d 7f
  2  6  10 14
電子殻は内側から、K殻、L殻、M殻、N殻…です
各電子殻に入ることのできる電子の数は限りがあって、
K殻に2個、L殻に8個、M殻に18個、N殻に32個となります
電子が電子殻に入るとき、その入り方には規則性(電子配置)がある
規則性①‥電子は普通内側にある電子殻(K殻)から順に入る
内側から入った電子が電子殻の収容できる数を超えるとその外側の電子殻に入る
規則性②‥最外殻電子の数が8個を超えてはいけない(ただし、Pdは例外)
原子は安定な電子殻が多い方を目指す(Ca20の場合、K2,L8,M10でなく、K2,L8,M8,N2)
遷移元素はこの規則性に従わない(後述の例外1,例外2,例外3
  →┼→┼──→┼──→┼────→┼────→┼──────→┼────→┼──→┼→
殻 K  L  L  M  M  N  M  N  O  N  O  P  N  O  P  Q  O  P  Q  P  Q  Q
軌道1s→2s→2p→3s→3p→4s→3d→4p→5s→4d→5p→6s→4f→5d→6p→7s→5f→6d→7p→6f→7d→7f
(E)1s<2s<2p<3s<3p<4s<3d<4p<5s<4d<5p<6s<4f<5d<6p<7s<5f<6d<7p<6f<7d<7f
という順で詰まっていきます(銅などいくつかの例外もある)
  ○主量子数:n = 1,2,3,…,7 (正の整数) = 電子殻:K,L,M,N,…殻
  ○主量子数nと方位量子数l(エル)との関係…0≦l≦n-1
  ○方位量子数l(エル)と磁気量子数mlとの関係…-l≦ml≦l
エネルギー準位(E)は、通常、主量子数(n)が大きくなるほど高く、主量子数(n)が同じ値の場合には、
方位量子数(l:エル)の値が大きくなるほど高いが、n≧3の場合は、高低の逆転が生じる(4s<3d)
このように見ると、M殻の3d軌道の前にN殻の4s軌道が詰まるなど「K殻から順に」のルールが崩れています
実はこれこそが「遷移元素」が存在する理由です
電子軌道は、エネルギーの低い順に収容される(4s<3d)

例として原子番号21、電子数21のスカンジウムを見ていきます
カルシウムは電子数20ですから、電子1個を残して全てカルシウムと同じように詰まります
カルシウムはK殻に2個、L殻に8個、M殻に8個入ると、あと10個の電子がM殻に入れるのですが、
残り2個の電子は、M殻より軌道エネルギーの低いN殻に先に入ります(4s<3d
(Ca20の場合、K2,L8,M10でなく、K2,L8,M8,N2)
   K  L  L  M  M  N 
20Ca:1s2→2s2→2p6→3s2→3p6→4s2
電子数 2  4  10  12  18  20
s軌道┌────p軌道────┐┌──────d軌道──────┐ ┌───f軌道───┐
周期1K殻  
周期2L殻 
周期3M殻           
周期4N殻                   …   
 :   
アップスピン↑とダウンスピン↓が1つずつ入る(1つの軌道には電子は上下逆さのスピンで入る)電子対
     
同じエネルギーの軌道にはバラバラに、スピンを揃えて入るという規則があります(フントの規則)不対電子
          
そしてスカンジウムの最後の1個は、N殻4s軌道の次にエネルギーの低いM殻3d軌道に詰まります
   K  L  L  M  M  N  M 
21Sc:1s2→2s2→2p6→3s2→3p6→4s2→3d1
電子数 2  4  10  12  18  20  21
この先最外殻電子は4s軌道の2個のまま、3d軌道に入っていくことになり、これが「遷移元素」が生じる原因です
s軌道┌────p軌道────┐┌──────d軌道──────┐ ┌───f軌道───┐
周期1K殻  
周期2L殻 
周期3M殻          
周期4N殻                   …   
 :   

TOP
遷移元素・内部遷移元素
TOP
亜鉛族元素:第12族元素は、d軌道が閉殻状態ゆえ典型元素的性質を持つため、以前は「典型元素」に分類され
ていましたが、IUPACの最近の勧告にあわせて、日本も2022年度からは「遷移元素」に含めるとしています
従来の周期表の中には、(La~Lu)及び((Ac~Lr)の各15元素を「内部遷移元素」としているものもありますが、
電子配置からするとLu及びLrは「内部遷移元素」でなく「遷移元素」です
本来、内部遷移元素は(n-2)f1-14の電子を持ち、各シリーズ14個の元素からなることが特長です
ランタノイド(La~Lu)15個のうちLuを除外した(La~Yb)が内部遷移元素14個、Luは遷移元素
(La~Yb)+(Lu~Hg):(14+10)元素=4f+5d
アクチノイド(Ac~Lr)15個のうちLrを除外した(Ac~No)が内部遷移元素14個、Lrは遷移元素
(Ac~No)+(Lr~Cn):(14+10)元素=5f+6d

TOP
最外殻電子・閉殻・価電子
TOP
1番外側の電子殻に収容されている電子のことを最外殻電子といいます
貴ガスの最外殻電子はヘリウムだけ2個で、他の貴ガスはすべて最外殻電子は8個で安定な電子配置をしています
このように最大数の電子が収容された電子殻を閉殻といいます
化学結合や化学的性質に関与する電子のことを価電子といいます
最外殻電子がちょうどその電子殻の最大収容数の場合、または最外殻電子が8個の場合、価電子の数は0とする
貴ガスの場合は最外殻までの電子が満杯状態で、化学反応をそもそも起こさないので、価電子の数はゼロです
価電子の定義は曖昧です(貴ガスは反応性が低いから価電子数はすべて0としますと言う程度の定義です!)

TOP
放射性同位体・安定同位体
TOP
同一元素の原子はその原子核に必ず同数の陽子を持っているが、中性子数の異なる原子核(核種)を同位体と呼ぶ
同位体は陽子と軌道電子の数が等しいため化学的性質はほぼ等しいが、物理的性質は異なる
同位体のうち放射性を有するものを放射性同位体、放射性を有しないものを安定同位体と呼ぶ
TOP

元素発見の歴史

TOP
族→
周期
101112 131415161718

水素
1766
 
ヘリウム
1868

リチウム
1817

ベリリウム
1798
 上段:原子番号、中段:日本名、下段:発見年
ホウ素
1808

炭素
古代

窒素
1772

酸素
1774

フッ素
1886
10
ネオン
1898
11
ナトリウム
1807
12
マグネシウム
1755
  13
アルミニウム
1825
14
ケイ素
1823
15
リン
1669
16
硫黄
古代
17
塩素
1774
18
アルゴン
1894
19
カリウム
1807
20
カルシウム
1808
21
スカンジウム
1879
22
チタン
1795
23
バナジウム
1801
24
クロム
1797
25
マンガン
1774
26

古代
27
コバルト
1737
28
ニッケル
1751
29

古代
30
亜鉛
古代
31
ガリウム
1875
32
ゲルマニウム
1886
33
ヒ素
1250
34
セレン
1817
35
臭素
1826
36
クリプトン
1898
37
ルビジウム
1860
38
ストロンチウム
1793
39
イットリウム
1794
40
ジルコニウム
1789
41
ニオブ
1846
42
モリブデン
1778
43
テクネチウム
1937
44
ルテニウム
1844
45
ロジウム
1803
46
パラジウム
1803
47

古代
48
カドミウム
1817
49
インジウム
1863
50
スズ
古代
51
アンチモン
1450
52
テルル
1782
53
ヨウ素
1811
54
キセノン
1898
55
セシウム
1860
56
バリウム
1774
ランタ
ノイド
72
ハフニウム
1923
73
タンタル
1802
74
タングステン
1783
75
レニウム
1925
76
オスミウム
1803
77
イリジウム
1803
78
白金
1741
79

古代
80
水銀
古代
81
タリウム
1860
82

古代
83
ビスマス
1753
84
ポロニウム
1898
85
アスタチン
1940
86
ラドン
1898
87
フランシウム
1939
88
ラジウム
1898
アクチ
ノイド
104
ラザホージウム
1964
105
ドブニウム
1970
106
シーボーギウム
1974
107
ボーリウム
1976
108
ハッシウム
1984
109
マイトネリウム
1982
110
ダームスタチウム
1994
111
レントゲニウム
1994
112
コペルニシウム
1996
113
ニホニウム
2004
114
フレロビウム
1999
115
モスコビウム
2004
116
リバモリウム
2000
117
テネシン
2009
118
オガネソン
2003
ランタ
ノイド
57
ランタン
1839
58
セリウム
1803
59
プラセオジム
1885
60
ネオジム
1885
61
プロメチウム
1945
62
サマリウム
1879
63
ユウロピウム
1901
64
ガドリニウム
1880
65
テルビウム
1843
66
ジスプロシウム
1886
67
ホルミウム
1879
68
エルビウム
1843
69
ツリウム
1879
70
イッテルビウム
1878
71
ルテチウム
1907
アクチ
ノイド
89
アクチニウム
1899
90
トリウム
1828
91
プロトアクチニウム
1917
92
ウラン
1789
93
ネプツニウム
1940
94
プルトニウム
1941
95
アメリシウム
1945
96
キュリウム
1944
97
バークリウム
1949
98
カリホルニウム
1950
99
アインスタイニウム
1952
100
フェルミウム
1953
101
メンデレビウム
1955
102
ノーベリウム
1958
103
ローレンシウム
1961
背景の色=  古代13世紀15世紀17世紀18世紀19世紀20世紀21世紀
元素数 = 10個 1個 1個 1個21個49個30個 5個
地表露出:有用資源の採掘
熱分解・電気分解:化合物を単体に分解
分光器:分光分析、スペクトル分析
周期律の発見:三つ組元素、未知元素の予言(周期表の空欄)
放射線:放射性元素の発見
加速器:原子核反応、人工元素、現代の錬金術

TOP

短周期型周期表の改良版

TOP
族→
周期


水素
 
He
ヘリウム

Li
リチウム

Be
ベリリウム
上段:原子番号(陽子数)
中段:元素記号


ホウ素


 炭素 


 窒素 


 酸素 


フッ素
10
Ne
ネオン
11
Na
ナトリウム
12
Mg
マグネシウム
(文字色は常温の相)
下段:日本名
13
Al
アルミニウム
14
Si
ケイ素
15

 リン 
16

 硫黄 
17
Cl
 塩素 
18
Ar
アルゴン
19

カリウム
20
Ca
カルシウム
21~30
Sc~Zn
スカンジウム~亜鉛
31
Ga
ガリウム
32
Ge
ゲルマニウム
33
As
 ヒ素 
34
Se
セレン
35
Br
 臭素 
36
Kr
クリプトン
37
Rb
ルビジウム
38
Sr
ストロンチウム
39~48
Y~Cd
イットリウム~カドミウム
49
In
インジウム
50
Sn
スズ
51
Sb
アンチモン
52
Te
テルル
53

ヨウ素
54
Xe
キセノン
55
Cs
セシウム
56
Ba
バリウム
57~70
La~Yb
ランタン~イッテルビウム
71~80
Lu~Hg
ルテチウム~水銀
81
Tl
タリウム
82
Pb
  鉛  
83
Bi
ビスマス
84
Po
ポロニウム
85
At
アスタチン
86
Rn
ラドン
87
Fr
フランシウム
88
Ra
ラジウム
89~102
Ac~No
 アクチニウム~ノーベリウム 
103~112
Lr~Cn
ローレンシウム~コペルニシウム
113
Nh
ニホニウム
114
Fl
フレロビウム
115
Mc
モスコビウム
116
Lv
リバモリウム
117
Ts
テネシン
118
Og
オガネソン
最外殻電子の数が同じ元素は同じ族にまとめた周期表
第4軌道以降は、p軌道の前の隙間(d軌道やf軌道)に電子が入り込み、
元素はどれも同じような性質を示す
メンデレーエフの第二の周期表をベースに貴ガスやLn(57-71)An(89-103)を追加
亜族を追加(A&B)した短周期型周期表
族→
周期
        
             He       
Li Be      Ne       
Na Mg Al Si   Cl Ar       
CuCaZnScGaTiGeAsCrSeMnBr KrFe Co Ni 
RbAgSrCdInSnNbSbMoTeTc  XeRu Rh Pd 
CsAuBaHgLa~LuTlHfPbTaBiPoReAt RnOs Ir Pt 
FrRgRaCnAc~LrNhRfFlDbMcSgLvBhTs OgHs Mt Ds 
IB,ⅡB,ⅢA–ⅦA,O族をまるごとⅧ族の右に引越した短周期型周期表
亜族問題の解決とブロック(spdf)の分類を同時に達成
族→
周期
                He
LiBe          Ne
NaMg          AlSiClAr
CaScTiCrMnFeCoNiCuZnGaGeAsSeBrKr
RbSrZrNbMoTcRuRhPdAgCdInSnSbTeXe
CsBaLa~LuHfTaReOsIrPtAuHgTlPbBiPoAtRn
FrRaAc~LrRfDbSgBhHsMtDsRgCnNhFlMcLvTsOg
族の名称を1–18族と呼ぶことに改めた長周期型周期表
1–18族(縦の同族元素のグループ)
価電子数 1か2
族→
周期
101112 131415161718
                He
LiBe          Ne
NaMg          AlSiClAr
CaScTiCrMnFeCoNiCuZnGaGeAsSeBrKr
RbSrZrNbMoTcRuRhPdAgCdInSnSbTeXe
CsBaLa~LuHfTaReOsIrPtAuHgTlPbBiPoAtRn
FrRaAc~LrRfDbSgBhHsMtDsRgCnNhFlMcLvTsOg
短周期型周期表の改良版
左端のⅠ-Ⅱと右端のⅢ-Oとの間のⅢ-Ⅷ,Ⅰ-Ⅱ族(f軌道とd軌道)の族名を消去
f軌道とd軌道のブロックのグループ化(縦の同族元素のグループの例外)、遷移元素
族→
周期
3-12131415161718
 He
LiBe Ne
NaMg AlSiClAr
Ca Sc~ZnGaGeAsSeBrKr
RbSr Y~CdInSnSbTeXe
CsBaLa~YbLu~HgTlPbBiPoAtRn
FrRaAc~NoLr~CnNhFlMcLvTsOg
超長周期型周期表
A(2)内部遷移元素C(14)遷移元素B(10)典型元素A(6)
族→
周期
ⅠAⅡAⅠC~ⅩⅣCⅠB~ⅩBⅢA~ⅧA
101112131415161718
 He
LiBe Ne
NaMg AlSiClAr
Ca ScTiCrMnFeCoNiCuZnGaGeAsSeBrKr
RbSr ZrNbMoTcRuRhPdAgCdInSnSbTeXe
CsBaLaCePrNdPmSmEuGdTbDyHoErTmYbLuHfTaReOsIrPtAuHgTlPbBiPoAtRn
FrRaAcThPaNpPuAmCmBkCfEsFmMdNoLrRfDbSgBhHsMtDsRgCnNhFlMcLvTsOg
TOP周期表の仕組みTOP
族→
周期
3-12131415161718
1s11s2


He
s1s2p1p2p3p4p5p6
2s2p

Li

Be





10
Ne
3s3p
11
Na
12
Mg
13
Al
14
Si
15
16
17
Cl
18
Ar
4s3d4p
19
20
Ca
21~30
Sc~Zn
31
Ga
32
Ge
33
As
34
Se
35
Br
36
Kr
5s4d5p
37
Rb
38
Sr
39~48
Y~Cd
49
In
50
Sn
51
Sb
52
Te
53
54
Xe
6s4f5d6p
55
Cs
56
Ba
57~70
La~Yb
71~80
Lu~Hg
81
Tl
82
Pb
83
Bi
84
Po
85
At
86
Rn
7s5f6d7p
87
Fr
88
Ra
89~102
Ac~No
103~112
Lr~Cn
113
Nh
114
Fl
115
Mc
116
Lv
117
Ts
118
Og
ab1s~7s4f~5f3d~6d2p~7p
bsブロックfブロックdブロックpブロック
c1x2=27x2=145x2=103x2=6

左記の表から特定の元素の電子数と
原子番号が求められます

周期 元素数 軌道     
1  2   1s      
2  8   2s     2p
3  8   3s     3p
4  18   4s   3d 4p
5  18   5s   4d 5p
6  32   6s 4f 5d 6p
7  32   7s 5f 6d 7p

abc=電子殻a,電子軌道bの電子数がc個
(a:1~7,b:spdf,c:1~14)
電子殻a=1~7:K~Q、
電子軌道bの軌道数=s:1個,p:3個,d:5個,f:7個
  軌道電子数最大 1x2 ,3x2 ,5x2 ,7x2
  軌道電子数最大 s:2 ,p:6 ,d:10 ,f:14

例:34Seセレン
周期1:1s2
周期2:2s2,2p6
周期3:3s2,3p6
周期4:4s2,3d10,4p4
cの合計=1s2,2s2,2p6,3s2,3p6,4s2,3d10,4p4
    =34
よって、セレンの電子数=34:原子番号

TOP貴ガスの電子配置TOP
◆引用の明示:Wikipedia◆
ヘリウム ネオン アルゴン クリプトン
2=2         2+8=10        2+8+8=18       2+8+18+8=36
キセノン ラドン オガネソン
2+8+18+18+8=54    2+8+18+32+18+8=86  2+8+18+32+32+18+8=118
電子が軌道に入るときは、次の規則がある
構成原理   :エネルギーの低い軌道から順に入っていく   (例外あり)
パウリの排他律:1つの軌道には電子が2個まで入ることができる(スピン= +1/2,-1/2)
フントの規則 :複数の軌道があるときは電子はできるだけ別々の軌道にスピンの向きを揃えて入っていく
電子軌道bの軌道数=s:1個,p:3個,d:5個,f:7個
軌道電子数最大   1x2 ,3x2 ,5x2 ,7x2 
最外殻電子数:1個~8個
最外殻電子数が8個の場合が貴ガス・不活性ガス
以下は、原子番号118のOgオガネソンの電子配置です ← [周期表の仕組み]の表のab行から後記(1)
p軌道の前の隙間d軌道やf軌道に電子が入り込み:低いエネルギ―軌道
1s2,2s2,2p6,3s2,3p6,4s2,3d10,4p6,5s2,4d10,5p6,6s2,4f14,5d10,6p6,7s2,5f14,6d10,7p6 … (1)
1 2   3   4      5      6        7 ← 周期1~7
abc=電子殻a,電子軌道bの電子数がc個(a:1~7,b:spdf,c:1~14)
電子殻a=1~7:K~Q、軌道電子数最大=s:2,p:6,d:10,f:14、前記(1)を電子殻aで並べ直すと次行
1s2,2s2,2p6,3s2,3p6,3d10,4s2,4p6,4d10,4f14,5s2,5p6,5d10,5f14,6s2,6p6,6d10,7s2,7p6
K  L    M      N         O         P      Q ← 電子殻K~Q
オガネソン=原子核に近い内側からK殻~Q殻=軌道殻7
電子配置 :K殻,L殻,M殻,N殻,O殻,P殻,Q殻
主量子数 : 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7
電子収容数: 2, 8, 18, 32, 32, 18, 8 Σc
軌道の数 : 1, 4, 9, 16, 16, 9, 4 電子収容数/2
●電子の数=2+8+18+32+32+18+8=118:オガネソンの原子番号
電子殻K~Q=K L M N O P Q
●元素の数=2+8+8+18+18+32+32=118:オガネソンの原子番号
周期1~7=1 2 3 4 5 6 7
 ヘリウム=2          2 1s2
  ネオン=2,8        10 1s2,2s2,2p6
 アルゴン=2,8,8       18 1s2,2s2,2p6,3s2,3p6
クリプトン=2,8,18,8      36 1s2,2s2,2p6,3s2,3p6,3d10,4s2,4p6
 キセノン=2,8,18,18,8    54 1s2,2s2,2p6,3s2,3p6,3d10,4s2,4p6,4d10   ,5s2,5p6
  ラドン=2,8,18,32,18,8   86 1s2,2s2,2p6,3s2,3p6,3d10,4s2,4p6,4d10,4f14,5s2,5p6,5d10   ,6s2,6p6
オガネソン=2,8,18,32,32,18,8 118 1s2,2s2,2p6,3s2,3p6,3d10,4s2,4p6,4d10,4f14,5s2,5p6,5d10,5f14,6s2,6p6,6d10,7s2,7p6
電子殻K~Q=K L M N O P Q   K  L    M      N         O         P      Q   
 ヘリウム=2          2 1s2
  ネオン=2,8        10 1s2,2s2,2p6
 アルゴン=2,8,8       18 1s2,2s2,2p6,3s2,3p6
クリプトン=2,8,8,18      36 1s2,2s2,2p6,3s2,3p6,4s2,3d10,4p6
 キセノン=2,8,8,18,18    54 1s2,2s2,2p6,3s2,3p6,4s2,3d10,4p6,5s2,4d10,5p6
  ラドン=2,8,8,18,18,32   86 1s2,2s2,2p6,3s2,3p6,4s2,3d10,4p6,5s2,4d10,5p6,6s2,4f14,5d10,6p6
オガネソン=2,8,8,18,18,32,32 118 1s2,2s2,2p6,3s2,3p6,4s2,3d10,4p6,5s2,4d10,5p6,6s2,4f14,5d10,6p6,7s2,5f14,6d10,7p6
周期1~7=1 2 3 4 5 6 7   1 2   3   4      5      6        7


TOP
基底状態の電子配置表
TOP
◆引用の明示:Wikipedia基底状態の電子配置表◆
最大電子数(殻)28183232188
最大電子数(副殻)2262610261014261014261026
元素記号元素名原子
番号
1s2s2p3s3p3d4s4p4d4f5s5p5d5f6s6p6d7s7p
KLMNOPQ
第1周期   1s2s2p3s3p3d4s4p4d4f5s5p5d5f6s6p6d7s7p
H 11
18He22
第2周期   1s2s2p3s3p3d4s4p4d4f5s5p5d5f6s6p6d7s7p
Li321
Be422
13B 5221
14C 6222
15N 7223
16O 8224
17F 9225
18Ne10226
第3周期   1s2s2p3s3p3d4s4p4d4f5s5p5d5f6s6p6d7s7p
Na1110
1s … 2p
ネオン核
[Ne]
1
Mg122
13Al1321
14Si1422
15P 1523
16S 1624
17Cl1725
18Ar1826
第4周期   1s2s2p3s3p3d4s4p4d4f5s5p5d5f6s6p6d7s7p
K 1918
1s … 3p
アルゴン核
[Ar]
1
Ca202
Sc2112
Ti2222
V 2332
Cr2451
Mn2552
Fe2662
Co2772
10Ni2882
11Cu29101
12Zn30102
13 Ga311021
14 Ge321022
15As331023
16Se341024
17Br351025
18Kr361026
第5周期   1s2s2p3s3p3d4s4p4d4f5s5p5d5f6s6p6d7s7p
Rb3736
1s … 4p
クリプトン核
[Kr]
1
Sr382
Y 3912
Zr4022
Nb4141
Mo4251
Tc4352
Ru4471
Rh4581
10Pd4610
11Ag47101
12Cd48102
13 In491021
14 Sn501022
15 Sb511023
16Te521024
17I 531025
18Xe541026
第6周期   1s2s2p3s3p3d4s4p4d4f5s5p5d5f6s6p6d7s7p
Cs5554=68-14
1s … 5p-(4f)
キセノン核
[Xe]
1
Ba562
La5712
Ce5846=68-(14+2+6)
1s … 5p-(4f,5s,5p)
キセノン核
[Xe]
12612
Pr593262
Nd604262
Pm615262
Sm626262
Eu637262
Gd6472612
Tb659262
Dy6610262
Ho6711262
Er6812262
Tm6913262
Yb7014262
Lu7168
1s … 5p
キセノン核
[Xe]
12
Hf7222
Ta7332
W 7442
Re7552
Os7662
Ir7772
10Pt7891
11Au79101
12Hg80102
13 Tl811021
14 Pb821022
15 Bi831023
16 Po841024
17At851025
18Rn861026
第7周期   1s2s2p3s3p3d4s4p4d4f5s5p5d5f6s6p6d7s7p
Fr8778
1s … 5d
ラドン核
[Rn]
261
Ra88262
Ac892612
Th902622
Pa9122612
U 9232612
Np9342612
Pu946262
Am9572 62
Cm9672612
Bk979262
Cf9810262
Es9911262
Fm10012262
Md10113262
No10214262
Lr103142621
Rf (推定)  104142622
Db (推定)  1051426 32
Sg (推定)  1061426 42
Bh (計算値) 1071426 52
Hs (推定)  1081426 62
Mt1091426 72
10Ds1101426 91
11Rg1111426 92
12Cn1121426102
13 Nh11314261021
14 Fl (推定)  11414261022
15 Mc (推定)  11514261023
16 Lv (推定)  11614261024
17Ts (計算値) 11714261025
18Og (推定)  11814261026
元素記号元素名原子
番号
1s2s2p3s3p3d4s4p4d4f5s5p5d5f6s6p6d7s7p
KLMNOPQ
最大電子数(副殻)2262610261014261014261026
最大電子数(殻)28183232188
スペクトルの特徴=s軌道(sharp)、p軌道(principal)、d軌道(diffuse)、f軌道(fundamental)
背景の色=非金属アルカリ金属アルカリ土類金属遷移金属ハロゲン貴ガス、典型金属
遷移元素:3~12族、3族のうち原子番号=57~70と原子番号=89~102は内部遷移元素
[貴ガスの元素記号]:電子配置の共通項を簡略形式で表現、例:Se=[Ar],3d10,4s2,4p4

TOP
遷移金属の電子配置
TOP
クロム(Cr)と銅(Cu)の電子配置は次の通りです
最外殻電子4sから電子を一つ奪って3d軌道に入っています
●クロム(Cr,24):1s2,2s2,2p6,3s2,3p6,3d5,4s1
 d軌道に5個の不対電子が入ることで、スピンが同じ方向を向きエネルギー的に安定化します
 (d軌道が半閉殻
s軌道┌────p軌道────┐┌──────d軌道──────┐ ┌───f軌道───┐
周期1K殻  
周期2L殻  
周期3M殻      
周期4N殻                    …   
●銅(Cu,29)  :1s2,2s2,2p6,3s2,3p6,3d10,4s1
 d軌道に10個の電子対が入ることで、d軌道の電子が全て互いに逆向きスピンで充填され、
 エネルギー的に安定化します(d軌道が閉殻
s軌道┌────p軌道────┐┌──────d軌道──────┐ ┌───f軌道───┐
周期1K殻  
周期2L殻  
周期3M殻 
周期4N殻                    …   
パラジウム(Pd)の電子配置は次の通りです
最外殻電子5sから電子を二つ奪って4d軌道に入っています
●パラジウム(Pd,46):1s2,2s2,2p6,3s2,3p6,3d10,4s2,4p6,4d10,5s0
 先に5s軌道から電子が入り始めますが、4d軌道に電子が入り始め4d軌道の電子が増え、
 Pdでは5s(↑↓)4d(↑↓)(↑↓)(↑↓)(↑)(↑)ではなく
s軌道┌────p軌道────┐┌──────d軌道──────┐ ┌───f軌道───┐
周期1K殻  
周期2L殻  
周期3M殻 
周期4N殻     …   
周期5О殻                   …   
    5s()4d(↑↓)(↑↓)(↑↓)(↑↓)(↑↓)という電子配置になります(d軌道が閉殻
s軌道┌────p軌道────┐┌──────d軌道──────┐ ┌───f軌道───┐
周期1K殻  
周期2L殻  
周期3M殻 
周期4N殻   …   
周期5О殻                     …   
遷移金属はエネルギーの近い軌道(dとs,dとf)を持つため、順番が変わることが多いので注意が必要です
電子はスピンの向きを揃えたがる性質と、できるだけ離れた電子軌道に入ろうとする二つの重要な性質
があり、最終的に原子全体としていかにバランスよく電子配置するかという観点で電子を配置します
dブロック(3d~6d)の例外1:
d軌道の副殻は、s軌道の副殻から1個の電子(パラジウムの場合は2個)を「借ります」
fブロック(4f~5f)の例外2:
d軌道の副殻は、f軌道の副殻から1個の電子(トリウムの場合は2個)を「借りる」ことがよくあります
pブロック(2p~7p)の例外3:
1970年、ローレンシウム(Lr,103)の基底状態の電子配置は、構造原理に従って、[Rn]5f146d17s2であり、
同族体であるルテチウムの[Xe]4f145d16s2とも合致すると予測された
しかし翌年、この予測に疑義を唱え、その代わり、[Rn]5f147s27p1という異常な電子配置を取るとする
計算結果が公表された

TOP
電子配置展開
TOP
電子の(spdf)軌道とスピン(↑↓)
直線結び
TOP

岩石・鉱物・鉱石

TOP
岩石火成岩火山岩流紋岩、安山岩、玄武岩、響岩
深成岩花崗岩(御影石)、閃緑岩(黒御影石)、斑れい岩(黒御影石)、閃長岩
堆積岩砂岩、泥岩、礫岩、チャート、石灰岩、凝灰岩、頁岩、粘板岩、珪藻土
変成岩千枚岩、片岩、片麻岩、角閃岩、緑色岩、大理石、白粒岩、榴輝岩
その他かんらん岩(上記全て地殻の岩石、かんらん岩はマグマを構成する岩石)
鉱物石英、長石、雲母、宝石類
鉱石金、銀、銅、鉄、鉛、錫、燐、硫黄など、資源として有用な鉱物

次へ|前へTOP 12.量子論 ミクロの世界の不思議なルール

TOP

量子論が作られた経緯

TOP
年代物理学者アイデア
量子論
の誕生
1690ホイヘンス光の波動説
17世紀末ニュートン光の粒子説
19世紀初頭ヤングヤングの実験
1873マクスウェル光は電磁波の証明
1888ヘルツ光電効果を発見
前期量子
論の時代
第1期1900年代プランクエネルギー量子仮説
アインシュタイン光量子仮説
第2期1910年代ラザフォード原子核の発見
ボーア原子構造の量子論
現代的な
量子力学
第3期1920年代ド・ブロイ物質波の提唱
ハイゼンベルク行列力学
シュレディンガーシュレディンガー方程式
ボルン物質波は確率の波
ハイゼンベルク不確定性原理
ボーアとハイゼンベルクコペンハーゲン解釈
ディラックディラック方程式
量子力学
の発展
1930年代~エヴェレット多世界解釈
南部陽一郎対称性の自発的な破れ
ゲルマンとツヴァイククォークモデルを発表
ピーター・ヒッグスヒッグス機構
ワインバーグら電弱統一理論
ワインバーグと小林・益川標準模型(標準理論)
ジョージとグラショウ大統一理論
相対性理論はアインシュタイン1人がほぼ独力でつくりあげた
量子論は何人もの天才物理学者がアイデアを出し合って作られた

TOP
光の波動説と粒子説
TOP
   ホイヘンスの波動説:実体が移動するのでなく、それぞれの地点で振動が起こっている
   ニュートンの粒子説:「粒子」という実体がAからBへ移動する
   ヤングの二重スリット実験 :光の干渉は波の性質の証拠
   マクスウェルの電磁波の予言:光は電磁波の一種である、ヘルツによる電磁波の発見
   アインシュタインの光量子説:光電効果は光が粒子なら説明がつく、コンプトン効果
   ド・ブロイの物質波    :波と粒子の二面性は光だけでなくほかの物質にもある
   コペンハーゲン解釈    :量子は波と粒子の二面性をもつ、量子の相補性

TOP
波と粒子の二重性
TOP
「粒子の運動」 ⇒ 「波の塊の移動」
電磁波の「波動性」:波長が長くなるほど、波の回折現象や干渉現象など「波動性」が顕著に表れる
電磁波の「粒子性」:波長が短くなるほど、波の性質が目立たず直進する「粒子性」が顕著に表れる
「粒子性」とは電磁波が数えられることを指し、1個1個のエネルギーの“かたまり”光子と呼ぶ
「粒子性」:位置は精度よく定まるが、波長は不確かになる(波長が短い塊    ⇒    )
「波動性」:波長は精度よく定まるが、位置は不確かになる(波長が長い波        )
光子の実体は、短い(多くの場合数cm~数mの)切れ端のような電磁波(切れ端1個はある波長で振動)
光子の運動量p=mc(質量×光速),プランク定数h,波長λ=h/p
   光子の質量は0なので質量とエネルギーの等価式E=mc2を用いてm=E/c2,p=E/c,
   光子の振動数をνとすると、E=hν,c=νλの関係からp=h/λと変形できます
   プランク定数h=6.62607015×10−34Jsは非常に小さいので極微で意味がある
コペンハーゲン解釈電子の波は電子の発見確率,振幅が大→発見確率が大,振幅が小→発見確率が小
   量子の世界の「波と粒子の二重性」は、経験的理解を超え、直観的理解が難しい部分がある
   素粒子のスピンの性格、パウリの排他律、トンネル効果、量子もつれ等も同様に難解である
波の性質である波長と粒子の性質であるエネルギーは密接な関係がある
   ミクロの世界のエネルギー単位:1eV=1電子を1ボルトで加速時のエネルギー
   光子のエネルギーは波長に逆比例する … E=(hc)/λ
   3evの紫色の光の波長は0.4ミクロン、2evの赤色の光の波長は0.7ミクロン

TOP
光子の静止質量は0
TOP
特殊相対性理論において、エネルギーEと運動量pの間に、
   E2
  ――=m22+p2なる関係が成立します … (A)
   c2
光子の場合、p=mc=E/cからエネルギーEと運動量pの間に
   E=cpなる関係が成立しますので、 … (B)
A式とB式が等価になるためにはA式の質量mは0でなければならないのです
E=mc2という式は物質が消滅(質量=0)すると発生するエネルギーの式で、
アインシュタインがm=E/c2を一般向けに平易に書き換えた式です
質量とエネルギーの等価原理

TOP
相対性理論の概要
TOP
1905年特殊相対性理論
  運動を見る視点の側の限定条件:等速運動または静止
  光速不変:光の速度はどのような立場から見ても一定である、光よりも速い速度はあり得ない
  同時性の破れ:異なる位置における同時性は、慣性系によって変わる(光速不変の原理による)
         電車の中央から両壁に光を発射、電車内にいる観測者は両壁到達が同時
         外のホームにいる観測者には準光速走行電車の両壁到達は同時ではない
  時間の相対性:光の速度に近づくと、時間の流れはゆっくりになる
  E=mc2(E:エネルギー、m:質量、c:光速)
  質量をエネルギーに、エネルギーを質量に変えられる

1916年一般相対性理論
  空間の相対性:重力の大きいところでは空間がゆがむ、大きな重力は光さえも曲げる
  時間の相対性:重力の大きいところでは時間の流れはゆっくりになる

TOP
マクスウェルの方程式
TOP
  ファラデーの電磁誘導の法則 磁場が時間変化すると電場が生まれる
  アンペールの法則      電流のまわりに磁場ができる
  電場のガウスの法則     電場は+電荷から出て-電荷に吸い込まれる(+極/ー極)
  磁場のガウスの法則     磁場は湧き出しも吸い込みも起こらない(常にNSペアの場)

TOP
光は電磁波(電磁波の発生原理)
TOP
2枚の電極→交流電圧→変動する電場→変位電流→変動する磁場発生→変動する電場発生
     →2枚の電極のすき間に電場と磁場が交互にあらわれる電磁波が発生し、
     周辺に伝わっていく(光:電磁波:電子の往復運動で生じる)
     電流(電子の流れ)は磁場を作る─┐
                     ├→電磁場の振動=電磁波=光
     磁場の変化は電流を作る─────┘

TOP
量子論(量子力学)
TOP
1900年プランクのエネルギー量子仮説 … (量子論の父)
  溶鉱炉の鉄の温度と光の色の研究過程で光のエネルギーはとびとびであることを発見
  黒体放射の研究からE=nhν(n=0,1,2,...)という数式を考案(h:プランク定数)
  光のエネルギーの量子化、光=波長が連続的な波、を覆す?考え方
  νという振動数(色)をもった光はhνの整数倍のエネルギーしか吸収も放射もできない
  プランクは光とは言わず「振動子」と呼んでいた
  光のエネルギーE,振動数ν,プランク定数h=6.62607015×10−34Js(Js=m2kg/s)
  名言 … すべての物質は固有の振動数を持つ

1905年アインシュタインの光量子仮説
  プランクのエネルギー量子仮説にヒントを得て光量子仮説を発表
  光はエネルギーをもつ粒の集まり、光電効果→光は粒である
  1905年は、アインシュタインが3つの大きな発見を発表した奇跡の年です
  特殊相対性理論、光量子説に基づく光電効果の理論、ブラウン運動の理論、が
  たった一人の物理学者によって提唱されました
  100年目の2005年を世界物理年と制定、6月30日はアインシュタイン記念日
  光がある一定の波長より短いと金属表面から電子が飛び出し、より長いと電子は飛び出さない
  光のエネルギーE,振動数ν,プランク定数h,波長λ,仕事関数Wは金属内の電子取出エネルギー
  光量子説:E=hν - W:放出電子のエネルギー最大値、光の粒子の振動数の量子化
             c
  c=λν から E=h─ - W 左式によりある一定の波長より短い必要性がわかる
             λ
  光は量子化された粒子であるとすると光電効果を説明できる
    ・光量子の数を増やす  →金属表面から飛び出す電子の数が増える
    ・光量子の振動数を増やす→金属表面から飛び出す電子のエネルギーが増える

1913年ボーアの原子構造の量子論 … (量子論の育ての親)
  1911年、原子の中心には原子核があるとラザフォードが主張した … (原子核物理学の父)
  入射したアルファ粒子の偏向からラザフォード散乱による原子核の発見
  バルマーは水素ガスに電圧をかけると4色の光の波長に規則性があることに気づいた
  ボーアの原子構造の量子論はバルマーの発見の話にヒントを得た
  原子核の周りをまわる電子の軌道はとびとびの円軌道
  電子の軌道半径Rは必ず次の条件を満たす(p:電子の運動量、n:任意の自然数)
  2πRp=nh (n=1:基底状態、h:プランク定数) … ボーアの量子条件
  電子が光子を放出・吸収して軌道を飛び移る際に生じる線スペクトルを説明できた
  ボーアは量子条件の物理的な意味がわからなかったがその理由を考えたのがド・ブロイ
  ラザフォードは後に陽子を発見、中性子の存在を予想、チャドウィックが中性子を発見

1924年ド・ブロイの物質波の提唱
  ド・ブロイはボーアの電子のとびとび軌道の直観にボーアに代わってその理由を考えた
  アインシュタインの光量子仮説を参考に物質の正体は波であるとして物質波と名付けた
  電子の波が消えないためには電子の軌道の1周の長さは波の波長の整数倍に限られる
  1周の長さが波長の整数倍、量子条件とは電子の波動性を示すものであった
  ド・ブロイが提唱した物質波の概念を知ったシュレディンガーはこれは面白いと思った
                        h
  2πR=nλ よって pλ=h から λ=── (m:質量、v:速度、p=mv)
                       mv

1925年ハイゼンベルクの行列力学
  量子力学の最初の厳密な定式化
  行列力学は量子の世界を粒子の側面から離散的にとらえ、   … ハイゼンベルク
  波動力学は量子の世界を波動の側面から連続的にとらえている … シュレディンガー
  のちにディラックが発見した変換理論(一般的で抽象的な理論)により行列力学と
  波動力学がつなげられ、一方の形式から他方の形式に変換できるようになりました

1925年シュレディンガー方程式の誕生
  量子力学の基礎方程式:物質波の方程式
  波の高さ(振幅)は複素数の縦軸、面積のような高さをもつ波
  波の横軸は電子が存在する場所の広がりを表す
  物質波の伝わり方を計算する方程式
  波全体がある時刻における1個の電子の状態を表している
  角振動数ω=2πν、Ψ=Acos(kx-ωt)+iAsin(kx-ωt)=Aei(kx-wt)
    ∂Ψ      
  iħ──=HΨ=EΨ … 時間依存型線型偏微分方程式
    ∂t      
  i:虚数単位、h:プランク定数、ħ=(h/2π):ディラック定数
  Ψ:座標表示の波動関数(プサイ)は確率振幅を表わす関数(波の高さ)
  E:エネルギー固有値
  H:ハミルトニアン、位置xと時間t依存運動量の関数=運動エネルギー+位置エネルギー
    運動エネルギーT、位置エネルギーV、質量m、全エネルギーE=T+V=H
        ħ2  ∂2
    H=-──・──+V (x,t)
       2m ∂x2
  シュレディンガーは彼のアプローチが行列力学と等価であることを示すことができた
  シュレディンガーの波動方程式は「観測前の波の状態」から、
  観測によって「粒子が出現する座標(横軸)の確率(縦軸)」を予測する計算式のことです

1926年ボルンの主張した物質波の正体
  シュレディンガーたちは物質波とはどんなものか示せず困っていた
  ボルンは物質波の正体は確率の波であるという新たな仮説を主張した
  電子のような小さな粒子の観測確率は波動関数の絶対値の2乗に比例する
  物質波は確率の波、波動関数を電子位置の確率密度と考える解釈=統計的解釈
  ある位置で電子が見出される確率はボルンの規則で与えられる(波動関数の確率解釈
    ・波の高いところほど電子が発見される確率が高い
    ・見られる前の電子はさまざまな場所に広がっている(状態の重ね合わせ)
    ・見られた途端に波は収縮して電子は1箇所で発見される
    P=|Ψ|2、確率P、波動関数Ψ、確率密度関数|Ψ|2 … ボルンの規則

1927年ハイゼンベルクの不確定性原理
  ミクロの物質は位置と運動量を同時に確定することができない
  電子の位置の測定誤差⊿xは光の波長λの程度
  電子の運動量の測定誤差⊿pは⊿x⊿p≧h(プランク定数)/4π
                ⊿x⊿p≧ħ(ディラック定数)/2
  位置と運動量の両者の不確かさを同時になくすのは不可能である
  粒子の位置と運動量の測定に、必ず一定以上の不確かさが残ることを示す
  運動量演算子pを波動関数ψに作用させ(px-xp)ψを計算すると次式([x,p]:q数)
  px-xp=h/(2πi)、x:位置、p:運動量 … ディラックの量子条件
  観測者効果ではなく、量子的なゆらぎによるとして改良された小澤の不等式が後日発表された
  ⊿x⊿p+σx⊿p+σp⊿x≧h/4π … ハイゼンベルクの式に2項追加
  σx、σp:物体の位置と運動量が、測定前にもともと持っていた量子ゆらぎ(標準偏差)

1927年コペンハーゲン解釈
  ボーアとハイゼンベルクは量子力学における正統的な解釈としても知られる
  コペンハーゲン解釈をまとめた(名前の由来はボーア研究所の所在地)
  標準解釈:ノイマンが1932年に行った定式化は
    ・量子系と観測者(観測装置)を分離する(2つの境界はどこに引いても良い)
    ・量子系の状態は、観測していないときはシュレディンガー方程式に従う
    ・観測により波動関数が収縮して、1つの測定値が得られる
    ・どの測定値が得られるかは確率的であり、ボルンの規則に従う
  電子の運動はシュレディンガー方程式を満たす波動関数Ψ(r,t)で記述される
  波動関数は一般に複素関数で、空間的に広がりを持ち、干渉や回折などの波に特有な性質を現す
  電子の位置を実験的に観測した場合には電子はある一点に見出され、広がりを持たない
  位置rの周りの微小体積drに電子が発見される確率Pは |Ψ(r,t)|2drに比例する
  電子は空間のどこかに存在するはず → ∫Pdr=1 規格化された波動関数
  規格化:全空間での積分が1になるような比例定数を見つけるだけの作業、波動関数の調整
  電子は波であり粒子である
    ・波と粒子の両方の性質を取り入れて新しい量子力学の理論が作れる
    ・電子は観測されないときだけ、波として広がっている
    ・さまざまな場所にいる状態が重ね合わさってる、状態の重ね合わせ
    ・電子を観測すると電子の波は一瞬で収縮する
    ・状態の重ね合わせが解除されて、波が一点に集まり電子は粒子の姿に見える
    ・波の収縮場所は波動関数の確率解釈で決まる

1928年ディラック方程式
  シュレディンガー方程式を特殊相対論の要請を満足するように修正した方程式
  ディラックは、この方程式によりコペンハーゲン解釈の問題点を解消させた
TOP

奇妙な量子力学

TOP
量子力学的な現象コペンハーゲン解釈
波と粒子の二重性量子は波の性質と粒子の性質をもつ、同時両有は排除するが相補性がある
不連続性    粒子が吸収・放出するエネルギーはとびとび、エネルギーは光子のような量子
不確定性原理  観測が粒子の状態を乱すため、位置と運動のどちらかの正確性が失われる
確率解釈    波動関数の絶対値の2乗は粒子の存在確率を示す
重ね合わせ   観測する迄は波動関数がとり得るさまざまな状態にある
トンネル効果  反射と透過の重ね合わせ、量子がエネルギーの壁を確率的にすり抜ける現象
排他原理    物質を構成する粒子は、同じ種類が1つの場所に同時には存在しえない
非局所性    量子もつれ状態が局所性を破るEPRパラドックス、量子テレポーテーション
注:反射と透過の重ね合わせ=粒子の存在場所の重ね合わせ、(広がりがある)波ならではの現象

