牝馬特別競走
関東の競馬場では最初の牝馬競走で、昭和十年秋季日本レース倶楽部に創設され、毎季
行ふ二千八百米の競走である。
明け五歳以下の牝呼馬に限られてゐて、負担重量は定量になつている。賞として一着に
銀製花盛器賞金五千円、二着一千五百円、三着一千円である。
札幌特別競走
昭和五年秋季に特設せられて、毎年秋季のみ行はれてゐる、北海道産明四歳馬のステー
クスである。距離二千米で賞金一着二千五百円、二着一千円、三着五百円である。しかし
このレースも登録料(一頭につき百円)を附加賞として授与するので、年によつては一着
賞金七千円以上になることがあり、少い年でも五千円を降らない。北海道産馬の登龍門で
あり、東京優駿競走、中山四歳馬特別と共に我が国に於ける四歳馬の三大競走の一つであ
る。
阪神記念競走
この競走は昭和九年秋季に、阪神競馬場の改築、馬場の改造が出来上つた時に創設され
たもので、距離三千四百米、春秋二季に行はれてゐる。
賞として一着に馬彫像及賞金四千円、二着千五百円、三着八百円である。このレースに
は特別登録料はなく、出走資格は各新古馬である。しかし東京優駿競走、農林省典競走、
横浜特別、目黒記念、農林省典牝馬、中山四千米及既に阪神記念競走に於て一着を得たる
馬は出場することが出来ないことになつてゐる。負担重量は今春よりハンデキヤツプとな
つた。
阪神四歳牝馬競走
明け四歳の牝馬に限られた競走で、距離、春季は二千米、秋季は二千四百米になつてゐ
る、賞は一着に銀盃又は馬彫像、賞金五千円、二着二千円、三着一千円、別に登録附加賞
として、(登録料一頭に付五十円)を五、三、二の割合で、一、二、三着馬に授与される
ものである。重量は定量であるが、但し春季このレースの勝馬は、秋季に出走出来ないこ
とになつてゐる。
中山五歳馬特別競走
毎年春季のみ行はれる、明け五歳の呼馬の距離二千八百米レースである。東京倶楽部と
共に昭和八年春季よりの施行である。従来登録条件が、四歳馬ステークス同様であつたが
昭和十一年度よりステークスを廃止し、負担重量はハンデキヤツプとなつた。
五歳馬特別競走
昭和八年春季より毎季東京競馬倶楽部に於て行はれてゐる、明け五歳各古馬のレースで
ある。距離二千四百米、賞として一着松平伯カツプ及賞金四千円、二着二千円、三着一千
円を授与してゐる。負担重量はハンデキヤツプである。
九州産明け四歳馬特別競走
札幌の北海道産明け四歳馬ステークスと同様、小倉の競馬倶楽部で昭和八年春季より毎
年春季に限り、九州産明け四歳馬の為に創設されたレースである。距離二千二百米、賞金
一着二千七百円、二着一千円、三着六百円、外に附加賞として(登録料一頭に付五十円)
を分与してゐる。
九州産馬小倉特別競走
昭和六年秋季より、毎年春秋二季に行はれてゐる、九州産古馬に限り出走出来る、距離
三千二百米のレースである。賞金一着協会賞五百円、及本賞三千円、二着一千二百円、三
着七百円、外に附加賞として(登録料一頭につき五十円)を一、二、三着に分与してゐる
ので、一着賞金は合計四千円を超ゆる九州に於ける最大のレースである。
アラブ系抽籤古馬障碍競走
距離三千六百五十米、アラブ系馬としてはわが国最長距離の障碍レースである。昭和九
年春季より小倉競馬倶楽部に於いて毎季行はれ、賞金もアラブ系賞金としては最高の一着
三千七百円、二着一千二百円、三着七百円を贈与している。
この外、札幌新呼馬特別競走、小倉の九州産明け四歳馬新馬競走、東京、日本の四歳馬
特別競走、函館の四歳馬特別競走、ア抽阪神記念競走等何れも現在わが国に於けるビツグ
レースである。
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