長生きをして若者の邪魔をする  
泣く女笑うおとこにだまされる
長生きの薬玉露をのんでいる
渚から女の叫び声がする  
何となく無駄がたのしい日本晴れ
何もかも終わった後の渚ゆく
仲よしになれよ女神の瞳が笑う
波高くなれと歌った海ゆかば
長生きをしてもよいかと飯を食う
にんげんの答えをくれた車椅子
にんげんにもどれる水をもう一杯  
人形ではない私はおんなです
にんげんだから恥ずかしいこともする
二階から知らぬ女が降りてくる
姉さんは苗字を変えて子を産んだ  
寝たきりにならないようにドッコイショ
年齢がひとつ大きくなった春
年功という格差にはかなわない  
年金をもらい徘徊癖がつく
寝て起きてなおるぐらいの恋の傷
寝たきりの向き変えながら拭き掃除
野垂れ死にするのにちょうどよい緑  
乗せられてみよう女の色仕掛け