TOP
ミクロの世界のルール
TOP
  ミクロの世界のルールが判明:ボーア、ボルン、ハイゼンベルグが主張
  ルールその1:ミクロの物質のふるまいは、ミクロの物質の正体を波と考えれば説明できる
  ルールその2:ミクロの物質のふるまいは、確率的にしかわからない
  プランク、アインシュタイン、ド・ブロイ、シュレディンガーは、ルールその2に絶対反対

TOP
EPRパラドックス
TOP
アインシュタインら3名の名前の頭文字からEPRと称し、量子もつれ(絡み合い)状態の非局所
性を指し、量子の状態は特定の状態にはなく、誰かが観測した瞬間にその状態が決まると考える
すると、関係しあう2個の量子は、一方の量子の状態が決定すると、はじめて他方の状態も決ま
るということが起こり、これらの量子をはるか遠方に引き離してもそれは同じだという

TOP
量子エンタングルメント
TOP
量子エンタングルメント(量子もつれ)は、観測された一方の粒子から、
もう一方に情報が(光速を超えて)伝達されることではなく、
互いに離れた粒子の性質が、セットで決まっていることだと考えられている

TOP
量子テレポーテーション
TOP
  送りたい光子状態:光子Xの状態 … 例:水平偏光と垂直偏光の重ね合わせ
    ↓
  転送光子準備:EPR対(量子もつれの関係)の光子Aと光子Bの生成
    ↓
  光子Bの転送
    ↓
  光子Xと光子Aは量子もつれ状態でベル測定(光子Xと光子Aを同時に観測)
    ↓
  測定結果の古典通信:2ビット値(00,01,10,11)のいずれかを送信(光子Xのズレの補正)
    ↓
  受信した測定結果から光子Bの偏光操作(補正後の光子B=光子X)
    ↓
  光子Xの復元(状態情報の復元)
ベル測定:ハーフミラーを用いたビームスプリッターでは、2光子の反射と透過の2種の
     組み合わせで4通りあり、この状態を測定することをベル測定と言う
     2光子は同時にビームスプリッターに達するようにしなくてはいけない
  量子もつれを生かし、物質の状態をそっくり迅速に遠くへ移すこと
  もつれた粒子対(EPR対)の片方を送り手が、他方を受け手がもつ
  送り手の粒子を第三の粒子ともつれさせ、この観測結果を通常通信で
  受け手に知らせると、その情報を使って受け手の粒子に第三の粒子の
  状態を再現できる

TOP
波と粒子の二重性は量子の相補性の現れ
TOP
  量子の状態を完全に表現するには波の性質と粒子の性質のどちらも必要
  ボーアはこの性質を「相補性」と呼ぶ
  位置を特定すると速度が曖昧になり速度を特定すると位置が曖昧になる
  という不確定性原理も、相補性の現れであるとされる

TOP
多世界解釈の登場
TOP
  波の収縮は起こらず、観測された瞬間の波の収縮をシュレディンガー方程式から数学的に導く
  ことは原理的に不可能であるとジョン・フォン・ノイマンが証明した
  状態の重ね合わせでなく多数の世界の同時存在として説明し直したが多数の世界の同時存在の
  証明はできていない(分岐した世界は孤立しているとされている)

TOP
量子場の理論
TOP
  ディラックが創始した理論、場の量子化、場の量子論の原型はハイゼンベルクとパウリが創った
  従来の量子力学では素粒子が生成・消滅しないものと考え、その座標や運動量を演算子で表すが、
  空間の各点での場や粒子数を演算子とし(場の量子化)、その変化を量子論的に追求する理論
  これにより素粒子の性質(生成・消滅も含めて)、それらの間の相互作用が統一的に記述される
  波または粒子が実在するのではなく、場が振動することで波や粒子に見える
  振動が広い範囲で連動すると波に見え、長い時間保持する振動は粒子に見える
  力の相互作用はゲージ粒子のキャッチボールではなく、波でもあり粒子でもあるような場の振動
          量子電磁力学、量子色力学、電弱相互作用の理論

TOP
量子宇宙論
TOP
             量子論に基づいて宇宙の始まりを考える
ビッグバン宇宙(確実に正しい)
  ジョルジュ・ルメートルが宇宙膨張説を発表
  エドウィン・ハッブルが膨張宇宙を発見、遠くの銀河ほど遠ざかる、空間自体が膨張
  ガモフの火の玉宇宙論(ビッグバン理論)
  宇宙マイクロ背景輻射(CMB)の発見:宇宙が昔高温・高密度であった痕跡
  WMAP・Planck衛星が描く宇宙創成30万年後の宇宙地図(宇宙の晴れ上がり面)
  宇宙マイクロ波背景放射の温度ゆらぎはビッグバン理論の予言と一致
ビッグバン以前(理論的予想)
  真空は時空の泡状態で粒子・反粒子が生成・消滅している状態
  真空のエネルギーを想定したインフレーション理論など様々なインフレーション理論
  ビレンケンの無からの宇宙創成論:量子トンネル効果によって無から極小な宇宙が生まれた
  宇宙が虚数の時間に生まれたというホーキングの無境界仮説
  誕生直後の宇宙の半径はプランクサイズ→インフレーション→ビッグバン宇宙の誕生

TOP
ミクロを見る量子力学、宇宙を見る相対性理論
TOP
人間スケール  … 古典物理学:力学、電磁気学、熱力学、物性物理・化学、天体物理学・・・
ミクロの世界  … 量子物理学:核物理、素粒子物理、確率解釈、場の量子論、相対論的量子論
宇宙スケール  … 相対性理論:4次元時空、重力理論、光速不変、E=mc2
          上記3つの物理学領域は一部重なり合っている

TOP
量子力学における解釈問題
TOP
「量子」は物質ではなく、波動性を持った状態で「エネルギー」として存在していて、
外部からの観測のエネルギーを受けた瞬間に一点に収縮した「粒子」となって出現します

この「エネルギー状態の量子」が外部からの観測のエネルギーを受けた瞬間に一点に収縮
した粒子となって出現する現象のことを波動関数の収縮(=デコヒーレンス)と呼びます

「量子レベルの物質」は実際に観測されたものだけが物質化しており、観測されない限り
「そこにあるかもしれないし、ないのかもしれない」
 という『可能性の波』として存在しているということです
「見ていないものは存在すらしないのかもしれない」というような話です

コペンハーゲン解釈は観測できない観測以前の状態を推測して自然界の法則を導こうとする
論理的な仮説でしかなく、そもそもどれが絶対的に正しいという話でもありません

        人間は、量子の振る舞いに関するその考え方を正しいか、
        間違っているかと判断する手段を持ち合わせていない。
        そのような考え方をしたところで実際には何の矛盾も
        起きないからこそ採用する。

量子力学は人間の脳が理解できる限界を超えた現象をあるがまま法則として受け入れていると
していますが、とりあえずはそうしておいて、いつの日にか壁を越えて終着駅にたどり着ける
こともかすかに期待しつつ、量子論のおかげで成り立つ最新技術の製品を手にしながら自らを
納得させておきます

TOP
量子論のおかげで成り立つ最新技術
TOP
半導体と量子論  … 半導体の仕組みはバンド理論によって説明できる
           光のエネルギーを電気に変換する、電気のエネルギーを光に変換する、
           電気の流れを制御できる
           情報機器、家電製品、LED電球
超流動と超伝導  … 液体ヘリウムの超流動はボース=アインシュタイン凝縮で説明される
           超流動が電子で起こると超伝導と呼ばれ、クーパー対を作った電子は
           ボース粒子としてふるまう
           超伝導体だけで作った回路は電気抵抗がなくなり永久電磁石になる
           リニアモーター
量子コンピュータ … 量子論的な状態の重ね合わせの原理にもとづく量子ビットを用いる
量子もつれ    … 量子テレポーテーション
TOP未来光円錐TOP
3次元空間+1次元時間=4次元時空を表現する「光円錐」(の上半分)
                  時間                   
  ・←──────────────・──────────────→・   
   \              ↑              /    
    \             │             /     
     \    原点から出発  │ 原点から出発     /      
      \   した光が到達  │ した光が到達    /       
      光\  し得る範囲   │ し得る範囲    /光       
       速\         │         /速        
        の\        │        /の         
         傾\       │時      /傾          
          き\      │間     /き           
            \     │の    /             
             \    │流   /              
              \   │れ  /               
               \  │  /                
                \ │ /                 
               未来\│/未来                
空間・←──────────────●──────────────→・空間 

  事象の地平線(光速の壁)の外側は認識できない領域 = 存在しない?  
TOP

<宇宙の根本原理>

TOP
   エントロピー増大の法則:自発変化の方向を示した法則であり、
               その方向とは不可逆的な無秩序化だということです
   エントロピーが低い状態:整然、エネルギーの質=高い(利用しやすい)
   エントロピーが高い状態:乱雑、エネルギーの質=低い(利用しにくい)
   エントロピー増大リスク:超新星爆発、小天体の衝突、気候温暖化
   宇宙の歴史の根源的な流れ → エントロピー減少の方向に進んでいる
 エネルギーの凝集により物質(光子→素粒子→核子→原子核→原子)が生まれる
   原子の凝集→核融合→太陽→ダストの凝集→惑星→有機物→生命の誕生
   太陽→植物の光合成→酸素→多細胞生物→生物の陸上進出→人類の出現
TOP

長さの単位

TOP
1m以下
1m以下10-2410-2110-1810-1510-1210-910-610-310-210-1100
長さ1ym1zm1am1fm1pm1nm1μm1mm1cm1dm1m
呼び方ヨクトゼプトアトフェムトピコナノマイクロミリセンチデシ
1m以上
1m以上10010110210310610910121015101810211024
長さ1m1dam1hm1km1Mm1Gm1Tm1Pm1Em1Zm1Ym
呼び方デカヘクトキロメガギガテラペタエクサゼタヨタ
倍数百万十億一兆千兆百京十垓一秭
TOP

宇宙~人間~素粒子

TOP
時間スケール空間スケール
時間長さ
宇宙の年齢  138億年=1.38×1010年×3.15×1074.35×10171×1026m(138億光年)観測可能な宇宙の果て
1×1021m(10万光年)天の川銀河
人間の寿命  85歳×365日×24時間×3600秒2.68×109
ハツカネズミの寿命1年=365日×24時間×3600秒3.15×1073×1016m(3.15光年)太陽系
カゲロウ成虫の寿命1日=24時間×3600秒=86400秒8.64×1049×1012m(10億km)海王星の公転直径
1.3×107m(1.3万km)地球
1×103m(1km)百蔵山
1m人間(四歳児)
ハイペロンの寿命10-103.5×10-2m(3.5cm)メダカ
10-6m(1μm)細菌
10-10m(0.1nm)原子
10-14m(10fm)原子核
最短寿命素粒子⊿5×10-12秒×10-12(1兆分の5秒の1兆分の1)5×10-2410-18m(1am)素粒子
プランク時間5.391×10-441.616×10-35プランク長
行間はおおむね10の±3~4乗となっています
時間スケール(秒)の各行の時間を空間スケール(m)の各行の長さにするには光速(3×108m/秒)をかければ良い
時間スケールで示された時間内に光の信号が到達できる距離が空間スケールで示される長さになっています
時間スケールの時間の記載がない行は空間スケールの長さ(m)に光速の逆数(3.33×10-9秒/m)をかければ良い
人間スケールで見てみると、大きさに関しては大きからず小さからず図のなかほどで中間的な存在なのです
時間に関しては人間の寿命が宇宙の年齢と同じくらい長いのには驚かされます
次へ前へTOP 13.DNARNA DNA・RNA、DNAの複製、セントラルドグマ

TOPDNA・RNATOP
DNA:遺伝情報は、DNAの塩基配列の中に保存されている
RNA:遺伝情報から、RNAを介してタンパク質が作られる
DNA又はRNA(核酸)塩基五炭糖役割
DNAは丈夫で壊れにくいA,T,G,C二本鎖デオキシリボース
(C+H)
遺伝情報を長期間保存
するために使われる
RNAはもろく壊れやすいA,U,G,C一本鎖リボース
(C+OH)
遺伝情報を一時的に利用
するために使われる
リボースは炭素数5の単糖類で、このような糖類のことを、五炭糖といいます
「デ」は取り去ること、「オキシ」は酸素のこと、「デオキシ」で酸素を取り去るという意味です
リボース:化学式C5H10O5、デオキシリボース:化学式C5H10O4
   ヌクレオチド=リン酸+五炭糖+塩基
   ヌクレオシド=五炭糖+塩基
   塩基:プリン塩基   … アデニン(A)、グアニン(G)
      ピリミジン塩基 … チミン(T)、シトシン(C)、ウラシル(U)
   ヌクレオチドの略称(例:ATP)
      (d)+A,T,G,C,U  +MP,DP,TP
         ヌクレオシドの名称+リン酸の数  
      デオキシリボヌクレオシドの場合はdを前置 

      ──┬─┬─┬─┬──ヌクレオチド鎖
   DNA  C A G T        ┐ 
        ||| || ||| || ├→水素結合 ├→相補的結合
        G T C A        ┘
      ──┴─┴─┴─┴──ヌクレオチド鎖

2本のヌクレオチド鎖は、塩基同士で結合しており、塩基は結合できる相手が決まっています
AとT、GとCが対になって必ず結合します(これを、相補的結合といいます)
塩基同士は水素結合を形成しています
AとTの結合と、GとCの結合は、形成する水素結合の数が異なります
AとTは2か所で、GとCは3か所で水素結合を形成します

DNAは全ての遺伝情報、全てのタンパク質の設計図が書いてある、とても長くて大きな物質です
なので、コンパクトに折りたたまれて細胞核の中に収納されています
あるタンパク質を合成するときには、そのために必要な遺伝子DNA配列だけをコピーしたRNAが、
核の外へ持ち出されます(RNAはDNAの部分コピー) … DNAもRNAも核酸という物質

DNAは、細胞分裂時以外(間期)には糸状の状態で細胞核内に分散していますが、
一定の周期で起こる細胞分裂時(分裂期)に棒状の構造へと変化して「染色体」の形になります
ヒトの細胞一つに含まれているDNAの長さは約2m、これが46本の染色体に分かれています
DNAの長い二重らせんがどのように折り畳まれて染色体になるのかはまだ明らかでない

エピゲノム(ゲノムの後天的修飾)による遺伝子制御
役割が違う細胞ができる仕組み
全ての細胞のDNA配列は同じ→ 働く遺伝子の組み合わせにより異なる役割の細胞になる

   遺伝子 A B C D E      
     D ON OFF ON OFF ON → 神経細胞に
     N OFF ON ON ON OFF → 血液細胞に
     A OFF OFF OFF ON OFF → 筋肉細胞に

遺伝子が発現するONの状態と、発現が抑制されるOFFの状態があります
DNAやヒストンタンパク質に分子△が付いたり離れたりして遺伝子のスイッチが切り替わる

          ON   OFF   ON   OFF 
        △   △   △   △   △
          ▼  △△△  ▼  △△△ 
   ヒストン ○ ↓ ○○○○○ ↓ ○○○○○
   DNA   ̄~~~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~~~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         ゆるむ     ゆるむ     
   ON :活性 DNAの巻き付きが緩み、遺伝子を働かせる転写装置▼がくっつく
   OFF:抑制 DNAがヒストン○にきつく巻き付いて、転写装置がくっつけず遺伝子は働けない
---------------------------------------------------------------------------------------
ゲノム:遺伝子(gene)と染色体(chromosome)から合成された言葉で、
   DNAのすべての遺伝情報のことです
遺伝子:DNA上の「一つのタンパク質の設計図」に相当する部分を「遺伝子」とよんでいます
   DNA=……遺伝子遺伝子間領域遺伝子遺伝子間領域……
   ヒトの場合、約30億塩基対からなるDNAに約2万~3万種類の遺伝子がコードされています
遺伝情報:タンパク質の設計図発現制御の情報
   遺伝子は遺伝情報の担体(遺伝因子)のひとつです
   プリオン、ウイロイドなども遺伝子ではない遺伝因子の分かり易い例としてあげられます
タンパク質の設計図:生物は、タンパク質の他に、炭水化物、脂肪など、たくさんの物質からできて
   いますが、これらの物質は、素材からタンパク質(酵素)によって合成されるので、本質的には、
   炭水化物、脂肪などの合成に係わるタンパク質をつくる設計図があればよいこととなります
発現制御の情報:どのタンパク質を、いつ、どこで、どれだけ作るかという情報
タンパク質:私たちのカラダを構成している10万種類にも及ぶタンパク質は、わずか20種類のアミノ酸
   のさまざまな組み合わせでつくられています
   タンパク質とは、アミノ酸がペプチド結合によって、ひも状に連なったものが、それぞれの
   タンパク質に特有の立体構造に折り畳まれたものです
   タンパク質が、特定の立体構造に折り畳まれることをタンパク質のフォールディングといいます
アミノ酸:エネルギー産生栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)のひとつであるタンパク質を構成する、
   20種類の有機化合物のことで、ひとつでも欠けるとタンパク質を合成することができません
   20種類のアミノ酸のうち、人や動物が体内で作ることのできない9種類を必須アミノ酸、
   体内で糖質や脂質から作り出すことのできる11種類を非必須アミノ酸と呼んでいます
必須アミノ酸 ヒスチジン,イソロイシン,ロイシン,リジン,メチオニン,
フェニルアラニン,スレオニン,トリプトファン,バリン
非必須アミノ酸 アラニン,アルギニン,アスパラギン,アスパラギン酸,システイン,
グルタミン酸,グルタミン,グリシン,プロリン,セリン,チロシン
   栄養学ではアルギニンも必須アミノ酸とする見解もあります
ペプチド結合
   アミノ酸のカルボキシル基-COOHと別のアミノ酸のアミノ基NH2(-NHH)が反応して結合し
   (-CONH-)、同時に1分子の水H2O(HHO)がとれます(脱水縮合,C-N共有結合)
   タンパク質はこのペプチド結合によりアミノ酸が何百個もつながったものです
---------------------------------------------------------------------------------------
DNAは二本鎖を形成して化学的に安定
RNAは複雑な形状を持ち化学的に不安定
   RNAは一般に一本鎖であるのでDNAよりも不安定な物質です
   tRNAは三つ葉のクローバ形と呼ばれる二次構造をとり、
   さらに折り畳まれて逆さL字形(Г)の三次構造をとっています

     CCA末端          
      ||   ┌―CCA末端  
     ○ ○  |      
      ○   |アンチコドン
    アンチコドン        

    CCA末端:アミノ酸を結合する部分
    アンチコドン:コドンを認識する

TOPDNAの複製TOP
DNAは「半保存的複製」とよばれる方法で複製します
DNAの複製で新しく作られた二本鎖DNAのうちの片方は、複製前のDNAがそのままの状態で
「保存」されており、もう片方の鎖だけが新しいものなので、「半保存的複製」と呼ばれます

DNAの複製はいつもおこっているわけではない
細胞が分裂をしてその数を増やしていく時でも無秩序に増えていくのではなく、
そのタイミングは厳密に制御されている
DNAの複製がおこる時期をS期といい、
実際に染色体が現れて有糸分裂(紡錘体によって染色体分配)がおこる時期をM期という
M期とS期の間にあるギャップ期間をG1期、S期とM期の間をG2期という
細胞が数を増やしていく時にくり返す、このような周期を、細胞周期という
M期以外の、G1、S、G2を「間期」と呼ぶことがある

細胞周期     (6~8時間)      (3~4時間)  
        (DNA複製期)      (分裂準備期)  
           S期────────→G2期    
           ↑           │    
           │           │    
           │           │    
           │   24時間周期   │    
           │           │    
           │           │    
           │           ↓    
          G1期←─────────M期   
    分化←(DNA複製準備期)      (分裂期)  
   細胞死←  (6~12時間)       (1時間)  
           ↓
       G0期(静止期)細胞周期の外へ

   肝臓の細胞などはG0期でも、必要があると細胞周期に戻ることができる
   神経細胞のように細胞周期に戻れない細胞もある
   分裂した細胞は、さらに分化(器官形成)して、生体に必要な機能を担う
   分裂した細胞に不具合が生じた場合は、アポトーシス(制御された細胞死)を起こして消滅する

細胞の分化
   なぜ一つの受精卵から、270種類もの異なる細胞が生まれるのでしょう
   実は細胞が増殖して人体を作っていくためには、分裂を繰り返すだけでなく、
   それぞれが機能を持つように変化しなければなりません
   これを「分化」と言います
   「分化」によって様々な種類の細胞がつくられ、それぞれが大切な役割を果たしているのです
   どの細胞がどの細胞に「分化」するか、それらは複雑なメカニズムにより制御されています

細胞の代謝
   また、細胞にも寿命があります
   たとえば、胃腸の表面を覆う消化管上皮細胞は24時間で死んでしまいます
   死んでしまった分の細胞は、また新たに分裂して生まれた細胞によって補われます
   このように、死んでしまった細胞と新しく生まれた細胞が入れ替わっていくことを「代謝」
   と言います
   「代謝」によって、体全体としての健康が維持されているのです

DNA上の複製がおこる時期をS期といいヒトのゲノムDNAは長い
短いS期で、全体をどうやって複製するのか? ⇒ 複製開始点がたくさんある
このような複製単位をレプリコンと呼ぶ

      複製開始点    複製開始点    複製開始点   
        ▼        ▼        ▼     
   ___/ ̄ ̄ ̄\____/ ̄ ̄ ̄\____/ ̄ ̄ ̄\___
      ←───→    ←───→    ←───→   
    ̄ ̄ ̄\___/ ̄ ̄ ̄ ̄\___/ ̄ ̄ ̄ ̄\___/ ̄ ̄ ̄
    └───────┘└───────┘└───────┘ 
      レプリコン    レプリコン    レプリコン   

複製がおこるときは、この複数の複製開始点から両方向に向かって複製がおこる
DNAがほどける部分を「複製フォーク」といいます
複製フォークの移動と同一方向に重合が進むDNA鎖をリーディング鎖(先行鎖)と言います
複製フォークの移動と逆方向に重合が進むDNA鎖をラギング鎖(遅延鎖)と言います

                    ←複製開始点→                    
                       ▼                       
         鋳型鎖 5'┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬3' 鋳型鎖         
             /                  \             
            / 3' ̄ ̄ ̄← ̄ ̄ ̄5' 5' ̄ ̄ ̄← ̄ ̄ ̄3'\            
           /   リーディング鎖    ラギング鎖   \           
   ┬┬┬┬┬┬┬・                        ・┬┬┬┬┬┬┬   
DNA       ←複製フォークの移動方向  複製フォークの移動方向→       DNA
   ┴┴┴┴┴┴┴・                        ・┴┴┴┴┴┴┴   
           \    ラギング鎖    リーディング鎖  /           
            \ 3'___→___5' 5'___→___3'/            
             \                  /             
         鋳型鎖 3'┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴5' 鋳型鎖         
                       ▲                       
                    ←複製開始点→                    

そして、DNA複製の過程は2本の鎖(リーディング鎖とラギング鎖)で大きく異なります
DNAの複製は「DNAポリメラーゼⅢ」と呼ばれるタンパク質によって行われます
DNAポリメラーゼは「プライマー」と呼ばれる小さいRNAの断片を基準にヌクレオチドを
正しい順番で並べる役割があります
ここで重要なのが、このDNAポリメラーゼは5'末端から3'末端の方向にしか複製が進められない
という 特徴を持っているということです
この特徴がDNA複製の方法に差異を生んでいるのです
<DNA複製の要約>
DNAポリメラーゼの反応にはプライマーが必要
RNAポリメラーゼがRNAプライマーを合成し、
その先にDNAポリメラーゼがDNAを複製していく
DNAリガーゼが岡崎断片の隙間を結合させる ← ラギング鎖の場合
DNAの複製機構は真核生物ではまだ未解決な部分が多い
---------------------------------------------------------------------------------------
<連続的複製>
リーディング鎖はプライマーを設置した後、下記4つの段階のように単純に作っていくことができます
複製の1つ目の段階を見ていきます
まず最初に、ヘリカーゼという酵素によって2本鎖DNAが1本鎖DNAに切断されました
図1は、ヘリカーゼによって切断された1本鎖DNAです
図1
     ┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬
     ┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴
             ↓
DNA 3'┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴5'

複製の2つ目の段階を見ていきます
まず、1本鎖DNAにRNAプライマーが結合します
図2では1本鎖DNAの左端に、RNAプライマーが結合しています
RNAプライマーは、非常に短いRNAの断片です
1本鎖DNAにRNAプライマーが結合すると、そこへDNAポリメラーゼという酵素が結合します
DNAポリメラーゼが、実際にDNAを複製していく酵素です
RNAプライマーは、DNAポリメラーゼを1本鎖DNAに結合させるための足場のような役割を
しているのです
図2
 RNAプライマー
     ┬┬┬○→DNAポリメラーゼ
DNA 3'┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴5' 鋳型

複製の3つ目の段階を見ていきます
DNAポリメラーゼはDNA鎖を 3'側から5'側へ移動しながらDNAを複製します
図3ではDNAポリメラーゼが右方向に移動しています
鋳型のDNA鎖と新しいDNA鎖では、向きが逆になっているのです
DNAポリメラーゼは、1本鎖DNAの配列を読み取りながら移動し、1本鎖DNAに対して
相補的なヌクレオチド鎖を作っていくのです
図3
      5' 新しくできたDNA鎖 3'
     ┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬   相補的なヌクレオチド鎖
DNA 3'┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴5' 鋳型

複製の最後、4つ目の段階
DNAポリメラーゼにより、1本鎖DNAのすべての領域が複製されました
しかし、複製が始まった場所にはRNAプライマーが結合していました
最後に、DNAからRNAプライマーが外れて、その部分がDNAに置換されることになります
図4
     /
    5'┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬3'
DNA 3'┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴5'

このようにして、DNAの複製は完了します
---------------------------------------------------------------------------------------
<不連続的複製>
ラギング鎖は複製フォークの進行方向とは逆向きに作っていくため、
リーディング鎖のような方法をとるとプライマーと複製フォークの間にスペースができてしまいます
そこで、多くのプライマーを用意しDNA鎖の断片を作るという方法がとられます
こうすることで、一連の複製自体は右向きに進行させることができます
この時の短いDNA鎖のことを「岡崎フラグメント(岡崎断片)」といいます
ヘリカーゼで分離された鋳型鎖(一本鎖DNA)は結合タンパク質で補強され、安定な状態になる
一本鎖にほどかれたDNAには、もつれてしまうのを防ぐために一本鎖DNA結合タンパクが結合
しています
---------------------------------------------------------------------------------------
●国立遺伝学研究所などが支持する仮説?
プライマーゼにより、まず、プライマーが5'→3'方向に合成される
      ←         
   ────── 複製開始点
    プライマー       
プライマーから少し離れたラギング鎖上に、プライマーゼが新たなプライマーを作ります
(複製フォークの移動距離-合成距離<少し離れたラギング鎖上?)
      ←              ←      
   ──────        ──────    
    プライマー          新たなプライマー 
この新たなプライマーを足がかりにして、DNAを重合するためにDNAポリメラーゼが結合します
プライマー同士の間を埋めるように、DNAポリメラーゼが5'->3'方向へDNAを重合していきます
こうしてできたDNAの断片を”岡崎フラグメント”と言います
      ←      ①       ←      
   ────── ┬┬┬┬┬┬ ──────    
    プライマー  3'    5'  新たなプライマー 

      ←      ①       ←              ←      
   ────── ┬┬┬┬┬┬ ──────        ──────    
    プライマー  3'    5'  プライマー         新たなプライマー 

      ←      ①       ←      ②       ←      
   ────── ┬┬┬┬┬┬ ────── ┬┬┬┬┬┬ ──────    
    プライマー  3'    5'  プライマー  3'    5'  プライマー    
             ↑             ↑
             └──────┬──────┘
                岡崎フラグメント
最終的には、幾つかの酵素によって、RNAプライマーが取り除かれ、
DNAへ置き換えられ、岡崎フラグメント同士が連結されることで切れ目のないDNAとなります
----------------------------------------------------------------------------------------
●東京医科歯科大学などが支持する仮説?
プライマーゼにより、まず、プライマーが5'→3'方向に合成される
      ←         
   ────── 複製開始点
    プライマー       
このプライマーに続いて、DNAポリメラーゼⅢにより、新生鎖が5'→3'方向に合成され始める
しかし、先に複製開始点となったプライマーの部位までしか伸長できない
複製フォークの進行に逆らって、5'→3'方向に鎖を伸長させることになるため、
新生鎖の伸長は途中で中断され、短いDNA鎖が不連続に合成されることになる
(複製フォークの移動距離-合成距離<許容スペース長?)
      ←      ①  
   ────── ┬┬┬┬┬┬
    プライマー  3'    5'
そこで、DNAポリメラーゼがまず①をつくり、
プライマーの部位まで合成されると複製開始点へ戻って
②を合成し、また戻って③を合成するというようにDNAフラグメントを合成していきます
      ←      ①      ←      ②   合成方向は左向き(←)に進行
   ────── ┬┬┬┬┬┬ ────── ┬┬┬┬┬┬ 複製開始点
    プライマー  3'    5'  プライマー  3'    5'
             ↑             ↑
             └──────┬──────┘
                岡崎フラグメント
DNA複製の仕上げをします
まず、「DNAポリメラーゼⅠ」でプライマーを除去しDNAに置き換えます
しかしこれだけでは DNAとDNAの間にはまだ隙間があります
この隙間を「DNAリガーゼ」でつなぎ合わせます
      ①   →   ②   →   ③   →   ④   複製方向は右向き(→)に進行
   ┬┬┬┬┬┬ ┬┬┬┬┬┬ ┬┬┬┬┬┬ ┬┬┬┬┬┬
   3'    5' 3'    5' 3'    5' 3'    5'
これでDNAの複製は完了です

TOPセントラルドグマ(中心定理)TOP
セントラルドグマ:DNAが遺伝情報を保存、RNAを仲介として、タンパク質を発現する流れ
┌────細胞核内────┐┌──リボソーム内──┐
   複製   転写    翻訳     
DNA─→DNA─→mRNA─→タンパク質:ポリペプチド
                ポリペプチド=20種類のアミノ酸が様々な順番で並んだもの

複製親の遺伝子を子に伝えるために親と同じDNAをもう1セットコピーして2倍にしておきます
   DNAポリメラーゼ(DNA合成酵素)は1本鎖の核酸を鋳型として、それに相補的な
   塩基配列を持つDNA鎖を合成する酵素
   DNAの二重らせんを解いて、それぞれの鎖を鋳型として相補的なヌクレオチドを取り込む
   最初の二本鎖と同じ二本鎖が2セット生まれることになる
       一本鎖DNA鋳型+相補的なヌクレオチド → 二本鎖DNA
   DNAが複製されるときには、
   まずこの2本の鎖がファスナーを開けるようにほどけます
   分かれた2本のそれぞれのDNAの鎖(一本鎖DNA)には、ヌクレオチドが結合していきます
   ヌクレオチドが結合することで、一本鎖DNAが再び二本鎖DNAになり、
   2つが分かれて2本の二本鎖DNAができます
       二本鎖DNAx1 → 一本鎖DNA×2 → 二本鎖DNAx2
                      ・─┬─┬─┬─┬──
                     /  C A G T ←鋳型
                    /   G T C A ←相補的なヌクレオチド
       ──┬─┬─┬─┬─┬─・  ・─┴─┴─┴─┴──
   DNA   G T C G A   /
         C A G C T   \
       ──┴─┴─┴─┴─┴─・  ・─┬─┬─┬─┬──
                    \   C A G T ←相補的なヌクレオチド
                     \  G T C A ←鋳型
                      ・─┴─┴─┴─┴──

転写細胞核内でDNAの塩基配列がRNAの塩基配列へと写し取られる
   RNAポリメラーゼ(RNA合成酵素)という酵素が触媒になる化学反応
   DNA二本鎖がほどけて一方の鎖(鋳型鎖)の塩基に対応した形でRNAの塩基が作られる
   その結果DNAの塩基配列(他方の非鋳型鎖)とRNAの塩基配列はTがUになる以外は同じ
   あるタンパク質を合成するときには、そのために必要な遺伝子DNA配列だけをコピーした
   RNAが、核の外へ持ち出されます(RNAはDNAの部分コピー
       ──┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬── 
   DNA   C A G C T G T C A T T T   非鋳型鎖
         G T C G A C A G T A A A   鋳型鎖
       ──┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴── 
                    ↓ 転写           
       ──┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬── 
   mRNA  C A G C U G U C A U U U   
   転写によってつくられたRNAはmRNAという形になって細胞核から出て細胞質のリボソーム
   (タンパク質合成工場)内に移動
   リボソームはRNAとタンパク質が複合体を成す特殊な構造をしており、
   その構成RNAがリボソームRNA(rRNA)と呼ばれます

スプライシングRNAからイントロンを除去し、エキソンを繋ぎ合わせてmRNAの形にする過程
      転写           Splicing   翻訳     
   DNA─→RNA─→mRNA前駆体─→mRNA─→タンパク質
   DNA    Exon1Intron1Exon2Intron2Exon3 
             ↓転写
   Pre-mRNA Exon1Intron1Exon2Intron2Exon3 
             ↓Splicing
   mRNA   Exon1Exon2Exon3 
   真核生物のDNAでは、Exonと呼ばれるmRNA情報をコードした配列が、
   一見無意味なIntron配列によって分断されています
   RNAは転写によってDNAから生成した後に、
   不要なIntron部分を切り外してmRNAとなるのです

翻訳RNAの塩基配列がアミノ酸配列へと置き換えられる(=タンパク質の合成:アミノ酸の結合)
   トランスファーRNA(tRNA)は、翻訳時にリボソームまでアミノ酸を運びます
   tRNA:mRNAの塩基配列に対応したアミノ酸を運ぶ、rRNA:タンパク質合成に関わる
   mRNAのコドン(3連塩基)と相補的なアンチコドンと、コドンに適合するアミノ酸の両方を
   もつことにより、tRNAは通訳としての機能を果たす(tRNAと適合するアミノ酸の結合)
   遺伝暗号表:翻訳の際の規則(3個の塩基配列から1種類のアミノ酸を同定する)
       ──┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬── 
   mRNA  C A G C U G U C A U U U   コドン   ┐
         │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │         ├相補的
   tRNA┬ G U C G A C A G U A A A   アンチコドン┘
       │ └─┼─┘ └─┼─┘ └─┼─┘ └─┼─┘   
       │   ↓     ↓     ↓     ↓ 翻訳  
       └   Gln  -  Leu  -  Ser  -  Phe     コドン適合アミノ酸
         グルタミン  ロイシン  セリン フェニールアラニン
         アミノ酸が結合してタンパク質が合成される    
   rRNAは触媒作用を持ち、翻訳時にアミノ酸が一つずつ結合していく際のペプチド結合の形成
   に関わることが知られています

折り畳みタンパク質が、特定の立体構造に折り畳まれる
   タンパク質が、特定の立体構造に折り畳まれることをタンパク質のフォールディングといいます
   タンパク質は折り畳まれた状態になって初めて、機能を発揮することができます

<タンパク質合成の要約>
   核内にあるDNAの二重らせんの必要部分がほどける     ─┐
   これを鋳型としてDNAのネガ像のRNA鎖が合成され、    ├─転写
   これがmRNAとなって核から細胞質にあるリボソームに入る ─┘
   このコピー(=mRNA)をもとに、            ─┐
   アミノ酸をリボソームまで運搬してきたtRNAの塩基と    ├─翻訳
   mRNAの塩基が結合してタンパク質を合成する       ─┘

<RNA>
リボースをもつヌクレオチドからなる一本鎖、機能により3種類に分類
・mRNA(メッセンジャーRNA)タンパク質に翻訳されうる塩基配列情報
・tRNA(トランスファーRNA)アミノ酸を合成中のポリペプチド鎖に移転させる
・rRNA(リボソームRNA)  リボソームを構成するRNA

TOP遺伝暗号表またはRNAコドン表TOP
1st2nd3rd
UCAG
UUUUフェニルアラニン
(Phe)
UCUセリン
(Ser)
UAUチロシン
(Tyr)
UGUシステイン
(Cys)
U
UUCUCCUACUGCC
UUAロイシン
(Leu)
UCAUAA終止UGA終止A
UUGUCGUAGUGGトリプトファン(Trp)G
CCUUロイシン
(Leu)
CCUプロリン
(Pro)
CAUヒスチジン
(His)
CGUアルギニン
(Arg)
U
CUCCCCCACCGCC
CUACCACAAグルタミン
(Gln)
CGAA
CUGCCGCAGCGGG
AAUUイソロイシン
(Ile)
ACUトレオニン
(Thr)
AAUアスパラギン
(Asn)
AGUセリン
(Ser)
U
AUCACCAACAGCC
AUAACAAAAリシン
(Lys)
AGAアルギニン
(Arg)
A
AUGメチオニン(Met)ACGAAGAGGG
GGUUバリン
(Val)
GCUアラニン
(Ala)
GAUアスパラギン酸
(Asp)
GGUグリシン
(Gly)
U
GUCGCCGACGGCC
GUAGCAGAAグルタミン酸
(Glu)
GGAA
GUGGCGGAGGGGG
標準遺伝暗号表
   大部分の生物種のゲノムに当てはまる対応表ですが、
   生物種によっては上表の普遍暗号に従わないコドン(3連塩基)を持つ場合もあります
   コドンはDNA塩基として表示する場合もありますが、
   ここでは通例にしたがってRNA塩基として表示してます(Tの代わりにU)
   AUGコドンはタンパク質合成開始のために重要な役割を果たす「開始コドン」を兼ねている
   コドンは64種類あり(4×4×4)、20種類のアミノ酸と対応させるには十分な数があります
   実際には、61種類のコドンが20種類のいずれかのアミノ酸に対応し、
   3種類のコドン(UAA,UAG,UGA)はどのアミノ酸にも対応していません
   アミノ酸に対応しない3種類のコドンは「終止コドン」と呼ばれ、
   句点やピリオドとしての役割を持っています
    … これらのコドンが遺伝子中に出現したら、
      そこでその遺伝子の作るべきタンパク質の合成を終了すると言う目印として
脊索動物ミトコンドリア遺伝暗号表
   AUAコドン、UGAコドン、AGAコドン、AGGコドンが標準遺伝暗号表と異なる
   また、AGAコドンとAGGコドンは、
   頭索動物(ナメクジウオ類)、尾索動物(ホヤ類)、脊椎動物の間でも異なる

次へ前へTOP 14.タンパク質  タンパク質の一生、タンパク質の分類、三大栄養素

TOP

タンパク質の一生

TOP
---------------------------------------------------------------------------------------
タンパク質の住む世界 細胞
---------------------------------------------------------------------------------------
アミノ酸を作る5種類の原子:炭素、水素、酸素、窒素、硫黄
タンパク質を作る20種類のアミノ酸
数えきれない種類のタンパク質
   20種類のアミノ酸を10個組み合わせる場合でも20を10回
   掛け合わせて2010=10兆通りのタンパク質を作る
   ことが可能になる
ヒトは約37兆2千億個の細胞からできている ← 60兆個改め
   細胞はおよそ270種類ある      ← 200種類改め
DNAを持たず細胞分裂もしない細胞
   哺乳類の赤血球や血小板
生体の階層構造
器官心臓、肝臓、腎臓、根、茎、葉、花
組織上皮組織、神経組織、支持組織(骨,結合組織(線維))、筋組織
細胞血液細胞、神経細胞、筋肉細胞、生殖細胞
オルガネラ小胞体、ゴルジ体、ミトコンドリア
分子タンパク質、核酸、脂質、ATP
生命圏の階層構造
   分子─細胞小器官─細胞─組織─器官─器官系─個体─個体群─生物群集─生態系─地球
細胞構造の分類
                    ┌─小胞体       
      ┌─核           ├─中心体       
      │             ├─ゴルジ体      
      │             ├─リボソーム     
   細胞─┤     ┌─オルガネラ─┼─リソソーム     
      │     │(細胞小器官)├─ペルオキシソーム  
      │     │       ├─ミトコンドリア   
      └─細胞質─┤       ├─葉緑体(植物の場合)
            │       └─液胞        
            │                   
            └─サイトゾル 、その他(細胞骨格、リボソーム、顆粒)
             (細胞質ゾル,細胞質基質)
30億ゲノムサイズ(塩基数)から得られるタンパク質の種類はおよそ2~3万種類(遺伝子数)
   実際にはRNA編集しておよそ5~7万種類と推定されている
---------------------------------------------------------------------------------------
細胞小器官〔organelles〕の機能
   細胞質には、種々の機能を営むミトコンドリア、リボソーム、小胞体、
   ゴルジ装置、リソソーム、中心体などの細胞小器官が含まれている

ミトコンドリア〔mitochondria〕
   細胞が生命活動を営むために必要なエネルギーは、
   ATP(アデノシン三リン酸)を分解するときに得られる
   ミトコンドリアは、「エネルギー源合成の場」、
   すなわち発電所に相当する小器官ともよばれ、
   エネルギー源であるATPを合成する細胞小器官である
   エネルギー源であるATPの多くは、
   ミトコンドリア内膜の電子伝達系で合成されています
   ミトコンドリアは、肝臓、筋肉、神経のような
   エネルギー代謝の盛んな細胞ほど発達している

リボソーム〔ribosome〕
   リボソームは、RNAの一種であるリボソームRNA(rRNA)
   とタンパク質からできている
   核からの指令を運んできたメッセンジャーRNA(mRNA)のメッセージに基づいて、
   必要なタンパク質を合成するので、
   リボソームは細胞内の「タンパク質合成の場」ともいわれる
   リボソームは、小粒で黒く丸い小体で、小胞体膜に付着している場合と、
   細胞質中を自由に浮遊している場合がある
   リボソームが付着した小胞体を粗面小胞体とよぶ

小胞体〔endoplasmic reticulum:ER〕
   小胞体は、「細胞工場、物質の輸送、貯蔵の場」である
   小胞体には粗面小胞体と滑面小胞体の2つのタイプがある

粗面小胞体〔rough ER〕
   膜表面にリボソームが付着しざらざらに見えるため、粗面小胞体とよばれる
   粗面小胞体で合成されたタンパク質は、粗面小胞体内腔へ輸送され、
   ゴルジ装置を経由して細胞膜に運ばれたり、分泌されたりする
   また、脂質成分をつくる役割も果たしており、
   細胞膜を構成する脂質もここでつくられる

滑面小胞体〔smooth ER〕
   膜表面にリボソームが付着していないため滑らかに見えるので、滑面小胞体とよばれる
   滑面小胞体は、細胞の機能により働きが異なるが、タンパク合成にはかかわらず、
   コレステロールの合成や分解、脂質代謝、薬物の解毒、
   カルシウムの貯蔵などの機能を担っている

ゴルジ装置〔Golgi apparatus〕(ゴルジ体)
   粗面小胞体から輸送小胞の形で、
   ゴルジ装置に送り込まれたタンパク質に多糖類や脂質を加え、
   リポタンパクや糖タンパクの合成を行うなどして目的とするタンパク質の形に修飾し、
   荷造りし送り出す(分泌する)
   そこで、「梱包発送の場」とよばれる

リソソーム〔lysosome〕( ライソゾーム )
   リソソームの中には種々の強力な加水分解酵素が含まれ、
   細胞内に進入した異物や細胞内の代謝物や不要物を消化処理する
   そこで、「異物・不要物処理の場」とよばれる

中心体〔centrosome〕
   中心体は2個の中心小体からできており、細胞分裂の際、紡錘糸を形成し、
   染色体の移動に関与しています

ペルオキシソーム〔peroxisome〕
   ペルオキシソームは、単一の膜構造を有するオルガネラであり、
   過酸化物の生成分解、脂質成分の代謝に関わっています

葉緑体〔Chloroplast〕
   葉緑体とは、藻類や植物の細胞小器官で、「光合成を行う」半自律的な器官です
   植物の葉を緑色にしている色素である「葉緑素(クロロフィル)」を含めた
   多種類の化合物が光合成を行う細胞小器官として組織化されたものが「葉緑体」です

液胞〔vacuole〕の機能と多様な液胞輸送経路
   エンドサイトーシス経路で運ばれてきた細胞外や細胞膜上の物質や、
   小胞体で合成されたタンパク質の一部は、液胞に運ばれます
   植物の液胞は
      ①様々な物質の貯蔵
      ➁不要になった物質の分解
      ➂空間充填
      などの多様なはたらきをもっています
   植物の液胞は、細胞外や細胞膜上の物質を細胞内に取り込むエンドサイトーシス経路や、
      小胞体からスタートする物質の輸送経路の終着点の1つで、
      動物のリソソームに対応する細胞小器官と考えられています
   植物の液胞は、動物のリソソームと同様に細胞内で不要になった物質の分解を担っています
      その一方で、植物の液胞は様々な物質を貯蔵する役割ももっています
      更に、液胞の形態は一定ではなく、細胞内外の環境に対応して常に変化しています
      例えば、植物の表皮に存在し植物体の内外で空気の交換をおこなうための
      気孔が開閉するためには、液胞の膨張と収縮が必要です
      又、植物の液胞は細胞を大きく成長させるための空間充填のはたらきも担っています

---------------------------------------------------------------------------------------
細胞の構造体機能
核(nucleus)遺伝子貯蔵所
 ・核膜(nuclear envelope) ・核質を細胞質基質から分ける
 ・染色質(chromatin) ・染色体が脱凝集した無定形の構造
 ・核小体(nucleolus) ・リボソーム形成に必要な原料を供給
小胞体(endoplasmic reticulum)細胞内に発達した膜系で
 ・粗面小胞体(rough ER) ・細胞外へ分泌されるタンパクの合成
 ・滑面小胞体(smooth ER) ・ステロイド合成など
リボソーム(ribosome)遺伝情報をもとにタンパク質合成
ゴルジ装置(Golgi apparatus)細胞外へ分泌されるタンパク質を梱包する
ミトコンドリア(mitochondoria)エネルギー源であるATP産生
中心体(centriole)細胞分裂時に紡錘体となる
リソソーム(lysosome)等細胞内での消化
細胞骨格(cytoskelton)細胞の形を整え、細胞の運動を司る
細胞膜(cell membrane)細胞と外界との境界面
   共通    :核、ミトコンドリア、細胞膜、細胞質基質(細胞小器官ではない)
   植物細胞のみ:葉緑体、細胞壁、発達した液胞(小さい液胞は動物細胞にも存在)
   動物細胞のみ:中心体(シダ植物・コケ植物・裸子植物には存在)

---------------------------------------------------------------------------------------
タンパク質の誕生 遺伝情報を読み解く
---------------------------------------------------------------------------------------
セントラルドグマ
      複製   転写   翻訳    折り畳み(3次構造)
   DNA─→DNA─→RNA─→タンパク質─→タンパク質固有の立体構造
   遺伝暗号表:翻訳の際の規則
クロマチンによる凝縮
   染色体のDNAは何段階も凝縮される
       幅
      2nm  DNA二重らせん
     11nm  ビーズ状のクロマチン ヒストンタンパク質、ヌクレオソーム
     30nm  クロマチン構造 ヌクレオソームが密に並んだクロマチン繊維
    300nm  ループ構造   畳まれてループ状になったクロマチン繊維
    700nm  染色体の凝縮
   1400nm  中期染色体
   ヒストン8量体にDNAが巻き付いたものをヌクレオソームと言う(DNAの複合体)
   ヒストンとDNAの複合体をクロマチンと言う
細胞全体としては1秒間に数万個ものタンパク質が作られている
   活発な細胞では1秒間に数万個のタンパク質を作り、
   1個の細胞の中には80億個程のタンパク質が働いています
---------------------------------------------------------------------------------------
タンパク質の成長 細胞内の名脇役、分子シャペロン
---------------------------------------------------------------------------------------
分子シャペロン
   タンパク質を正しい過程に従って折り畳まれるのを誘導するタンパク質です
   折り畳み過程中そのタンパク質を保護し、他のタンパク質が結合したり折り畳み過程を
   邪魔したりしないようにしている
   タンパク質に生涯寄り添い介助するタンパク質
タンパク質の4つの階層
   1次構造 アミノ酸配列 ポリペプチド
   2次構造 特徴的な規則構造 αヘリックス(らせん状)、βシート(シート状)
   3次構造 タンパク質固有の立体構造 構造の多様性が機能の多様性に対応
   4次構造 複数のタンパク質の会合状態 サブユニットの会合 リボソームなど
   ドメイン タンパク質の機能的まとまり部分
フォールディング
   タンパク質は生体内で合成された直後はアミノ酸が連なっただけの無定形の状態ですが、
   機能を発現するために、「タンパク質固有の立体構造」を短時間に自発的に形成する
   この過程が、タンパク質のフォールディング(折り畳み)過程です
   疎水性アミノ酸は分子の内部に折り畳まれる
   フォールディング前:1本のひも構造
   フォールディング後:立体構造を持つ
---------------------------------------------------------------------------------------
タンパク質の輸送 細胞内物流システム
---------------------------------------------------------------------------------------
タンパク質の輸送経路
   宛先の書き方 葉書方式:タンパク質のアミノ酸配列に宛先が書き込まれている
          手紙・小包方式:封筒または袋の役割として小胞が使われる
          小胞膜に荷札、オルガネラ膜に表札、輸送して合致すると膜融合
   核輸送   核への輸送
         核膜孔は大きい孔なのでフォールディング後でも通れる
   膜透過   サイトゾルから小胞体への輸送
         オルガネラは膜で囲まれているので、膜を直接通過する必要がある
         膜には細い孔がありフォールディング前にこの孔を通過する
         サイトゾルからミトコンドリア、葉緑体、ペルオキシソームへの輸送
   小胞輸送  小胞体とゴルジ体への双方向輸送
         輸送のためのインフラとして、網の目のように張り巡らされたレールと
         その上を走り回るモータータンパク質が存在して小胞輸送を担っている
         小胞の中に入る大きさであれば、構造を持ったまま包んでしまうことができる
   エクソサイトーシス   細胞内から細胞外への輸送
         細胞外放出:化学伝達物質やホルモンなどの物質を運び出す手段
         開口分泌で細胞内(小胞体→細胞膜)から細胞外へ放出する現象
   エンドサイトーシス   細胞外から細胞内への輸送
         細胞内取込:栄養分子の取込、食細胞の食作用、ウイルスや細菌の侵入
         開口吸収で細胞外から細胞内(細胞膜→小胞体)へ取り込む現象

          細胞内輸送経路            
                             
      核輸送 ┌─────┐ 膜透過          
     ┌───|サイトゾル|────┐
     |    └─────┘    |      
     |     |||       |      
     ▽     |||       ▼      
   ┌───┐   |||     ┌───┐    
   | 核 |   |||膜    |小胞体|    
   └───┘   |||透    └───┘    
           |||過     | ▲     
           ▼||      ▼ | 小胞輸送
   ┌───────┐||  ┌─────────┐ 
   |ミトコンドリア|||  |   ゴルジ体   | 
   └───────┘||  └─────────┘ 
            ||    |▲     |  
            ▼|    ▼|     ▼  
        ┌───┐| ┌─────┐ ┌────┐
        |葉緑体|| |リソソーム| |分泌小胞|
        └───┘| └─────┘ └────┘
             |    |▲     |  
             ▼    ▼|     |  
    ┌────────┐ ┌──────┐  |  
    |ペルオキシソーム| |エンドソーム|  |  
    └────────┘ └──────┘  |  
                   ▲     |  
                   |     ▼  
                  ┌───────┐ 
                  |  細胞表層  | 
                  └───────┘ 
                     細胞外    
                   〔中央分泌系〕  

---------------------------------------------------------------------------------------
タンパク質の輪廻転生 生命維持のための死
---------------------------------------------------------------------------------------
タンパク質の寿命
   タンパク質の原料になるアミノ酸はタンパク質を分解することによって作られる
   1個のタンパク質を作るのには少なくとも数十秒かかる
   寿命で入れ替わるのはタンパク質に限らず細胞も日々生まれ変わる
   T細胞や神経細胞は「記憶」を持っており、再生には向かない
   細胞周期に必要なタンパク質の分解
   体内のタンパク質は「分解」と「合成」というターン・オーバー(新陳代謝)により
   常に入れ替わっています
   ターンオーバーのスピードはタンパク質の種類で異なり、肝臓は約2週間、赤血球は120日、
   筋肉は約180日でその半分が入れ替わります(この期間を半減期といいます)
アミノ酸のリサイクルシステム
             ┌───────┐
   食事から摂取する―→|アミノ酸プール|―→排泄(70g)
         (70g)  └───────┘   尿中窒素(60g)
              合成|↑分解     便   (10g)
             (180g)↓|(180g)    皮膚など  
             ┌───────┐
             | 体タンパク質 |
             | (約7~10kg) |
             └───────┘
オートファジー
   細胞が持っている、細胞内のタンパク質を分解するための仕組みの一つです
   細胞内での異常なタンパク質の蓄積を防いだり、過剰にタンパク質合成したときや
   栄養環境が悪化したときにタンパク質のリサイクルを行ったり、細胞質内に侵入した
   病原微生物を排除したりすることで生体の恒常性維持に関与している(細胞内の掃除役)
ネクローシス
   事故死、細胞の壊死、制御されない細胞死
アポトーシス
   細胞の自殺、制御された細胞死
短期飢餓時の代謝の変化
   飢餓当初は、肝臓や筋肉中に蓄えている糖質(グリコーゲン)を分解した
   グルコースをエネルギー源として使用します
      肝臓・筋肉→グリコーゲン→グルコース→(解糖系)→ATP
   しかし貯蔵量は少なく、絶食すれば十数時間で枯渇してしまいます
   そうすると生体は筋肉を中心とした体タンパクを分解して生じたアミノ酸を
   次のエネルギー源にしようとします
   筋肉の分解によって生まれたアミノ酸(アラニン)肝臓に運ばれ、
   糖新生によりグルコースに変換されエネルギー源として使われます
      筋肉→アミノ酸→(糖新生)→グルコース→(解糖系)→ATP
長期飢餓時の代謝の変化
   飢餓が長期におよぶ場合は、体タンパク、臓器機能の維持のため、
   体タンパクの分解は抑えられます
   脂肪組織が分解されてできた、脂肪酸とケトン体がエネルギー源として使用されます
        ┌→脂肪酸→(β酸化)─────────┐
   脂肪組織─┤                   ├→アセチルCoA→TCA回路→ATP
        └→グリセロール→(解糖系)→ピルビン酸┘   ↓↑
                               ケトン体 
侵襲時の代謝の変化
   災害などの侵襲(生体を傷つけること)時には、生命維持が優先され、
   すべてのエネルギー代謝が増進します
   肝臓からはグルコースが、筋肉からはアミノ酸が、脂肪組織からは脂肪酸が、
   エネルギー源として利用されます
   飢餓時との大きな違いは、飢餓時には体タンパクの維持のため「代謝が低下」するのに対し、
   侵襲時は侵襲の大きさに応じて「代謝が増進」することです
---------------------------------------------------------------------------------------
解糖系:グルコースをピルビン酸などの有機酸に分解し、グルコースに含まれる
    高い結合エネルギーを生物が使いやすい形に変換していくための代謝過程です
    グルコース(ブドウ糖)をピルビン酸または乳酸まで分解してATPを産生する
    解糖系でグルコースから得られたピルビン酸は、TCA回路に入ってATPに変換される
糖新生:乳酸やアミノ酸などの糖質以外の物質を原料に糖質(グルコース)を作り出す反応です
    ピルビン酸からグルコースを合成する反応を糖新生という
    アミノ酸やグリセロールからグルコースを合成する反応も糖新生という
解糖系:乳酸は身体の中では筋肉でエネルギーを作るとき、糖(グリコーゲン)が分解されてできる
糖新生:血液中の乳酸は、肝臓でグリコーゲンに再合成され、再びエネルギー源として利用されます

    (ブドウ糖)          解糖系                
    グルコース────────→ピルビン酸───────────→乳酸 
    筋肉     筋肉で代謝(分解)され血液を通して肝臓へ    肝臓 
           このときATPが生成される              

    (ブドウ糖)          糖新生                
    グルコース←────────ピルビン酸←───────────乳酸 
    筋肉     肝臓で代謝(分解)され血液を通して筋肉へ    肝臓 
           このときATPが消費される              

---------------------------------------------------------------------------------------
タンパク質の品質管理 その破綻としての病態
---------------------------------------------------------------------------------------
細胞内の4段階の品質管理
   生産ラインのストップ 翻訳ストップ
   再生    分子シャペロンによる再生
   廃棄処分  タンパク質の分解
   工場閉鎖  自殺の指令(アポトーシス)
品質管理の破綻としての病態
   血友病 遺伝性の血液凝固障害
   フォールディング異常病(代表例)
      白内障       水晶体タンパク質に異常が生じ、水晶体が濁ることが原因
      アルツハイマー病  アミロイドβタンパク質の蓄積による神経細胞死
      ハンチントン病   ハンチンチンというタンパク質の異常が原因
      パーキンソン病   中脳の黒質のドパミン産生細胞が減少する
      筋萎縮性側索硬化症(ALS)脳の神経に異常が起こって発症し、筋肉が衰えていく
      プリオン病(BSE)フォールディング異常が原因

TOP

タンパク質の分類

TOP
---------------------------------------------------------------------------------------
タンパク質の分類 機能、特徴
---------------------------------------------------------------------------------------
   約20種類のL-α-アミノ酸からなるポリペプチドを主体とする高分子化合物の総称
   α-アミノ酸は約20種類あるため、結合数や配列順序でタンパク質の種類は膨大になる
   タンパク質の種類は1次構造(アミノ酸の配列順序のこと)で決まる
   生命活動の主役とも言えるタンパク質は、ヒトの体内だけで10万種以上、
   自然界全体では実に約100億種も存在するとされており、
   それぞれが決まった固有の働き(機能)を持って生命活動を支えています
---------------------------------------------------------------------------------------
分子の形状(立体構造)での分類
   球状タンパク質と
   繊維状タンパク質とに分類される
球状タンパク質
   ポリペプチド鎖が折りたたまれ球状になったタンパク質
   構造的特徴 構造が球状
   三次元的に折り畳まっている
   シャペロニンのように球状が集まって筒のような構造を形成していることもある
   親水基を外側、疎水基を内側に向けてポリペプチド鎖が球状をなすタンパク質
   血中に多く含まれるアルブミン
   唾液中に存在するアミラーゼ
   機能  酵素、伝達、抗体、貯蔵、輸送
       何かと結合すること(複合タンパク質)で機能を有することが多い
   特徴  水に溶けるものが多く、細胞や血液中で生命活動を維持する役割を持つ
   [例外?]細胞膜で働くタンパク質は脂質二重層の疎水性と合うように
       表面の疎水性が高い
繊維状タンパク質
   複数のポリペプチド鎖が絡み合い束になっているタンパク質
   構造的特徴 構造が繊維状
   らせん構造が多い
   球状タンパク質に比べると直線的(二次元的)
   球状タンパク質に比べると固い
   機能  生体構造の形成:コラーゲン、ケラチン(爪、髪、皮膚)など
       運動に関与する:アクチン、ミオシン(筋肉)など
   特徴  強くて水に溶けにくいので毛髪や皮膚などの生体組織を形成する
---------------------------------------------------------------------------------------
タンパク質の「生体における機能」は多種多様であり、たとえば次のようなものがある
酵素タンパク質
   代謝などの化学反応を起こさせる触媒である酵素
   細胞内で情報を伝達する多くの役目も担う
   消化酵素(アミラーゼ、ペプシン、トリプシン等)、乳酸脱水素酵素
   種々の代謝を行う酵素類
酵素阻害剤
   酵素作用を阻害
   マクログロブリン、トリプシンインヒビター
構造タンパク質
   生体構造を形成するタンパク質
   コラーゲン、膜タンパク質、ウィルス殻タンパク質、ケラチンなど
   細胞外マトリクス(コラーゲンなど)、細胞骨格(アクチンなど)
輸送タンパク質
   何かを運ぶ機能を持つ種類で、酸素を運ぶ赤血球中のヘモグロビンや
   血液中に存在し脂質を運ぶアルブミン、
   コレステロールを運ぶアポリポタンパク質など
貯蔵タンパク質
   栄養の貯蔵に関与するタンパク質であり、卵白中のオボアルブミンや
   細胞中で鉄イオンを貯蔵するフェリチンやヘモシデリンなど
   グリシニン、カゼイン、アルブミンなど
収縮タンパク質
   運動に関与するタンパク質
   筋肉を構成する筋原繊維のアクチン、ミオシン(筋肉)など
   細胞骨格など
   細長いフィラメントを構成し、互いが滑りあう事で筋肉の収縮や弛緩を起こす
毒タンパク質
   細胞毒
   蛇毒タンパク質、リシン
防御タンパク質
   免疫機能に関与する種類であり、抗体・補体(抗体の働きを補完)とも言われる
   免役グロブリン、フィブリノーゲン(血液凝固)など
   B細胞によって作られるグロブリンがこれに当たる
調節タンパク質
   細胞間情報伝達
   DNAのエンハンサーと結合して遺伝発現を調整するタンパク質や、
   細胞内でカルシウムを使って他のタンパク質の働きを調整するカルモジュリンなど
   インスリン、グルカゴン、成長ホルモン等
エネルギー源
   タンパク質1gあたり4kcalのエネルギー
情報タンパク質
   細胞内情報伝達、レセプターの構成成分
   ホルモン受容体、LDLレセプター、インスリンレセプターなど
---------------------------------------------------------------------------------------
組成の上から、
   アミノ酸だけからなる「単純タンパク質」と、
   核酸・リン酸・脂質・糖・金属などを含む「複合タンパク質」と、
   単純タンパク質と複合タンパク質が作用して二次的に生成された「誘導タンパク質」に、
   分けられる
単純タンパク質
   アミノ酸のみからなるタンパク質
   アミノ酸のみで構成
分類コメント
アルブミン血清アルブミン、卵アルブミン、乳アルブミンなど
グロブリン血清グロブリン、卵グロブリン、ミオシン(筋肉グロブリン)など
グルテリン小麦のグルテリン、米のオリゼニンなど
プロラミンとうもろこしのゼイン(ツェイン)、小麦のグリアジンなど
硬タンパク質つめや毛のケラチン、骨の結合組織の コラーゲン、エラスチン、
絹糸やクモ糸のフィブロインなど
複合タンパク質
   単純タンパク質と他の物質が結合したもの
   アミノ酸の他に糖類やリン酸、核酸、色素などを含むタンパク質
   アミノ酸とその他(金属・糖・リン酸・核酸・脂質)で構成
分類コメント
糖タンパク質粘質多糖類とタンパク質が結合した物質で、粘膜や 分泌液、
卵白などに含まれる
ムチン(唾液)、グリコホリン、免役グロブリン、
オボムコイドなど
リポタンパク質脂質と結合した複合タンパク質
生物体に広く存在し、生体膜を構成するものは不溶性
血液中のものは水溶性でコレステロールなどの脂質の運搬を行う
分子密度から低比重リポタンパク質(LDL)
高比重血清リポタンパク質(HDL)、卵黄のリポビテリンなど
リンタンパク質リン酸とタンパク質が結合した物質で、乳汁のカゼイン、
卵黄のビテリンなど
色素タンパク質色素(ヘムなど)を含むタンパク質
シトクローム、ヘモグロビン、ミオグロビン
金属タンパク質金属イオンを含むタンパク質
トランスフェリン、フェリチン、メタロプロテアーゼ
核タンパク質核酸が結合 染色体、リボソーム、ヒストン、プロタミン
誘導タンパク質
   単純タンパク質と複合タンパク質が作用して二次的に生成されたもので、
   コラーゲンの変性したゼラチンなどです
   タンパク質が熱、酸、アルカリ、酵素、アルコールなどによって、変化したもの
分類コメント
ゼラチンコラーゲンを長時間煮出した物(熱変性生成物)
プロテエオースタンパク質を部分的に加水分解したもの
ペプトンタンパク質を加水分解したもの
ペプチドペプトンより更に分解が進んだ2~10数個のアミノ酸の結合物

TOP

三大栄養素

TOP
---------------------------------------------------------------------------------------
三大栄養素 糖質・脂質・タンパク質 … タンパク質の分類は前述
---------------------------------------------------------------------------------------
                                ┌─────┐
                              ┌→|  糖質  |炭水化物
                              | └─────┘
                              | ┌─────┐
                      ┌→三大栄養素─┼→|  脂質  |
                      |       | └─────┘
                      |       | ┌─────┐
                      |       └→|タンパク質|
              ┌→五大栄養素─┤         └─────┘
              |       |         ┌─────┐
              |       ├────────→| ミネラル |
              |       |         └─────┘
      ┌→六大栄養素─┤       |         ┌─────┐
      |       |       └────────→| ビタミン |
      |       |                 └─────┘
      |       |                 ┌─────┐
七大栄養素─┤       └────────────────→| 食物繊維 |炭水化物
      |                         └─────┘
      |                         ┌─────┐
      └────────────────────────→| ファイトケミカル |
                                └─────┘
                         植物性化学物質:Phytochemical
炭水化物=糖質+食物繊維

エネルギー(熱・力)のもとになる:糖質、脂質、タンパク質(糖質の摂取量が足りない場合)
体を作る・傷を治す      :タンパク質(筋肉や髪や爪)、ミネラル(骨や歯)、脂質(細胞膜)
身体の調子を整える      :ビタミン、ミネラル
有害物質の排出・腸内環境の改善:食物繊維
免疫力・抗酸化力・解毒力の改善:ファイトケミカル
---------------------------------------------------------------------------------------
三大栄養素(エネルギー)が互いに変換され利用される主な仕組み
---------------------------------------------------------------------------------------
               ┌────┐   ┌──────┐┌細胞膜、体の骨格、筋肉、皮膚、
               |アミノ酸|──|体タンパク質├┤
               |プール |━━└──────┘└酵素、ホルモン
               └────┘
                 △┃
                 |┃         ┌───── NH3 ─────-尿素───尿素
                 |┃         |    (アンモニア)     回路
                 |▼  脱アミノ反応 |
タンパク質──────────アミノ酸────────┤
                            |
                            |
              ┌──────┐      └─┬───────┬──────┐
              |グリコーゲン|        |       |      |
              └──────┘ ATP    |       |      |
                 △┃     △     |       |      |
                 |┃     |     |       |      |
                 |▼  解糖系|     ▽       ▽      ▽
    ┌糖質─グルコース─グルコ-ス───┴──ピルビン酸─アセチルCoA─TCA──O2
    |         ━6-リン酸━━△┳━   |▲   △┃ | |▲  回路───ATP
炭水化物┤                糖新生|┃    |┃   |┃ | |┃        H2O
    |                   |┃    ▽┃   |┃ | ▽┃        CO2
    └食物繊維               |┃    乳酸   |┃ |ケトン体
                        |┃         |┃ |
                        |┃         |┃ |
               ┌グリセロール──┘┃         |┃ |内因性(肝臓や腸管で合成)
         ┌────┐|      ━━┛         |┃ |
  ┌中性脂肪─|中性脂肪├┤                   |┃ |
  |      └────┘|          β酸化      |┃ |
  |            └脂肪酸────────────────┘┃ |
  |                ━━━━━━━━━━━━━━━━┛ |     ┌
  |                                   ▽     |細胞膜
脂質┼コレステロール────────────────────────コレステロール─┤ホルモン
  |              外因性(食物から吸収)                |胆汁酸─胆汁
  |                                         └
  |
  |
  └リン脂質、その他

──:解糖系(グルコースをピルビン酸または乳酸まで分解してATPを産生する)
━━:糖新生(乳酸やアミノ酸など糖質以外の物質を原料にグルコースを合成する)
┌───────┐
貯蔵されるもの
└───────┘
上図の簡略形が下図:三大栄養素からATP産生までの経路

   タンパク質─→アミノ酸──────────┐
                        |
   糖質────→グルコース──→ピルビン酸─┼→アセチルCoA─→TCA回路─→ATP
                        |
   脂質────→脂肪酸+グリセロール────┘

糖質や脂質は体内にグリコーゲンや中性脂肪として貯蔵できる
タンパク質は余っても体内に貯蔵できないためアミノ酸が過剰になると分解して排泄されます
---------------------------------------------------------------------------------------
炭水化物 糖質・食物繊維
---------------------------------------------------------------------------------------
由来原料による分類
同じ原料からでも製造工程を変えることにより、多くの種類の糖を作ることができます
                由来原料とそこからできる糖質
               ・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・
               :            でん粉糖              :
               :                             :
               :                ┌→異性化→ 異性化糖  :
               :┌───────→  ブドウ糖  ┤            :
               :|               └→還元─→ソルビトール :
               :|                            :
               :├→結晶化───→ マルトース ─→還元─→ マルトール  :
               :|                            :
               :├→転移・結晶化→ トレハロース              :
トウモロコシ─→ でん粉 ─分解─┤                            :
キャッサバ等         :├───────→   水飴   ─→還元─→ 還元水飴  :
               :|                            :
               :├───────→ 各種オリゴ糖              :
               :|                            :
               :└───────→各種デキストリン            :
               :                             :
               ・‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥・

             ┌─→転移─→パラチノース─→還元─→パラチニット
サトウダイコン→ 砂糖 ─┤                        
サトウキビ        └─→分解─→  転化糖              
                                    
牛乳─────→ 乳糖 ────────→還元────────→ラクチトール
                                   
木材─────→キシラン───→分解─→ キシロース ─→還元─→キシリトール

---------------------------------------------------------------------------------------
糖の分類と摂取してからの吸収時間
糖類糖質炭水化物
単糖類二糖類
吸収まで
数分
吸収まで
10分~1時間
吸収まで
3~4時間
吸収まで
5~6時間
---------------------------------------------------------------------------------------
糖の大きさ(分子量)による分類
分類種類所在



糖質糖類単糖類グルコース(ブドウ糖)動植物に広く含まれ,自然界にも多い
フルクトース(果糖)果物や花の蜜
ガラクトースグルコースと結合しラクトースで存在
マンノースリンゴやモモの果実,オレンジの果皮,ビート,ミズゴケ
グルコサミンキトサンの構成単糖,人体の関節軟骨の成分,卵殻膜
二糖類スクロース(ショ糖)砂糖のこと
ラクトース(乳糖)母乳や牛乳
マルトース(麦芽糖)麦芽から作られる水飴
トレハロース自然界の多くの動植物や微生物中にある
少糖類各種オリゴ糖人工甘味料
多糖類でん粉穀類,いも類,豆類
グリコーゲン動物の肝臓や筋肉
デキストリン小麦やトウモロコシ等の穀類
コンドロイチン軟骨,皮ふ,血管,靭帯,粘液など結合組織の主要成分
ヒアルロン酸皮膚の表皮と真皮,軟骨,目の硝子体,腱,筋肉,脳,血管
糖アルコールキシリトール樹木や植物,野菜や果物
ソルビトール海藻類やバラ科の果物
エリスリトール果実やキノコの他、ワイン・清酒・味噌
マルビット還元麦芽糖水飴・マルチトールシラップ
還元水飴水飴に水素を添加
還元パラチノースパラチニット,パラチノースに水素を添加
ラクチトール還元乳糖
マンニトール昆布、わかめなどの海藻類,樹木,干し柿
その他の糖質アスパルテーム人工甘味料
アセスルファムK人工甘味料
スクラロース人工甘味料
サッカリン人工甘味料
ネオテーム人工甘味料
アドバンテーム人工甘味料
アスパルテーム人工甘味料
ステビアパラグアイ原産のキク科の多年草
甘草(グリチルリチン)マメ科甘草木の多年生草本
食物繊維セルロース野菜類,蒟蒻,茸類,海藻類,綿花,麻,木材
ヘミセルロース穀類や豆類,ふすま,ごぼう
ペクチン柑橘類や果物や野菜
キチン・キトサン甲殻類,昆虫,茸,酵母の主成分
「糖類」と「糖質」の違い
「糖質」とは、炭水化物から食物繊維を除いたものと定められています
「糖類」とは、糖質のうちブドウ糖や砂糖などの単糖類・二糖類の総称です
ムコ(粘液質)多糖類:卵殻膜に含まれるコンドロイチンやヒアルロン酸など
---------------------------------------------------------------------------------------
脂質 単純脂質・複合脂質・誘導脂質
---------------------------------------------------------------------------------------
脂質とは、水に溶けない成分の総称で、脂肪酸はその中の成分の一つです
脂質単純脂質油脂,中性脂肪,ろうなど
脂肪酸とアルコールのみからなる脂質
複合脂質リン脂質,糖脂質,リボタンパク質など
単純脂質にリン酸,糖,硫酸などを含む脂質
誘導脂質コレステロール,脂肪酸,ステロイドなど
単純脂質や複合脂質が加水分解されて生成
する物質のうち脂質の性質を示すもの
脂質=油脂や脂肪酸,グリセロール,コレステロールなどをあわせて脂質と呼んでいます
油脂=脂肪酸とグリセロール(3価のアルコールの一種)という分子からできています
中性脂肪=グリセロールに脂肪酸が3個つながったもの=トリアシルグリセロール
1個:モノ,2個:ジ,3個:トリ,いずれも単純脂質
トリグリセリド=トリアシルグリセロール
グリセロール:以前はグリセリンと呼ばれていた
---------------------------------------------------------------------------------------
             ┌→長鎖脂肪酸─→牛や豚の脂
             |  ミステリン酸
             |  パルミチン酸
             |  ステアリン酸
             |
    ┌→飽和脂肪酸──┼→中鎖脂肪酸─→ココナッツオイル,パーム油
    | (SFA)    |  カプリル酸
    |        |  カプリン酸
    |        |  ラウリン酸
    |        |
    |        └→短鎖脂肪酸─→酢,バター,乳製品
    |           酢酸
    |           酪酸
脂肪酸─┤           カプロン酸
    |
    |                   ┌→ω-9系脂肪酸─→オリーブオイル,
    |                   |  菜種油,オレイン酸など
    |        ┌→一価不飽和脂肪酸─┤
    |        | (MUFA)     |
    |        |          └→ω-7系脂肪酸─→アボカドオイル
    |        |             パルミトレイン酸
    └→不飽和脂肪酸─┤           
      (UFA)    |          ┌→ω-6系脂肪酸─→ごま油,大豆油,
             |          |  肉,魚,卵,リノール酸、
             |          |  アラキドン酸、
             └→多価不飽和脂肪酸─┤  γ-リノレン酸など
               (PUFA)     |
                        |
                        └→ω-3系脂肪酸─→えごま,亜麻仁,
                           青魚,えび.α-リノレン酸、
                           EPA,DHA
人体内で合成できる :飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸
人体内で合成できない:多価不飽和脂肪酸(必須脂肪酸)
常温で固体:飽和脂肪酸
常温で液体:不飽和脂肪酸
飽和脂肪酸 :炭素同士の二重結合がない脂肪酸をいいます
       炭素の結合の手4本が各1本毎に他と単一でつながり、
       飽和状態にある安定した脂肪酸です(単結合)
不飽和脂肪酸:炭素同士の二重結合がある脂肪酸をいいます
炭素同士の二重結合がない          炭素同士の二重結合  炭素同士の三重結合  
 |    H    |    H H    |   H H    |         
 ↓    |    ↓    | |    ↓   | |    ↓         
メタン:H-C-H エタン:H-C-C-H エチレン:C=C アセチレン:H-C≡C-H
      |         | |        | |              
      H         H H        H H              
不飽和脂肪酸には、一価・多価とも、シス型脂肪酸とトランス型脂肪酸があります
●トランス脂肪酸は、LDL(悪玉)コレステロールを増やすだけでなく
 HDL(善玉)コレステロールを減らす(心疾患のリスクを高める)ことが報告されています
●トランス脂肪酸は、動脈硬化などによる心疾患にかかるリスクを高めることが報告されています
---------------------------------------------------------------------------------------
ミネラル 多量ミネラル・微量ミネラル
---------------------------------------------------------------------------------------
≪必須ミネラル:16種類≫
多量ミネラル ●歯や骨をつくる
●電解質として
 浸透圧を調整する
●神経や筋肉の
 機能を調整する
カルシウム,リン,カリウム,硫黄,
塩素,ナトリウム,マグネシウムの7種類
微量ミネラル ●体内でさまざまな
 役割を担う有機化
 合物を構成する
●酵素やホルモンの
 作用に関与する
鉄,亜鉛,銅,マンガン,ヨウ素,セレン,
モリブデン,コバルト,クロムの9種類
16元素-(硫黄・塩素・コバルト)=日本では13元素(日本人の食事摂取基準)
---------------------------------------------------------------------------------------
ビタミン 水溶性ビタミン・脂溶性ビタミン・ビタミン様物質
---------------------------------------------------------------------------------------
13種類のビタミンの種類と働き
水溶性ビタミン 水に溶けやすく,油脂には溶けにくい性質を持つ
ビタミンB群(B1,B2,B6,B12,
ナイアシン(B3),パントテン酸(B5),ビオチン(B7),葉酸(B9))
とビタミンCの9種類
血液などの体液に溶け込んでいて,
余分なものは尿として排泄されるので,
食べ物から毎食一定量をとる必要があります
脂溶性ビタミン 水に溶けにくく,油脂に溶ける性質を持つ
ビタミンD,A,K,E(覚え方は「だけ」)の4種類
水溶性と違って,肝臓に蓄積されるため,
とり過ぎると頭痛や吐き気などの過剰症を
起こすものもあります
ビタミン様物質 CoQ-10,バイオフラボノイド(ビタミンP),イノシトール,リポ酸,
コリン,パラアミノ安息香酸(PABA),オロト酸(ビタミンB13),
パンガミン酸(ビタミンB15),カルニチン(ビタミンBT),
キャベジン(ビタミンU)
体内で合成されるため欠乏症は起こらない栄養素
疾病予防や美容、健康維持
---------------------------------------------------------------------------------------
食物繊維 水溶性食物繊維・不溶性食物繊維
---------------------------------------------------------------------------------------
食物繊維には大きく分けて水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と
水に溶けにくい「不溶性食物繊維」があります
一つの食材に水溶性・不溶性のどちらも含まれていることがほとんどです
寒天に含まれる食物繊維の多くは、水溶性食物繊維といわれています
水溶性食物繊維 水溶性ペクチン,グルコマンナン,グアーガム,
アルギン酸,βグルカン,イヌリン,フコダイン,
マルチトール,コンドロイチン,寒天
不溶性食物繊維 セルロース,ヘミセルロース,リグニン,
寒天,不溶性ペクチン,キチン,キトサン
---------------------------------------------------------------------------------------
ファイトケミカル ポリフェノール・カロテノイド・硫黄化合物・テルペン類・多糖類
---------------------------------------------------------------------------------------
ファイトケミカルとは、植物由来の化学物質の総称です
植物が紫外線や虫の脅威から身を守るために生み出した香りや色素、
アクなどのことを指します
現在すでに発見されているものは数万種と言われており、
未発見のものを含めると推定で100万種を超えるとも言われています
ファイトケミカルの種類は、大きく分けると次の5種類になります
ポリフェノール
(抗酸化物質)
紫色や濃い赤色の色素、
苦味やえぐ味などの成分
水溶性のものが多く、 
強力な抗酸化作用がある
アントシアニン
カテキン   
ショウガオール
イソフラボン 
セサミン   
ルチン    
タンニン   
フラボノイド 
カロテノイド
(脂質関連物質)
黄、橙、赤色の色素、 
天然に存在する色素成分
で強い抗酸化作用がある
脂溶性のため油との調理
で吸収率が高まる   
β-カロテン     
β-クリプトキサンチン
リコピン       
アスタキサンチン   
カプサンチン     
カプサイシン     
ルテイン       
硫黄化合物
(含硫化合物)
硫黄成分を持ち、   
独特の強いにおいが特徴
ユリ科やアブラナ科の 
野菜に含まれる成分で、
強い殺菌効果を持つ  
ものが多い      
アリシン     
硫化プロピル   
イソチオシアネート
スルフォラファン 
シニグリン    
グルコブラシン  
テルペン類
(香気成分)
柑橘類などに多く含まれ
ている特有の香りや苦味
の成分
抗酸化作用や免疫力強化
などの働きがある
リモネン  
メントール 
オイゲノール
セダノライド
α-ピネン 
シオネール 
多糖類 海藻や根菜類に多い炭水
化物の一種      
難消化性の場合には食物
繊維として分類される 
フコイダン
イヌリン 
βグルカン
ペクチン 

次へ前へTOP 15.ATP光合成 ATP、光合成と呼吸、C3植物・C4植物

TOP

ATP

TOP
---------------------------------------------------------------------------------------
細胞内でのエネルギー通貨
---------------------------------------------------------------------------------------
   私達は、一日に2000キロカロリーほどのエネルギーを食事から摂取しています
   食べ物から取り入れたエネルギーは、体内で形を変えて、生命活動を維持します
   細胞内でのエネルギー通貨といわれるのが、ATP(アデノシン三リン酸)です
   食物のエネルギーは、ATPを合成するために消費されて、一旦ATPに蓄えられます
   ATPは、筋肉の収縮から脳の神経細胞の活動、タンパク質の合成といった、
   体内でエネルギーを必要とする現象すべてで必要です
   生体内での、物質の合成や運動など、生命活動で利用されるすべてのエネルギーは
   ATPから取り出されたものが使われるため、ATPは「エネルギーの通貨」とよばれる
   生物におけるエネルギー貯蔵や供給および運搬などを仲介する重要な物質です

               筋肉の収縮
                 ↑
              エネルギー放出(ATP加水分解)
      ATP+P1+P2+P3   →    ADP+P1+P2
      [塩基+糖]+PPP     ←    [塩基+糖]+PP
              エネルギー吸収(ATP合成)
                 ↑
         解糖系や有酸素系からのエネルギー供給

      ATP加水分解:ATP+H2O ⇒ ADP+H3PO4+エネルギー
                  水      リン酸
      ATP合成  :ADP+H3PO4+エネルギー ⇒ ATP+H2O
                 リン酸            水
---------------------------------------------------------------------------------------
ATP(アデノシン三リン酸)
---------------------------------------------------------------------------------------
ATPはエネルギー源
   ATPとは、エネルギーの受け渡しの仲立ちをしている化学物質のこと
   ミトコンドリアで作られるエネルギーを電気的に蓄えた物質で、
   細胞内の全ての活動に必要なエネルギー源です
   ヒトは、食物を食べて栄養素を、また呼吸で酸素を体に取り入れている
   これらは最終的には細胞内のミトコンドリアに運ばれ、栄養素(糖質と脂質)と酸素
   反応して二酸化炭素と水に分解される
      C6H12O6+6O2→6CO2+6H2O
   この時にアデノシン三リン酸(ATP)というエネルギー源が作られる
   ATPはアデノシン二リン酸(ADP)とリン酸に分解される時、エネルギーを生む
   ATPは貯蔵することができないので、必要に応じて絶えず作られていて、
   1日に作られる量はその人の体重に相当すると言われている
高エネルギーリン酸結合
   ATPは塩基であるアデニンと糖の一種であるリボース(五炭糖の一種)が結合した
   アデノシン(ヌクレオシドの1つ)に3個のリン酸が結合した化合物である
   このリン酸どうしの結合を「高エネルギーリン酸結合」という
   高エネルギーリン酸結合:リン酸とリン酸の結合部分にエネルギーを蓄える(+P1+P2+P3)
   この結合が切れ、リン酸が1個取れてADP(アデノシン二リン酸)になるときや
   リン酸が2個取れてAMP(アデノシン一リン酸)になるときに、
   多量の「エネルギーが放出される」される
      ATP+P1+P2+P3 → ADP+P1+P2 → AMP+P1
   また、逆にADPがATPになるときには、「エネルギーが吸収される
   この逆向きの反応ではエネルギーを蓄えることができる
      ATP+P1+P2+P3 ← ADP+P1+P2 ← AMP+P1
ATPを分解する
   エネルギーはどうやって体を動かしているでしょう? 
      筋肉を収縮させる→筋肉を動かす→体を動かす
   筋肉の収縮に使用されるエネルギーはATPの分解により得られます
   エネルギーが必要になったときは、「ATP分解酵素」の働きによって、
   ATPからリン酸基がはずされて分解されていきます
   リン酸基がはずれるたびに筋肉を収縮させるのです
   ATPから一つのリン酸基がはずれるとADPという物質になります
   全てのATPがADPに分解されてしまうと、もう運動を続けることは
   できなくなるので、ATPは常に合成され続けています
ATPを再合成する
   成人男子が1日分のエネルギーとして摂取した2000キロカロリーのうち、
   半分の1000キロカロリーがATPの合成に消費されます
   これは重さに換算すると、およそ50kgにもなり、体重分ほどの量のATPを毎日合成して
   いることになります
   この合成には、「ATP合成酵素」という酵素が働いています
   この合成酵素は、世界最小の回転モーターで、回転しながらADPとリン酸から
   再びATPを合成しているのです
---------------------------------------------------------------------------------------
プリン体
---------------------------------------------------------------------------------------
   「尿酸」は「プリン体」から生成される老廃物の一種で、尿中から排出されます
   プリン体は食事から摂取されるものが2~3割で、体内で作られるものが7~8割です
   体内での「プリン体」は「細胞の新陳代謝」と「エネルギー代謝」によって作られます
細胞の新陳代謝
   古い細胞は新陳代謝によって新しい細胞に変わっていきます
   このとき古い細胞の中にある遺伝子(核酸)の構成成分が「プリン体」であるため、
   新陳代謝が進むと古い細胞の核酸から「プリン体」が放出され体内の「プリン体」が
   増えます
エネルギー代謝
   「プリン体」はエネルギー代謝のときに使われるATPの構成成分です
   エネルギー代謝によりATPは分解されてADPになります
   通常のエネルギー代謝ではATPは一旦使われても再合成されるので、
   「プリン体」が放出されることはありません
   しかし、激しい運動などで、必要とされるATPが多くなった時に、
   再合成が間に合わず余ったADPは、更に分解されて「プリン体」が
   生じることになります

           分解     更に分解     
      ATP  →  ADP  →  プリン体  …→  尿酸
       ▲   ←   ▲        ▲  
       再合成が間に合わない          

プリン体の最終代謝産物は尿酸
   プリン体のほとんどは、核酸として存在しています
   核酸は腸管でヌクレオチドに分解され、さらにヌクレオチドはヌクレオシド、
   プリン塩基(プリン体)へと分解されます
   この核酸は貯蔵されない物質で、必要なときに必要な分だけ作られ、
   不要になるとすぐに分解されます
   ピリミジン塩基は、最終的に水と二酸化炭素とアンモニアになるのですが、
   プリン塩基(AとG)は尿酸にまでしか代謝されません
   体内でたくさんの細胞が壊れる時、たくさんの細胞を外から取り込んだ時
   には、核酸の分解が進むので尿酸値が上昇します
   尿酸は、プリン体の最終代謝産物で、ヒトの体内ではそれ以上分解できません
   血中の溶解度が7.0mg/dLしかないため、この濃度を超えてしまうと結晶化してしまい、
   その場所に炎症を引き起こす元となります
   夜間寝ている時に結晶化して炎症を引き起こすことが多く、
   激しい痛みで目を覚ます「痛風発作」につながります
   尿中に増加して尿路結石、腎障害の原因となることもあります

---------------------------------------------------------------------------------------
筋肉を動かす3つのエネルギー供給系
---------------------------------------------------------------------------------------
ATP-CP系瞬発系、クレアチンリン酸、持続時間:8秒)ATP-PCr系
   ATPはごく僅かな量しか筋肉中に貯蔵されていない
   そのため大きな力を生み出すと筋肉中のATPは瞬く間に涸渇してしまう
   そこで、ATPの消費が激しい器官においてはATPを再合成する機構が備わっている
   ATP-CP系は、筋肉中のクレアチンがリン酸と結合して、クレアチンリン酸となり、
   クレアチンリン酸をクレアチンとリン酸に分解して、ADPにリン酸を与えることで
   ATPを再合成するという働きを担っている
   しかしながら、クレアチンリン酸の貯蔵量も限られています
      貯蔵:筋肉中のクレアチン+リン酸→クレアチンリン酸
      分解:クレアチンリン酸→クレアチン+リン酸        … ①
      再合成:ADP+リン酸→ATP              … ②
      クレアチンリン酸+ADP→クレアチン+ATP       … ①+②
解糖系(乳酸系)筋持久系、グリコーゲン、持続時間:30秒~60秒)
   筋内に貯蔵されている糖質(炭水化物)、グリコ―ゲンはピルビン酸に分解される
   ピルビン酸はミトコンドリアで代謝されるが、急激にグリコーゲンが分解される場合、
   エネルギー需要が急激に高まった状態では、ピルビン酸は一時、嫌気的に乳酸へと
   還元される(ミトコンドリアで処理が追い付かないと乳酸に変換)
   グリコーゲンがピルビン酸へと分解され、そして乳酸へと還元される一連の反応経路を
   解糖系と呼び、この時に発生するエネルギーがATPの産生に用いられる
有酸素系持久系、糖質・脂質、持続時間:長時間)
   有酸素性エネルギー代謝は、主にミトコンドリア内で行われます
   グルコースや脂肪酸や多くのアミノ酸は、
   アセチルCoAにまで代謝され、クエン酸回路に入ります
   その後このクエン酸から呼吸鎖に入り、そこで大量のATPが産生されます
   この過程は酸素を必要とするため有酸素性エネルギー代謝と呼ばれます
   先に挙げた2つのエネルギー供給系と異なり瞬間的なエネルギー供給には不向きである
   しかしながらエネルギーの供給量は大きいため、有酸素系のATP産生によって長時間
   の運動が可能となる
運動時には運動強度や運動時間により、
   無酸素性エネルギー代謝(解糖系)と有酸素性エネルギー代謝(有酸素系)が、
   シーソーの関係でエネルギー源を供給しています
   無酸素性エネルギー代謝では、グルコースが主なエネルギー源として利用され、
   有酸素性エネルギー代謝では、脂肪酸が主なエネルギー源として利用されます
---------------------------------------------------------------------------------------
ミトコンドリアでATPを作る時、酸素を使う
---------------------------------------------------------------------------------------
   ミトコンドリアは、有機物を燃焼(酸素を使う代謝)してATPを生成します
   ミトコンドリアは、ATPを作り出すとき、副産物として生体にとっては害となる
   活性酸素を数%生み出す
   活性酸素は、ミトコンドリア、核、遺伝子、細胞膜などに触れると
   それらを「酸化」させ、本来の機能を阻害する
   ヒトの体には活性酸素を消去する抗酸化物質が準備されているが、
   活性酸素と抗酸化物質とのバランスが崩れ、過剰に活性酸素が作られるとき、
   細胞はダメージを受け、これがガン、動脈硬化、老化などを招く
   病気・老化・ガンの予防のためには体内の抗酸化物質を増やすことが必要である
---------------------------------------------------------------------------------------
ATPの構造とその貯蔵方法
---------------------------------------------------------------------------------------
   ATPは非常に不安定な物質ですが、ADPは安定な物質です
   ATPは非常に不安定な物質であるため、筋肉中でクレアチンリン酸として貯蔵します
   では、どのようにしてATPをクレアチンリン酸として貯蔵するかというと、
   クレアチンキナーゼという酵素によって、ATPのリン酸と筋肉中に存在する
   クレアチンをくっつけて、クレアチンリン酸(エネルギー貯蔵物質)として貯蔵します
   そして、筋肉においてATPが不足し、ATPが必要になった場合、
   クレアチンリン酸からリン酸をはずしてADPにくっつけてATPを合成します
         ┌───-貯蔵-────┐ ┌──-合成-──┐
         クレアチンリン酸+ADP⇔クレアチン+ATP
      貯蔵:ATPのリン酸+筋肉中のクレアチン→クレアチンリン酸
              ↓            (リン酸の貯蔵)
         ATP-リン酸→ADP
      合成:クレアチンリン酸-リン酸→クレアチン
         (リン酸の放出)  ↓
              ADP+リン酸→ATP
   ちなみに不要になったクレアチンは、クレアチニンとなって尿中へ排泄されます

TOP

光合成と呼吸

TOP
---------------------------------------------------------------------------------------
光合成と呼吸
---------------------------------------------------------------------------------------
   光合成とは、植物などが光のエネルギーを使い、有機物を作ることです
   植物などが行う「酸素発生型光合成」は、「水を分解して酸素を発生」し、
   「二酸化炭素を有機物に固定」します
   光合成の化学反応過程は、光のエネルギーを化学エネルギーに変換する「光化学系」と、
   光化学系で作られた化学エネルギーにより二酸化炭素を固定する「カルビン回路」とに
   わけられます
   光化学系では光のエネルギーを利用して、水を分解して酸素を放出します
   その際に作り出される「NADPH」と「ATP」がカルビン回路へ受け渡され、
   二酸化炭素が固定され、有機物がカルビン回路で合成されます
   NADPH:還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、光合成で用いられる化合物
   ATP:アデノシン三リン酸、生物はATPを用いた化学反応で得られるエネルギーを利用して
   いる
   ┌────────────────────────────┐
   │        水          二酸化炭素      │
   │        ↓            ↓        │
   │    ┌──────┐ NADPH ┌──────┐    │
   │  光→│ 光化学系 │  →  │カルビン回路│    │
   │    │ (C4回路) │  ATP  │ (C3回路) │    │
   │    │ (明反応) │  →  │ (暗反応) │    │
   │    └──────┘     └──────┘    │
   │        ↓            ↓        │
   │       酸素          有機物       │
   └────────────────────────────┘
   明反応:NADPHとATPを合成する過程、光エネルギーを使った光化学反応
       光化学系Ⅰ光化学系Ⅱ:植物は葉緑素を用いて2段階で光の吸収を効率的に行う
       各光化学系は光の波長が異なる
       シアノバクテリア:光化学系ⅠとⅡの両方を持つ最初の生物
   暗反応:明反応で作ったNADPHとATPを用い、水とCO2から糖を合成する過程
光合成システム      ┌→光化学系Ⅱ:光エネルギーを使って水を分解して酸素を放出
       ┌→明反応─┤      
       │     └→光化学系I:NADPHやATPの合成
   光合成─┤
       │
       └→暗反応:水と二酸化炭素から糖を合成
植物細胞の中には、
   光合成によって光のエネルギーを化学エネルギーに変換して有機物を合成する葉緑体
   存在します
   ┌──────────────────────────────────┐
   │         ┌───┐         ┌────┐     │
   │ 光のエネルギー→│光合成│→化学エネルギー→│ 葉緑体 │→有機物 │
   │         └───┘         └────┘     │
   └──────────────────────────────────┘
   光合成の電子伝達系により、光エネルギーをATPやNADPHといった化学エネルギーに変換します
   次いで、葉緑体でその化学エネルギーをもとに二酸化炭素を固定し、有機化合物を合成します
   植物の還元反応:太陽光線→水から水素を奪う+二酸化炭素→酸素+炭水化物 葉緑体の機能
      6H2O + 6CO2 → 6O2 + C6H12O6   :還元反応
動植物細胞の中には、
   呼吸によって有機物が蓄えた化学エネルギーをATPとして取り出すミトコンドリア
   存在します
   ┌──────────────────────────────────┐
   │      ┌───┐         ┌───────┐     │
   │  有機物→│ 呼吸 │→化学エネルギー→│ミトコンドリア│→ATP   │
   │      └───┘         └───────┘     │
   └──────────────────────────────────┘
   ミトコンドリアで行われている呼吸では、酸素を用いて、有機物を二酸化炭素と水に
   分解します
   その過程で、生命活動に必要なエネルギーをATPとして取り出しています
   動物の酸化反応:炭水化物+水素を奪う酸素を吸う→二酸化炭素+水 ミトコンドリアの機能
      C6H12O6 + 6O2 → 6CO2 + 6H2O   :酸化反応
   外呼吸:肺胞と血液との間の(酸素と二酸化炭素の)ガス交換
   内呼吸:血液と細胞との間の(酸素と二酸化炭素の)ガス交換

昼間の植物は呼吸と光合成の両方を行っていますが、光合成の方が活発です
   そのため、昼間の植物は全体として、
   二酸化炭素を取り込んで、酸素をはき出しているように見えます
これに対して、夜間の植物は光合成を行っていません
   つまり、動物と同じように、
   植物も酸素を取り込んで、二酸化炭素をはき出しているのです

葉緑体の役割とミトコンドリアの役割一覧
葉緑体ミトコンドリア
①光合成によって有機物と酸素を
 生成するほか、
➁脂質や色素の合成、
➂アミノ酸やタンパク質などの
 有機窒素化合物の合成など、
 植物の細胞内の代謝において
 中心的な役割を担っています
①酸素を使ってエネルギー(ATP)を
 生成するほか、
➁細胞内カルシウムイオン濃度の
 調節や脂質の酸化、
➂免疫反応やアポトーシス(細胞死)
 などにも関与しています


葉緑体の各種回路
   C4回路(別名:ハッチ=スラック回路、C4-ジカルボン酸回路)
   C3回路(別名:カルビン・ベンソン回路、還元的ペントース・リン酸回路、
          炭素固定回路、炭素還元回路)
ミトコンドリアの各種回路や伝達系
   TCA回路(別名:クエン酸回路、クレブス回路、トリカルボン酸回路)
   電子伝達系(別名:水素伝達系、電子伝達鎖、呼吸鎖)

TOP

C3植物・C4植物・CAM植物

TOP
---------------------------------------------------------------------------------------
C3植物とC4植物
---------------------------------------------------------------------------------------
C3植物とC4植物の違いは光合成能力にあります
   C3植物は1種類の葉緑体(光合成を行うもの)しか持たないのに対し、
   C4植物はC3植物が持つ葉緑体の他に、CO2濃度を高める働きをする葉緑体を持っています
   そのため、C4植物はC3植物の何倍ものCO2濃度を保つことができ、
   効率よく光合成を行うことができるため、より早い成長が可能となるのです
   それぞれの名前の由来は、葉緑体の中で初期に生産される物質に含まれる
   炭素の数からきています
   C3植物は炭素数3、C4植物は炭素数4の物質であることから、こう呼ばれる
   植物の大部分はC3植物です
   C3植物では、強光、高温、高O2濃度、低CO2濃度という条件で、
   光呼吸は増大し見かけの光合成は低下するが、(C3植物の欠点)
   C4植物ではCO2の回収が速いためこのような低下はみられない
---------------------------------------------------------------------------------------
C3植物
---------------------------------------------------------------------------------------
   大気中のCO2を直接カルビン回路にとり込むことによって光合成を行なう植物
   CO2がカルビン回路に取り込まれてC3化合物(3炭素)が最初にできる
   ここで働く酵素(RuBisCO)の効率が、低CO2や高温環境下では悪化する
   (光呼吸)という欠点がある
      二酸化炭素濃度
      100ppm:C3植物の光合成が停止
       10ppm:C4植物の光合成が停止
   陸上植物の大半がC3植物です
   イネ、ムギ、ダイズなど
---------------------------------------------------------------------------------------
C4植物
---------------------------------------------------------------------------------------
   大気中のCO2をまずC4光合成回路にとり込み、続いてカルビン回路で再固定する植物
   CO2を取り込み、C4化合物(4炭素)をつくる専用の回路を葉肉細胞に持つ
   エネルギーを消費するが、C3植物の欠点を解消できる
   カルビン回路は維管束鞘細胞で主に働く
   サトウキビ、トウモロコシなど
   葉緑体1:葉肉細胞の働き:CO2濃縮、C4回路、光化学系(チラコイドでの反応)
   葉緑体2:維管束鞘細胞の働き:有機物を合成、C3回路(ストロマでの反応)
  ※葉緑体1はC4植物のみが持ち、C4回路からC3回路にCO2を送り込む
   C4回路:回路の途中でCO2を放出します
       放出されたCO2は、C3回路に固定され直す仕組みになっています
       こうした植物の葉では、C4回路の働く細胞(葉肉細胞)と
       C3回路の働く細胞(維管束鞘細胞)に分かれていることが特徴的です
   C3回路:カルビン回路をC3回路と呼ぶ  ★カルビン回路の詳細はこちら→カルビン回路
   葉緑体1                 葉緑体2              
  ┌─────────────────┐  ┌─────────────────┐
  │葉肉細胞     ピルビン酸   │  │維管束 グルコース←┐      │
  │   PEP C3←────C3     │  │鞘細胞  ┌────┴┐     │
  │     │     ↑     │  │     ↓     │     │
  │     │(C4回路)│     │  │   RuBP C5(C3回路)C3 GAP   │
  │   CO2→┤(明反応)│…………………………………→│(暗反応)↑     │
  │     ↓     │   CO2 │CO2 │有機物  ↓     │     │
  │     C4────→C4   濃縮 │放出│を合成  ●─→C3─┬┘     │
  │   オキサロ酢酸 リンゴ酸    │  │    ルビスコ PGA └→H2O    │
  └─────────────────┘  └─────────────────┘
   C4回路:ハッチ=スラック回路 (明反応) C3回路:カルビン・ベンソン回路(暗反応)
   ピルビン酸:オキソプロパン酸 (C3H4O3) RuBP:リブロース二リン酸   (C5H12O11P2)
   PEP :ホスホエノールピルビン酸(C3H5O6P) PGA :ホスホグリセリン酸   (C3H7O7P)
   オキサロ酢酸:オキソブタン二酸(C4H4O5) GAP :グリセルアルデヒドリン酸(C3H7O6P)
   リンゴ酸:オキシコハク酸   (C4H6O5)
   ※1:C4回路:ハッチ=スラック回路=C4-ジカルボン酸回路
   ※2:C3回路:カルビン・ベンソン回路=還元的ペントース・リン酸回路
      CO2+RuBP(C5)=PGA(C3)X2
      ルビスコの反応における炭素の計算:1+5=3×2
   ※3:リブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(RuBisCO)=
      リブロースニリン酸カルボキシラーゼ(RuBisCO)
   ※4:リブロース-1,5-ビスリン酸(RuBP)=リブロース二リン酸(RuBP)
      RuBP=RuBisCOの基質
---------------------------------------------------------------------------------------
CAM植物
---------------------------------------------------------------------------------------
   CAMは crassulacean acid metabolism の略
   夜は気孔を開き、昼は気孔を閉じて水の蒸散を防ぐ
   砂漠などの水分が乏しい環境において、水分ストレスを緩和するために発達した
   夜のうちにCO2を取り込み、昼にそれをもとにして光合成を行います
   乾燥に強い
   パイナップル、サボテン、ベンケイソウなど

   ベンケイソウ科の植物では、
   夜間に気孔が開いてCO2を吸収し、これがリンゴ酸として蓄えられ、
   昼間は気孔が閉じてリンゴ酸が減少し、デンプンを形成する
   という日変化を示すことが古くから知られており、
      この代謝形式は、ベンケイソウ型有機酸代謝(CAM)と呼ばれていた
   C4植物の研究の進展の結果、
      C4植物では葉肉細胞維管束鞘細胞との協調で2種のCO2固定反応が
      空間的に分けて行われているのに対し、
   CAM植物ではこの2種の反応が夜と昼というように時間的に分けて行われる、
      すなわち
      夜間PEPCによるCO2固定が行われ、
      昼間はこのCO2がカルビン回路で再固定されることが明らかにされた
   CAM植物は乾燥に対する適応として特異的な代謝系をもつに至ったものと考えられる
   現在、ベンケイソウ科のほかサボテン科、アナナス科などの112属300種余り
   (多肉のものが多い)がCAM植物として知られている
---------------------------------------------------------------------------------------
C3回路・C4回路
---------------------------------------------------------------------------------------
   光合成の炭酸固定系にはカルビン回路とC4ジカルボン酸回路(C4回路)の2種類がある
             ┌→カルビン回路(C3回路)   
   光合成の炭酸固定系─┤               
             └→C4ジカルボン酸回路(C4回路)
   前者をもつ植物(C3植物)はRuBPによってCO2固定を行う

   C4回路をもつ植物(C4植物)では、まず「葉肉細胞」でHCO3⁻を基質として
      ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)でCO2を固定し、
      オキサロ酢酸を生成し、これからリンゴ酸またはアスパラギン酸を生じ、
      これが「維管束鞘(いかんそくしよう)細胞」へ送られたのち、
      そこでこれらの化合物からCO2を放出し、これをカルビン回路で再固定する
      この反応経路のうち、カルビン回路より前の過程を(狭義のC4回路)という
      (広義のC4回路)はカルビン回路に対して、
      効率のよいCO2供給系(狭義のC4回路)が付け加えられたものである
   C4植物は維管束鞘細胞に多数の葉緑体をもつ
      C4植物は、葉肉細胞で作られたCO2固定産物から維管束鞘細胞でCO2を放出させる
      反応の種類によって三つのタイプ、すなわち
         (1)NADP-マリックエンザイム型、
         (2)NAD-マリックエンザイム型、
         (3)PEPC-ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ型に分類される

   C4植物としては、イネ科、カヤツリグサ科などに属するもののほか、
      双子葉植物を含む20科1100種が知られており、熱帯原産のものが多い
      CO2補償点がきわめて低く(5ppm以下)、強光、高温、高O2濃度、低CO2濃度
      中での光合成速度はC3植物より高い
---------------------------------------------------------------------------------------
スプリング・エフェメラル(春植物、春の妖精)
---------------------------------------------------------------------------------------
   スプリング・エフェメラルとは「春のはかない命」という意味です
   早春に花を咲かせ、夏から秋には枯れ、地下で養分を蓄え、来年の春に向けて
   一年の大半を地中で地下茎や球根の姿で過ごす植物を総称してスプリング・
   エフェメラルと呼んでいます
   
   背が低くきゃしゃな花たちは、林の木々が葉を広げてしまうと太陽の光を浴びて
   光合成することができません
   まだ他の植物が目覚めていなく、太陽の光が地面にたっぷり届くうちに、寒さに
   強いスプリング・エフェメラルは、いち早く太陽の光を利用して花を咲かせ、
   受粉をし、タネを作り、養分を蓄えます
   花が咲いてタネが出来るまで、わずか2週間で完結する植物もあります
   そうすることで、スプリング・エフェメラルは厳しい生存競争の中を生き抜いて
   きたのです
   キンポウゲ科
      イチリンソウ、フクジュソウなど
   ケシ科
      エゾエンゴサク、ムラサキケマンなど
   ユリ科
      カタクリ、ショウジョウバカマなど

         早春        夏 ~ 秋     
      太陽の光       太陽の光        
      ↓↓↓        ↓↓↓         
      ↓↓↓        ↓↓↓         
      ↓↓↓       葉●●●●●●●●●   
      \/\/\/\/   \/\/\/\/   
      \/  \/     \/  \/    
      ↓↓\  /       \  /     
      ↓↓↓││         ││      
      ↓↓↓││  落葉広葉樹林  ││      
      ↓↓↓││         ││      
      ↓↓↓││         ││      
      ↓↓↓││         ││      
     葉●●●││         ││      
       \/ スプリング・エフェメラル│      
       │ ││         ││    地上
   ─────────────────────────
                │         地下
                /\           
               ○○○          
              地下茎や球根         
   ┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼
    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12月

---------------------------------------------------------------------------------------
菌従属栄養植物:光合成をやめた植物

次へ前へTOP 16.細胞内共生  細胞内共生説、光合成と葉緑体、ミトコンドリア

TOP

細胞内共生説

TOP
---------------------------------------------------------------------------------------
細胞内共生説
真核生物の細胞小器官(ミトコンドリアや葉緑体など)は、
異種生物が細胞内に取り込まれ細胞内で共生することにより生じたとする学説
   ミトコンドリアの起源 → αプロテオバクテリア(好気性細菌)
   葉緑体の起源     → シアノバクテリア(光合成細菌)
   核と細胞質の起源   → 古細菌
共生の順序
   ①核膜の獲得
    核:核膜、核膜孔、核小体、染色体(DNA)
    DNAが守られ有毒な酸素を出すミトコンドリアが共生できるようになった
   ➁ミトコンドリアの共生 (動植物細胞)
   ③葉緑体の共生     (植物細胞)
共生の根拠
   ①異質二重膜をもつ   :内膜は自身の膜で外膜は共生主の膜
   ➁独自の環状DNAをもつ:原核細胞のDNAは環状、真核細胞のDNAは直線状
   ➂半自律的に増殖する  :自分のリボソームでタンパク質を合成

細胞内共生と進化
   動物や菌類、植物の祖先は20億~10億年前に起きた細胞内共生によって誕生した

       動物・菌類・      陸上植物・
       原生生物         藻類
       (動物細胞)       (植物細胞)
         ↑           ↑
         |           |
         |           |
         |           |
         |         ┌―――┐
         |     葉緑体……… |ミトコンドリアと葉緑体
10億年前     |         |  |を持つ真核生物
         |         └―――┘
         |           ↑
         |           |細胞内取込
         |      細胞内共生|←─────────┐
         |           |          |
         |         ┌―――┐        |
         └─────────|  ……ミトコンドリア|
            ミトコンドリア|   |        |
            を持つ真核生物└―――┘        |
                     ↑          |
                     |細胞内取込     |
                細胞内共生|←────┐    |
                     |     |    |
                   ┌―――┐   |    |
20億年前             核……… |   |    |
               真核生物└―――┘       |
              (原始真核細胞) ↑αプロテオバクテリア|
                     |   好気性細菌  |
                     |          |
                     |嫌気性細菌     |
27億年前                 |          
                     |       シアノバクテリア
                     |        光合成細菌  
                     |               
                   ┌―――┐     ┌→真正細菌(原核生物)
38億年前           生命誕生| DNA |超好熱菌―┴→古細菌(原核生物)
                   └―――┘
                     ↑
46億年前                地球誕生

TOP

光合成と葉緑体

TOP
---------------------------------------------------------------------------------------
光合成とは(光エネルギー+二酸化炭素→炭水化物)
---------------------------------------------------------------------------------------
光合成とは、
   光エネルギーを化学エネルギーに変換して生体に必要な有機物質を作り出す反応過程をいう
      葉緑体をもつ一部の真核生物(植物、植物プランクトン、藻類)や、
      原核生物であるシアノバクテリアが行う例がよく知られている
      これらの光合成生物は、光から得たエネルギーを使って、
      二酸化炭素からグルコースのような炭水化物を合成する
      この合成過程は炭素固定と呼ばれ、
      生命の体を構成するさまざまな生体物質を生み出すために必須である
      また、生物圏における物質循環に重要な役割を果たしている
   光合成は、
      狭義では光エネルギーを利用した炭素固定反応のみを指すが、
      広義では光エネルギーを利用した代謝反応全般を指す
                           ┌→炭素固定反応
   狭義の光合成──→炭素固定反応  広義の光合成─┤       
                           └→代謝反応全般

   光エネルギーを利用する生物は一般に光栄養生物と呼ばれ、
   光エネルギーを利用して二酸化炭素を固定する光独立栄養生物と、
   光からエネルギーは得るものの、
      炭素源として二酸化炭素ではなく有機化合物を用いる光従属栄養生物に分かれる
      狭義では光独立栄養生物のみを光合成生物とするのに対して、
      広義では光栄養生物と光合成生物は同義となる
   狭義               広義
                          ┌→光独立栄養生物
   光合成生物──→光独立栄養生物  光栄養生物─┤        
                          └→光従属栄養生物
   多くの光合成生物は炭素固定に還元的ペントース・リン酸回路(カルビン回路)を用いるが、
   それ以外の回路も存在する
---------------------------------------------------------------------------------------
光合成の種類 酸素(酸素発生型、酸素非発生型)、色素(クロロフィル型、レティナル型)
---------------------------------------------------------------------------------------
光合成は、反応過程で酸素分子を発生するか否かで、
   酸素発生型および酸素非発生型の大きく2種類に分けられる
   酸素発生型および酸素非発生型の光合成システムは互いに一部相同で進化的に関連しており、
   現在の地球上で支配的なのは、植物やシアノバクテリアが行う酸素発生型光合成である
       ┌→酸素発生型 
   光合成─┤       
       └→酸素非発生型
   酸素発生型の光合成の普及に伴い、
   本来酸素のほとんど存在しなかった地球上に酸素分子が高濃度で蓄積するようになり、
   現在の地球環境が形作られた
   光合成を利用した炭素固定によって1年間に地球上で固定される二酸化炭素は約1014kg、
   貯蔵されるエネルギーは約1018kJと見積もられている
---------------------------------------------------------------------------------------
また、使用される光合成色素の種類によっても、
   クロロフィル型およびレティナル型が知られている
   クロロフィルおよびレティナルに基づく光合成はまったく異なる起源と仕組みをもつ
      光合成という場合、ほとんどはクロロフィルを用いたシステムを指し、
      レティナルを用いたシステムは含まれない場合が多い
   これは酸素発生の有無に関係なく、
   クロロフィルを用いた光合成が広く炭素固定に利用されるのに対し、
   レティナルを用いた光合成で炭素固定に用いられている例が一切知られていないためである
            ┌→クロロフィル型
   光合成色素の種類─┤        
            └→レティナル型 
   レティナルはロドプシンと呼ばれるタンパク質に内包されており、
   光検知など代謝エネルギーの獲得以外の用途でも使われる(光受容体)
   ※1:クロロフィル=葉緑素
---------------------------------------------------------------------------------------
光合成の分類(光化学系I、光化学系Ⅱ)
---------------------------------------------------------------------------------------
   広義の光合成は真核生物、細菌、古細菌すべてに分布している
   狭義では真核生物および細菌に限定される
          ┌→真核生物および細菌                    
   広義の光合成─┤            狭義の光合成──→真核生物および細菌
          └→古細菌                          
   クロロフィルを用いる光合成生物のうち、光合成真核生物以外は光合成細菌と総称される
                   ┌→光合成真核生物
   クロロフィルを用いる光合成生物─┤        
                   └→光合成細菌  
---------------------------------------------------------------------------------------
クロロフィル型光合成における光化学反応には2つの機構(Photosystem; PS)が知られており、
   それぞれ光化学系I(PSI)および光化学系Ⅱ(PSⅡ)と呼ばれる
      酸素発生型光合成ではPSIとPSⅡが連結して用いられるのに対し、
      酸素非発生型光合成ではどちらか一方しか使用されない
              ┌→光化学系I(PSI)
   クロロフィル型光合成─┤          
              └→光化学系Ⅱ(PSⅡ)
   酸素発生型光合成は全ての生物にわたって反応中心、電子伝達系などの類似性が高い
      唯一、集光色素のみがかなり異なっており、クロロフィルではクロロフィルaのみ、
      アンテナ色素であるカロテノイドではβ-カロテンのみが共通している
   酸素非発生型の光合成細菌はクロロフィルの代わりに、
      構造的に類似したバクテリオクロロフィルを用いる
      酸素非発生型の光合成細菌は多くが嫌気性であるため、
      今日の地球においては限られた生態系でのみ見られる

   すべての酸素発生型の光合成生物は、還元的ペントース・リン酸回路により炭素を固定する
   一方、酸素非発生型の光合成生物は、
      還元的ペントース・リン酸回路の他に還元的クエン酸回路(緑色硫黄細菌)
      および3-ヒドロキシプロピオン酸二重サイクル(一部の緑色非硫黄細菌)を用いる
   ※1:還元的ペントース・リン酸回路=カルビン回路
   ※2:還元的クエン酸回路=還元的TCA回路
   クエン酸回路=TCA回路=トリカルボン酸(TCA)回路
---------------------------------------------------------------------------------------
レティナル型光合成は、クロロフィルを用いる光合成とは全く異なる機構で動いており、
   別個に誕生し進化したと考えられている
   レティナルを含有するロドプシンは光合成以外にも、
      イオン・ポンプや光受容体など複数の機能を有しており、
      その元来の機能は光合成ではなかった可能性がある
   ロドプシンのアミノ酸配列の相同性から、複数のカテゴリーが存在する
      このうち、プロトン・ポンプとして機能するものは、
      古細菌、細菌、真核生物すべてのドメインに分布している
---------------------------------------------------------------------------------------
各光合成の収支式は以下の通りである
   一般式
      CO2+2H2D(電子供与体)→ (CH2O)n(炭水化物)+H2O+2D(酸化を受けた電子供与体)
   酸素発生型光合成
      6CO2+12H2O→C6H12O6+6H2O+6O2
   緑色硫黄細菌
      6CO2+12H2S→C6H12O6+6H2O+12S
   紅色非硫黄細菌
      6CO2+12CH3CHOHCH3(イソプロパノール)→ C6H12O6+6H2O+6CH3COCH3(アセトン)

酸素発生型光合成は緑色植物の光合成経路である
   緑色植物の光合成経路は他の酸素発生型光合成生物のものと共通であると考えられている
   酸素発生型光合成経路の最大の特徴は
   「水分子を電子供与体として用いることができる」という点である
   水は、酸化還元電位の高い酸素原子と、それの低い水素原子の結合した安定な物質である
   この水の光分解によって、酸素分子が副産物として生成する
酸素非発生型の光合成では水を電子供与体として用いることがないため、酸素も発生しない

光合成は、光化学反応と炭素固定回路の2つの段階に大別される
   炭素固定自体は光を必要としないため、
      光化学反応を明反応
      炭素固定を暗反応と呼んで区別する場合がある
---------------------------------------------------------------------------------------
植物細胞中の葉緑体
---------------------------------------------------------------------------------------
緑色植物において、光合成が行われるのは細胞小器官の一つである葉緑体である
   葉緑体は細胞内に1個から1000個ほど存在し、大きさも形も様々だが、
   平均的な形状は、長さ約5μmの回転楕円体状である
   葉緑体は、全透性の外膜と半透性の内膜の2枚の膜で囲まれている
   内膜の内部のことをストロマと呼ぶ
   ストロマには酵素、DNA、リボソーム、そして膜で囲まれたチラコイドがある

チラコイド膜の内部はチラコイドルーメンと呼ぶ
   チラコイドは積み重なってグラナを構成し、グラナ同士は所々でチラコイドラメラ
      (またはストロマチラコイド=ストロマラメラ)で繋がっている
   ストロマラメラは、葉緑体内部のストロマと接触しているチラコイド膜の領域を指します
   グラナを形成していない単層のチラコイドで、ストロマチラコイドとも呼ばれます
   葉緑体の中のグラナの数は、10箇所から100箇所程度である
   チラコイド膜は、葉緑体の内膜が陥入して作られる
   チラコイド膜の組成は特殊で、リン脂質は1割しかない
   チラコイド膜で最多の構成成分は、全体の8割を占める糖脂質
   (ガラクトシルジアシルグリセロールと
   ジガラクトシルジアシルグリセロール)である
   そして残りの1割は、スルホリピド(6-スルホキノボシルジアシルグリセロール)
   とキノボース(6-デオキシグルコース)である
             ┌→1割:リン脂質
             |
   チラコイド膜の組成─┼→8割:糖脂質
             |
             └→1割:硫脂質(スルホリピド)とデオキシ糖の一種(キノボース)
   チラコイド膜の脂質は高度に不飽和であるため、流動性が大きい

葉緑体は光の強弱に反応して細胞内を移動でき、
   強光下では光を避け、弱光下では光を捕集するように配置を変える
   光の強さを検知しているのは、青色光受容体(フォトトロピン)である
   なお、葉緑体の運動には、アクチンと言うタンパク質が関与する
---------------------------------------------------------------------------------------
チラコイド膜では、クロロフィル(光合成色素)が光エネルギーを使ってを分解し、
   プロトン(H+)と酸素分子(O2)と、そして電子(e-)を作る
   この際にできた電子によって、NADP+(酸化型)から、NADPH(還元型)が作られる
      NADP++H++2e-→NADPH
   さらに、チラコイド膜内外のプロトン(H+)濃度勾配を利用して、
   ATP合成酵素によってアデノシン三リン酸 (ATP) が作られる
   以上が光化学反応(明反応)である     … 光化学系(C4回路)
---------------------------------------------------------------------------------------
次にチラコイド膜の外側にあるストロマで、
   光化学反応で作られたNADPHとATPを使って二酸化炭素を固定・還元してが作られる
   この一連の反応は酵素反応(暗反応)である … カルビン回路(C3回路)
---------------------------------------------------------------------------------------
   このように光エネルギーを使って水を酸化し、二酸化炭素を還元して、
      スクロース(ショ糖)を生成する反応が、葉緑体の中で完結する
   なお、こうして生成したスクロースは、デンプンの形にして貯蔵する植物が多いものの、
      例えば、サトウキビなどのようにスクロースのまま貯蔵する植物や、
      スクロースを分解してグルコースやフルクトースの形で貯蔵する場合もある

葉緑体を持たない光合成細菌の場合、細胞膜か細胞膜が陥入してできたクロマトフォアで
   光化学反応が行われる
      シアノバクテリア以外の光合成細菌は光化学系を1つしか持っておらず、
      電子は光化学系内を循環する(循環的光リン酸化)か、
      非循環的に酸素やNADP+に電子伝達される(非循環的光リン酸化
---------------------------------------------------------------------------------------
葉緑体の構造
---------------------------------------------------------------------------------------
光合成は葉緑体で行われます(葉緑体は光合成を行う最小単位です)
   ここでは、葉緑体の形態を主に紹介しましょう
   通常、断面図が描かれることが多いため、葉緑体は棒状だと思われがちですが、
   高等植物の場合、葉緑体は扁平であることが多いようです
     葉緑体──┬─二重膜─┬─外膜(全透性) 
   (細胞小器官)|     ├─膜間腔     
          |     └─内膜(半透性) 
          ├─ストロマ(房水)      
          ├─グラナ(チラコイドの集積体)
          ├─ラメラ(チラコイドの集合体)
          ├─チラコイド膜(葉緑素を含む)
          └─ルーメン(チラコイド内腔) 
葉緑体の構造
   膜間腔   内膜  ストロマ(内膜の内側)               
    :    :    :                        
   ┌:────:────:───────────────────────┐
外膜→│:    ↓    :                       │
   │↓┌────────:─────────────────────┐ │
   │ │        :                     │ │
   │ │        ↓   ┌───┐  ┌───┐      │ │
   │ │            │   │  │   │      │ │
   │ │            ├───┤  ├───┤┌───┐ │ │
   │ │            │   │  │   ││   │ │ │
   │ │ ┌───┐      ├───┤  └───┘├───┤ │ │
   │ │ │   │      │   │     \\│   │ │ │
   │ │ ├───┤──────├───┤      \├───┤ │ │
   │ │ │   │──────│   │       │   │ │ │
   │ │ ├───┤      ├───┤┌───┐  ├───┤ │ │
   │ │ │   │・…………・│   ││   │  │   │ │ │
   │ │ └───┘:┌───┐:└───┘├───┤  ├───┤ │ │
   │ │   \\ :│   │:  \\ │   │  │   │ │ │
   │ │    \\:├───┤:   \\├───┤ /├───┤ │ │
   │ │     \:│   │:    \│   │//│━━━│ │ │
   │ │       :├───┤:      ├───┤/↑└─↑─┘ │ │
   │ │      :│   │:     │   │ :  :   │ │
   │ │      :└───┘:     └───┘ :  :   │ │
   │ │      ・…………・       ↑   :  :   │ │
   │ │        ↑          :   :  :   │ │
   │ └────────:──────────:───:──:───┘ │
   │          :          :   :  :     │
   └──────────:──────────:───:──:─────┘
              :          :   :  :      
             グラナ      チラコイド ラメラ ルーメン(チラコイドの中)
          (チラコイド集積体)       (グラナ間)            
葉緑体は包膜で包まれています
   包膜は二重の生体膜からなります
   外膜 :透過性の良い外部境界膜
   膜間腔:ぴったりくっついているため二重に見えるわけではないようです
   内膜 :透過性の低い内部境界膜
   包膜上には様々なイオンなどのトランスポータがあります

葉緑体内部にはチラコイド膜と呼ばれる膜構造があります
   チラコイド膜は袋状に閉じていて、内部と外部はそれぞれ隔離されています
   チラコイド膜の外側をストロマ、内側をルーメンと呼んでいます
      ストロマにはカルビン回路があります
      ルーメン(チラコイド内腔)とは、チラコイド膜で囲まれた内側の部分です
      光化学系Ⅱの水分解反応やプラストシアニンによる電子伝達の場となります

チラコイド膜は層状に重なったグラナとよばれる構造を作ります
   チラコイドが10~100個積み重なりグラナという構造をとっています
   このグラナ構造は座布団が積み重なっているように見えますが、
   座布団と違って、一つのグラナのチラコイド膜はつながっています
   グラナの積み重なりの維持にはマグネシウムイオンが必要で、
   チラコイド膜をマグネシウムイオンがないバッファに入れてやるとグラナは
   解消されます
   グラナ部分のチラコイド膜をグラナチラコイド
   それ以外の部分のチラコイド膜をストロマチラコイドと言います
   グラナを形成していない単層のチラコイドをストロマチラコイドと言う

ラメラとは、葉緑体にある長く延びたチラコイドの集合体です
   グラナ間はストロマラメラで連結されています
   ラメラは、ポリガラクツロン酸(D-ガラクツロン酸)と
   炭水化物の混合物で構成されています

チラコイド膜には4つの大きなタンパク質複合体が存在します
   (光化学系I・Ⅱ・シトクロムb/f・ATPase)
   これらの複合体の膜状の分布は均一ではありません
   光化学系Ⅱのほとんどは、グラナ中のチラコイド膜とチラコイド膜が接している部分
   に分布します
   光化学系Ⅱの一部・光化学系I・ATPaseはストロマと接している側にのみ分布します
   シトクロムb/f複合体のみはどちらの領域にも分布しています
---------------------------------------------------------------------------------------
光化学反応(明反応)
---------------------------------------------------------------------------------------
   光化学反応とは光エネルギーを化学エネルギーに変換する系である
      狭義には光エネルギーが関与する光化学系Ⅱ(PSⅡ)および光化学系I(PSI)
         反応を指すが、
      広義には光化学反応に関わる電子伝達系の全体の反応を指す
         ★ミトコンドリアでの電子伝達系の詳細はこちら→電子伝達系
         ┌→ミトコンドリア内膜(膜間腔とマトリックス間)
   電子伝達系─┤ 
         └→葉緑体のチラコイド膜(チラコイドルーメンとストロマ間)
   光化学反応は、光化学系Ⅱ(PSⅡ)、シトクロムb6f、光化学系I(PSI)
      の3種のタンパク質複合体で構成され、これらは全てチラコイド膜に存在する
         PSⅡとシトクロムb6fの間はプラストキノン(PQ)、
         シトクロムb6fとPSIとの間はプラストシアニン(PC)で結ばれている
           PSⅡ                       PSI     
      ┌──────────┐   ┌─────┐   ┌──────────┐
      │ P680───→P680+ │→PQ→│シトクロム│→PC→│ P700───→P700+ │
      │基底状態  励起状態│   │  b6f  │   │基底状態  励起状態│
      └──────────┘   └─────┘   └──────────┘
   PSⅡに光(hν)が当たることによってH2OからNADP+に電子が流れ、
      プロトン(H+)がチラコイドルーメンに取り込まれる
   また、酸素発生複合体(OEC)によってが分解されて酸素が発生する際にも、
      プロトン(H+)がチラコイドルーメンに生成する
   チラコイドルーメンとストロマの間にできたプロトン(H+)の濃度勾配の浸透圧エネルギー
   によって、
      ATP合成酵素がATPを合成する
      ATP合成酵素は1秒間に17回転し、
      ADPと遊離したリン酸からATPを合成しているのである

   光化学反応の収支式は以下の通りである
      12H2O + 12NADP+→6O2 + 12NADPH + 12H+(in)
      72H+(in) + 24ADP + 24Pi→72H+(out) + 24ATP
   生成したNADPHおよびATPは、ストロマにて行なわれるカルビン回路で使用される
      なお、生じるATP数は理論的な数であり、
      実際にはプロトン(H+)の漏れがチラコイド膜外に発生していると見られ、
      24ATPを生じているとは考え難い
      事実、カルビン回路に使用されるATP数は、光化学反応で生じるATP数よりも
      少ない
---------------------------------------------------------------------------------------
Z機構
---------------------------------------------------------------------------------------
Z機構:Z模式、Zスキーム
   光合成におけるエネルギー変換を酸化還元電位の異なる一連の化合物やタンパク質間での
   電子の移動として表現した機構
   この過程を通じて水分子から酸素分子が発生し、ATPとNADPHができる

   植物は、可視光からエネルギーを得て強力な酸化還元反応を体内で駆動させている
   すなわち、
      酸化側では、水から酸素を、
      還元側では、ATP・NADPHの製造を通じて二酸化炭素から糖を合成している

   しかしながら可視光の光子エネルギーは低く高エネルギー反応を行う目的には不足である
   そこで光合成系内では2段階の励起を行うことで、高いエネルギーポテンシャルが獲得
   されている
   各段階の励起は光化学系Ⅱと光化学系Ⅰが担い、
   その間は電子伝達系で直列に連結されている

        PSⅡ-→電子伝達系-→PSⅠ    
   ────────────────────→
            エネルギー

   縦方向にエネルギーポテンシャル(酸化還元電位)を取り、横方向に電子の流れる様子を
   図示すると、アルファベットのZを横にしたような模式図で表現できる
   このことから、光合成系の2段励起エネルギー獲得機構はZ-スキームと俗称される

   ↑    PSⅡ        PSⅠ    
   |  ┌────┐    ┌────┐  
   |  | P680+ |    | P700+ |  
   |  |励起状態|    |励起状態|  
   |  |  ↑\ |    |  ↑  |  
   |  |  | \     |  |  |  
   |エ |  |  \    |  |  |  
   |ネ |  |  | \   |  |  |  
   |ル |  |  |  \  |  |  |  
   |ギ |  |  |   \ |  |  |  
   || |  |  |    \  |  |  
   |  |  |  |     \ |  |  
   |  |  |  |    | |  |  
   |  | P680←──光   | P700←──光
   |  |基底状態|    |基底状態|  
   |  └────┘    └────┘  
   |                    
   |      電子の流れる様子      
   └───────────────────→

   PSⅠおよびPSⅡの反応中心のクロロフィルaは、光により酸化されるとき、
   吸光度減少の起こる波長の値を付して、それぞれP700、P680と呼ばれる

   電子伝達系での電子のエネルギー勾配を示すZ機構
   植物では光化学反応は葉緑体のチラコイド膜で起こり、光エネルギーを使って
   ATPとNADPHを合成する
   狭議の光化学反応は、非循環的電子伝達系循環的電子伝達系の2つの過程に分けられる
            ┌→非循環的電子伝達系
   狭議の光化学反応─┤          
            └→循環的電子伝達系 
非循環的電子伝達系では、プロトン(H+)は光化学系Ⅱ内のアンテナ複合体に
   光が捕獲されることによって獲得される
   光化学系Ⅱの光化学系反応中心(RC)にあるクロロフィル分子がアンテナ色素から
   充分な励起エネルギーを得られると、
   電子は電子受容体分子(フェオフィチン)に運ばれる
      この電子の動きを光誘起電荷分離と呼ぶ
      この電子は電子伝達系を移動するが、
      これをエネルギー勾配で表したのがZ機構である
   ATP合成酵素はエネルギー勾配を使って光リン酸化によってATPを合成するが、
   NADPHはZ機構の酸化還元反応によって合成される

   電子が光化学系Iに入ると、再び光によって励起される
      そして再びエネルギーを落としながら電子受容体に伝えられる
      電子受容体によって作られたエネルギーは、
      チラコイドルーメンにプロトン(H+)を輸送するのに使われている
      電子はカルビン回路で使われるNADPを還元するために使われる

循環的電子伝達系は非循環的電子伝達系に類似しているが、
   これはATPの生成のみを行いNADPを還元しない、という点が違う
   電子は光化学系Iで光励起されて電子受容体に移されると、再び光化学系Iに戻ってくる
   ゆえに循環的電子伝達系と呼ばれるのである
   ※1:Z機構=Zスキーム
---------------------------------------------------------------------------------------
還元的ペントース・リン酸回路(暗反応)
---------------------------------------------------------------------------------------
カルビン回路
   還元的ペントース・リン酸回路は、CO2の固定・還元を行なう代表的な炭酸固定反応である
   NADPHとATPを使って、CO2から炭素数3つの化合物である、
      グリセルアルデヒド3-リン酸(GAP)を合成する過程である
      カルビン回路の産物として得られたグリセルアルデヒド3-リン酸(GAP)は、
      葉緑体内でスクロース(ショ糖)に変換され蓄積する

   還元的ペントース・リン酸回路は複数の酵素と中間代謝物からなる複雑な回路であり、
      リブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(RuBisCO)を初発酵素
      とし、炭素数5の化合物リブロース1,5-ビスリン酸(RuBP)と二酸化炭素から、
      炭素数3の化合物3-ホスホグリセリン酸(PGA)2分子を生成する二酸化炭素の固定反応
      から始まる … CO2+RuBP(C5)=PGA(C3)X2
         ルビスコの反応における炭素の計算:1+5=3×2
      3-ホスホグリセリン酸(PGA)は還元されグリセルアルデヒド3-リン酸(GAP)を生成する

      二酸化炭素の固定反応を継続するためには、
      産物として生じたグリセルアルデヒド3-リン酸(GAP)から、
      RuBisCOの基質であるリブロース1,5-ビスリン酸(RuBP)を再生産しなければならない
      このため、5分子のグリセルアルデヒド3-リン酸(GAP)(炭素数3の化合物)が、
      3分子のリブロース1,5-ビスリン酸(RuBP)(炭素数5の化合物)へ転換される

   これら一連の「二酸化炭素の固定・還元・基質の再生産」の過程が
   還元的ペントース・リン酸回路を構成する
      したがって、カルビン回路が3回転した結果、3分子の二酸化炭素が固定され、
      1分子のグリセルアルデヒド3-リン酸(GAP)を生成する
      この過程で、光化学反応によって作ったNADPHおよびATPが消費される
   収支式で示すと以下の通りである
      3CO2+5H2O+6NADPH+9ATP→グリセルアルデヒド3-リン酸(GAP)+6NADP++9ADP+9Pi

   光化学反応を含めて光合成の収支式は、以下のようにまとめられる
      6CO2+12H2O→(CH2O)6+6H2O+6O2
   この式は好気呼吸の収支式の逆反応であり、
   炭素消費および固定の収支が極めて巨大な生態系視野でもうまく行くことが理解できる
      植物の還元反応:光合成の収支式  葉緑体の機能
         6H2O + 6CO2 → 6O2 + C6H12O6
      動物の酸化反応:好気呼吸の収支式 ミトコンドリアの機能
         C6H12O6 + 6O2 → 6CO2 + 6H2O
   ※1:還元的ペントース・リン酸回路=カルビン回路

   カルビン・ベンソン回路の3つの段階
      ①二酸化炭素(CO2)の固定
      ②3-ホスホグリセリン酸(PGA)の還元((GAP)を生成)
      ③リブロース1,5-ビスリン酸(RuBP=RuBisCOの基質)の再生
   ①二酸化炭素(CO2)の固定
    RuBisCOという酵素の働きでCO2とRuBPが反応し、PGAができる
    6RuBP(C5)+6CO212PGA(C3)
   ②3-ホスホグリセリン酸(PGA)の還元
    チラコイド膜で作られたATPとNADPHにより、PGAが還元されGAPになる
    12PGA(C3)+12ATP+12NADPH+12H
    →12GAP(C3)+6H2O+12ADP+12NADP+12Pi(リン酸)
   ③リブロースビスリン酸(RuBP=RuBisCOの基質)の再生
    GAPの一部から有機物が作られる
    チラコイド膜で作られたATPを消費してGAPがRuBPになる
    12GAP(C3)+6ATP→ C6H12O66RuBP(C5)+6ADP+6Pi(リン酸)
カルビン回路全体の反応式(①+②+③)
    6CO2 + 12NADPH + 12H+ + 18ATP
    → C6H12O6 + 6H2O + 12NADP+ + 18ADP+18Pi
       グリセルアルデヒド3-リン酸(GAP)=C3H7O6P
       3-ホスホグリセリン酸(PGA)=C3H7O7P
   気孔から取り入れられたCO2が、ルビスコという酵素のはたらきにより、
   リブロース二リン酸(RuBP)(C5)に結合する
   そして、2分子のホスホグリセリン酸(PGA)(C3)に分解される
   PGAは、1段階目の反応でつくったATPとNADPHを消費し、
   グリセルアルデヒドリン酸(GAP)(C3)になる
   GAPの一部から、グルコースが産生される
   残りのGAPは、ATPを消費して、再びRuBPになる
---------------------------------------------------------------------------------------
光合成の起源
---------------------------------------------------------------------------------------
   酸素発生型光合成では2つの光化学系PSIとPSⅡが連結して用いられるのに対し、
   酸素非発生型光合成ではどちらか一方しか使用されない
      そのため一般には、PSIおよびPSⅡを用いる酸素非発生型の光合成が
      それぞれ別個に誕生し、
      後に融合して酸素発生型の光合成が進化したと仮定する場合が多い
      しかし、各光化学系をもつ光合成細菌の起源は現在も不明であり、
      光合成の起源および進化の順序についてはっきりしたことはわかっていない

   酸素発生型光合成はシアノバクテリアが生み出したと現在のところ考えられており、
      このシアノバクテリアの活動によって地球の大気の組成は大きく変化したとされる
      特に約24億年前に起こったとされる地球上の酸素濃度の増加は大酸化イベントと
      呼ばれる

   さらに、シアノバクテリアは初期の真核生物との細胞内共生により、
      葉緑体として真核生物に取り込まれたと推定されている
      葉緑体によって酸素発生型の光合成能力が真核生物に受け継がれ、
      様々な植物プランクトン、藻類、陸上植物の誕生につながっていった
      葉緑体の成立過程については、例えばハテナが注目されている
---------------------------------------------------------------------------------------
光合成
---------------------------------------------------------------------------------------
光合成とは
   植物が光のエネルギーを利用して二酸化炭素CO2と水H2Oから有機化合物を合成する過程を
   いう
      CO2+2H2O─→(CH2O)+O2+H2O
   その反応は炭酸固定の代表的な例で、
   より一般的には、光のエネルギーを利用してCO2を還元する過程をいう
      ファン・ニールは
      CO2+2H2A─→(CH2O)+2A+H2O
      を光合成の一般式として提唱している(1929)
   光合成細菌(緑色硫黄細菌、紅色硫黄細菌などの硫黄細菌、紅色無硫黄細菌)は、
      水素供与体として水ではなくH2S、H2S2O3、H2、有機化合物などを用いる
      反応は
      CO2+2H2S─→(CH2O)+2S+H2O、
      CO2+2H2─→(CH2O)+H2O
      この場合はO2の発生はない
   細菌型光合成を基礎として進化の結果、地球上に豊富に存在する水を水素供与体とする
   緑色植物型の光合成が約10億年前に出現し、地球上にO2の出現をもたらした
---------------------------------------------------------------------------------------
緑色植物の光合成
---------------------------------------------------------------------------------------
   緑色植物の光合成
     (1)初期光化学反応、    (C4回路)光エネルギーを使って水を分解
     (2)O2発生反応、      (C4回路)系Ⅱ水を分解して酸素を放出(2H2O→O2+4H)
     (3)電子伝達反応、     (C4回路)系ⅠNADPH合成(NADP++H++2e-→NADPH)
     (4)光リン酸化反応、    (C4回路)ATP合成
     (5)CO2固定反応       (C3回路)水と二酸化炭素から糖を合成
     から成り立っている
     (1)~(4)が古典的には明反応(light reaction)と呼ばれていた系で、
(1)~(4)は「チラコイド膜」に局在し(5)は「ストロマ」に局在する
光化学系(明反応)カルビン回路(暗反応)
   自然界には多くの光合成色素(同化色素)が存在するが、
   その組成は光合成生物の系統、類縁によって定まっている
---------------------------------------------------------------------------------------
クロロフィル(葉緑素)
---------------------------------------------------------------------------------------
   光合成は光合成色素(同化色素)が光エネルギーを吸収することによって始まる
   光量子によって励起された色素分子は、そのエネルギーを最終的に反応中心と呼ばれる
   特別なクロロフィルa(葉緑素)または(バクテリオクロロフィルa)分子に伝達し、
   そこで光化学反応が行われる
   これらの同化色素分子は、集合して機能的な単位体を作っていると考えられている
   クロロフィル約300分子に対し、反応中心のクロロフィル分子が1個あると推定されており、
   このような1組を光合成単位という

   光合成単位としては、
      主としてクロロフィルaに吸収される光によって反応が行われる
         光化学系I(PSI)に属するものと、
      主として補助色素に吸収される光によって反応が行われる
         光化学系Ⅱ(PSⅡ)に属するものとの2種がある
      PSⅠおよびPSⅡの反応中心のクロロフィルaは、光により酸化されるとき、
      吸光度減少の起こる波長の値を付して、それぞれP700P680と呼ばれる
      クロロフィルはタンパク質と結合し、
      クロロフィル-タンパク質複合体として存在し、これが一定の様式で集合し、
      それぞれPSI、PSⅡの光合成単位を構成している

緑色植物ではP700またはP680を結合したクロロフィル-タンパク質複合体、
反応中心をもたずクロロフィルaとbを1:1に含む集光性クロロフィルa/b-タンパク質複合体
      がよく知られている
      PSⅡの反応中心が励起されると、最初の電子受容体Qを還元し、
      他方、水を酸化して電子を受けとるとともにO2を発生する
      Qの電子は電子伝達系を経てP700へ渡される
      P700も光を受けると酸化され、
      電子はA1を経て最終的にNADPに渡される
   この反応経路の模式図はZのような形をしているのでZスキームと呼ばれる

   1957年エマーソンは、クロロフィルaの赤色域の吸収極大より長波長側の光(700nm)
      しか与えないと、緑色植物や藻類の光合成の量子収量が低下する(赤色低下)が、
      ここへより短波長の光(緑色植物なら650nm、紅藻なら575nm)を同時に与えると、
      光合成速度は両者を単独で与えたときの和より大きくなることを見いだした
      (エマーソン効果)
      光合成細菌ではこの現象はみられない
   エマーソンの発見がきっかけとなって、光合成の初期過程には二つの光化学系が
      あるという、現在のZスキームに至る研究が発展した
      光合成単位はZスキームの他の成分とともに、
      一定の配列でチラコイド膜に組み込まれていると考えられている
ただし、PSⅡの分布には偏りがあり、チラコイド膜同士が重なっている部分にあるといわれている
---------------------------------------------------------------------------------------
光合成の全反応
---------------------------------------------------------------------------------------
   発生するO2は水に由来するので、反応機構を考慮に入れた場合には
   光合成の全反応は
      6CO2+12H2O→C6H12O6+6O2+6H2O
   またNADP還元までの部分反応は
      12NADP++12H2O→12NADPH+12H++6O2と書く
   O2発生機構としては、2分子の水の酸化が4段階を経て行われ、
   これにマンガン(Mn)が関与していることが知られている
      2H2O-4e-→O2+4H+ … 水の酸化→酸素発生(水の分解)
      1つの酸素分子が発生するには電子を4個奪うことが必要
      マンガンは酸化還元(電子を奪ったり与えたりする)機能がある
      4個のマンガンがあれば電子4個を奪うことができる

Zスキームの電子伝達と共役してADP(アデノシン二リン酸)とオルトリン酸から
   ATP(アデノシン三リン酸)が合成される(光リン酸化という)
   Zスキームに沿った一方向的な電子伝達と共役するものを非循環的光リン酸化
      循環的電子伝達経路(クロロフィルから出た電子が電子伝達系の途中から
      再びクロロフィルへ返ってくる)と共役するものを循環的光リン酸化という
   前者では反応産物の比 O2:ATP:NADPHは1:2:2である
   循環・非循環両形式の比率の調節機構があるものと考えられている
   光リン酸化には、チラコイド膜の外表面(ストロマ側)に結合したCF1と、
   チラコイド膜内に結合したCF0と呼ばれるタンパク質が関与する
   電子伝達の結果生成したATPとNADPHは炭酸固定系の反応に用いられる

   RuBP(リブロース-1、5-二リン酸カルボキシラーゼ)、
   NADP-グリセロアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、
   リブロース-5-リン酸キナーゼなど、
   炭酸固定系の主要な酵素の活性は光によって制御される

制御機構は2種に大別される
   すなわち、光があたり光化学系が働いた結果起こる、
      (1)チラコイドへのH+の取込み、チラコイドからのマグネシウムイオンMg2+の放出、
         葉緑体へのカルシウムイオンCa2+の取込みによるストロマのイオン環境の変化、
      (2)チラコイドの電子伝達系の還元により酵素活性調節に関与する物質の還元、
   によって制御される
   ※1:Zスキーム=Z機構
---------------------------------------------------------------------------------------
酸化と還元
---------------------------------------------------------------------------------------
「酸化」ということのいろいろな言い回し
   有機物が燃える
   有機物が酸素と結合する
   有機物が水素から外れる
   有機物が酸化する
   有機物が電子を渡す(与える)
   有機物から電子が奪われる
「還元」ということのいろいろな言い回し
   有機物から酸素を分離する
   有機物が水素と結合する
   有機物を還元する
   有機物が電子を受けとる
   有機物に電子が与えられる
「酸化」を「還元」と言い換えてみる
      「酸化」        「還元」     
   AがBを酸化する    BがAを還元する    
   AがBに電子を与える  BがAから電子を受けとる

さまざまな酸化還元反応
   (有機物)  (酸素)が還元されると水になる
     \    還元
      \ /
       反応   エネルギーが発生
      / 
     /   酸化
   (酸素)   (有機物)が酸化されると二酸化炭素になる

   (有機物)  水を酸化して(酸素)を作る
   還元   /
      \ /
       反応    光エネルギーを利用
      / 
   酸化   \
   (酸素)   二酸化炭素を還元して(有機物)を作る

酸化剤・還元剤とは?
       酸化型   酸化還元反応   還元型    
   ┌――――――――┐     ┌――――――――┐
   |   還元剤   |     |   酸化剤   |
   |        |     |        |
   | 相手を還元する | 電子e- | 相手を酸化する |
   |        |――――→|        |
   |自身は酸化される|     |自身は還元される|
   |        |     |        |
   |  電子を出す  |     |  電子を奪う  |
   └―─――――――┘     └―─――――――┘
   A(酸化型) + e- → A(還元型)
   「NAD+」は「H+」1つと「e-」2つを取り込んで「NADH」になる
   NAD+ + H+ + 2e- ⇔ NADH
   2H ⇔ 2H+ + 2e-
   この二つの式を合わせて
   NAD+ + 2H ⇔ NADH + H+ … 酸化還元反応
   酸化型    還元型
   NAD+はH+を2つ受け取ってNADHになり、
   逆にNADHはH+を放出してNAD+に戻ります
   酸化して水素を奪うことを表す式です
   分子としては「NADH」で一つです
   酸化剤として反応式で書く際には電荷を元の「NAD+」とそろえると
   「NADH + H+」とか「NADH/H+」という風になるだけです
---------------------------------------------------------------------------------------
電子伝達体
   電子伝達体とは生体内における電子伝達反応を担う化合物の総称である
   電子伝達体は電子の授受の行いやすさによって以下の状態を取る
         ┌→電子受容体 = 電子を受け取りやすい状態、酸化型 還元剤
   電子伝達体─┤ 
         └→電子供与体 = 電子を放出しやすい状態、 還元型 酸化剤
   電子伝達体の一覧
      呼吸鎖複合体に使用される電子伝達体
         ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド (NAD+/NADH)
         フラビンモノヌクレオチド (FMN/FMNH2)
         フラビンアデニンジヌクレオチド (FAD/FADH2)
      光合成で使用される電子伝達体
         ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸 (NADP+/NADPH)
---------------------------------------------------------------------------------------
電子伝達系
   電子伝達系は、生物が好気呼吸を行う時に起こす複数の代謝系の最終段階の反応系であり、
      酸化還元反応により電子供与体から電子受容体へ電子を移動する一連の生物学的過程
      のことである
   電子伝達系の最終的な電子受容体は、酸素分子である
   電子伝達系は、光合成による太陽光からのエネルギーの抽出や、糖の酸化、細胞呼吸等に
   用いられる

   真核生物では、ATP合成酵素による酸化的リン酸化の場となっている
         ┌→ミトコンドリア内膜(膜間腔とマトリックス間)
   電子伝達系─┤ 
         └→葉緑体のチラコイド膜(チラコイドルーメンとストロマ間)
---------------------------------------------------------------------------------------
同化と異化
---------------------------------------------------------------------------------------
栄養素(高分子化合物)を代謝してCO2やH2Oなど低分子化合物に分解する反応を異化反応
   低分子化合物から高分子化合物を生合成する反応を同化反応という
   栄養素は高い還元状態、CO2、H2Oなどは高い酸化状態にあるので、
   異化反応は酸化反応、同化反応は還元反応とみることもできる
---------------------------------------------------------------------------------------
    栄養素
   ┌───────────┐
   │糖質・脂質・タンパク質│=高分子化合物=高い還元状態
   └───────────┘
        │    
        │     \
     代謝 │      \ 生合成
    異化反応│       \ 同化反応
        │  低分子化  \
        │ ┌───────────────┐
        │ │ グルコース・脂肪酸・アミノ酸 │
        │ └───────────────┘
    細胞  ↓
   ┌────────────────────────────┐
   │      O2  │         ↑  O2      │
   │      │  │  │   ↑  │  ↑      │
   │ 異化反応 │  │  │   │  │  │ 同化反応 │
   │(酸化反応)│  │産生│   │利用│  │(還元反応)│
   │      ↓  │  ↓   │  │  │      │
   │      CO2 │    ATP    │  CO2      │
   │         ↓  エネルギー  │         │
   └────────────────────────────┘
             ↓
          ┌────┐
          │代謝産物│=低分子化合物=高い酸化状態
          └────┘
             ↓排泄(肺、腎臓)
---------------------------------------------------------------------------------------
異化反応(代謝)とは
   生体が高分子化合物を低分子化合物に分解する反応が異化反応、すなわち代謝である
   通常、ヒトが摂取する栄養素は、デンプン、中性脂肪、タンパク質など、
   分子内に多数の化学結合をもつ高分子化合物である
   これらの化合結合の大部分はC-H、C-N結合で、栄養素は還元状態が高い化合物ともいえる
   代謝とは、還元状態にある栄養素を酸化・分解することにより、結合エネルギーをATPに
   変換する(生命維持・活動に必要なエネルギーを得る)ことである
---------------------------------------------------------------------------------------
同化反応(生合成)とは
   生体が低分子化合物から高分子化合物を合成する反応が同化反応、すなわち生合成である
   同化作用としては、植物が太陽光のエネルギーでCO2とH2Oからデンプンを合成する
   炭酸同化作用がよく知られている
   動物は葉緑体をもたないのでCO2とH2Oからデンプンを合成することはできないが、
   グルコースからグリコーゲンを合成できる
   アミノ酸からタンパク質を生合成する反応も同化反応である
---------------------------------------------------------------------------------------
光合成速度
---------------------------------------------------------------------------------------
   光合成によるCO2固定速度を光合成速度と呼ぶが、
   一般にその測定は単位時間当りの「CO2の吸収量」または「O2の発生量」によってなされる
   このような測定値は植物が呼吸によって生じた「CO2」、消費した「O2」を差し引いたもの
   であるから(純(あるいは見かけの)光合成速度)と呼んで(真の(あるいは総)光合成速度)
   から区別する
   (吸収)↑
     +│            光合成速度が増加しない   
      │           ・──────────────
    二 │          /:  ↑     ↑     
    酸 │         / :  │     │     
    化 │   光補償点  /  :  │見かけ  │     
    炭 │    :  /   :  │の光合  │     
    素 │    : /    :  │成速度  │光合成速度
    の │    ↓/     :  ↓     │     
    吸0├────●──────○────────│────→
    収 │   /       ↑  ↑呼    │ 光の強さ
    速 │  /        :  │吸    │     
    度 │ /         :  │速    │     
      ↓/         光飽和点 ↓度    ↓     
     -├……………………………………………………………………
   (放出)↓←-①-→➁←─-➂-─→│
   光合成速度の増加が止まった時の光の強さのことを、光飽和点といいます
   光合成速度と呼吸速度が等しくなるときの光の強さのことを、光補償点といいます
      ①光合成速度 < 呼吸速度
      ➁光合成速度 = 呼吸速度 … 光補償点
      ➂光合成速度 > 呼吸速度
   光の強さが光補償点以上である時の二酸化炭素の吸収速度のことを見かけの光合成速度
      いいます
      「光合成速度 = 呼吸速度 + 見かけの光合成速度」
---------------------------------------------------------------------------------------
   光合成速度を左右する最も大きな環境要因は「」で、
      光の強さと光合成速度の間には双曲線的な関係がみられる
      まず、光の量が増加して、真の光合成速度が呼吸速度に等しくなると、
      純光合成速度が0になるときの光の強さを(光補償点)と呼ぶ
   光の増加とともに光合成速度は速くなるが、ある程度以上光が強くなると、
   光合成速度は飽和状態に達し、もはやその速度は光の量とは無関係になる
      このときの光の強さを(光飽和点)、光合成速度を(飽和光合成速度)と呼ぶ
   (光補償点)(光飽和点)(飽和光合成速度)は、植物の種によってきまっているが、
   一般に陽樹のほうが陰樹よりすべての値が高いのがふつうである
---------------------------------------------------------------------------------------
   光合成速度を左右するもう一つの大きな要因は大気中の「CO2濃度」で、
      とくに光飽和に達して以後の光合成速度増加にとって重要である
      CO2濃度も光と同じように光合成速度との間に双曲線的な関係をもち、
      (CO2補償点)つまり純光合成速度が0になるCO2濃度が存在する
   ・陽生植物:光の強い場所に生育する植物(イネ)
   ・陰生植物:光の弱い場所でも生育できる植物(ゼニゴケ)
   (吸収)↑
     +│                      陽生植物
    二 │           ・──────────────
    酸 │          /:  ↑     ↑ 陰生植物
    化 │       ・───:──│─────│─────
    炭 │  光補償点 /:/  : ↑│見かけ ↑│     
    素 │  : :/ :   : ││の光合 ││     
    の │  : : /:   : ││成速度 ││光合成速度
    吸 │  ↓/↓/ :   : ↓↓    ││     
    収0├──●─●──○───○───────││────→
    速 │ /↑/↑呼 ↑   ↑       ││ 光の強さ
    度 │/ ↓ │吸 :   :       ↓│     
     -├…/……│速…:………:……………………│……………陰生植物のCO2放出下限
   (放出)↓/   ↓度  光飽和点         ↓     
     -├……………………………………………………………………陽生植物のCO2放出下限
   (放出)↓  │②│  │←─-①-─→│           
   ①陽生植物は、陰生植物に比べて光飽和点が高く、強光下での見かけの光合成速度が大きい
   ②陽生植物は、陰生植物に比べて呼吸速度が大きく、光補償点が高い
    陽生植物は、呼吸速度が大きく、より光が強くならないと光合成速度が呼吸速度に達しな
    いため、光補償点が高くなります
---------------------------------------------------------------------------------------
光呼吸
---------------------------------------------------------------------------------------
   通常の光合成では、ルビスコという酵素が、炭素5個からなる物質に二酸化炭素(炭素1個)
   をくっつけて炭素3個からなる物質を2分子作ります(二酸化炭素固定)
   カルビン・ベンソン回路の1つ目の段階
   二酸化炭素(CO2)の固定
   ルビスコという酵素の働きでCO2とRuBPが反応し、PGAができる
   RuBP(C5)CO22PGA(C3)
   ところが、二酸化炭素が足りないような条件では、同じルビスコが炭素5個からなる物質に
   酸素をくっつける反応を行ない、その結果出来た物質が還元力とエネルギーを使いながら、
   様々な反応を経て二酸化炭素と炭素3個からなる物質を作ります
   この過程では、炭素の酸化が起こり、またATPと還元力が消費されてしまいます
   この一連の反応が光呼吸です
   RuBP(C5)O2PGA(C3)+2-ホスホグリコール酸(C2)→//→CO2+PGA(C3)→カルビン回路
        ┌─→RuBP(C5)CO2 … 通常の光合成 
   ルビスコ─┤                   
        └─→RuBP(C5)O2  … 強光下光呼吸(CO2不足)
   植物の代謝の1つ光呼吸」は、光合成とは逆に酸素を消費し、二酸化炭素を生成します
---------------------------------------------------------------------------------------
光呼吸とは植物が光照射下において通常の呼吸(酸化的リン酸化)と異なる方法で酸素を消費し、
   二酸化炭素を生成することである
   光のもとでカルビン回路に由来するグリコール酸が、
   グリコール酸経路により酸化分解(代謝)される過程を光呼吸という
   RuBPはオキシゲナーゼ活性もそなえており
   (リブロース-1、5-二リン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼRuBisCOと呼ばれる)、
   ホスホグリコール酸を生じる
   これが呼吸基質となりペルオキシソームミトコンドリアの関与によって、酸化される
   ルビスコは、強光下では二酸化炭素ではなく、酸素を取り込んでしまう
   このような作用を示す物質を、オキシゲナーゼといいます
   さらに、強光下でルビスコは、CO2を放出するはたらきをします
   つまり、強光下では、植物の光合成が中断され、植物内の有機物は分解されてしまいます
   光呼吸は、過剰の還元力を消費することに役だっているのではないかとも考えられているが、
   生理学的意味はまだ完全には明らかではない
          通常の光合成          強光下光呼吸(CO2不足)     
   ┌─────────────────┐┌─────────────────┐
   │カルビン回路    ┌→グルコース──────────┐グリコール酸回路│
   │葉緑体2      │      ││    O2   │        │
   │          │      ││ルビスコ↓   │        │
   │   ┌──────│─────────→●──┐  │        │
   │   │ ┌────┴┐     ││     ↓  ↓        │
   │   │ ↓     │     ││    (C3)PGA+C2(2-PG)    ①│
   │   RuBP C5(C3回路)C3 GAP   ││        C2グリコール酸 ➁│
   │     │(暗反応)↑     ││        C2グリシン→CO2 ⑤│
   │   CO2→↓     │     ││        C3セリン    ⑥│
   │     ●─→C3─┬┘ ←──-(C3)PGA───────C3グリセリン酸 ⑧│
   │    ルビスコ PGA └→H2O    ││   ATP消費           │
   └─────────────────┘└─────────────────┘
                       ※1:(2-PG)=2-ホスホグリコール酸 
                  グリコール酸回路         
      ルビスコのオキシゲナーゼ作用で生成したホスホグリコール酸が脱リン酸
      されて生ずるグリコール酸が代謝される回路  …  光呼吸の代謝回路
           光呼吸:O2 → グリコール酸回路 → CO2
         通常の呼吸:C6H12O6 + 6O2 → 6CO2 + 6H2O(光合成の逆反応)
           光合成:C6H12O6 + 6O2 ← 6CO2 + 6H2O(呼吸の逆反応)
         通常の呼吸:解糖系+TCA回路+電子伝達系
           光合成:光化学系+カルビン回路
         ┌─────────────────────────┐
         │葉緑体            GAP         │
         │     ・……………………→C3……………・   │
         │     :(カルビン回路)    CO2  :   │
         │     :        ルビスコ ↓  :   │
         │     :←……………………●……………↓   │
         │   PGA C3←────────●─①───C5 RuBP │
         │     ↑         ↓   ↑     │
         │     │       C2(2-PG)  O2     │
         │     │         │         │
         │   ADP←│       Pi←│➁        │
         │   ATP→│⑨        │         │
         └─────│─────────│─────────┘
         ┌─────│─────────│─────────┐
         │ペルオキ │         ↓         │
         │シソーム │       C2グリコール酸     │
         │     │         │         │
         │     │    H2O ④   │←O2       │
         │  C3グリセリン酸 +←H2O2←│➂        │
         │     │   1/2O2    │         │
         │     │         ↓         │
         │     │       C2グリオキシル酸    │
         │  NAD+←│         │         │
         │  NADH→│⑧   ・…→NH2→│⑤        │
         │     │    :     │         │
         │  C3ヒドロキシ  :     ↓         │
         │   ピルビン酸  :   C2グリシン       │
         │     ↑    :     │         │
         │    ⑦│→NH2…・     │         │
         └─────│─────────│─────────┘
         ┌─────│─────────│─────────┐
         │ミトコン └──-C3セリン←-─┤⑥        │
         │ドリア            ↓         │
         │              CO2+NH3        │
         └─────────────────────────┘
   葉緑体から
   ペルオキシソームヘ移行したグリコール酸は、酸化されてグリオキシル酸となり、
      グリオキシル酸はアミノ基転移を受けてグリシンとなる
   ミトコンドリアに移ったグリシンはグリシン脱炭酸複合体により分解し、CO2、
      アンモニア、C1化合物(COなど炭素数1個の化合物)となる
      C1化合物は別のグリシンと反応してセリンになる
   ペルオキシソームに移行したセリンは、アミノ基(NH2)をグリオキシル酸に転移して
      ヒドロキシピルビン酸に、さらに脱水素反応(-H2)によりグリセリン酸となる
   葉緑体に移行したグリセリン酸はリン酸化(+P)され、カルビン回路に入る

   ミトコンドリアで発生した二酸化炭素(CO2)とアンモニア(NH3)は
   葉緑体に移行し、再び同化(炭素同化,窒素同化)される
      同化:単純な物質(無機物)から複雑な物質(有機物)を合成すること
      異化:複雑な物質(有機物)から単純な物質(無機物)に分解すること
---------------------------------------------------------------------------------------
光呼吸は強光下での有害な化学反応を防ぐ(有害な活性酸素を除去)
(1)光呼吸は光が当たる時に行われる(緑色植物が、光のある状態で行う呼吸)
   酸素を消費し二酸化炭素を生成する
   過剰な光エネルギーで起こる有害な化学反応を防ぐ為と言われている
   植物は光阻害の修復機構を持ち、常に壊れた光化学系の修復を行っているが、
   光阻害速度が修復速度を上回るような強い光環境だと、過剰な光エネルギーが活性酸素を
   生成し、ダメージを引き起こすことになる
   暗呼吸は酸素を使ってブドウ糖から必要なエネルギーを取り出す反応であり、
   光の強さに関係ない呼吸である
(2)光呼吸は光合成の明反応で生じるATPとNADPHの一部を消費している
   CO2が光エネルギーに比べ不十分な時、過剰な光エネルギーで生じる光阻害を防ぐ
   ルビスコはCO2とO2の濃度に依存してCO2→O2またはO2→活性酸素のいずれかの反応を行う
   CO2濃度が十分に高い場合はO2→活性酸素の反応はほとんど行われないが、
   通常の空気下では両方の反応が行われる
   光呼吸はここで発生した有害な活性酸素を除去するための機構である
---------------------------------------------------------------------------------------
人工光合成
---------------------------------------------------------------------------------------
人工光合成とは、太陽光エネルギーで水を分解して生成した水素を二酸化炭素と合成し、化学製品
   原料などの有機化合物を生成するものを言う
人工光合成とは、「光触媒」などを用いながら、太陽光エネルギーにより水を分解して水素と酸素
   を高い効率性で生成する技術だ
   さらに生成された水素を、工場などから排出される二酸化炭素と、合成触媒によって合成
   させることで、プラスチックといった化学製品の原料などになる有機化合物(オレフィン)
   を生成するものである

人工光合成による有機化合物(オレフィン)の製造プロセス
                         ┌────────────────┐
                      ・……|分離膜により、水素と酸素の混合物|
                      :  |から、安全に水素を取り出す   |
                      :  |(水素と酸素の大きさの違いを利用)|
                      :  |H2は小さくて膜を通過できるが、 |
          太陽光          :  |O2は大きくて膜を通過できない  |
          /|\          :  └────────────────┘
         ┌───┐       ┌───┐
     H2O─→|光触媒|─→H2+O2─→|分離膜|─→H2──┐
         └───┘       └───┘     |
           :                   ├→改質→H2+CO
           :                   |     |
  ┌──────────┐    発電所・工場──→CO2──┘     |
  |太陽光を受け、水を |                      ↓
  |分解する光触媒により|  ┌─────────────┐  ┌────┐
  |水素と酸素を高効率で|  |合成触媒により、得られた |……|合成触媒|
  |つくりだす     |  |水素と二酸化炭素から高効率|  └────┘
  └──────────┘  |にプラスチックの原料である|     |
   酸素発生用光触媒     |オレフィン(C2,C3,C4)を合成|     ↓
   水素発生用光触媒     |する           | C2:エチレン     
                └─────────────┘ C3:プロピレン    
                                C4:ブテン      
                                プラスチックなどの原料
                                (オレフィン)    
人工光合成の課題
   ①エネルギー変換効率の課題
   ➁有機化合物を作り出すこと
   改質(reforming)とは炭化水素を化学反応させ分子量の小さい分子へ変化させることを指す

TOP

ミトコンドリア

TOP
---------------------------------------------------------------------------------------
細胞内に存在する細胞小器官ミトコンドリア
---------------------------------------------------------------------------------------
ミトコンドリアは、
   ほとんど全ての真核生物の細胞の中に存在する、細胞小器官の1つである
   ヤヌスグリーンによって青緑色に染色される
   ATPの生成やアポトーシス(細胞死)において重要な働きを担っている
   ミトコンドリアは、細胞内に存在する細胞小器官であり、
   1細胞あたり100個から2000個程度含まれます
---------------------------------------------------------------------------------------
その構造としては、外膜と内膜の二重の生体膜によって囲まれ、
   内部が膜間腔とマトリクスという空間に分けられています
   マトリクス内には、ミトコンドリアDNAが存在しています
      このミトコンドリアDNAは、わずかではありますが、
      ミトコンドリアにおけるエネルギー生成に重要な遺伝情報を持っています
---------------------------------------------------------------------------------------
一方、機能としては細胞内におけるエネルギー(ATP)生成の役割や、
   アポトーシス(細胞死)に役割を担っています
   また、運動を行う際に生体は筋肉を収縮させるための多くのエネルギーを必要とします
   このエネルギーの大部分が、
   ミトコンドリアによる有酸素性エネルギー代謝により作り出されます
      継続的な運動は、骨格筋や心筋におけるミトコンドリアの適応をもたらし、
      更なるエネルギー供給や疲労耐性を可能とします
---------------------------------------------------------------------------------------
ミトコンドリアでは、高エネルギーの電子と酸素分子を利用して、ATPを合成する
   すなわち、ミトコンドリアは真核生物における「好気呼吸の場」である
   また、真核生物の細胞が有する核とは別に、
   ミトコンドリア独自のミトコンドリアDNA(mtDNA)を内部に有し、
   ある程度ながら自立的にミトコンドリアは細胞内で分裂して、増殖する
      このmtDNAは、ミトコンドリア内部だけに限らず、
      真核生物の細胞全体の生命現象にも関与する

ヒトにおいては、肝臓、腎臓、筋肉、脳などの代謝の活発な細胞には
   特に多くのミトコンドリアが存在し、細胞質の約40パーセントを占めている
   全身の平均では、1細胞中に300個から400個のミトコンドリアが存在し、
   全身で体重の約1割を占めていると概算されている
---------------------------------------------------------------------------------------
ミトコンドリアの構造
---------------------------------------------------------------------------------------
   ミトコンドリア─┬─二重膜─┬─外膜 
   (細胞小器官) |     ├─膜間腔
           |     └─内膜──クリステ(平板状)
           └─マトリクス   
ミトコンドリアの構造
   膜間腔  内膜         mtDNA             
    :   :          :               
   ┌:───:──────────:──────────────┐
外膜→│:   ↓          :              │
   │↓ ┌────┐ ┌─┐ ┌─↓──┐ ┌──────┐  │
   │ ・│    │ │ │ │┏━ ┓│ │   ・  │  │
   │  │┏━━┓│ │ │ │┃┌┐┃│ │・    ・│  │
   │  │┃  ┃│ │ │ │┃││┃│ │・  ↑  ・│  │
   │  │┃┌┐┃│ │・│ │┃││┃│ │・┌ : ┐ │  │
   │  │┃││┃│ │・│ │┃││┃│ │ │ : │ │  │
   │ ・│┃││ │ │ │ │┃││┃│ │ │ : │ │  │
   │ ・│ ││ │ │ │ │┃││┃│ │ │ : │ │  │
   │ ↑│ ││ └─┘ └─┘┃││ └─┘ │ : │ │  │
   │ :└─┘│・    ┗━━┛││・・  ・│ : └─┘  │
   │ :   └─────────┘└─────┘ :      │
   │ :              ↑        :      │
   └─:───────────── : ────── : ─────┘
     :              :        :       
   リボソーム           クリステ    マトリクス(内膜に囲まれた内側)
                (平板状,管状,団扇状)         
   ミトコンドリアの直径は0.5μm程度であるが、
      その形状は、生物種や細胞の置かれている条件によって多様である
      球形、円筒形、紐状、網目状など様々な形状のミトコンドリアが存在し、
      長さが10μmに達する物も珍しくない
   1細胞あたりの数は、1つに維持されている細胞もあるが、
   多い場合では数千個のミトコンドリアが絶えず分裂と融合を繰り返している場合もある

   ミトコンドリアは外膜と呼ばれる脂質膜に囲まれており、
   その内側に、もう1枚、内膜と呼ばれる脂質膜を有する
   内膜に囲まれた内側をマトリクス、内膜と外膜に挟まれた空間を膜間腔と呼ぶ
      なお、内膜はマトリクスに向かって陥入した、クリステ(櫛)と呼ばれる
      特徴的な構造を取っている
   ミトコンドリアは照射された光を強く屈折するため、
      生きた細胞を位相差顕微鏡で観察すると、ミトコンドリアが明瞭に確認できる
      生きた細胞を観察すると、ミトコンドリアが細胞内で、伸縮したり、屈曲したりと、
      動いている姿も確認できる

外膜
   真核生物の細胞膜と同様に、ミトコンドリアの外膜の組成も、
      タンパク質とリン脂質の重量比が約1:1である
      外膜の進化的起源は真核生物の細胞内膜系だと考えられ、
      現在でも小胞体膜と物理的に関係しており、
      カルシウムシグナルの伝達や脂質の交換を行っている
   外膜にはポリンと総称される膜タンパク質が大量に存在し、分子量5000以下の分子が、
      外膜を通過できるようなチャネルを形成している
      これより大きなタンパク質は自由に出入できず、
      タンパク質のペプチド配列中に、特別な移行シグナルが付与されている場合にのみ、
      細胞質からミトコンドリア内へと取り込まれる

膜間腔
   膜間腔は、ミトコンドリアの外膜と内膜に挟まれた空間である
   外膜がポリンによって低分子を自由に透過させる性質を実現しているため、通常の状態に
   おいて、膜間腔のイオンや糖などの組成の多くは、ほとんど細胞質と同等である
   例外は、内膜の直近のプロトン(H+)の濃度のように、限られる

   その一方で、膜間腔におけるタンパク質の組成は、細胞質と大きく異なっており、
   外膜が破壊されて膜間腔に存在するタンパク質(シトクロムcなど)が細胞質へと漏れ出すと、
   細胞のアポトーシスが引き起こされる

内膜
   内膜はマトリクスと膜間腔とを隔てており、
   ミトコンドリアの機能的アイデンティティを担っている
   酸化的リン酸化に関わる呼吸鎖複合体などの酵素群が、内膜には規則的に配列している
   外膜とは対照的に、基本的に内膜は不透性であり、
      何らかの物質を内膜を横断して輸送するためには、
      それぞれの物質に対して特異的な輸送体が必要である
   呼吸鎖複合体は内膜を挟んで、マトリクスからプロトン(H+)を膜間腔へと汲み出して、
      膜間腔の側のプロトン(H+)の濃度を高め、濃度勾配が形成される
      この濃度勾配が、物質輸送やATP合成に関与している
   また、マトリクスへのタンパク質輸送装置や
   ミトコンドリアの分裂・融合に関わるタンパク質群などが存在し、
   ミトコンドリアを構成する全タンパク質のおよそ2割(150以上)が含まれている
   タンパク質とリン脂質の重量比は3:1ほどである

   内膜の進化的起源は共生細菌の細胞膜を由来としており、
      内膜に特徴的なリン脂質カルジオリピンの存在がその証左と考えられている

         細胞膜         共生細菌の取込  共生細菌がミトコンドリアに変化
      ┌――――――┐     ┌――――――┐    ┌――――↓―┐細胞膜
      |      | 共生細菌 |   ┌――┘    | ┌―――┐←外膜
      |      | ┌―┐ |   | ┌―┐   | |┌―┐||
      |      |←| | |   |←| |   | || |←内膜(細胞膜)
      |      | └─┘ |   | └─┘   | |└─┘||
      |      | 細胞膜 |   └─―┐    | └――─┘|
      └――─――─┘      └――─――─┘    └――――──┘

   一般的に内膜は内側へ向かって陥入し、クリステと呼ばれる構造を形成している
      これによって内膜の表面積の増大、ひいてはATP合成能の増大に寄与している
   外膜と内膜の表面積の比は細胞のATP需要と相関しており、肝臓では5倍ほど、
      骨格筋ではさらに大きな値である

クリステ
   クリステの形状は生物によって様々であり、平板状、管状、団扇状、などが知られている
      多細胞動物や陸上植物ではミトコンドリアの長軸に直交する平板状をしており、
      日本では、教科書などを通じて広く知られている形状である
      しかし、これはむしろ特殊な形状であり、真核生物全体を見渡すと、
      管状のクリステが一般的である
   さらに、同一個体であっても、組織によってクリステの形状が異なる場合がある
      例えば、ヒトの多くの細胞のミトコンドリアのクリステは平板状だが、
      副腎皮質や精巣や卵巣でステロイドホルモン類を分泌する細胞が有する
      ミトコンドリアのクリステは、管状や小胞状であったりする
   他にも、ラットでも、このような組織によって、
      ミトコンドリアのクリステの形状が異なっていることが確認された
   さらには、哺乳類のステロイドホルモン分泌細胞以外でも、平板状だけでなく、
      管状や小胞状のクリステも有するミトコンドリアが観察される場合もある
      これらのように例外も数多い

マトリクス
   内膜に囲まれた内側がマトリクスであり、TCA回路(別名:クエン酸回路)や
      β酸化など、ミトコンドリアの代謝機能に関わる酵素群が数多く存在している
      ここにはmtDNAが含まれており、ミトコンドリア独自の遺伝情報が保持されている
      その遺伝子発現を担うために、リボソーム、tRNA、転写因子や翻訳因子なども
      存在している
      ミトコンドリア全タンパク質の6割から7割が存在しており、
      非常にタンパク質濃度の高い区画である
---------------------------------------------------------------------------------------
ミトコンドリアの主要な機能、ATP産生
---------------------------------------------------------------------------------------
ミトコンドリアの主要な機能
   ミトコンドリアは、全身の細胞に存在する小器官で、
   細胞のエネルギー代謝の中心的役割を担っています
   その主な機能は次のとおりです
・エネルギーの産生
 体内に蓄積された脂肪や糖を酸素を使って燃やし、
 体を動かすエネルギー源となるATPを合成します
 筋肉細胞に含まれるミトコンドリアは、筋肉の有酸素運動や持久力と深く関係しています
 また、運動を行う際に生体は筋肉を収縮させるための多くのエネルギーを必要とし、
 その大部分はミトコンドリアによる有酸素性エネルギー代謝によって作り出されます
・細胞情報伝達や増殖、分化、細胞死などの生体内プロセスに関与
・ステロイドやヘムなどの合成
・カルシウムや鉄の細胞内濃度の調整
・活性酸素の産生
・アポトーシス(プログラム細胞死)の制御
   ミトコンドリアの主要な機能は、解糖系TCA回路などで生成した産物を利用して、
   電子伝達系(酸化的リン酸化)に高エネルギーの電子を送り込み、
   それを酸素に押し付けながら作り出したプロトン(H+)の濃度勾配で、
   ATP合成酵素を駆動して、ADPを酸化的リン酸化によってATPに変換する機能である
   もちろん、ミトコンドリアが関与しない解糖系のようなATP産生系も存在するものの、
   真核生物の細胞の活動に必要なATPの多くは、
   直接、あるいは間接的にミトコンドリアからATPの形で供給される
   さらにミトコンドリアで行われるTCA回路自体でも実質上はATPと等価なGTPも
   産生されるなどするため、比喩的に「真核細胞のエネルギーを作り出す場」などと
   説明される場合もある

   ただし、ATPやGTPの合成以外にもミトコンドリアは多様な機能を有している
      例えば、ステロイドやヘムの合成などを含む様々な代謝、
      カルシウムや鉄の細胞内濃度の調節
      細胞周期やアポトーシスの調節などにも大きく関わっているとされる

   しかし、これらの機能を全てのミトコンドリアが担っている訳ではなく、
      機能によっては、特定の細胞でのみ動いている
   こうした様々な機能には多数の遺伝子が関わっており、
      それらに関わる遺伝子の変異が発生した細胞が自然免疫で排除されないと、
      ミトコンドリアの機能低下を招き、ミトコンドリア病を引き起こす場合がある

ATP産生
   ATP産生はミトコンドリアの主たる機能であって、
   これに関わる多くのタンパク質が内膜やマトリクスに存在している
   細胞質では解糖系が行われ、主にグルコースを代謝して、わずかなATPを合成しながら、
   ピルビン酸とNADHに分解する
   ここで、もし酸素が充分に存在しない場合には、解糖系の産物は嫌気呼吸により代謝される
   しかしミトコンドリアで酸素を用いて、これらを酸化する好気呼吸を行えば、
   嫌気呼吸と比べて効率良くATPを得られる

   嫌気性分解では1分子のグルコースから2分子のATPしか得られなかったのに対して、
   ミトコンドリアによる好気性分解によって、1分子のグルコースから約38分子のATPが
   合成できる
   また、ミトコンドリアでは、ピルビン酸だけでなく、脂肪酸も利用できる
      ミトコンドリアで脂肪酸はβ酸化が行われる
      ピルビン酸がアセチルCoAに変換されて、TCA回路に入るように、
      β酸化によって、脂肪酸は炭素鎖が2つずつ切り離されて
      アセチルCoAが生成され、同じようにTCA回路に入るからである

   なお、植物のミトコンドリアは酸素が無くとも亜硝酸を利用してある程度のATP産生が
      可能である
---------------------------------------------------------------------------------------
ミトコンドリアで行われる呼吸の反応
---------------------------------------------------------------------------------------
ミトコンドリアで行われる呼吸の反応は3段階に分かれています
   1つ目が解糖系  グルコースが酸化的に分解されてピルビン酸となります
   2つ目がTCA回路ピルビン酸をCO2に分解します
   3つ目が電子伝達系TCA回路で使われたNAD+とFADを再生産する反応です
   3つの化学反応式の合体
      ①解糖系  :C6H12O6+2NAD+2C3H4O3+2(NADH+H+)(+2ATP)
      ➁TCA回路:2C3H4O3+6H2O+8NAD++2FAD→6CO2+8(NADH+H+)+2FADH2(+2ATP)
      ➂電子伝達系:10(NADH+H+)+2FADH2+6O2→10NAD++2FAD+12H2O(+34(28)ATP)
             NADH+H+からは3(2.5)分子のATP、
             FADH2からは2(1.5)分子のATPが生成する
             1分子のグルコースから34(28)分子のATPが生み出されます
             電子のやり取り=電子伝達系(酸化的リン酸化)
       Hが外れた=NADHは酸化されて(電子が奪われて)NAD+になった NADH→NAD++H++2e-
            FADH2は酸化されて(電子が奪われて)FADになった FADH2→FAD+2(H++e-)
       Hが付いた=O2は還元されて(電子が与えられて)H2Oになった O2+4(H++e-)→2H2O
       NAD(H)=(NAD+(酸化型)、NADH(還元型))  ★酸化還元の詳細はこちら→酸化還元
    ①+➁+➂=呼吸:C6H12O6+6H2O+6O2→6CO2+12H2O(+38(32)ATP)

   TCA回路には酸素は不要だが、
   酸素がないと→電子伝達系停止→NAD+・FAD再生産停止→解糖系・TCA回路停止
   酸素がないと→ピルビン酸はアセチルCoA になれなくて乳酸になってしまう→TCA回路停止

   ピルビン酸はアセチルCoAとなり、オキサロ酢酸と結合してTCA回路に入る
   TCA回路に入ったアセチルCoAは最終的にはCO2と8分子のHに分解される
   TCA回路自体が作り出したH分子は電子伝達系でO2と結合し、ATPと水(H2O)が産生される
                    6H2O  6CO2       6O2  12H2O        
                    |   ↑        |   ↑        
        2ATP        ┌――|―――|――――――――|―――|―┐      
        ↑        |  ↓   |        ↓   | |      
      ┌―――┐      | ┌―――――┐      ┌―――――┐|      
グルコース→|解糖系|→ピルビン酸―→|TCA回路|―┬→NADH→|電子伝達系|―→34(28)ATP
 C6H12O6  └―─―┘ 2(C3H4O3) | └―─―─―┘ |    └―─―─―┘|      
        |        |    |    |    ――-内膜-――┤      
        |        └―─――|――――|―――――――――――┘      
        └―─―――――――――――|――――┘  ミトコンドリア         
      細胞質基質           ↓                       
                      2ATP                       
※:ピルビン酸とNADH以外の中間生成物は省略
---------------------------------------------------------------------------------------
解糖系、ピルビン酸の脱炭酸
---------------------------------------------------------------------------------------
解糖系(グルコースをピルビン酸まで分解してATPを産生する)
              解糖系
         ┌―――――――――――┐
         |   グルコース   |
         |     ↓     |     ┌――――――――――――┐
         | グルコース6-リン酸――――――→| ペントースリン酸回路 |
         |     ↓     |     |  ↓  ↓↑     |
         | フルクトース6-リン酸 ←―――――| NADPH リボース(五炭糖)|
         |     ↓     |     └――――――――――――┘
         |  (この間は省略)  |
   嫌気的条件下|     ↓     |
     乳酸←―――――ピルビン酸   |         細胞質基質     
   ------------└―――――↓―――――┘--------------------------------------
   好気的条件下    アセチルCoA             ミトコンドリア   
               ↓
             TCA回路
   1分子のグルコースは、いくつもの酵素の働きにより2分子のピルビン酸になる
   この反応を解糖系と言う
   解糖系の反応式
      1グルコース+2ADP+2Pi+2NAD+→2ピルビン酸+2ATP+2NADH+2H+
   2分子のNADPHと4分子のATPを生成するが、2分子のATPは前半の反応で、
   2分子のNADPHは乳酸生成反応に利用される
   嫌気的な条件下ではピルビン酸はNADPHを利用して乳酸に分解され、
   好気的な条件下ではピルビン酸はCoAと結合してアセチルCoAを生成しTCA回路に送られる
   ※1:ペントースリン酸回路=
      光合成における還元的ペントース・リン酸回路に対し、
             酸化的ペントース・リン酸回路と呼ばれることもある
   体内で消費されるグルコースのほとんどは、解糖系でピルビン酸に変換される過程で
   エネルギー産生に使用される
   ペントースリン酸回路は、細胞に必要な産物である五炭糖(C5)とNADPHを得るために、
   グルコースが代謝される経路である
   五炭糖のリボースあるいはデオキシリボースは核酸の構成成分として、NADPHは脂肪酸
   合成の際に必要な補酵素である

ピルビン酸の脱炭酸
   アセチルCoAは、好気性細胞呼吸の第2段階目であるピルビン酸の
      ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体による脱炭酸によって生成する
      この酵素反応はミトコンドリアのマトリクスで起こる
      ここで生成したアセチルCoAは、TCA回路に投入される
      ピルビン酸 + NAD+ + CoA → アセチルCoA + NADH + CO2 + H+
            酸化型(NAD+)        還元型(NADH)
---------------------------------------------------------------------------------------
TCA回路
---------------------------------------------------------------------------------------
TCA回路
   体内の代謝回路のトリカルボン酸回路の略称、細胞内のミトコンドリアで、酸素を用いて
   タンパク質、炭水化物、脂質を水と炭酸ガスに分解し、エネルギー物質のATPを生産します
   クエン酸が初めに反応することからクエン酸回路とも呼ばれています

   解糖系で生じたピルビン酸は内膜を能動輸送によって透過し、
   マトリクスで酸化され補酵素Aと結合し、二酸化炭素、アセチルCoA、NADHを生じる
   アセチルCoAは、TCA回路へ入る基質である

   TCA回路では、サイクルの1回転ごとに、全ての中間体
   (例えば、クエン酸、イソクエン酸、α-ケトグルタル酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸
   およびオキサロ酢酸)が再生される
   したがって、ミトコンドリアにこれらの中間体のいずれかを追加して加えると、
   追加された量がTCA回路内に保持され、中間体の1つが他方に変換されて順次増加する

   したがって、それらの中間体のいずれか1つをTCA回路に加えれば、
      補充反応(アナプレロティック反応)効果を示し、
   中間体のいずれかの除去は、
      消費反応(カタプレロティック反応)効果を示す
   これらの補充反応及び消費反応は、TCA回路の回転で、
      アセチルCoAと結合してクエン酸を形成するために利用可能な、
      オキサロ酢酸の量を増加または減少させる
      この回転量が、ミトコンドリアによるATP製造量と、
      細胞へのATPの提供量の増減を左右する
   要するに、ミトコンドリア内に存在するTCA回路の各種中間体の量が、
      TCA回路の反応速度を調節し、ATPの合成量も調節することを意味する

            タンパク質   炭水化物          脂質          
            (アミノ酸)  (グルコース)        (脂肪酸)         
              │      │            │          
              ↓      ↓            ↓          
外膜          脱アミノ反応   解糖系          β酸化         
 ↓ ミトコンドリア   │ │     │            │          
―――――――――――――│―│―――――│――――――――――――│――――――――――
   膜間腔       │ │     │            │          
  ┌――――――――――│―│―――――│――――――――――――│―――――――┐  
  │          │ └――→  ↓  →         │       │  
  │          │ ┌―――ピルビン酸←乳酸       │       │  
  │          │ │    2C3H4O3           │       │  
  │  マトリックス  │ │     │―→2CO2        │       │  
  │          │ │     │―→2(NADH+H+)     │       │  
  │          │ │     ↓            │       │  
  │          │ │   アセチルCoA(活性酢酸)(C2) ←―┘       │  
  │ クエン酸回路   ↓ │     │   C2H3O-CoA             │  
  │ ┌――――――――――│―――――│――――――――――――――――――┐ │  
  │ │          │     │                  │ │  
  │ │          ↓     ↓                  │ │  
  │ │ (C4)オキサロ酢酸⑧○―――――――――――○①クエン酸(C6)     │ │  
  │ │   C4H4O5    │     ↑     │ C6H8O7        │ │  
  │ │          │     2H2O     │            │ │  
  │ │          │           │            │ │  
  │ │   2(NADH+H+)←│           │            │ │
  │ │          │           │            │ │  
  │ │          │           │            │ │  
  │ │          │           │            │ │  
  │ │   (C4)リンゴ酸⑦○  ┌─────┐  ○➁イソクエン酸(C6)   │ │  
  │ │     C4H6O5  │  |TCA回路|  │ C6H8O7        │ │  
  │ │          │  └─────┘  │            │ │  
  │ │          │           │―→2CO2        │ │  
  │ │          │←2H2O        │―→2(NADH+H+)     │ │
  │ │          │           │            │ │  
  │ │          │           │            │ │  
  │ │          │           │ C5H6O5        │ │  
  │ │   (C4)フマル酸⑥○           ○➂αケトグルタル酸(C5) │ │  
  │ │     C4H4O4  │           │ オキソグルタル酸   │ │  
  │ │          │           │            │ │  
  │ │          │           │            │ │  
  │ │    2(FADH2)←―│        2H2O→│―→2CO2        │ │  
  │ │          │           │            │ │  
  │ │          │           │―→2(NADH+H+)     │ │
  │ │          │           │            │ │  
  │ │          │           │            │ │  
  │ │   (C4)コハク酸⑤○―――――――――――○④スクシニルCoA(C4)   │ │  
  │ │     C4H6O4        ↓        C4H6O4-CoA      │ │  
内膜│ │                2ATP                  │ │  
 ↓│ └―――――――――――――――――――――――――――――――――――┘ │  
――┘                                       └――
  TCA回路:(2C3H4O3)+(6H2O)+8NAD++2FAD→(6CO2)+(8(NADH+H+))+(2(FADH2))+(2ATP)
  TCA回路:ピルビン酸(C3H4O3)を二酸化炭素(CO2)にまで分解する反応系
        炭素数が減少すると二酸化炭素が出る(C3→C2,C6→C5,C5→C4)
        何かと何かが合体すると炭素数が増加する(C2+C4→C6)
  ①と➁の間にアコニット酸が追加されたり、➂と⑤の間の④スクシニルCoAが省かれたり
  TCA回路には別図が多々あります ★TCA回路以外の詳細はこちら→三大栄養素
---------------------------------------------------------------------------------------
電子伝達系
---------------------------------------------------------------------------------------
電子伝達系(酸化的リン酸化)
   解糖系でつくられたNADHおよびTCA回路でつくられたNADHおよびFADH2がミトコンドリア
   の内膜で酸化される(電子が取られる)過程を電子伝達系という
      NADH→NAD++H++2e-  … NAD+を再生産
      FADH2→FAD+2(H++e-) … FAD を再生産
   NADHおよびFADH2がもつ還元力(結合エネルギー)が酸化されるときに、そのエネルギーが
   ATPに変換される
   O2消費(酸化)とATP産生(リン酸化)が共役(coupling)していることから、
   電子伝達系のことを(酸化的リン酸化)という
   NADHやFADH2が有する還元力(結合エネルギー)は、内膜にある電子伝達系で数段階を経て、
   最終的に酸素に渡される
   要するに、電子を、電気陰性度の高い酸素に押し付ける形である
      電子伝達系の化学反応式
      10(NADH+H+)+2FADH2+6O2→10NAD++2FAD+12H2O+(34(28)ATP)
   なお、NADHは、マトリクスでのTCA回路β酸化だけでなく、細胞質の解糖系でも生ずる
      細胞質で生じたNADHの還元力は、マロン酸-アスパラギン酸対向輸送系や、
      リン酸グリセロールシャトル系を通じて電子伝達系に供給される
      内膜の電子伝達系には、
      NADH脱水素酵素、シトクロームc還元酵素、シトクロームc酸化酵素が存在しており、
      プロトン(H+)を膜間腔へ汲み出す
      この過程は非常に効率的だが、不充分な反応により活性酸素種を生じ得る
      これがいわゆる「酸化ストレス」の形態の1つであり、
      ミトコンドリアの機能低下や老化に関与していると考えられている
   グルコーストランスポーターであるGLUT1を介して、デヒドロアスコルビン酸が
      ミトコンドリアに輸送され、その後アスコルビン酸に還元され、
      活性酸素によるフリーラジカルの大部分が生成される場所であるミトコンドリアに
      蓄積される
   アスコルビン酸は、ミトコンドリアの脂質膜とmtDNAを、活性酸素による酸化から保護
      する

   電子伝達系で、複合体Iと複合体Ⅲと複合体Ⅳは、電子が伝達された際に、
      ミトコンドリアのマトリクスから膜間腔へとプロトン(H+)を汲み出す
      このようにしてプロトン(H+)が膜間腔へ汲み出された結果、
      ミトコンドリアの内膜を隔てて、プロトン(H+)濃度の差(電気化学的勾配)が生じる
      汲み出されたプロトン(H+)はATP合成酵素を通じてマトリクスへ戻ることができ、
      この際に、電気化学的勾配のポテンシャルを使って、ADPと無機リン酸(Pi)を、
      ATPへと変換する
      生成されたATPは、ATP/ADPトランスポーターによって、
      ミトコンドリアから細胞質へ輸送され、細胞の活動エネルギー源として利用される
      この原理を化学浸透説と呼び、これをピーター・ミッチェルが最初に唱えた功績に
      よって、1978年にノーベル化学賞を受賞した
      また、ATP合成酵素の反応機構を明らかにした
      ポール・ボイヤーとジョン・E・ウォーカーには、1997年にノーベル化学賞が授与
      された

      外膜―――――――――
          (H+)濃度の差     ~~~~~→  水(H+)が水車の揚水力(E)で
                   ・――・   高所に汲み上げられ、水の
           (膜間腔)     /    \  落差により((H+)濃度の差)
                 ・  →→→  ・ 水力発電機(ATP合成酵素)
            ┐┌   | ↑ 水 ↓ | が回転し電気エネルギー(ATP)
      内膜―e-→―┤├―  | ↑ 車 ↓ | に変換される様子に類似
          (E) ┘└   ・  ←←←  ・
                  \  (E) /  ←水車+ダム(水力発電所) 
           マトリクス      ・――・  
                ←~~~~~~~~水流(H+)
          (H+)  ATP       

   なお、このミトコンドリアのマトリクスで行われる脂肪酸のβ酸化によって、
      1分子のアセチルCoAを生成する反応の際に、1分子のATPを消費するものの、
      FADH2とNADHを1分子ずつ生成する
      このFADH2とNADHは、電子伝達系に使用され、より多くのATPを産生できる
   さらに、ミトコンドリアのマトリクスで生成されたアセチルCoAは、
      同じくマトリクスで行われているTCA回路に投入され、
      さらに、GTPやATPを産生できる
   ●電子伝達系で電子の移動で起こること
      電子が→内膜上を移動→酸素とH+と電子が結合→水ができる
      電子が移動→エネルギー(E)発生→H+が濃い方にも移動可能(能動移動)

      外膜         
       ↓  ミトコンドリア 
      ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
                H+がたまって濃くなる  H+ H+ H+
        膜間腔             
            H+が膜間腔に入る H+が内膜の穴を通る
              (能動移動)   (受動移動)
                        ┌ 
        ┌―――e-――→――――――┤├―――――――e-――――――┐
        │   ↑  (E)       └               
        │   │                           
        │   │    マトリックス   1/2(O2)+2(H++e-)→H2O   │
        │   │                  ↑ ↑      
        │   │       ATP合成酵素が回転    │ │      
        │   │           ↓       │ │      
        │   │          ATP合成      │ │      
        │   │                   │ │      
      内膜│   │                   │ │      
       ↓ │NADH→2e-+NAD++H+          FADH2→FAD+2(H++e-)      
      ――┘                                └―
---------------------------------------------------------------------------------------
アセトアルデヒドの酸化
---------------------------------------------------------------------------------------
アセトアルデヒドの酸化
   ミトコンドリアにはアルデヒドデヒドロゲナーゼも発現している
      飲酒などによってエタノールを体内に摂取すると、
      肝臓などで発現しているアルコールデヒドロゲナーゼなどの作用によって代謝され、
      アセトアルデヒドが生成する
      このアセトアルデヒドを、ミトコンドリアはアルデヒドデヒドロゲナーゼで代謝して、
      酢酸に変換できる
    アルコールの肝臓での代謝
    ┌――――――――――┐
    │エタノール(CH3CH2OH)│
    └――――――――――┘
         │
         分解 ADH(アルコールを酸化してアルデヒドにする代謝酵素)2Hとる
         ↓
   ┌――――――――――――┐ ┌→活性酸素種の生成
   │アセトアルデヒド(CH3CHO)├―┤……………………→アルコール性肝障害の原因
   └――――――――――――┘ └→肝臓へのダメージ
         │
         分解 ALDH(アルデヒドを酸化してカルボン酸にする代謝酵素)Oをつける
         ↓
    ┌――――――――――┐
    │  酢酸(CH3COOH)  │
    └――――――――――┘
         │
         分解 約10種類の酵素
         ↓
   ┌――――――――――――┐
   │水(H2O)+二酸化炭素(CO2)│
   └――――――――――――┘
   このミトコンドリアでのアルデヒドデヒドロゲナーゼの活性が遺伝的に低いヒトが、
   東洋人などの一部に見られ、そのようなヒトはアセトアルデヒドの毒性が強く出やすい
   なお、酢酸とは、炭素鎖2つの脂肪酸である
   ※1:ADH=アルコール脱水素酵素(アルコールデヒドロゲナーゼ)
   ※2:ALDH=アセトアルデヒド脱水素酵素(アルデヒドデヒドロゲナーゼ)
---------------------------------------------------------------------------------------
筋肉とミトコンドリア
---------------------------------------------------------------------------------------
   速筋線維はミトコンドリアが少なく、グリコーゲンが比較的多いので白く見える
      解糖系でATPを産生し、その結果として蓄積したピルビン酸は、
      乳酸デヒドロゲナーゼで乳酸へと変換されやすい
      このような嫌気的な糖分解によるATP産生であれば、わざわざ外部から酸素を取り
      込む必要もなく、速くATPを作り出せる
      このこともあり、乳酸性閾値よりも高い運動強度では、速筋線維が多く使われるよう
      になる
      しかしながら、この方法では長時間の運動は続けられないという欠点がある

   これに対して、遅筋線維や心筋は、ミオグロビンが多いので赤く見え、
      酸素を利用しやすい環境を備えている
      赤色の筋肉では、乳酸を作るよりは、
      解糖系の産物であるピルビン酸をミトコンドリアのTCA回路へ、
      解糖系で生成したNADHもミトコンドリアに渡され、ATPを合成して、
      運動のために使っている
      この方式であれば、乳酸などが蓄積しないので、
      運動強度が低い場合は遅筋線維が主として働いている
   なお、速筋線維で発生した乳酸は、血液を介して肝臓に運ばれ、コリ回路でATPを消費
      してグルコースの再生に使われることは、よく知られている
   これ以外に、乳酸デヒドロゲナーゼは、乳酸をピルビン酸に戻す逆反応も触媒できる

   遅筋線維や心筋では、
      外部から取り込んだ乳酸を、ピルビン酸に戻して、
      ミトコンドリアのTCA回路に投入することも行っている
   いずれにしても、主に速筋線維で蓄積しやすい乳酸の代謝には、細胞膜を通過して
   他の細胞へと乳酸が輸送される必要がある
   この乳酸の輸送は、乳酸だけでなくピルビン酸などの輸送にも関わるため、
   モノカルボン酸の輸送担体(Monocarboxylate Transporter(MCT))と呼ばれている
---------------------------------------------------------------------------------------
カスパーゼカスケード、アポトーシス
---------------------------------------------------------------------------------------
   細胞に発生したDNA損傷などのストレスは、
   アポトーシス誘導分子p53やアポトーシスを調節する
   Bcl-2ファミリータンパク質を介して、ミトコンドリアの膜電位を変化させ、
   外膜の電位依存性陰イオンチャネルが閉鎖される
   なお、ミトコンドリアの外膜の電位依存性陰イオンチャネルが閉鎖されると、
      ミトコンドリアの機能は低下する
   さらに、ミトコンドリアの膜電位の変化は、
      ミトコンドリアからのシトクロムcの漏出も発生させ、
      アポトーシスへとつながる
      シトクロムcは、細胞質に存在するApaf-1やカスパーゼ-9と結合して、
      アポトソーム(apoptosome)と呼ばれる集合体を形成する
   これによって活性化されたカスパーゼ-9が、下流のエフェクターを活性化する
   この後は、DNAが切断されて、細胞は自殺する
---------------------------------------------------------------------------------------
カルシウム貯蔵
---------------------------------------------------------------------------------------
   細胞内のカルシウム濃度は様々な機構によって厳密に制御されており、
      細胞中の情報伝達に重要な役割を果たしている
   細胞内のカルシウム濃度の上昇により、セカンドメッセンジャー系が起動されたり、
      筋肉の収縮が起きたりと、様々な反応が起きる
   細胞内におけるカルシウムの貯蔵場所としては小胞体が最も顕著だが、
      カルシウムの貯蔵に関して、小胞体とミトコンドリアは協調している
      というのも、ミトコンドリアは一過的なカルシウム貯蔵能を有し、
      細胞におけるカルシウム濃度の恒常性に貢献しているのである
   ミトコンドリアは迅速にカルシウムを取り込むことが可能で、
      カルシウムは内膜のカルシウム輸送体により、マトリクスへと取り込まれる
      これの動作は、ミトコンドリアの膜電位に依存している
      こうして取り込んだカルシウムを、ミトコンドリアが後々放出することで、
      カルシウム濃度の緩衝作用を果たしている
   なお、カルシウムの放出は、ナトリウム・カルシウム対向輸送、
   もしくは、カルシウム依存性カルシウム放出系によって行われる
---------------------------------------------------------------------------------------
ミトコンドリアDNA、mtDNAの塩基対数と形状
---------------------------------------------------------------------------------------
ミトコンドリアDNA(mtDNA
   ミトコンドリア中には、細胞核とは別に、独自のDNAが存在しており、
   これをミトコンドリアDNA(mtDNA)と呼ぶ
      mtDNAは、細胞核とは異なる独自の遺伝情報を持っている
      DNA分子の大きさや形状、コードされている遺伝子の数や種類などは、
      生物種によって大きく異なる
      ただ、通常はGC含量が低く(20-40%)、基本的なmtDNAは、
      塩基対が数十kb程度のDNAである
   mtDNAには、電子伝達系に関わるタンパク質、リボソームRNAやtRNAなど、
      数十種類の遺伝子がコードされている
   ヒトを含む脊椎動物のmtDNAは、真核生物の中ではかなり特殊な性質を多く持っており、
      研究はよく進んでいるものの、安易な一般化は慎まなければならない
   なお、mtDNAと、それに基づいて合成される産物の一部は、ミトコンドリアだけではなく、
      細胞表面にも所在し、mtDNAに突然変異が発生している場合には、
      自然免疫系が特異的に細胞ごと破壊して排除する
   mtDNAに突然変異が発生した場合には、ミトコンドリア病を発症する可能性もある

mtDNAの塩基対数と形状
   最も小さなmtDNAを持つ生物はアピコンプレックス門の原虫で、
      大きさわずか6kbの線状ゲノムである
      電子伝達系に関わる3つのタンパク質遺伝子と、
      断片化されたリボソームRNA遺伝子群のみが存在している
   逆に最も大きなmtDNAは、マスクメロンの持つ2400kbという巨大なゲノムである
      ただし遺伝子数は比較的多いものの、それでも100弱に過ぎず、
      大量の反復配列やグループ2イントロンなどの非遺伝子領域が大部分を占める
   ヒトを含む多細胞動物のmtDNAはいずれも比較的似通っており、
      長さ16kb前後の単一の環状DNAで構成されている
   遺伝子は37あり、その内訳は、呼吸鎖複合体とATP合成酵素のサブユニットが13、
      tRNAが22、rRNAが2である
   遺伝子地図などでは、mtDNAが環状に表現される事例が多い
   しかし物理的に環状のmtDNAを持つ生物はごく一部に限られ、
      多くの生物では環状の基本構造からトイレットペーパーを引き出すかのように
      連続的に複製されており、その結果mtDNAの大部分は、基本単位が何度も繰り返す
      線状反復構造を有している
      また少数派ではあるものの、常に線状のmtDNAを持つ生物も存在している
---------------------------------------------------------------------------------------
ミトコンドリア遺伝子
---------------------------------------------------------------------------------------
ミトコンドリア遺伝子
   ミトコンドリアゲノムはαプロテオバクテリアから受け継がれており、
      その遺伝子発現は細菌と共通した特徴を持っており、
      真核生物の細胞核のDNAとは異なる
      例えば、複数の遺伝子がまとめて転写され、
      それが遺伝子ごとに切断されポリアデニル化されて成熟mRNAとなる点や、
      翻訳の開始にフォルミル化メチオニンが利用される点、
      細胞核に存在するようなスプライソソーム型のイントロンが存在しない点、
      などが挙げられる

   さらに、ミトコンドリアの遺伝暗号表は、
      細胞核や一般の原核生物で利用されている普遍暗号表と比べて、
      若干の差が見られる         ★普遍暗号表の詳細はこちら→普遍暗号表
      顕著な例として、細胞核では終止コドンであるはずのUGAが、
      ミトコンドリアではトリプトファンをコードしている場合が多いことが挙げられる
      ものの、例外も多く、
      生物種によって少しずつ異なる暗号表を用いているのが実態である
      またミトコンドリアでは、しばしばRNA編集が行われる
      例えば高等植物のミトコンドリアでは、DNA配列上のCGGがmRNAの場合は、
      UGGと編集されてトリプトファンをコードするという例が知られている
      ただ、重要な点として、ミトコンドリアの機能に関わる全ての遺伝子が、
      mtDNAに存在しているわけではないが挙げられる
      ミトコンドリアが持つmtDNA上にコードされているミトコンドリアゲノムは、
      細菌のゲノムと比べると、遺伝子数が極端に減少している

   一方で、ミトコンドリアが必要とする大多数の遺伝子は、細胞核の側にコードされており、
      細胞質の側で転写された情報に基づいて生合成された遺伝子産物が、
      ミトコンドリアへと輸送される
      これは進化の過程で、遺伝子が細胞核へ移動したからだと考えられている
      こうした現象は、比較的よく起きた出来事だと考えられ、
      マイトソームなどのように全てのDNAを完全に失ったようなミトコンドリアも
      存在している

   一方で、原生生物のレクリノモナスは、
      他の生物では細胞核から輸送されているようなタンパク質の遺伝子が、
      mtDNA上に存在しており、比較的原始的なミトコンドリアゲノムを未だに保持
      していると考えられている

   ミトコンドリアには、呼吸機能に関与する疎水性のタンパク質が存在し、
   疎水性であるために輸送が難しく、これらをミトコンドリアの内部で作らざるを得ない
   ために、ミトコンドリアに遺伝子が残っている理由の1つと考えられている
---------------------------------------------------------------------------------------
ミトコンドリアの起源
---------------------------------------------------------------------------------------
ミトコンドリアの起源             ★細胞内共生説の詳細はこちら→細胞内共生説
   ミトコンドリアは、リケッチアに近い好気性細菌のαプロテオバクテリアが、
      真核細胞に入り込んだ結果として獲得されたと考えられている
      リン・マーギュリスの細胞内共生説では単に好気性バクテリアが起源とされていたが、
      その後すぐの1970年代にはすでにミトコンドリアの起源が現在でいう
      αプロテオバクテリアだという意見が出た
      脱窒細菌のParacoccus denitrificansや、暗所好気条件で培養した紅色光合成細菌の
      Rhodobacter sphaeroidesは、呼吸鎖の構成や阻害剤への応答がミトコンドリアと
      類似しており、特に、シトクロムcがミトコンドリアと互換性を持つ点が注目された
      細胞核DNAにコードされているシトクロムcだけでなく、
      mtDNAにコードされているリボソームRNAの配列を使った系統解析でも
      αプロテオバクテリア起源であると示され、1980年代にはミトコンドリアの
      αプロテオバクテリア起源は受け入れられるようになった

      ただし、初期の解析では高等植物ミトコンドリアのリボソームRNAの配列が、
      他のミトコンドリアの配列と比べて進化的距離が非常に小さかったため、
      ミトコンドリアの起源は単独ではなく、
      高等植物のミトコンドリアは新たに獲得された物だという意見もあった
      しかし、こうした意見は現在では否定され、
      真核生物のミトコンドリアの起源は単一であるとされている

      もっとも、αプロテオバクテリアは非常に多様な細菌を含む分類群であり、
      その中でどのような細菌がミトコンドリアの起源なのかについては、長く議論が
      続いている
      初期には前述の通り脱窒細菌や光合成細菌が起源だと考えられていたが、
      シャペロニンHsp60(GroEL)を用いた系統解析によりリケッチアが最も近縁であると
      示されてからは、これが有力説となった

   リケッチアは、細胞内寄生生物である点、
      TCA回路を持ち好気呼吸ができるのに対して解糖系を持たない点、
      細胞膜にADP/ATP輸送体を持っている点、ゲノムが小さくAT含量が高い点
      など、ミトコンドリアと共通した特徴が複数見られる
   1998年に発疹チフスを引き起こすリケッチアの1種であるRickettsia prowazekⅡの
   ゲノムが解読され、祖先的とされるReclinomonas americanaのミトコンドリアゲノムと
   共通している遺伝子や、配置順が保存された遺伝子群などが見出され解析された
   その多くはミトコンドリアがリケッチアに近縁であるという仮説を支持する結果であったが、
      ADP/ATP輸送体については、予想に反して起源を異にしていると示された
   20世紀末から21世紀初頭にかけて、世界中の海洋には自由生活性で浮遊性の細菌
   ペラジバクター(暫定的にCandidatus Pelagibacter ubiqueと命名されている)が存在して
   いることが明らかとなった
   ペラジバクターはリケッチア目の中で、最も祖先的な位置から派生したと考えられる生物
   であり、ミトコンドリアの起源を、ペラジバクターとその他一般的なリケッチアとの間に
   求められる
   なお、アメーバに似た原生生物であるペロミクサや微胞子虫など、
      原生生物の中はミトコンドリアを持っていないものもいる
---------------------------------------------------------------------------------------
活動エネルギーを生み出すミトコンドリア
---------------------------------------------------------------------------------------
   人間の体は、37兆個とも60兆個ともいわれる膨大な数の細胞でできています
   では、これらの細胞は、どこから活動のエネルギーを得ていると思いますか?
      細胞を動かすエンジンの役割を果たすのが、ミトコンドリアです
      ミトコンドリアは、1つの細胞の中に1つしかない場合もありますが、
      多い場合は数千個含まれており、細胞の活動エネルギーとなるアデノシン3リン酸
      (ATP)を合成します
      細胞の活動に必要なエネルギーの90%以上はミトコンドリアで生産され、
      それぞれの細胞に供給されています
   ミトコンドリアがしっかりと働いてくれることで、それぞれの細胞が元気よく役目を果たし、
   生命が維持されるのです

ミトコンドリアが生み出すエネルギーで免疫システムも機能する
   ミトコンドリアは、免疫機能にも大きな役割を果たしています
   ウイルスや細菌などの異物が体内に入ってくると、防御機能を持った細胞が複雑に関係し
   ながら病原体を撃退し、体外へ排出しようとします
   このような体の反応を「免疫」といい、免疫反応を担う細胞を「免疫細胞」といいます
      体内に入ってきた異物を即座に攻撃する顆粒球やナチュラルキラー細胞
      一度入ってきた異物を記憶して、2回目以降に効果的に攻撃するB細胞やT細胞
      などがあります
   免疫細胞も、他の細胞と同じように、      ★免疫細胞の詳細はこちら→免疫細胞
   ミトコンドリアが生産するATPをエネルギーとして働くため、
   ミトコンドリアが十分に機能することによって、
   免疫細胞にエネルギーが供給され、免疫力が維持されます

ミトコンドリアはエネルギーを作り出すだけでなく、
   ATPを作り出すとき、副産物として活性酸素も一緒に作り出します
      活性酸素は、体を酸化させてさびつかせる物質で、増えすぎるとがんや心臓病、
      脳卒中などの生活習慣病に深く関わると考えられています
      しかし、ミトコンドリアには、ビタミンEや還元型コエンザイムQ10(CoQ10)など
      の抗酸化物質が存在しているため、
      活性酸素がもたらす害を軽減する働きが備わっています
      さらにミトコンドリアは、この活性酸素を、
      病原体を駆除する際にうまく活用するしくみも持っており、免疫機能にも貢献して
      います
   そして、ミトコンドリアは、免疫反応全体のバランスを取る「司令塔」のような役割も
      担っています
      ウイルスや細菌に感染したことで細胞が傷ついた際には、
      他の細胞に影響を与えないうちに
      アポトーシス
      (個体をより良い状態に保つために、不要な細胞を死なせて除去すること)
      させたり、免疫細胞が暴走する「サイトカインストーム」を抑えたりします
   免疫老化を防ぐカギは、ミトコンドリアの活性化
   免疫力は、体力などと同じように、加齢に伴って低下します
   加齢を避けることはできませんが、
   免疫老化を少しでも防ぎ、免疫細胞の働きを元気に保つためには、
   免疫細胞にエネルギーを供給するミトコンドリアを活性化する必要があります
---------------------------------------------------------------------------------------
ATPエネルギー
---------------------------------------------------------------------------------------
   ミトコンドリアがエネルギーを生み出すために最も重要な成分が還元型CoQ10です
      ATPエネルギーを作り出す過程で必要不可欠な栄養素(補酵素)で、
      ミトコンドリアが細胞を動かすエンジンだとすれば、
      還元型CoQ10はエンジンの動きを円滑にするエンジンオイルのような関係です
   そのほか、細胞内には「長寿遺伝子」と呼ばれ、
      寿命に関連すると考えられている遺伝子がありますが、
      還元型CoQ10はこれを活性化し、ミトコンドリアを元気にするという報告があります
      また、白血球のミトコンドリアの量を増加させる働きなども報告されています
      ミトコンドリアが働くために欠かせない還元型CoQ10ですが、
      年齢を重ねるとともに体内の還元型CoQ10量は減少するため、
      中高年になるほど、持続的に補うことが大切になります
   還元型CoQ10は、加齢だけでなく、
      脂質異常症の薬として使われるスタチンや、病気などによっても減少することが
      分かっていますので、不足が心配で補給を検討したい場合は、
      医師に相談してみるとよいでしょう
   免疫は、いざというときに慌てて備えようとしても、すぐに強化できるものではありません
   普段から免疫のシステムが働きやすい環境を整えておくことが重要です
   ミトコンドリアを活性化し、免疫年齢のアンチエイジングを図りましょう

次へ前へTOP 17.生物の増え方 生殖とは、減数分裂、無性生殖、遺伝の法則

TOP

生殖とは

TOP
---------------------------------------------------------------------------------------
生殖とは
---------------------------------------------------------------------------------------
有性生殖
両性生殖
・有性生殖は雌雄2個体がかかわり、子を残す生殖方法です
 有性生殖では卵(卵細胞)と精子(精細胞)が合わさって、
 核の合体が行われます
 これを受精といいます
 卵(卵細胞)や精子(精細胞)のように、
 子を残すためにつくられる特殊な細胞のことを生殖細胞といいます
無性生殖 ・無性生殖は雌雄にもとづかない生殖方法のことで、子は親の体の一部
 からできます
 1個体のみで子をつくることができます
 無性生殖には、様々な方法があります
生殖の方法 ・生物を生殖の方法を規準にして、次の1~3のグループに分けることが
 できます
 1 有性生殖のみ行う生物        大部分の動物
 2 無性生殖のみ行う生物        大部分の微生物
 3 有性生殖と無性生殖の両方を行う生物 大部分の植物
・多くの種子植物は花を形成し有性生殖でふえるとともに、
 イモやランナーなどによる無性生殖も行います
・ヒドラやゾウリムシのように動物や微生物でも
 有性生殖と無性生殖の両方を行うものもいます
植物の有性生殖  1つの花の中におしべとめしべがある
   両性花
 1つの個体の中に雄花と雌花がつく
   単性花
 雄花のみをつける雄株と、雌花のみをつける雌株とがある
   単性花
動物の有性生殖  1 雌の体内にある卵巣で卵がつくられる
   雄の体内にある精巣で精子がつくられる
 2 精子が泳いで卵に到達する
 3 精子が卵の中に入り、精子の核と卵の核が合体する
   これを受精という
 精子と受精した卵を受精卵という
 動物の発生の過程:受精卵~成体:体細胞分裂
          受精卵→胚→幼生→成体
単為生殖
単性生殖
 一部の動物では、雌がつくった卵が精子と受精することなく単独で
    発生を開始して成体となることがあり、これを単為生殖
    (単為発生)といいます
    単為生殖は1個体でなかまをふやせる点では無性生殖的です
    が、雌がつくった卵から発生が開始するので、
    特殊な有性生殖と見なすことができます
    単為生殖を行う多くの動物は、卵と精子の受精による有性
    生殖も行います
 実はいろいろある単為生殖
    自家生殖(オートミクシス)
       メスでは分裂したうちの1つしか卵子にならない
       余ったほうの小さな細胞3つは極体と呼ばれる
       極体は通常、受精に関与しないが、
       極体と卵子が融合して子ができることがある
    無融合生殖(アポミクシス)
       減数分裂を経ずに、母親の染色体を2本もつ子ができる
       ケースもある
       この方式による単為生殖は、植物で多く見られる

---------------------------------------------------------------------------------------
有性生殖と無性生殖の比較
---------------------------------------------------------------------------------------
有性生殖無性生殖
増殖の効率能率が悪い ×
・雄と雌が出会わないと子をつく
 れない
・卵(卵細胞)や精子(精細胞)
 などの 生殖細胞をつくる必要
 がある<
能率がよい ○
・1個体で子をつくれる
・体の一部が分離して子ができる
 ので、わざわざ生殖細胞をつく
 る必要がない
遺伝子の構成新個体の遺伝子は、
 両親のものを半分ずつ受けつぐ
 ので、いろいろな組み合わせが
 できる
 親や兄弟と同じではない
新個体の遺伝子は親と全く同じ
形質新個体の形質は様々
 親や兄弟とすべての形質が
 同じになるわけではない
新個体の形質は親とまったく同じ
様々な環境に
対する適応力
適応力が大きい ○
・個体により少しずつ形質が違う
 ので、様々な環境に適応して
 いくことができる
適応力が小さい ×
・すべての個体の形質がまったく
 同じなので、
 生育環境が変化すると全滅する
 おそれがある
                  ↓補足
・暑さに強いもの、寒さに強いもの、乾燥に強いもの‥‥さまざまな形質を持った
 個体が混ざっていれば
 多様な環境に適応していく可能性が広がります
・また、たとえ生育環境が変化しても、その環境に適した形質を持つ一部の個体が
 生き残り、子をつくることによって全滅せずにすみます
・有性生殖と無性生殖どちらも有利な面と不利な面があります
 どちらがすぐれているとはいえません
・有性生殖と無性生殖の両方を行う生物は、両方を行うことによって、それぞれの
 生殖方法の不利な面を解消しているとも考えられます

---------------------------------------------------------------------------------------
卵と精子の役割
---------------------------------------------------------------------------------------
動物の有性生殖では卵と精子の受精が起きます
  ヒトの卵は動物の卵としてはかなり小さめですが、それでも直径が0.14mmあります
  一方、精子はべん毛(水中を泳ぐための尾)を含めても0.06mmしかありません
  ヒトの卵と精子のそれぞれの役割を考えてみよう

有性生殖によって、効率よく数多くの子を残すためには、
次の2つのことが必要になります
  1 確実に育つように、生殖細胞に栄養分を多くためる
  2 子をふやすために、なるべく多くの生殖細胞をつくる

  1を達成するには、生殖細胞をなるべく大きくする必要があります
    大きい生殖細胞は数多くつくることができません
  2を達成するには、生殖細胞をなるべく小さくする必要があります
    小さい生殖細胞は栄養分を多量にたくわえることができません

  この相反する目的をともに達成するため、
    卵と精子による受精が行われていると考えられています
    1のために大きなが、2のために小さな精子がつくられているのです
精子
・精子に比べるとつくられる数は、
 はるかに少ない
・つくられる数は、
 非常に多い
・べん毛を持たず、
 運動できない
・べん毛を持ち、
 小さく身軽なので、高い運動力を持つ
 泳いで卵に到達する
・受精後に確実に発生を進ませるために
 栄養分を多量に蓄えているので大きい
・非常に小さく、細胞質の大部分を失っている
 栄養分はほとんど持っていない

TOP

減数分裂

TOP
---------------------------------------------------------------------------------------
染色体と遺伝子
---------------------------------------------------------------------------------------
・遺伝は、細胞の核内にある染色体に含まれている遺伝子が、親から子に伝わることによって
   おこるのです
   この遺伝子はDNAと呼ばれる物質でできています
   DNAは、細胞分裂時以外(間期)には糸状の状態で細胞核内に分散していますが、
   一定の周期で起こる細胞分裂時(分裂期)に棒状の構造へと変化して「染色体」の形に
   なります
   染色体の数は生物の種によって決まっています
   例えば ヒトの場合、46本

---------------------------------------------------------------------------------------
減数分裂と染色体数
---------------------------------------------------------------------------------------
・有性生殖では、卵(卵細胞)と精子(精細胞)という2個の細胞の合体によって
   できた受精卵から子ができてきます
   では、どうして「受精」によって子の染色体数が2倍になってしまわないのでしょうか?
┌─────┐ ┌────┐
│  雌  │→│未受精卵├─┐
└─────┘ └────┘ │
 (めしべ)   (卵細胞)  │ ┌───┐ ┌─┐
              受精├→│受精卵│→│子│
               │ └───┘ └─┘
┌─────┐ ┌────┐ │
│  雄  │→│ 精子 ├─┘
└─────┘ └────┘
 (おしべ)   (精細胞) ( )は植物の場合
   有性生殖で「受精」が起きるとき、子の染色体数が親の2倍になってしまわない理由は、
   有性生殖において卵や精子ができるときには、普通の細胞(体細胞)が行う「体細胞分裂
   とは異なり、染色体数が半分になる特別な細胞分裂が起きているのです
   この細胞分裂を「減数分裂」といいます
   例えば、ヒトの場合、体細胞の染色体数が46本なので、「減数分裂」によってつくられた
   卵と精子には、その半分の23本の染色体が含まれています
   有性生殖では「減数分裂」によって染色体数が半分になった卵と精子が「受精」すると、
   再び染色体数は親(体細胞)と同じ元の数に戻るのです
             未受精卵   
           ┌───────┐
  母親の細胞  ┌→│染色体数=23本│
┌───────┐│ └───────┘
│染色体数=46本├┤   未受精卵   
└───────┘│ ┌───────┐
         └→│染色体数=23本├─┐
           └───────┘ │    受精卵
                     │ ┌───────┐
         減数分裂       受精├→│染色体数=46本│
               精子     │ └───────┘
           ┌───────┐ │
  父親の細胞  ┌→│染色体数=23本├─┘
┌───────┐│ └───────┘
│染色体数=46本├┤     精子    
└───────┘│ ┌───────┐
         └→│染色体数=23本│
           └───────┘
・これに対して、無性生殖では親の体の一部から子ができるので「減数分裂」や「受精」
   は起きません
   子の染色体数はもちろん親と同じです(胞子生殖をのぞく)
             子の細胞   
           ┌───────┐
   親の細胞   ┌→│染色体数=X本│
┌───────┐│ └───────┘
│染色体数=X本├┤   子の細胞   
└───────┘│ ┌───────┐
         └→│染色体数=X本│
           └───────┘
       (体細胞分裂で細胞が2個になる)

---------------------------------------------------------------------------------------
減数分裂と遺伝子
---------------------------------------------------------------------------------------
・有性生殖では「減数分裂」によって卵(卵細胞)と精子(精細胞)がつくられます
   その結果、卵には母親が持つ遺伝子の半分が、精子には父親が持つ遺伝子の半分が
   含まれていることになります
   卵と精子が「受精」すると、両親の遺伝子を半分ずつ持つ受精卵ができ、
   「受精」を通して両親の遺伝子が子に受けつがれていきます
   どのような生物でも形質には多くの種類があります
   個体の特徴は様々な形質の組み合わせで決まります
   有性生殖の場合、父親から受けついだ遺伝子と母親から受けついだ遺伝子の組み合わせが
   様々になるため、同じ親から生まれた子でも異なる様々な形質を持つことになります
            未受精卵  
          ┌─────┐
  母親の細胞  ┌→│  ●  │
┌──────┐│ └─────┘
│  ●●  ├┤   未受精卵  
└──────┘│ ┌─────┐
        └→│  ●  ├─┐
          └─────┘ │    受精卵   
                  │ ┌──────┐
        減数分裂     受精├→│  ●○  │
             精子    │ └──────┘
          ┌─────┐ │
  父親の細胞  ┌→│  ○  ├─┘
┌──────┐│ └─────┘
│  ○○  ├┤    精子   
└──────┘│ ┌─────┐
        └→│  ○  │
          └─────┘
(注)染色体数は2としてある ●や○は遺伝子を示す
・これに対して、無性生殖では親の体の一部から子ができるので「減数分裂」も「受精」も
   起きません
   子は親とまったく同じ遺伝子を受けつぐことになります
   したがって、親と子の形質はまったく同じになります
            子の細胞  
          ┌──────┐
  親の細胞   ┌→│  ◎◎  │
┌──────┐│ └──────┘
│  ◎◎  ├┤   子の細胞  
└──────┘│ ┌──────┐
        └→│  ◎◎  │
          └──────┘
(注)染色体数は2としてある ◎は遺伝子を示す

---------------------------------------------------------------------------------------
体細胞分裂と減数分裂
---------------------------------------------------------------------------------------
・体細胞分裂と減数分裂の違いのまとめ
体細胞分裂減数分裂
行われる時期体細胞がふえるとき生殖細胞が形成されるとき
行われる場所 動物 体全体
植物 根や茎の先端等限られた
   場所で活発に行われ、それ
   以外の場所はほとんど
   分裂しない
動物 雌 卵巣
   雄 精巣
植物 めしべ(胚珠の中)
   おしべ(やくの中)
1細胞中の染色体の数変わらない半分になる
1細胞中の遺伝子の数変わらない半分になる
分裂後の細胞の数2個4個

・減数分裂後の細胞の数
   精子:減数分裂が行われると細胞は4個できます
      動物の精子や植物の花粉は4個ずつセットでつくられます
   卵子:動物の卵や植物の卵細胞がつくられる過程でも、減数分裂によって細胞は4個
      できますが、
      3個が退化するため、最終的には1個になります

   精子のでき方  第一分裂  第二分裂  染色体数が半減した精子が4つできる
            等分裂   等分裂  同じ大きさの細胞に分裂する

   卵子のでき方  第一分裂  第二分裂  染色体数が半減した卵子が4つできるが、
           不等分裂  不等分裂  1つの卵に集中させる(大1個、小3個)

・減数分裂の特徴(体細胞分裂との4つの違いに注目)
   ①減数分裂は生殖細胞を形成するときに行われる
   ②複製された2本の相同染色体(形と大きさが等しい染色体が2本含まれている)どうしが
    第一分裂前期に対合し、二価染色体(相同染色体が対合してくっついている)を形成する
   ➂連続して2回の分裂が起き、その結果4つの子細胞ができる
   ④染色体数が半減する

---------------------------------------------------------------------------------------
減数分裂時に起こる遺伝的組換え
---------------------------------------------------------------------------------------
・減数分裂時に起こる遺伝的組換えは相同染色体の対合時に起こります
   一方の染色分体のDNA鎖が切断酵素により切られ、もう一方の染色分体の相同な配列に
   入り込み
   そこでDNA鎖の乗り換え(繋ぎ換え)を起こして染色体の一部が入れ替わります
   この組換えにより、同一染色体に乗っている遺伝子の組み合わせが変化し、
   より多くの種類の配偶子を作り出すことが可能になります
   その結果として子孫の遺伝的な多様性を増す働きがあります
  1.まずDNAが複製されて染色体が倍加し2本の姉妹染色分体となり
  2.さらにこれらが対合して4本の二価染色分体となります
  3.この時に一方の染色分体に切断が起こり、その切断片がもう一方の染色分体の相同配列に
   入り込み遺伝的組換えを起こし、染色分体が乗り換わります
  4.このようにして新しい組み合わせの染色体を持つ配偶子(bとc)が作られます
        ┌─────┐
   母由来の─┼→ ←┼ 父由来の
        │   │
  染色体1本 │   │ 染色体1本
        │   │
        │   │
        └─────┘
            ↓DNAの複製
        ┌──────┐
        │ ■■ ■■ │1.「間期」でDNAが複製された状態
        │ ■■ ■■
        │ ■■ ■■ │ 相同染色体は細胞の中で離れている
        │ ■■ ■■
        │ ■■ ■■
        └──────┘
            ↓
        ┌──────┐
        │ ■■■■ │2.相同染色体が対合し
        │ ■■■■ │
        │ ■■■■ │ 二価染色体を形成
        │ ■■■■ │
        │ ■■■■ │
        └──────┘
            ↓遺伝的組換え
        ┌──────┐
        │ ■■■■ │3.相同染色体間に乗り換えが起こり、
        │ ■■■■ │
        │←■■■■→│ 染色体の一部が交換され、
        │ ■■■■ │
        │  │ 遺伝的組換えが行われる
        └──────┘
        /      \ 
       /  分裂1回目  \
   ┌────┐      ┌────┐
   │ ■■ │      │ ■■ │
   │ ■■ │      │ ■■ │
   │←■■→│      │←■■→│
   │ ■■ │      │ ■■ │
   │  │      │  │
   └────┘      └────┘
   /    \      /    \
  / 分裂2回目 \    / 分裂2回目 \
┌───┐ ┌───┐ ┌───┐ ┌───┐
│  │ │  │ │  │ │  │4.(bとc)は新しい
│  │ │  │ │  │ │  │
│  │ │  │ │  │ │  │ 組み合わせの
│  │ │  │ │  │ │  │
│  │ │  │ │  │ │  │ 染色体を持つ配偶子
└───┘ └───┘ └───┘ └───┘
  a     b     c     d   (精子や卵子)
----------------------------------------------------------------
上記3.の詳細な説明
 ①この染色体で
   ┌┐
   ↓↓
  ■■■■
  ■■■■
  ■■■■
  ■■■■
  ■■■■
    ↓
   
   
   
   
     ←─➁この位置で切断し
   ←┐
    X  ├➂染色体を交換する
   ←┘
    ↓
  
  
  
  
  
   ↑↑
   └┘
 ④染色体の乗換え

組換えはいうまでもなく乗換えがその原因である
乗換え:2本の相同染色体が同一個所で切断され、
    異なった染色体がつなぎ合わされるという物理的な現象が乗換えである
組換え:配偶子の持つ特定の染色体上の遺伝子の組み合わせが両親から受け継いだ
    2本の染色体のいずれとも異なるという遺伝学的な現象が組換えである

TOP

無性生殖

TOP
---------------------------------------------------------------------------------------
様々な無性生殖
---------------------------------------------------------------------------------------
分裂体がほぼ2等分されて仲間を増やす方法
         アメーバ、イソギンチャク、プラナリア
出芽体に生じた膨らみが分離して仲間を増やす方法
         酵母菌、ヒドラ、サンゴ、ホヤ
栄養生殖植物が種子によらず栄養器官から仲間を増やす方法
         イモ、むかご、ランナー、地下茎、不定芽、さし木
胞子生殖生殖細胞(胞子)をまいて仲間を増やす方法
         シダ植物・コケ植物・菌類・藻類
     コケ植物やシダ植物は胞子生殖も行いますが、通常の有性生殖も行います

---------------------------------------------------------------------------------------
胞子による生殖
---------------------------------------------------------------------------------------
胞子で増える生物は主に4種類
   胞子を形成する生物は、主にシダ植物・コケ植物・菌類・藻類の4種類です
   それぞれの特徴と繁殖方法を見ていきましょう
   胞子受精卵:シダ植物、藻類
   受精卵胞子:コケ植物
シダ植物 シダは、胞子でふえる維管束植物です
葉の裏の胞子のう→胞子→胞子が発芽→前葉体に成長→卵細胞・精子→受精卵
→成体
コケ植物 コケもシダとともに、胞子植物に数えられ、シダとの違いは、維管束を持たない
点です
雌株の卵細胞と雄株の精子が受精→受精卵→受精卵が育つ→胞子のう→胞子
→胞子が発芽→成体
菌類 カビやキノコなどの菌類も、胞子でふえる生物です
(キノコの傘の裏の胞子と地中の菌糸)
胞子→胞子が発芽→菌糸→菌糸体→菌糸があつまる→子実体(幼菌)→成菌
藻類 藻類とは光合成を行う生物からコケ植物・シダ植物・種子植物を除いた生物を
総称する言葉です
ワカメの根元にある胞子のう(単子嚢)─→胞子(遊走子)→胞子が発芽→受精
受精卵→幼芽→成体

TOP

遺伝の法則

TOP
顕性(優劣)の法則
   対立形質間には顕性(優性)・潜性(劣性)の関係があり、
   ヘテロな組み合わせ(A,a)では、顕性(優性)な形質が表現型となる
分離の法則
   ヘテロの個体どうしをかけ合わせると、
   次世代では形質の分離が起こり、潜性(劣性)な形質も表現されてくる
独立の法則
   2つ以上の形質に関する遺伝様式について、
   もしそれらの形質を決定する因子間に染色体上の連鎖がなければ、
   それらの形質は互いに独立に組み合わされた結果として表現される
      P世代   AA─┬─aa
               │
             ┌─┴─┐
      F1世代   Aa─┬─Aa   顕性の法則 表現型(A)
               │
           ┌──┬-┴-┬──┐
      F2世代 AA Aa aA aa 分離の法則 表現型(A:a)=3:1

      P世代   AABB─┬─aabb
               │
      F1世代      AaBb
               │
  F2世代
独立の法則
F1ABAbaBab
ABAABBAABbAaBBAaBb
AbAABbAAbbAaBbAabb
aBAaBBAaBbaaBBaaBb
abAaBbAabbaaBbaabb
    表現型(AABB,AaBB,AABb,AaBb):(AAbb,Aabb):(aaBB,aaBb):(aabb)
       =AB:Ab:aB:ab=9:3:3:1
      P世代   AA    aa
            /\減数分裂/\
           A  A  a  a
           1  2  3  4
            \  受精   /
      F1世代   Aa    Aa   顕性の法則 表現型(A)
            13    24
            /\減数分裂/\
           A  a  A  a
           ①  ➁  ➂  ④
               受精
      F2世代 AA Aa aA aa 分離の法則 表現型(A:a)=3:1
          ①➂ ①④ ➁➂ ➁④
--------------------------------------------------------------
遺伝の仕組みの基本
------------------------------┬------------------------------
      男女共通      |      男女性別      
------------------------------┼------------------------------
      常染色体      |      性染色体      
    AA    aa    |    XY    XX    
    /\    /\    |    /\    /\    
   A精子A  a卵子a   |   X精子Y  X卵子X   
   ①  ➁  ➂  ④   |   ①  ➁  ➂  ④   
  Aa Aa Aa Aa  |  XX XY XX XY  
  ①➂ ①④ ➁➂ ➁④  |  ①➂ ➂➁ ①④ ④➁  
               |               
--------------------------------------------------------------
     顕性(優性) Aa    aa    
            病気    健康   
                       
     潜性(劣性) AA Aa aa    
            病気 保因者 健康   
--------------------------------------------------------------
常染色体優性遺伝:遺伝子の一方に変異があれば発症する遺伝の形式
--------------------------------------------------------------
            病気    健康    
      体細胞   Aa    aa    
            /\    /\    
      配偶子  A  a  a  a   
           ①  ➁  ➂  ④   
      受精  Aa  Aa aa aa  
          ①➂ ①④ ➁➂ ➁④  
          病気 病気 健康 健康  
--------------------------------------------------------------
常染色体劣性遺伝:遺伝子の双方に変異があれば発症する遺伝の形式
--------------------------------------------------------------
           保因者   保因者   
      体細胞   Aa    Aa    
            /\    /\    
      配偶子  A  a  A  a   
           ①  ➁  ➂  ④   
      受精  AA Aa aA aa  
          ①➂ ①④ ➁➂ ➁④  
          病気 保因者 保因者 健康  
--------------------------------------------------------------
X連鎖顕性(優性)遺伝:変異がX染色体の1本にあり男女とも症状
------------------------------┬------------------------------
   父由来         |         母由来   
    ⓍY    XX    |    XY    ⓍX    
    /\    /\    |    /\    /\    
   Ⓧ  Y  X  X   |   X  Y  Ⓧ  X   
   ①  ➁  ➂  ④   |   ①  ➁  ➂  ④   
  ⓍX ⓍX XY XY  |  XⓍ XX ⓍY XY  
  ①➂ ①④ ➁➂ ➁④  |  ①➂ ①④ ➁➂ ➁④  
  女性 女性 男性 男性  |  女性 女性 男性 男性  
  病気 病気 健康 健康  |  病気 健康 病気 健康  
--------------------------------------------------------------
X連鎖潜性(劣性)遺伝:変異がX染色体の1本にあり男性に症状
------------------------------┬------------------------------
   父由来         |         母由来   
    ⓍY    XX    |    XY    ⓍX    
    /\    /\    |    /\    /\    
   Ⓧ  Y  X  X   |   X  Y  Ⓧ  X   
   ①  ➁  ➂  ④   |   ①  ➁  ➂  ④   
  ⓍX ⓍX XY XY  |  ⓍX XX ⓍY XY  
  ①➂ ①④ ➁➂ ➁④  |  ①➂ ①④ ➁➂ ➁④  
  女性 女性 男性 男性  |  女性 女性 男性 男性  
  保因者保因者 健康 健康  |  保因者 健康 病気 健康  

TOP

細胞生物学

TOP
---------------------------------------------------------------------------------------
細胞生物学 13.~17.のまとめ+α
---------------------------------------------------------------------------------------
生物学・細胞生物学
序章 はじめに
 1.科学とは何か?
    ①科学とは
       ❶「発見と帰納の科学」
       ❷「仮説と演繹による科学」
       ❸「科学と似非科学」
    ②法則と理論
 2.生物学とは,生物学の方法
    ①生物学とは
    ②生物学は特殊だった?
    ③仮説を立てるために
    ④観察のための道具
1章 生物学の基本
 1.地球上には多様な生物が生息している
    ①人は区別する
    ②名前をつける
 2.神の栄光のために生物を分類する
    ①リンネの自然の体系
    ②リンネの考え方
    ③分類学の基礎
       ❶種の概念
       ❷上位の階級
 3.進化論の登場(神の退場)
    ①ダーウイン以前
    ②ダーウインが考えたこと
       ❶ダーウインが進化の考えに至るまで
       ❷ダーウインが考えた自然選択による進化
    ③進化論その後
 4.地球上の生物に共通すること①(細胞説)
    ①細胞説の前夜
    ②細胞説
 5.地球上の生物に共通すること②(メンデルの遺伝の法則)
    ①メンデル以前
       ❶なぜ親に似るか
       ❷雑種の研究
    ②メンデルの行った実験
    ③メンデルの遺伝の法則
       ❶優性の法則(優劣の法則)
       ❷分離の法則
       ❸独立の法則
    ④見かけ上、メンデルの遺伝の法則があてはまらない例
       ❶連鎖
       ❷伴性遺伝
       ❸不完全優性
    ⑤メンデルの法則その後
 6.生物体のつくりと階層性
    ①細胞、組織、器官、器官系
    ②生物学の階層性
    ③細胞が基本
2章 細胞のプロフィール
 1.光学顕微鏡と電子顕微鏡の発明
 2.細胞には多様な横顔がある
    ①多様な細胞の形
    ②細胞の概観
 3.細胞を構成している物質
    ①水の性質
    ②モノマーとポリマー
    ③タンパク質
       ❶タンパク質はアミノ酸のポリマー
       ❷タンパク質の一次構造
       ❸タンパク質の二次構造
       ❹タンパク質の三次構造、四次構造
    ④核酸
       ❶DNAの構造
       ❷DNAのはたらき
    ⑤糖質
       ❶単糖類
       ❷二糖類
       ❸オリゴ糖
       ❹多糖類
    ⑥脂質
       ❶単純脂質
       ❷複合脂質のうちのリン脂質
       ❸誘導脂質
 4.細胞小器官の構造と機能
    ①核
       ❶核の構造
       ❷染色体
    ②小胞体とリボソーム
       ❶小胞体の構造
       ❷リボソームの構造
       ❸小胞体とリボソームの機能
    ③ゴルジ装置
       ❶ゴルジ装置の構造と機能
    ④ミトコンドリア
       ❶ミトコンドリアの構造
       ❷ミトコンドリアの機能
    ⑤葉緑体
       ❶葉緑体の構造
       ❷葉緑体の機能
    ⑥細胞骨格
       ❶細胞骨格の種類
       ❷細胞骨格の機能
    ⑦リソソーム、ペルオキシソーム
 5.細胞を取り巻く細胞膜の構造と機能
    ①細胞膜の構造
    ②細胞膜の機能
3章 何が細胞の形や機能を決めているか
 1.形質を決めているものを求めて
    ①DNAの発見
    ②染色体地図
    ③遺伝子はタンパク質をコードしている
    ④遺伝子の本体はDNAだ
       ❶グリフィスの実験
       ❷アベリーの実験
       ❸バクテリオファージを使った実験
 2.遺伝子としてのDNA
    ①DNAの化学的性質の研究
    ②ワトソン・クリックのモデル
    ③遺伝の暗号はどう解読されたか
       ❶DNAからタンパク質への流れ
       ❷遺伝の暗号と突然変異
 3.DNAからタンパク質へ①(転写)
    ①転写の過程
       ❶RNA
       ❷RNAポリメラーゼ
       ❸プロモーターと転写の開始点
       ❹プロセシング
       ❺転写の調節
    ②リボソームとtRNA
       ❶リボソーム
       ❷tRNAの構造
       ❸tRNAにアミノ酸を付加する
 4.DNAからタンパク質へ②(翻訳)
    ①リボソーム表面上にあるさまざまな結合部位
    ②翻訳の過程
       ❶翻訳の開始
       ❷ペプチドの伸長
       ❸翻訳の終了
       ❹翻訳は次々と起こる
    ③合成されたタンパク質の行方
 5.タンパク質の構造と機能(形と機能の裏腹な関係)
    ①ヘモグロビンの形
       ❶ヘモグロビンの一次構造
       ❷ヘモグロビンの二次構造
       ❸ヘモグロビンの三次構造
       ❹ヘモグロビンの四次構造
    ②ヘモグロビンのはたらき
    ③ヘモグロビンの変質
       ❶たくさんあるヘモグロビン変異
       ❷鎌形赤血球貧血症
       ❸アミノ酸の配列の重要性
4章 細胞が生きて活動していくために
 1.何をするにもエネルギー(ATPの産生)
    ①ATPって何?
       ❶生物の活動とエネルギー
       ❷エネルギーの受け渡し(共役反応)
       ❸水素の受け渡し
    ②エネルギー獲得の概観
    ③解糖はサイトソルで
       ❶投資の過程
       ❷利益回収の過程
    ④解糖の過程を動かし続けるために
    ⑤ミトコンドリアで営まれる効率的なエネルギー生産
       ❶TCA回路
       ❷電子伝達系・ATP合成酵素(酸化的リン酸化)
       ❸複合体とATP合成酵素の配置
 2.葉緑体による光エネルギーの固定
    ①グルコース産生は燃焼の逆反応?
    ②光電子伝達系
    ③炭素同化反応
    ④太陽の恵みと動物と植物の深い関係
 3.代謝経路のネットワーク
    ①代謝経路とは
    ②酵素タンパク質
    ③補酵素の必要な酵素
    ④タンパク質以外の物質の合成
    ⑤代謝の調節
    ⑥代謝経路のネットワーク
5章 タンパク質が細胞のさまざまな活動を担う
 1.タンパク質のさまざまな機能(酵素、運搬、ホルモン、受容体、細胞骨格)
    ①膜輸送タンパク質
       ❶チャネルタンパク質
       ❷運搬体タンパク質
    ②ホルモンタンパク質
    ③受容体タンパク質
 2.細胞は動く
    ①アクチンフィラメント
    ②微小管
       ❶鞭毛打
       ❷鞭毛モーター
    ③筋収縮
       ❶骨格筋の構造
       ❷滑り込みによる収縮
       ❸収縮の引き金
 3.タンパク質はDNAへはたらきかける
    ①オペロン説
    ②真核生物の場合
 4.細胞膜に埋め込まれた膜タンパク質の重要な機能
    ①細胞膜の構造
    ②グルコーストランスポターとアクアポリン
    ③接着タンパク質
6章 多細胞生物への道①(細胞間の情報交換)
 1.細胞は集まって
    ①細胞同士のつきあい方-多細胞生物の場合は
       ❶密着結合
       ❷接着結合
       ❸デスモソーム結合
       ❹ギャップ結合
    ②細胞間の結合の役割
 2.細胞間の情報交換の方式
 3.ホルモンと受容体で情報を伝える
    ①信号分子としてのホルモン
    ②水溶性ホルモン受容体の種類
    ③Gタンパク質共役型受容体のの場合-グルカゴンが作用するしくみ
       ❶信号はまず受容体に結合する
       ❷信号は細胞内へ伝えられGタンパク質を活性化する
       ❸Gタンパク質はアデニル酸シクラーゼを活性化する
       ❹アデニル酸シクラーゼはCAMPを産生する
       ❺CAMPはCAMP依存性タンパク質キナーゼを活性化する
    ④酵素共役型受容体の場合-インスリンの作用するしくみ
    ⑤骨格筋における代謝-受容体の有無による作用の違い
    ⑥もうひとつのGタンパク質の共役型受容体
       ❶細胞内Ca2+の重要性
       ❷イノシトール三リン酸の産生
       ❸IP3は貯蔵部からCa2+を放出する
       ❹ジアシルグリセロールはタンパク質キナーゼを活性化する
       ❺CAMP系とIP3-Ca2+系は相互に関係しあう
 4.信号分子による転写の調節(細胞外から遺伝子への情報伝達)
    ①ステロイドホルモンと受容体
    ②ステロイドホルモン受容体複合体は遺伝子の転写を制御
    ③ステロイドホルモンの作用のしかた
 5.イオンチャンネル連結型受容体を介して情報伝達
    ①神経系による情報伝達
    ②アセチルコリン受容体
7章 多細胞生物への道②(細胞の数を増やす)
 1.DNAの複製
    ①細胞の数を増やす
    ②DNAはどのように複製されるのか
    ③DNA複製の過程
 2.細胞周期と体細胞分裂
    ①細胞周期
    ②体細胞分裂の過程
       ❶前期
       ❷中期
       ❸後期
       ❹終期
       ❺細胞質分裂
 3.細胞周期の調節
    ①チェックポイント
    ②サイクリン依存性キナーゼとサイクリンの発見
 3.突然変異とDNAの修復機構
    ①突然変異
       ❶遺伝子突然変異
       ❷染色体突然変異
       ❸体細胞突然変異と生殖細胞突然変異
    ②突然変異が起こる原因
    ③DNAの誤りを正す
       ❶DNA複製の過程での誤りを修復する
       ❷DNAの傷を修復する
8章 多細胞生物への道③(個体の数を増やす・発生と分化)
 1.減数分裂(次の世代をつくるために)
    ①生殖と繁殖
    ②減数分裂とは
    ③減数分裂の過程
       ❶前期Ⅰ(減数分裂Ⅰの前期、以下同じ)
       ❷中期Ⅰ
       ❸後期Ⅰ
       ❹終期Ⅰと細胞質分裂
       ❺前期Ⅱ
       ❻中期Ⅱ
       ❼後期Ⅱ
       ❽終期Ⅱと細胞質分裂
    ④減数分裂による遺伝的多様性
 2.生殖細胞の形成
    ①性とは
    ②精子形成
    ③卵形成
 3.受精
    ①先体反応
    ②多精拒否機構
    ③卵の賦活(活性化)
 4.初期発生と器官形成
    ①発生とは
    ②ウニの初期発生
    ③カエルの初期発生
    ④鳥類の初期発生
    ⑤哺乳類の初期発生
    ⑥器官形成
 5,始原生殖細胞と性分化
    ①極細胞、始原生殖細胞
    ②生殖腺へ
 6.細胞間のコミュニケーションによる分化のしくみ
    ①誘導・分化・拘束
    ②種によって異なる卵での指定の時期
    ③体軸の決定
       ❶ショウジョウバエの体軸の決定
       ❷母親由来のmRNA
       ❸分節遺伝子
    ④ホメオポックス
       ❶ホメオティック突然変異
       ❷ホメオポックス、ホメオドメイン
       ❸ニワトリ前肢の発生にみるホメオティック遺伝子
9章 個体を守る免疫のシステム
 1.病原体から身を守る
 2.植物の生体防御機構
    ①植物の第一防衛ライン
    ②植物の第二防衛ライン
       ❶感染を検知する
       ❷感染に対応する
       ❸感染部位の拡大を防ぐ
       ❹植物体の他の部位でも抵抗性が誘導される(全身獲得抵抗性)
 3.無脊椎動物の生体防御機構
    ①無脊椎動物の第一防衛ライン
    ②無脊椎動物の第二防衛ライン
       ❶細胞性反応
       ❷液性反応
 4.ヒトの生体防御機構(第一防衛ライン)
 5.ヒトの第二防衛ライン(自然免疫)
    ①血球細胞の種類
    ②免疫にかかわる膜タンパク質
       ❶Toll様受容体
       ❷MHCクラスⅠタンパク質
       ❸MHCクラスⅡタンパク質
       ❹T細胞受容体(TCR)
       ❺B細胞受容体(BCR)
       ❻CD4とCD8
    ③貪食細胞の活躍
    ④貪食と並行して起こること
    ⑤ナチュラルキラー細胞の活躍
 6.ヒトの第三防衛ライン(獲得免疫)
    ①第二防衛ラインから第三防衛ラインへの橋渡し
    ②獲得免疫の概要
    ③獲得免疫にはリンパ球が関与する
    ④リンパ系器官
    ⑤免疫応答
 7.抗体による攻撃(体液性免疫)
    ①抗体分子の構造
    ②抗体には種類がある
    ③抗原とは
    ④抗体の多様性はどうして生ずるか
       ❶抗体の遺伝子は組換えを起こす
       ❷抗体遺伝子の再構成のしくみ
 8.細胞傷害性T細胞による攻撃(細胞性免疫)
    ①MHCタンパク質
    ②細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)
    ③T細胞受容体
 9.免疫機能の制御と記憶、訓練など
    ①ヘルパーT細胞は獲得免疫の司令塔
       ❶マクロファージのさらなる活性化
       ❷キラーT細胞の活性化
       ❸B細胞の活性化
    ②記憶細胞
    ③胸腺での訓練
    ④免疫グロブリンスーパーファミリー
 10.もうひとつの獲得免疫
10章 生きること,死ぬこと(細胞の再生と死,個体の死)
 1.細胞の再生
    ①細胞再生の違いによる細胞の分類
    ②幹細胞による細胞再生系
    ③分化した細胞
    ④細胞分裂に限りはあるのか
       ❶テロメア
       ❷テロメラーゼ
 2.細胞が死ぬとき
    ①ネクローシスとアポトーシスの違い
    ②アポトーシスの起こるとき
    ③アポトーシスの共通経路
    ④アポトーシスの引き金
       ❶細胞外から引き金が引かれる場合
       ❷細胞内で引き金が引かれる場合
 3.老化・寿命と遺伝子の関係
    ①ヒトの老化は規格外?
    ②早老症
       ❶ハッチンソン・ギルフォード症候群
       ❷ウエルナー症候群
    ③再び老化とは
 4.がんを含むさまざまな病気とその原因
    ①病気の定義
    ②遺伝子の変異による病気
       ❶血友病
       ❷遺伝子の変異と病気
    ③病原体による病気
       ❶外毒素による病気
       ❷内毒素による病気
    ④がん
       ❶がん遺伝子
       ❷がん抑制遺伝子
       ❸がん化へのステップ
    ⑤その他の病気
11章 個体としてのまとまり(外部環境を認識し,内部環境を調節する)
 1.内部環境を一定に
    ①外部環境と内部環境
    ②ホメオスタシスの機構
       ❶体温調節のしくみ
       ❷水代謝のしくみ
    ③制御中枢の必要性
 2.制御中枢による情報の処理と調節
    ①ニューロン
    ②ニューロンのはたらき
       ❶静止した状態
       ❷活動状態
       ❸活動部位の発生場所
       ❹伝導
       ❺伝達
    ③グリア細胞
       ❶グリア細胞の種類
       ❷グリア細胞の機能
    ④神経系の発達
       ❶神経系の進化
       ❷脊椎動物の神経系
       ❸ヒトの中枢神経系
       ❹ヒトの骨髄と脊髄神経、脳神経
       ❺脳の部位局在性
       ❻反射
       ❼ヒトの末梢神経系
    ⑤内分泌系の中枢
 3.動物の行動
    ①生まれつき備わった行動
       ❶内的行動プログラムと信号刺激
       ❷生得的行動の修飾
    ②学習や知能によって獲得される行動
       ❶行動の可能性
       ❷アメフラシでの研究
       ❸Gタンパク質共役型受容体が感度の強化にはたらく
       ❹神経伝達物質に関する補足
 4.感覚器官と感覚の受容
    ①感覚の種類
    ②機械的刺激の変換
       ❶耳の構造
       ❷有毛細胞
       ❸前庭感覚
       ❹聴覚
    ③化学的刺激の変換
       ❶眼の構造
       ❷光学受容細胞
       ❸光を受容すると
       ❹味と匂い
12章 生物の進化と多様性
 1.個体の生きる場所(多様な環境に適応して生きる)
    ①多様な生物を支える多様な生態圏
    ②個体群密度
       ❶個体群密度を規定する要因
       ❷個体群成長のモデル
       ❸成長を抑制する因子
       ❹人類の成長
 2.進化と多様性の創出
    ①進化は個体群で起こる
    ②ハーデイー・ウインベルグの法則
       ❶遺伝子頻度
       ❷法則の意味
    ③実際の個体群は遺伝子平衡ではない
    ④ランダムな変異を方向づける
       ❶蛾の工業暗化
       ❷自然選択の種類
       ❸性選択
    ⑤中立的な突然変異と遺伝的浮動
       ❶分子進化の中立説の提唱
       ❷分子進化の中立説を支持する証拠
       ❸遺伝的浮動による突然変異の固定
    ⑥漸進説、種分化、小進化
    ⑦断続平衡説、大進化
 3.地球上の生物多様性を守るために
    ①なぜ生物の多様性か
    ②生物の多様性とは
       ❶遺伝子レベルの多様性
       ❷種レベルの多様性
       ❸群衆と生態系レベルの多様性
    ③生物多様性消失の要因と多様性の保全

次へ前へTOP 18.ウイルスとは ウイルスの種類、ウイルスの増殖、ウイルスと細菌

TOP

ウイルスとは

TOP
ウイルスは、他生物の細胞を利用して自己を複製させる、極微小な感染性の構造体で、
タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなる
自力で増えることができず、動植物の細胞を借りて子孫を増やす最小単位のもの
ウイルスは1930年代に電子顕微鏡が用いられるようになったことで観察が可能になり、
その存在が知られるようになった

TOPウイルス発見の歴史TOP
1798年 牛痘の接種によって天然痘を予防する方法が確立された
1885年 病原体を弱毒化する方法を工夫して狂犬病ワクチンがつくられた
1892年 濾過性病原体としてウイルスが発見された
1898年 世界で最初に発見されたウイルスは「タバコモザイクウイルス」です
1915年 バクテリアに感染するウイルス(バクテリオファージ)が発見された
1935年 タバコモザイクウイルスの結晶化に成功
1938年 電子顕微鏡を用いてタバコモザイクウイルスの可視化に成功
1989年 家畜の口蹄疫が濾過性であることを発見(動物ウイルスの最初の発見)
2003年 ミミウイルス(巨大ウイルス)が発見された

ロベルト・コッホがまとめた、感染症の病原体を特定する際の指針
1.ある一定の病気には一定の微生物が見出されること
2.その微生物を分離できること
3.分離した微生物を感受性のある動物に感染させて同じ病気を起こせること
4.そしてその病巣部から同じ微生物が分離されること

ウイルス発見の歴史:病原体→濾過性病原体→ウイルス

TOPオベリスク発見に関する論文TOP

 2024年、今回見つかった "ウイロイドのようなもの" は、ウイロイドと比べてかなり大きい
 ウイロイドに類似した存在が、植物以外に感染したことを示している初の事例です

 約3万種類の環状RNA群に、
 ①ウイルスにしては小さく、ウイロイドにしては大きいゲノムサイズ、
 ②古代エジプトの巨大な尖塔を彷彿とさせる、棒状で(ウイロイドと比べて)大きな外見、
 ③ウイロイドとは異なる新しいタンパク質を構築するための設計図(コード)を持つ、
 という共通の特徴を見出しました

 発見した環状RNA群は、ウイロイドや小さいサイズのウイルスとは全く別の存在」と考え、
 「オベリスク(Obelisk;尖塔)」と名付けました
 「オベリスク」は既知のタンパク質に似ていないタンパク質を生成することができます
 ③の新しいタンパク質をコードする領域はオベリスクRNAの約半分を占めているため、
 作り出されるタンパク質を「オブリン (Oblin)」と命名しました
 オブリンは、オベリスクの複製を担う重要なタンパク質と示唆されると言います

この研究論文はまだプレプリントの状態なので、正式な査読を受けておらず、内容が妥当か未検証です

TOP

ウイルスの種類

TOP
種類ゲノム・核酸科/ウイルス例感染症
DNAウイルス二本鎖DNA
dsDNA
ヘルペスウイルス口唇ヘルペス
性器ヘルペス
水痘、帯状疱疹
アデノウイルス咽頭結膜炎
ポックスウイルス天然痘
一本鎖DNA
ssDNA
バクテリオファージ多くが細菌に感染する
RNAウイルス二本鎖RNA
dsRNA
ロタウイルスA〜E型乳幼児に感染して下痢症状
一本鎖(+)鎖RNA
ss(+)RNA
SARS‐CoV‐1SARS(コロナ)
SARS‐CoV‐2COVID-19(新型コロナ)
風疹ウイルス風疹
コクサッキーウイルス手足口病
ポリオウイルス小児麻痺
A型肝炎ウイルスA型肝炎
デングウイルスデング熱
黄熱ウイルス黄熱
C型肝炎ウイルスC型肝炎
日本脳炎ウィルス日本脳炎
E型肝炎ウイルスE型肝炎
ノロウイルス感染性胃腸炎
一本鎖(-)鎖RNA
ss(-)RNA
麻疹ウイルス麻疹
狂⽝病ウイルス狂犬病
エボラウイルスエボラ出血熱
A〜D型インフルエンザウイルスインフルエンザ
ムンプスウイルスおたふく風邪
逆転写ウイルス一本鎖(+)鎖RNA(RT)
ss(+)RNA(RT)
レトロウイルスHIV(AIDS)
二本鎖DNA(RT)
dsDNA(RT)
B型肝炎ウイルスB型肝炎
カリモウイルスカリフラワーモザイク
(注)感染症法上の1類~5類該当のウイルスは上記以外にもありますが、省略しています
ウイルスは、DNAとRNAのどちらか一方しか持っていない
DNAウイルスは安定した構造のため、変異スピードが遅い
RNAウイルスは不安定な構造のため、変異スピードが速い(突然変異が起こりやすく進化が速い)
   RNAは一般に一本鎖であることもあってDNAよりも不安定な物質です
   また、DNAポリメラーゼに備わっている校正機能がRNAポリメラーゼにはないため、
   変異が起こったときに復元も困難です
   そのため、RNAウイルスのほうがDNAウイルスよりも変異頻度が高い
   インフルエンザウイルスは常にこの変異が起こっており、人の1000倍の確率で起こっている
   といわれています
   (通常は小規模の変異が、数十年に一度、大規模な変異を起こすことがあります)
   (+)鎖:一本鎖RNAがmRNAと同じ塩基配列であり、
       宿主細胞の蛋白質合成機能を利用してウイルス蛋白質を合成
   (-)鎖:一本鎖RNAがmRNAと相補的な塩基配列であり、ウイルス
       が持ち込んだRNA合成酵素でまずmRNAを合成したのち、
       宿主細胞の蛋白質合成機能を利用してウイルス蛋白質を合成

TOPウイルスの7つの分類TOP
二本鎖DNAウイルス:このウイルスは、感染すると多くの場合細胞の核に移行し、
    宿主の複製機構を使って増殖します
    宿主のRNAポリメラーゼを使ってmRNAを作り、ウイルス蛋白質を産生します
    dsDNA→mRNA
一本鎖DNAウイルス:自らのゲノムであるDNAを鋳型に二本鎖DNAを作った後に、
    ウイルスの複製を開始します
    ssDNA→dsDNA→mRNA
二本鎖RNAウイルス:プラス鎖のRNAがmRNAとなりウイルス蛋白質を作ります
    自らが持つRNA依存性RNAポリメラーゼを用いて粒子内で複製を行います
    dsRNA→ss(±)RNA、ss(+)RNA=mRNA
一本鎖RNAウイルスプラス鎖:ゲノム本体そのものがmRNAとして働き、
    ウイルス蛋白質を作り出します
    細胞質内で自らが持つRNA依存性RNAポリメラーゼで複製します
    ss(+)RNA=mRNA
一本鎖RNAウイルスマイナス鎖:まず本体であるゲノムRNAを鋳型にmRNAを作り、
    このmRNAからウイルス蛋白質を作ります、多くの場合、細胞質で複製を行います
    ss(-)RNA→ss(+)RNA=mRNA
一本鎖RNAウイルスプラス鎖逆転写:本体であるプラス鎖RNAを逆転写し、
    二本鎖DNAを作り、宿主のゲノムに組み込まれます
    ゲノムに組み込まれたDNAからmRNAを作り、ウイルス蛋白質を産生します
    ss(+)RNA-RT→dsDNA→mRNA
二本鎖DNAウイルス逆転写:二本鎖DNAではあるが、いったんRNAを作り、
    そのRNAを逆転写することでDNAを作って自らを複製していきます
    RNA-RT→ss(-)DNA→dsDNA-RT→dsDNA→mRNA
(RT):逆転写酵素をもつ(転写:DNA→RNA、逆転写:DNA←RNA)

TOPエンベロープTOP
エンベロープを持つウイルス(エンベロープウイルス)としては、
   インフルエンザウイル、コロナウイルス、日本脳炎ウィルス、ヘルペスウイルス、
   風疹ウイルス、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス(おたふく風邪)、エイズウイルス、
   エボラウィルス(エボラ出血熱)、B型、C型肝炎ウイルス、デングウイルス(デング熱)、
   黄熱ウイルス、天然痘ウイルス、など
エンベロープを持たないウイルス(ノンエンベロープウイルス)としては、
   ロタウイルス、アデノウイルス(咽頭結膜炎)、A型、E型肝炎ウイルス、
   ポリオウイルス(小児麻痺)、コクサッキーウイルス(手足口病)、ノロウイルス、など
   エンベロープを持たないウイルスは裸のウイルスあるいは「ヌクレオカプシド」と
   呼ばれる
   カプシド(キャプシド)と核酸を合わせたものを「ヌクレオカプシド」と呼びます
エンベロープを借り受けるウイルス
   D型肝炎ウイルスは単独で感染することはなく、
   必ずB型肝炎ウイルスと一緒に感染することです
   B型肝炎ウイルスがいないところにはD型肝炎ウイルスもいません
   D型肝炎ウイルス粒子にはエンベロープという呼ばれる「殻」があります
   しかし、ウイルスはこの殻の遺伝情報を持っていません
   実はD型肝炎ウイルスの殻は、B型肝炎ウイルスの殻を拝借したものです
   B型肝炎ウイルスが感染した細胞では殻が合成されており、
   D型肝炎ウイルスはちゃっかりとこの殻だけ利用しているのです
   いわば、B型肝炎ウイルスに寄生していると言えます
         エンベロープを借り受けるD型肝炎ウイルス
         エンベロープを貸し出すB型肝炎ウイルス

TOP逆転写TOP
RNA(リボ核酸)からDNA(デオキシリボ核酸)を合成することを逆転写という
    DNA←─RNA
       逆転写  
   レトロウイルスは逆転写酵素を働かせて自分のRNAからDNAをつくり、
   これを宿主細胞のDNAの中に無理やり押し込む
 宿主細胞      レトロウイルス
           一本鎖RNAプラス鎖
             ↓逆転写
           二本鎖DNA
             ↓宿主細胞のDNAに組み込む
┌──────────────────────────┐
宿主DNA内在性レトロウイルス(DNA)宿主DNA
│        (=プロウイルス)         │
│核                         │
└──────────────────────────┘
内在性レトロウイルス:レトロトランスポゾンの一種
    ウイルス遺伝子に長い年月をかけて欠損や変異が蓄積することで本来の機能が
    消失したと考えられている古代のレトロウイルス
レトロトランスポゾン:DNA→RNA→DNAと転写逆転写を繰り返してゲノム中で
転移・増殖する
             レトロトランスポゾン
          ┌────┬────┬──────────────┐
    染色体DNA│    │////////│              │
          └────┴────┴──────────────┘
                 ↓転写 
               ┌────┐
            RNA│////////│───────┐
               └────┘  逆転写  │
             レトロトランスポゾン     ↓
          ┌────┬────┬────┬────┬────┐
    染色体DNA│    │////////│    │////////│    │
          └────┴────┴────┴────┴────┘
                       レトロトランスポゾン   

TOPウイルスの大きさTOP
10-9m   10-8m   10-7m   10-6m   10-5m   10-4m   10-3m 
─┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┼─
 1nm   10nm   100nm   1μm    10μm   100μm   1mm
 ↑ 10分の1 ↑ 10分の1 ↑ 10分の1 ↑ 10分の1 ↑ 10分の1 ↑ 10分の1 ↑ 
─┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┼──────┼─
          ウイルス        細菌  真菌  ヒト細胞             
1pm:1兆分の1m 素粒子<原子<分子          小さすぎて見えない
1nm:10億分の1m ノロウイルス<インフルエンザウイルス 電子顕微鏡で見える ≧0.2nm
1μm:100万分の1m 巨大ウイルス<細菌<ヒトの細胞<ダニ 光学顕微鏡で見える ≧0.2μm
1mm:1000分の1m ほこり<米粒             肉眼で見える≧0.1~0.2mm

TOPウィルスの基本構造TOP
遺伝子の核酸(DNA/RNA)を中心にして、その周囲が蛋白の殻(カプシド)で包まれている
     カプソメア(カプソマー)というサブユニットが集合してカプシドを形成する
     カプソメアのさまざまな配置による形状は、1)正20面体、2)らせん状、3)複合体
正20面体:核酸+カプシド=ヌクレオカプシド
      外観が正20面体のカプシドの断面は正6角形

                ○      ┐
               ○  ○    │
             ○     ○   │
            ○        ○ │
            ○        ○ │
      カプソメア→○   核酸   ○ ├─ヌクレオカプシド
            ○        ○ │
            ○        ○ │
             ○     ○   │
               ○  ○    │
                ○      ┘
らせん状:核酸はらせん構造をもつ管状の蛋白カプシドによって取り囲まれている
     カプシドのタンパク質が、らせん状に積み重なっている
             ┌─────┐
             ├─────┤
             ├─────┤
             ├─────┤
             ├─────┤←中の核酸もらせん状になっている
             ├─────┤
             ├─────┤
             ├─────┤
             └─────┘
             ┌糖蛋白の突起(スパイク)で被われるものもある
ウィルスの種類によっては─┤
カプシドの外側にさらに、 └脂質と糖蛋白から成るエンベロープ(脂質二重膜)が存在する
              さらに、エンベロープの表面が、糖蛋白の突起(スパイク)で被わ
              れるものもある
ミミウイルス(巨大ウイルス)の場合、DNAコアを囲む脂質二重膜、三層のカプシドと表面繊維
核酸      :DNA/RNA、一本鎖/二本鎖、環状/線状、分節状
カプシド    :核酸を保護・調節する蛋白、多くは20面体
エンベロープ  :ウイルスの一部はカプシドの外に細胞膜・核膜様の構造をもつ
スパイク    :ウイルスの一部は表面に突起、それが細胞への結合
ヌクレオカプシド:遺伝子の核酸と核酸を包むタンパク質(カプシド)の総称
ビリオン    :細胞外におけるウイルスの状態であり、完全な粒子構造を持ち、
         感染性を有するウイルス粒子のことをいう
ウイルス粒子  :ウイルスは細胞外では粒子構造を取る

TOPウイルス粒子の代表的な形状TOP
(カプシドの形態による分類)
裸の正20面体カプシド         :正20面体ウイルス :アデノウイルス       
エンベロープを被った正20面体カプシド :球状ウイルス   :コロナウイルス       
エンベロープを被ったらせん型カプシド :卵形ウイルス   :インフルエンザウイルス   
裸のらせん型カプシド(管状/桿状)  :ひも状ウイルス  :エボラウイルス       
                    棒状ウイルス   :タバコモザイクウイルス   
バクテリオファージ:細菌に感染して細菌を破壊するウイルス                
          正20面体のカプシドを頭部とした月着陸船のような形(足は6本)    
ポックスウイルス科:明瞭なカプシドをもたず、                      
          核酸の周りをいくつかの外膜coatがとりまいて複雑な構造をしている   
外観が正20面体のカプシドの断面は正6角形、正20面体の1面は正3角形           

TOPウイルスの起源(3つの仮説)TOP
独立起源説細胞とは無関係にウイルスができた
   細胞または生物が出現する前の時代の面影をとどめたもの
   核酸(DNA又はRNA)がカプシドを獲得してウイルスになった
細胞起源説細胞の一部がウイルスへ
   細胞から逃亡した遺伝因子(DNA又はRNAが独立)
   細菌がもっていた自己複製因子(環状の小さなDNAであるプラスミド)が飛び出して
   ウイルスになった、植物細胞で散見されるウイロイドというRNAも自己複製が可能です
細胞退化説細胞からウイルスへ
   細菌のような、ウイルスより大きな病原微生物が退化した子孫
   タンパク質をつくるリボソームまで捨ててどんどんミニマリスト化した

TOPウイルスの人への感染に至るまでTOP
生物の生化学反応やウイルスなどの病原体感染は膨大な数や膨大な回数にささえられているようです
細胞内で遺伝子が複製され、タンパク質が合成されていく生化学反応も水分子の熱運動による偶然の
結果です
水分子に押された遺伝子と酵素が何度も偶然にぶつかっり、くっついた瞬間に生化学反応が起こって
います
ウイルスが宿主にたどりつけるかは運任せ
   口から飛び出した何千万~何億と言うウイルスのうち人の体内に達するのはごくわずか
   ウイルスが生きているうちにたまたま取り付いた細胞が、自分が感染できる細胞かどうかは
   偶然まかせです(インフルエンザウイルスは気道上皮細胞)
さらなる偶然を経て細胞に吸着
   ウイルスの鍵(スパイク)が細胞膜の特定のタンパク質の鍵穴に合致しないと吸着できません
   ウイルスは水分子の熱運動(ブラウン運動)に押されて非常に細かく振動しながら何回も
   トライして、カチッと一瞬くっついた瞬間に吸着が成立します

TOPウイルスの伝播経路TOP
垂直伝播 … 母子感染(経胎盤、経母乳、経産道感染など)、世代を超えたウイルス伝播、
       親から子へと同じ種の中で伝わる
水平伝播 … 経口感染、飛沫感染、接触感染、媒介物感染など、同世代、同一集団内での
       ウイルス伝播
       他の生物種へ遺伝子が移動する:あるウイルスからある生物へ遺伝子が移動
       他の生物から遺伝子を取り込む:ある生物からあるウイルスへ遺伝子が移動
       ウイルスは種をまたぐ「遺伝子の運び屋(ベクター)」
~~~~  親

          ↓垂直伝播
~~~~  子

         |
     垂直伝播| ┌─────────~~~~~
         ↓ ↓ 水平伝播  ほかの生物の遺伝子
~~~~   

TOPウイルスの増殖TOP
人への感染と増殖の方法(一般的なDNAウイルスの増殖様式)
ウイルスは単独では増殖できないので、人の細胞の中に侵入し増殖する(他者を使った自己増殖)
宿主細胞にとりつく ①吸着→➁侵入→➂脱殻→④合成→⑤成熟→⑥放出 子ウイルスが飛び出す
                     └─┬─┘
                    細胞の機能(セントラルドグマ)を使う
                   ★セントラルドグマの詳細はこちら→セントラルドグマ

 ①細胞のレセプターに吸着:ウイルスの受容体(レセプター)を持つ細胞にのみ吸着できる 
   ↓ウイルス表面のスパイクが宿主の細胞表面の受容体(レセプター)に結合し細胞に吸着   
 ➁細胞内に侵入(ウイルスはそれぞれ侵入できる細胞が決まっている) 
   ↓細胞に食べられる(細胞内に取り込む)ことでウイルスが細胞内に侵入します  
   ↓エンベロープを持つウイルスは、宿主細胞膜と融合することで細胞へ侵入します 
   ↓あるいは融合せずにエンベロープごと細胞膜に覆われて侵入します       
 ➂脱殻:エンベロープとカプシドが取り除かれる     
   ↓タンパク質の殻を壊し遺伝子を細胞質内に放出                
 ④ウイルスの核酸が細胞の核に入り、ウイルスの姿が見えなくなる(暗黒期)     
   ↓放出された遺伝子を元に細胞の機能を使って核酸を複製しタンパク質を合成 
 ⑤宿主細胞の核内で複製された核酸と合成されたタンパク質から子ウイルスを組立 
   ↓一度に数が増える(細胞1個当たり10万個のウイルス):ウイルスの成熟 
 ⑥成熟したウイルスがたまると、細胞膜を壊して細胞外へ放出  
    エンベロープウイルスは細胞を壊さずにカプシドを細胞膜で包み込む出芽 
    バクテリオファージの場合は細胞を溶かすので溶菌という 
 バクテリオファージは細菌に吸着すると侵入・脱殻を一気に行う           
  … 硬い細胞壁を突き抜けて自分のDNAを注射するように注入する        


[①吸着]         ウイルスが受容体と結合
                  ↓
       細胞膜がウイルスを包み込むようにして陥没して袋を形成
                  ↓
[➁侵入]  被覆小胞として取り込まれたウイルスは細胞内部に運ばれる
                  │   (エンドサイトーシス)
[➂脱殻]      被覆小胞が破れ、↓
          カプシドが破れてRNAが放出される
                  │
            ┌─────┴─────┐
            ↓           ↓
[④合成]  リボソームで複製されたRNA リボソームで合成
            │           │
            │     ┌─────┴──────┐
            │     ↓            ↓
            │ カプシドタンパク質    スパイクタンパク質
            │     │            ↓
            └──┬──┘           小胞体
               ↓               ↓
[⑤組立]      カプシド内にRNA収納         ゴルジ体
               │               ↓
               │              細胞膜
               │               │
               └───────┬───────┘
                       ↓
[⑥出芽]       スパイクのついた細胞膜がカプシドを包み込んで出芽する
---------------------------------------------------------------------------------------
DNAウイルス(DNAしか持たないウイルス)
   増殖の際に一度RNAに変換してからタンパク質を作る
   細胞のDNA合成に関わる酵素を利用しゲノムを複製するので、
   ボックスウイルスのような自分自身のDNA合成酵素を持つもの以外は、核の中で増殖する
RNAウイルス(RNAしか持たないウイルス)
   RNAが遺伝子の役目を兼務しつつタンパク質をつくり増殖する
   RNA合成酵素はウイルスRNAを鋳型として細胞質で作られ、且つ、機能する
   従って、RNAウイルスは原則として細胞質で増殖する
   RNAウイルスとは、ゲノム複製や遺伝子発現に際してDNAが関与しないウイルスを意味
   するものでレトロウイルスは含まない
ミトコンドリアに感染するミトウイルス
   たった1つの遺伝子しか持たないプラス鎖1本鎖RNAウイルス
   (コードするタンパク質は1種類)
   カプシドを持たない裸の核酸なので他の細胞に感染せず、宿主細胞の分裂に合わせて拡がる
   主に菌類のミトコンドリアに感染するが、中には植物のミトコンドリアに感染するものもいる
ウイルス以外の生物ではない病原体
ウイロイド(RNAしか持たない、ウイルスより小さい病原体)
   裸の核酸(短い環状の一本鎖RNA)のみで構成される病原体で、植物にしか感染しない
   裸の核酸=カプシドを持たない裸の核酸
プリオン(異常プリオン)は、感染性のタンパク質で遺伝子を持っていません
   ヒツジのスクレイピー、ウシの狂牛病、ヒトではクロイツフェルト・ヤコブ病の原因となる
   タンパク質は、特定の形に折り畳まれています
   この折り畳まれた状態になって初めて、機能を発揮することができます
   タンパク質が正常に機能するには、
   数珠つなぎになったアミノ酸が正しく折り畳まれなければなりません
   この折り畳みをフォールディングといいます
   異常プリオンは、折り畳みがうまくいかずにミスフォールドしたものです
   正常なタンパク質が変形して(異常な形に折り畳まれ)、異常なプリオンになります

TOPウイルスの増殖を食い止める免疫TOP
主な免疫細胞:ヘルパーT細胞、マクロファージ、NK細胞、樹状細胞、B細胞、キラーT細胞、
   好中球ヘルパーT細胞:B細胞やキラーT細胞に攻撃の指令を出す、免疫システムの司令塔
   マクロファージ:異物を取り込み消化する(体内の掃除役)、T細胞に異物の情報を伝える
   NK細胞   :ウイルスに感染した細胞を見つけ出し破壊する
   樹状細胞   :異物を取り込み、その情報をT細胞に伝える抗原提示細胞であり、
           食作用も持つ
   B細胞    :ウイルスや細菌を無毒化する抗体をつくり放出する
           一部は将来に備えて作った抗体を記憶する
   キラーT細胞 :ウイルスに感染した細胞を攻撃し破壊する
   好中球    :細菌やウイルスを取り込み酵素や活製酸素で破壊する細胞
  (好酸球    :寄生虫など大型の異物を酵素などで攻撃する)
食細胞:マクロファージ、樹状細胞、好中球 … 細菌など異物を食べる
           ウイルスは小さすぎて侵入してしまう
抗原提示細胞:マクロファージ、樹状細胞
潜伏期間が長いウイルスに感染すると免疫機能が落ちてしまい、免疫システムに必要な細胞が減少
していく

第一段階の免疫システム
   NK細胞はウイルスに感染した細胞を見つけ出し破壊する
   感染細胞からはインターフェロンが分泌される
   インターフェロンが未感染の細胞に届くと未感染細胞でRNA分解酵素などが活性化される
   活性化されたRNA分解酵素はウイルスが細胞内に侵入してRNAを放出したときに
   それを分解する働きを持つ
   遺伝情報であるRNAが分解されてしまえばカプシドやスパイクのタンパク質が
   作り出せないのでウイルスは増殖できない

第二段階の免疫システム
   樹状細胞がヘルパーT細胞(リンパ球)に侵入してきたウイルスの情報を提示する
   ウイルスの情報を得たヘルパーT細胞はB細胞をプラズマ細胞と言う細胞に変化させる
   そしてこのプラズマ細胞がそのウイルスに結びつく抗体を産生する
   抗体は免疫グロブリンとよばれるタンパク質からなりY字形をしている
   Y字の先端部分はそのウイルスの形に合わせたそのウイルス専用に作られる
   そのためウイルス表面と受容体が鍵と鍵穴の関係で結合したように
   ウイルス表面と抗体の先端部分が結合する
   表面に抗体が結合したウイルスは受容体に結合できなくなったり、
   細胞膜と融合できなくなったりするため細胞内で増殖不可能となる
   しかしすでに感染してしまった細胞には抗体はあまりはたらかない
   このような感染細胞は活性化されたキラーT細胞により破壊される
   このキラーT細胞を活性化するのも樹状細胞だが、活性化には
   ヘルパーT細胞も重要な役割を果たす

NK細胞とインターフェロンによる第一段階の免疫は「非特異的免疫(自然免疫)」、
抗体とキラーT細胞による第二段階の免疫は「特異的免疫(獲得免疫)」と呼ばれる
   自然免疫で活躍する免疫細胞:NK細胞、マクロファージ、樹状細胞、好中球
   獲得免疫で活躍する免疫細胞:ヘルパーT細胞、B細胞、キラーT細胞
自然免疫の役割は、侵入した異物を迅速に認識して貪食し、
   さらに感染した細胞を破壊して排除することです
   マクロファージ、樹状細胞、好中球といった貪食細胞は、
   細菌などの細胞外の抗原を取り込んで処理します
   一方、がん細胞やウイルス感染細胞などは、その細胞自体を破壊する、
   あるいは増殖を抑えることが必要です
   この機能は細胞傷害性のNK細胞などが担当しています
   自然免疫のもう1つの重要な役割が、獲得免疫への橋渡しです
   この役割の主役となるのは、マクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞です
獲得免疫とは、感染した病原体を特異的に見分け、それを記憶することで、
   同じ病原体に出会った時に効果的に病原体を排除できる仕組みです
   自然免疫に比べると、応答までにかかる時間は長く、数日かかります
   ここで活躍している免疫担当細胞は、主にT細胞やB細胞といったリンパ球です

TOPウイルスと細菌TOP
微生物細胞を持つ代謝を行う自己複製できる
ウイルス細胞を持たない代謝を行わない自力で複製できない

現在、最も広く受け入れられている「生物の定義」は、
①外界と膜で仕切られている、
②代謝(生物の生存と機能に不可欠な一連の化学反応)を行う、
③自分の複製を作る(自己複製する)、の3つです
すべての生物は細胞でできている
そして、すべての細胞は細胞膜で包まれている
代謝や複製のためには、膜で仕切られた内部が理想的な環境なのです

微生物─┬→原核生物──→細菌(単細胞)(真正細菌)
    │
    └→真核生物─┬→真菌(単細胞、多細胞)(狭義の菌類)
           │
           └→原虫(単細胞)(原生動物)

TOPウイルスと宿主の関係TOP
大きな集団で移動する動物 :カモなどの水鳥 (集団内の感染拡大+渡り鳥として世界中に分布)
大きな集団で過密状態にいる動物:コウモリ  (ウイルスの貯蔵庫、ウイルスと宿主は共生体)
密集した状態で飼育する動物:養鶏場のニワトリ(高病原性鳥インフルエンザ、渡り鳥から感染)

ウイルスは「本来の宿主」のなかでは、比較的おとなしいものなのです
感染しても病気にならず、ウイルスと共存共栄しているのが本来の宿主
本来の宿主とは違う宿主にウイルスが取り付くと爆発的に増殖して宿主が死んで
しまう(新しい宿主が新しいウイルスとの適応能力がない)
ウイルスは自己の複製を目的にして宿主に入り込みますが、その病原性があまり
に激烈であれば、宿主が死んで、結局自分も死滅し、コピーを次世代につなげる
ことができなくなってしまいます
一般に、ウイルスは宿主を殺さないで、感染を維持する方向に弱毒化する
宿主と共生体のそれぞれが自身の子孫をなるべく多く残すように振る舞う
           [共生体⇔病原体]:流動的
宿主は子孫を増やしたい →せめぎあい← ウイルスは子孫を増やしたい

TOPウイルスと人間TOP
---------------------------------------------------------------------------------------
ウイルスがもつ病原体としての側面
   インフルエンザウイルス:潜伏期間(1~2日)が短い、増殖が非常に速い
      インフルエンザウィルスが1個、体に侵入すると鼻や喉の粘膜から約10分で体の細胞
      に入り、8時間後には100個、16時間後には1万個、24時間後には100万個に、
      体内で増殖します
      ウィルスの数が数千万個に増えると症状が出るとされます(32時間後には1億個!)
   ヒト免疫不全ウイルス:潜伏期間(約10年)が長い
      HIVは、免疫システムの細胞(ヘルパーT細胞やマクロファージ)に感染すると、
      そのままひっそりと隠れ、感染してもしばらくは発症しません
      ヘルパーT細胞は免疫システムの司令塔ですが、それが壊されてしまいます
      潜伏中のHIVは少しずつ免疫システムの主要な細胞の数を減らしていき、
      免疫不全状態になるとエイズを発症します
   水痘ウイルス:HIVよりも潜伏期間が長く数十年後免疫力低下時帯状疱疹を発症する
   インフルエンザウイルスによるパンデミック
      1918年 スペイン風邪:H1N1型のA型インフルエンザウイルス感染症
      1957年 アジア風邪 :H2N2型のA型インフルエンザウイルス感染症
      1968年 香港風邪  :H3N2型のA型インフルエンザウイルス感染症
   ウイルスの殺し方
      次亜塩素酸ナトリウム:カプシドタンパク質を変性させてしまう
      石鹸/消毒用アルコール:エンベロープウイルスは膜が脂質のため壊れる
      熱による殺菌    :圧力をかけ水蒸気を充満させ120℃で20分加熱すると壊れる
      殺菌灯の強い紫外線 :遺伝子を損傷させウイルスを殺す
      風邪はウイルスが原因なので抗生物質は効かない
   ウイルスの生存時間
      凸凹な表面 < 平滑な表面
      平滑な表面は共用物に多いこと、
      また、洗浄や拭き取りが容易であることです
      つまり、ウイルスが長生きでも洗い落としたり拭き取ってしまえば良いのです
   インフルエンザウイルスの生存率は
      温度が低いほどウイルスの生存率が高い
      湿度が低いほどウイルスの生存率が高い
      ウイルスは一般に低温・乾燥を好む
      なのでインフルエンザは冬に流行しやすい
   新興・再興感染症(エマージング・ウイルス)
   新興感染症(WHOの定義)
      この20~30年の間に新しく認知され局地的あるいは国際的に公衆衛生上の問題となる
      感染症
   再興感染症(WHOの定義)
      かつて存在した感染症で公衆衛生上ほとんど問題とならないようになっていたが、
      近年再び増加してきたもの、あるいは将来的に再び問題となる可能性がある感染症
   産業動物(家畜)のウイルス感染症
      口蹄疫ウイルス、豚熱ウイルス、鳥インフルエンザウイルス
   人獣共通感染症
      Bウイルス病、Q熱、アニサキス症、ウエストナイル熱、エキノコックス症
      黄熱、オウム病、回帰熱、カンピロバクター感染症、狂犬病
      クリプトスポリジウム症、クリミア・コンゴ出血熱、腎症候性出血熱
      ダニ媒介性脳炎、ツツガ虫病、トキソプラズマ症、鳥インフルエンザ
      ニパウイルス感染症、日本紅斑熱、日本脳炎、ハンタウイルス肺症候群(HPS)
      ヒストプラスマ症、ブタ連鎖球菌感染症、ブルセラ症、ペスト
      マールブルグ病、幼虫移行症、ライム病、ラッサ熱
      リステリア・モノサイトゲネス感染症、レプトスピラ症
   動物由来感染症
      狂犬病(犬・猫・コウモリ)、パスツレラ症(犬)、イヌブルセラ症(犬)、
      カプノサイトファーガ感染症(犬・猫)、Q熱(猫)、パスツレラ症(猫)、
      猫ひっかき病(猫)、トキソプラズマ症(猫)、
      コリネバクテリウム・ウルセランス感染症(猫)
      腸管出血性大腸菌感染症(牛・山羊・羊等)
      オウム病(鳥)、カンピロバクター症(鳥)
      鼠咬症(げっ歯類)、レプトスピラ症(げっ歯類)
      サルモネラ症(爬虫類)
   節足動物媒介感染症
      重症熱性血小板減少症候群(SFTS)(マダニ)、日本紅斑熱(マダニ)
      マラリア(蚊)、ジカウイルス感染症(蚊)、ウエストナイル熱(蚊)
      デング熱(蚊)、チクングニア熱(蚊)、ジカウイルス感染症(蚊)、日本脳炎(蚊)
      黄熱(蚊)
   コウモリ由来感染症
      狂犬病、エボラ出血熱、ニパウイルス感染症、ヘンドラウイルス感染症
      SARS、MERS、COVID-19
---------------------------------------------------------------------------------------
ウイルスがもつ共生体としての側面
   胎盤をつくる遺伝子の元はウイルスの遺伝子だった
      (レトロウイルスのエンベロープ用遺伝子)
      シンシチン遺伝子に進化してシンシチウム細胞のある胎盤ができた
      シンシチウム細胞:胎盤の胎児側の表面を覆う細胞
               母体の血液と胎児の血液が混じり合わないようにしている
               母体の免疫による攻撃を胎児が受けないようにしている
               栄養などの物質交換や酸素と二酸化炭素のガス交換の場
   ヒトゲノム全体の半分以上はウイルス由来と考えられる塩基配列だった
      私たちの祖先がレトロウイルスに感染した証拠、ウイルス由来の塩基配列のこと
      でレトロトランスポゾンと呼ばれています
      レトロウイルスが有胎盤類の祖先に感染
   ウイルスも生物進化の源泉
      すべての生物がウイルスと共生
      良いウイルスとの共存が生命を豊かにしてきた
ウイルスの利用法
   ウイルスを薬に変えるワクチン  :生ワクチン(弱毒化したウイルスを使う)
                    不活化ワクチン(殺したウイルスを使う)
   殺菌効果抜群のウイルス入り食品 :ウイルスを食品添加物として使う
                    バクテリオファージを使うと加熱せずに殺菌できる
   ウイルスが遺伝子を運ぶ遺伝子治療:ウイルスが細胞に感染して遺伝子を送り込む仕組み
                    を利用
                    ウイルスは「遺伝子の運び屋(ベクター)」

TOP新たに追加されたウイルスの分類TOP
地球上にはいろんなウイルスが存在しており、
その分類は1966年に発足した国際ウイルス分類委員会(ICTV)が行っています
現在、ICTVがウイルスの仲間として認めているものの中には、
これまでの教科書的な説明の枠をはみ出て、RNAだけでカプシドを持たないウイルス
細菌と同程度のサイズを持つウイルス(巨大ウイルス)などが加えられています

TOPカプシドを持たないウイルスTOP
カプシドのないウイルス種は植物や真菌でよく見つかります
カプシドレスのウイルスの多くは、一度宿主の細胞に入ったら基本的に外に出ることがなく、
そのためカプシドを持つ必要がないのでは、と考えられています(ミトウイルスなど)
細胞外に出ることのないウイルスには、カプシドもエンベロープも持たないものもいるようです

カプシドを持たないウイルスであるヤドカリウイルス
   自分ではカプシドを作ることができず、ほかからちゃっかり拝借するウイルスです
         カプシドを借り受けるヤドカリウイルス(YkV1)
         カプシドを貸し出すヤドヌシウイルス (YnV1)
   ヤドカリウイルスは、増殖や感染するためにヤドヌシウイルスを利用している
   ヤドカリウイルスは一本鎖(+)鎖RNAウイルスで、動物に感染するウイルスに近縁
   ヤドヌシウイルスは二本鎖RNAウイルスで、菌類に感染するウイルスに近縁

ヤドカリウイルスとヤドヌシウイルスは、ともに植物に生えるカビに寄生するウイルスです
   白紋羽病菌(しろもんば)というカビ(糸状菌)に感染して植物を病気にしてしまう

ヤドカリウイルスはヤドヌシウイルスの殻がなければ増えることはできませんが、
ヤドヌシウイルスは単独でも増えることができます
ヤドカリウイルスがいるとヤドヌシウイルスの増殖効率が高まることが分かっています
互いに利益がある相利共生の関係といえます

TOP巨大ウイルスの発見TOP
巨大ウイルス:ミミウイルス、トーキョーウイルス、マルセイユウイルス、パンドラウイルス、
   ピソウイルス、モリウイルス、メガウイルス、テュパンウイルス、など
アミノアシルtRNA合成酵素(この酵素をつくるための設計図が翻訳用遺伝子)
tRNAと適合するアミノ酸を結合させるアミノアシルtRNAの生成反応を触媒する酵素
通常の生物では翻訳に使われるアミノ酸は20種類あり、対応するアミノアシルtRNA合成
酵素も20種類必要になる
(どんなに複雑なウイルスでも翻訳用遺伝子を持つウイルスはいないはずだった)
ミミウイルス:4種類、メガウイルス:7種類、クロスニューウイルス:19種類、
テュパンウイルス:20種類の翻訳用遺伝子をもつ!
巨大ウイルスは第4のドメインか?:ウイルスなのに細菌の2倍のゲノム数
ミミウイルスは118万塩基対のゲノムサイズで遺伝子の数も1000個以上の遺伝子を保持
パンドラウイルスがもつ2500超の遺伝子のうち、93%が自然界に存在する既知の遺伝子と
つながりがない

巨大ウイルスの祖先は、ヒトも含めたすべての生物の共通祖先である可能性があります
巨大ウイルスの祖先:DNAレプリコン(巨大ウイルスの原型)
      プラスミド(DNA) タンパク質の元
          +         |   
      タンパク質の殻(カプシド)←┘   
          ↓             
      DNAレプリコンの誕生       
       (ほぼウイルス状態)        
          ↓             
      進化して脂質二重膜を獲得      
      (融合・分裂を繰り返す)      
          |   |         
   ┌──────┤   └───┐     
   |      |       |     
   |   ┌──┴─┐     |     
   ↓   ↓    ↓     ↓     
  細菌  古細菌  真核生物  巨大ウイルス  
 (細胞壁)(細胞膜) (細胞膜)  (脂質二重膜)  
                (カプシド)   
     脂質二重膜→細胞膜
     カプシド─→細胞壁

TOPウイルスと聖書TOP
ヨハネの福音書 第12章24節(地に落ちた麦)
「一粒の麦地に落ちて死なずば、ただ一つにてあらん、もし死なば多くの実を結ぶべし」
という聖書の一節
解釈1:種が割れて芽が出て大きく成長して、やがて多くの実を結ぶこと
解釈2:自分の命をも人のために捧げるとき、多くの実りが生まれること
聖者や信仰の厚い人はそうであろう
けれど、ウイルスは細胞に食べられることで増殖する

ドストエフスキーの最後の未完の大作、「カラマーゾフの兄弟」の見返しには、
この有名な聖句(ヨハネの福音書 第12章24節)が記されています
次へ前へTOP 19.感染症とは? 感染症の種類、感染見舞金制度、感染症の分類
TOP

>感染症とは?

TOP
---------------------------------------------------------------------------------------
感染症とは?
---------------------------------------------------------------------------------------
感染症とは?
   ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入して増殖し、発熱や下痢、咳等の症状がでること
   をいいます
   感染症には、インフルエンザのように人から人にうつる感染症のほかに、破傷風や日本脳炎
   のように人から人にはうつらず、傷口から、あるいは動物や昆虫から、感染する感染症も
   含まれています
   感染して発病する場合もあれば、ほとんど症状がでずに終わってしまう場合もあります
   また、一度症状がでるとなかなか治りにくく、時には死に至るような感染症もあります

感染経路
   感染症によって、病原体の体内への侵入方法が異なります
   大きく2つに分類すると、人からうつる感染症と、人以外からうつる感染症があります
   人からうつる感染症には、「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」「経口感染」の4つの
   経路があり、感染症を予防するためにはそれぞれにおいて感染経路を断ち切るための対策
   が必要になります
   感染症の種類によっては複数の感染経路をとるものがあります

空気感染
   空気中を長時間・長距離ただよう病原体をふくむ軽くて、小さな粒子
   その粒子を含む空気を吸い込む
   なお、空気感染するものは、飛沫感染も起こりえます
   ◇空気感染する主な病原体
   ・細 菌:結核菌、百日咳菌
   ・ウイルス:麻しんウイルス、風しんウイルス、インフルエンザウイルス、
         水痘・帯状疱疹ウイルス、流行性耳下腺炎など
   ※結核菌は飛沫感染も起こり得ます。他の病原体は、飛沫感染と接触感染も起こり得ます

エアロゾル感染
   感染している人のそば、また、換気の悪い空間をただよう病原体をふくむ軽くて、
   小さな粒子
   その粒子を含むエアロゾルを吸い込む

飛沫感染
   会話、せきやくしゃみをした時にでる水分をふくむ、重くて、大きい微粒子
   数メートル先まで飛び、目・鼻・口にくっつく
   なお、飛沫感染するものは、接触感染も起こりえます
   ◇飛沫感染する主な病原体
   ・細 菌:A群溶血性レンサ球菌、百日咳菌、インフルエンザ菌、マイコプラズマなど
   ・ウイルス:インフルエンザウイルス、アデノウイルス、風しんウイルス、
         ムンプスウイルスなど

接触感染
   便や吐物、飛沫にふくまれる病原体でよごれているもの
   よごれた手で、顔のねんまく(目・鼻・口)にさわる
   よごれた手で、食事をする
   なお、接触感染するものは、経口感染も起こりえます
   ◇接触感染する主な病原体
   ・ウイルス:感染性胃腸炎(ロタウイルス)、感染性胃腸炎(ノロウイルス) など

経口感染
   ウイルスや細菌に汚染された食べ物を、生または十分に加熱しないで食べた場合や、
   感染した人が調理中に手指等を介して食品や水を汚染し、その汚染食品を食べたり
   飲んだりした場合に感染します
   ◇経口する主な病原体
   ・ウイルス:感染性胃腸炎(ロタウイルス)、感染性胃腸炎(ノロウイルス) など

虫や動物から感染することもあります
※「病原体」は、人の体内に入りこむと悪さをする微生物(びせいぶつ)のこと

TOP感染症の種類TOP
---------------------------------------------------------------------------------------
感染症の種類
---------------------------------------------------------------------------------------
感染症の種類
ー 症状から感染症を探す ー
発熱 咳・喉
の痛み
鼻水 目の
充血
嘔吐 下痢・
腹痛
発疹 頭痛や
関節痛
インフルエンザ      〇  〇  〇              〇 
ノロウイルス       〇           〇  〇       
アデノウイルス      〇  〇  〇  〇  〇  〇       
麻しん(はしか)     〇  〇  〇  〇             
手足口病         〇                 〇    
腸管出血性大腸菌感染症  〇              〇       
RSウイルス        〇  〇  〇                
風しん          〇  〇              〇    
ロタウイルス       〇           〇  〇       
リンゴ病(伝染性紅斑)  〇  〇              〇    
溶連菌感染症       〇  〇              〇    
流行性耳下腺炎      〇                      
新型コロナウイルス感染症 〇  〇        〇  〇     〇 
水痘(みずぼうそう)   〇                 〇    
サルモネラ感染症     〇           〇  〇     〇 
レジオネラ症       〇  〇           〇     〇 
カンピロバクター感染症  〇           〇  〇       
ヘルパンギーナ      〇  〇        〇     〇    
結核           〇  〇                   
肺炎球菌感染症      〇  〇  〇              〇 
MRSA感染症        〇  〇        〇  〇  〇  〇 
ウイルス性肝炎                  〇  〇       
---------------------------------------------------------------------------------------
人類を脅かしてきた感染症
天然痘:人類が根絶した唯一の感染症
紀元前エジプトのミイラに天然痘の痕跡がみられる
6世紀日本で天然痘が流行、以後、周期的に流行する
15世紀コロンブスの新大陸上陸により、アメリカ大陸で大流行
1980年WHOが天然痘の世界根絶宣言
50年で人口が8000万人から1000万人に減少
ペスト
540年頃ヨーロッパの中心都市ビザンチウム(コンスタンチノーブル)に広がる
最大で1日1万人の死者が出たといわれる
14世紀ヨーロッパで「黒死病」と呼ばれるペスト大流行
ヨーロッパだけで全人口の4分の1~3分の1にあたる2500万人の死亡といわれる
新型インフルエンザ
1918年スペインかぜが大流行
世界で4000万人以上が死亡(当時の世界人口18億人)したと推定される
1957年アジアかぜの大流行
世界で200万人以上の死亡と推定
1968年香港かぜの大流行 世界で100万人以上の死亡と推定
2009年新型インフルエンザ(A/H1N1)の大流行
世界の214カ国・地域で感染を確認、
1万8449人の死亡者(WHO、2010年8月1日時点)
新興感染症
1981年エイズ(後天性免疫不全症候群、HIV)
過去20年間で6500万人が感染、2500万人が死亡
1996年プリオン病
イギリスでクロイツフェルト・ヤコブ病と狂牛病との関連性が指摘される
1997年高病原性鳥インフルエンザ
人での高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)発症者 397人、
死亡者249人(2009年1月20日現在)
2002年SARS(重症急性呼吸器症候群)9ヶ月で患者数8093人、774人が死亡
再興感染症:結核
紀元前エジプトのミイラに結核の痕跡がみられる
1935~結核が日本での死亡原因の首位
1950年抗生物質により発生減少
現在抗生物質に対して抵抗性を示す結核菌が現れる
世界で20億人が感染、毎年400万人が死亡
マラリア
紀元前「マラリア」についての記録
6世紀ローマ帝国を中心に大流行
1950年代殺虫剤DDTなどによる根絶計画実施
現在DDT抵抗性のハマダラカが出現
---------------------------------------------------------------------------------------
病原菌の発見
病原菌発見者
ハンセン病1875年アルマウェル・ハンセン(ノルウェー)
マラリア1880年シャルル・ルイ・アルフォンス・ラヴラン(フランス)
腸チフス1880年カール・エーベルト(ドイツ)
結   核1882年ロベルト・コッホ(ドイツ)
コ レ ラ1883年ロベルト・コッホ(ドイツ)
破 傷 風1884年アルトゥール・ニコライエル(ドイツ)
ブルセラ症1887年デビッド・ブルース(イギリス)
ペ ス ト1894年アレクサンドル・イェルサン(フランス)、北里柴三郎(日本)
赤   痢1898年志賀潔(日本)
梅   毒1905年フリッツ・シャウディン(ドイツ)
百 日 咳1906年ジュール・ボルデ(フランス)
チ フ ス1909年シャルル・ジュール・アンリ・ニコル(フランス)
---------------------------------------------------------------------------------------
病原体:ウイルスと細菌と真菌(カビ)の違い
ウイルス細菌真菌(カビ)
人への感染 ウイルスは単独では
増殖できないので、
人の細胞の中に侵入し
増殖する
体内で定着して
細胞分裂で
自己増殖しながら、
人の細胞に侵入するか、
毒素を出して細胞を
傷害する
人の細胞に定着し、
菌糸が成長と枝分かれ
によって発育していく
酵母細胞では
出芽や分裂によって
増殖する
おもな病原体 ノロウイルス、
ロタウイルス、
インフルエンザウイルス、
アデノウイルス、
コロナウイルス、
麻疹ウイルス、
風疹ウイルス、
肝炎ウイルス、
ヘルペスウイルス、
HIVなど
ブドウ球菌、
大腸菌、
サルモネラ菌、
緑膿菌、コレラ菌、
赤痢菌、炭疽菌、
結核菌、ボツリヌス菌、
破傷風菌、
レンサ球菌など
白癬菌、
カンジダ、
アスペルギルスなど
おもな感染症 感染性胃腸炎、
インフルエンザ、
かぜ症候群、麻疹、
風疹、水痘、
肝炎(A型,B型,C型など)、
帯状疱疹、エイズなど
感染性胃腸炎、
腸管出血性大腸菌感染症、
結核、破傷風、
敗血症、外耳炎、
中耳炎など
白癬(水虫)、
カンジダ症、
アスペルギルス症など
治療 ウイルスは細胞膜がなく
人の細胞に寄生して
いるため、治療薬は
少ししかなく、開発段階
のものが多い
抗ウイルス薬としては、
ウイルスに直接作用
するものと、
免疫機能を調節する
ものがある
ポリオ、麻疹、風疹、
おたふくかぜ、日本脳炎
などのウイルスに対しては、
ワクチンの予防接種で
予防するが、
さまざまな深刻な
感染症のウイルス
についてはワクチン開発中
若しくはない
細菌の細胞に作用、
あるいは増殖を抑制する
抗菌薬が有効な治療薬で、
細菌の特性に応じた
さまざまなタイプの
すぐれた抗生物質と
合成抗菌薬がある
真菌の細胞膜を
破壊したり、
細胞膜の合成を
阻害する抗真菌薬
がある
★ウイルスと細菌と真菌の大きさはこちら→ウイルスの大きさ
---------------------------------------------------------------------------------------
人の体に住む細菌
微生物は、私たちの身の回りだけでなく体内にもたくさん存在しています
そのほとんどが細菌で、常在細菌(常在菌)といいます
体の中は適度な温度と湿度と栄養があるため、常在細菌にとって、住みごこちのよい環境なのです
皮膚、口や鼻の中、消化管や泌尿器など、外部と接するところに住みついています
特に、腸内には、乳酸桿菌、ビフィズス菌、大腸菌、腸球菌、ウェルシュ菌など約400~500種類、
約100兆個もの腸内細菌がすみついていて、腸内の内容物を分解したり、ビタミンを産生したり、
免疫にも関与しているといわれています
このように、常在細菌は人の体に対して害を与えることなく、
病原体の侵入を防ぐなど有利に働きながら、うまく人と共存しています
しかし、人の免疫機能が低下して抵抗力が弱った場合には、
通常では無害の常在細菌が感染症を引き起こすことがあり、日和見感染といいます
善玉菌:私たちの体に有益な善玉菌の代表といえば、乳酸菌とビフィズス菌など
悪玉菌:私たちの体に害を与える悪玉菌はウェルシュ菌、病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌など
細菌叢:自然界に形成された微生物集団(くさむら)
細菌叢は顕微鏡で観察したときに色鮮やかなお花畑に見えたことから「フローラ」とも呼ばれます
また微生物(マイクローブ)の集合体(オーム)という意味で「マイクロバイオーム」とも言われます

日臨技 感染見舞金制度
TOP

対象となる感染症名一覧

TOP
1.「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に定める
一類~五類の感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症、新感染症
分類 感染症名
一類感染症 【法】エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、
南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱
二類感染症 【法】急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群
(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるもの
に限る)、
中東呼吸器症候群
(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスである
ものに限る)、
鳥インフルエンザ(H5N1、H7N9)
三類感染症 【法】コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、
パラチフス
四類感染症 【法】E型肝炎、A型肝炎、黄熱、Q熱、狂犬病、炭疽、
鳥インフルエンザ
(鳥インフルエンザ(H5N1及びH7N9)を除く)、
ボツリヌス症、マラリア、野兎病
【政令】ウエストナイル熱、エキノコックス症、オウム病、
オムスク出血熱、回帰熱、キャサヌル森林病、コクシジオイデス症、
エムポックス、ジカウイルス感染症、重症熱性血小板減少症候群
(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る)、
腎症候性出血熱、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、チクングニア熱、
つつが虫病、デング熱、東部ウマ脳炎、ニパウイルス感染症、
日本紅斑熱、日本脳炎、ハンタウイルス肺症候群、Bウイルス病、
鼻疽、ブルセラ症、ベネズエラウマ脳炎、ヘンドラウイルス感染症、
発しんチフス、ライム病、リッサウイルス感染症、リフトバレー熱、
類鼻疽、レジオネラ症、レプトスピラ症、ロッキー山紅斑熱
五類感染症 【法】インフルエンザ
(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く)、
ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く)、
クリプトスポリジウム症、後天性免疫不全症候群、
性器クラミジア感染症、梅毒、麻しん、
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
【省令】アメーバ赤痢、RSウイルス感染症、咽頭結膜熱、
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、
カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症、
急性弛緩性麻痺(急性灰白髄炎を除く)、
感染性胃腸炎、急性出血性結膜炎、急性脳炎
(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、
日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く)、
クラミジア肺炎(オウム病を除く)、クロイツフェルト・ヤコブ病、
劇症型溶血性レンサ球菌感染症、細菌性髄膜炎
(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌を原因として同定された
場合を除く)、ジアルジア症、侵襲性インフルエンザ菌感染症、
侵襲性髄膜炎菌感染症、侵襲性肺炎球菌感染症、水痘、
性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、
先天性風しん症候群、手足口病、伝染性紅斑、突発性発しん、
播種性クリプトコックス症、破傷風、
バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症、
バンコマイシン耐性腸球菌感染症、
百日咳、風しん、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、
ヘルパンギーナ、マイコプラズマ肺炎、無菌性髄膜炎、
薬剤耐性アシネトバクター感染症、薬剤耐性緑膿菌感染症、
流行性角結膜炎、流行性耳下腺炎、淋菌感染症
新型インフ
ルエンザ等
感染症
該当なし
指定感染症新型コロナウイルス感染症
(病原体がベータコロナウイルス属コロナウイルスであるものに限る)
新感染症該当なし
2.一般社団法人日本臨床衛生検査技師会が給付の対象とする感染症
疥癬、成人T細胞白血病、ウイルス性心外膜炎、伝染性単核球症、溶連菌感染による合併症
2020年2月1日現在
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけは、これまで、 
2020年2月1日から「指定感染症」としていましたが、      
2021年2月13日から「新型インフルエンザ等感染症」に変更され、 
2022年5月8日から「五類感染症」になりました         
エムポックス(2023.2サル痘より名称変更)
TOP

感染症の分類と考え方

TOP
分類実施できる措置等
一類感染症 感染力が強く、
発症した場合は非常に重篤な状態に陥る可能性がある
きわめて危険な感染症です。
原則的に入院が勧告され、
場合によっては交通制限が発動されることもあります。
二類感染症 感染力が強く、
発症した場合は重篤な状態に陥る危険が高い感染症です。
必要に応じて入院勧告が出され、
一定期間食品を取り扱う業務に就くことができなくなります。
三類感染症 発症した場合に重篤な状態に陥る危険性は少ないものの、
特定の職業に就業することによって
集団発生を引き起こす可能性がある感染症です。
一定期間、食品を取り扱う業務に就くことができなくなります。
四類感染症 主に動物を介して感染が拡がり、
健康に影響を与える恐れの高い感染症です。
対象となる動物の輸入禁止や検閲強化などの措置が取られます。
五類感染症 発生動向を調査し、
その情報を国民や医療従事者に周知することで、
発生予防に役立つと考えられる感染症です。
新型インフ
ルエンザ等
感染症
人から人に感染することが分かった
新しいタイプのインフルエンザです。
多くの方が免疫を持っていないため全国的に大流行し、
発症すると重篤な状態に陥る可能性があると考えられています。
必要であれば、一類感染症と同様の対処が取られることがあります。
指定感染症 すでに知られている感染症の中で
一類~三類感染症には分類されていないものの、
適切な対処を講じなければ多くの国民の健康に重大な影響を及ぼす
と考えられる感染症です。
原則一年間に限定して政令で指定され、
一類~三類に準じた措置がとられます。
新感染症 新たに人から人に感染することが認められ、発症すると
重篤な状態に陥る危険が極めて高いと考えられる感染症です。
行政機関による措置はそれぞれの危険性を考慮した上で決められます。

TOP感染症と文学TOP
アルベール・カミュ「ペスト」 → オランの町のロックダウン
志賀直哉「流行感冒」 → 世界的な流行となったスペイン風邪を題材とした作品
TOP

参考図書|TOP
タイトルクリックすれば書影が出ます

        タイトル          :     発行所    発行
インフレーション宇宙論(univ)      :       講談社 2010年
宇宙の歴史と宇宙観測(univ)       :     技術評論社 2019年
宇宙の誕生と終焉(univ)         :  SBクリエイティブ 2016年
地球・生命の大進化46億年の物語(erth)  :     新星出版社 2012年
46億年の地球史図鑑(erth)        :   ベストセラーズ 2014年
46億年の地球史(erth)          :      三笠書房 2019年
びっくりするほど素粒子がわかる本(elem) :  SBクリエイティブ 2009年
素粒子の世界(elem)           :       洋泉社 2013年
ニュートン式超図解最強に面白い素粒子(elem) :     NEWTON PRESS 2022年
マニアのための素粒子物理入門(elem)   :      独立出版 2023年
宇宙は何でできているのか(elem)     :       幻冬舎 2010年
量子論のすべてがわかる本(ptcl)     :ワン・パブリッシング 2020年
図解相対性理論と量子論(ptcl)      :      PHP研究所 2006年
図解相対性理論と量子論(ptcl)      :     学研プラス 2018年
タンパク質の一生(cell)         :      岩波書店 2008年
トコトンやさしい光合成の本(cell)    :   日刊工業新聞社 2012年
基礎から学ぶ生物学・細胞生物学(cell)  :       羊土社 2022年
ウイルスとは何か(virus)         :    中央公論新社 2023年
ウイルスの本当がわかる(virus)      :      さくら舎 2019年
ウイルスと感染症(virus)         :    NEWTON PRESS 2015年

1.宇宙史年代  宇宙創成や太陽系誕生の年代を知る(univ)        
2.宇宙の歴史  物質や太陽系ができあがる経緯を知る(univ)       
3.宇宙の未来  宇宙の未来、人類の滅亡リスク、持続可能な開発目標(univ)
4.宇宙創成理論 宇宙創成理論、未解明の謎(univ)            
5.地質時代   地球上に生物がどのように進化していったかを知る(erth) 
6.地球史年表  地球史年表(相似的) 、地球史年表(等間隔)(erth)    
7.生物系統図  地球生物系統図(□枠) 、系統図(階層)(erth)      
8.ミクロの世界 超々微小の物質世界に働く3つの力(elem)        
9.ミクロな粒子 超々微小の物質を構成する素粒子(ptcl)         
10.放射線    放射線と原子力、放射性物質、宇宙線(ptcl)       
11.元素と周期表 元素記号一覧、周期表、周期表の仕組み、電子配置(ptcl) 
12.量子論    ミクロの世界の不思議なルール(ptcl)          
13.DNARNA DNA・RNA、DNAの複製、セントラルドグマ(cell) 
14.タンパク質  タンパク質の一生、タンパク質の分類、三大栄養素(cell) 
15.ATP光合成 ATP、光合成と呼吸、C3植物・C4植物・CAM植物(cell) 
16.細胞内共生  細胞内共生説、光合成と葉緑体、ミトコンドリア(cell)  
17.生物の増え方 生殖とは、減数分裂、無性生殖、遺伝の法則(cell)    
18.ウイルスとは ウイルスの種類、ウイルスの増殖、ウイルスと細菌(virus)
19.感染症とは? 感染症の種類、感染見舞金制度、感染症の分類(virus)  
HP作成者:

中村三郎

,船橋市咲が丘