--------------------------余談リンクリスト--------------------------
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01.「等親」か「親等」か? ← 質問と回答(親等)
× 等親:家族関係の緊密度を表わすために使われていた語
親等と混用されているようだが全く別物(≠同意語)
現民法にない古い時代の家族の階級的序列を表わす分類
等親では、妻→夫:1等親、夫→妻:2等親(広辞苑)
→ 養老令における親族名称について.PDF
PDF…新律綱領「五等親図」
〇 親等:家族関係の緊密度でなく血縁関係の緊密度を示す法定単位
親等では、自分や自分の配偶者に親等はない
民法725条(親族の範囲)民法726条(親等の計算)
血族・姻族に親等限界はないが、親族には親等範囲がある
自分基準の親等 → 親等の数え方
血族間の世代差 → 親等の計算
親族関係の追跡 → 連鎖親等の計算 → 同左6連鎖
02.「親等表」か「親等図」か?
傍系世代数の昇降が各列で揃う形 → 親等表(①)
傍系の分岐後親子が上下直線の形 → 親等図(②)
①の長所:傍系の系列が従の多重度で整列して名称と列が一致
1列目:兄弟、2列目:従兄弟、3列目:再従兄弟
②の長所:傍系が直系の祖先から分岐後、直線連結され見やすい
一方、単純直下のため祖先名称の系統の整列はない
狭義のダイヤグラム例:樹形図、広義のダイヤグラム例:テーブル
※欧米式の親族名称仕様には → 親等表(③)が適している!!
①の長所である傍系整列は、[20親等生成]の配置計算に使用
親等表の各血族□枠の座標要素
Ⅹ軸:傍系度C(0:直系、 1~親等表の最大親等÷2)
Y軸:世代差G(0:同世代、1~親等表の最大親等)
親等S=C×2+G(G:±符号なし)、Yの符号は尊卑で判断
例1:曽祖父 … 傍系度0、世代差3、s=0x2+3=3
例2:甥姪 … 傍系度1、世代差1、s=1x2+1=3
例3:従祖伯叔父母 … 傍系度2、世代差2、s=2x2+2=6
例4:再従兄弟姉妹 … 傍系度3、世代差0、s=3x2+0=6
※欧米式のNth CousinのN=傍系度-1(N=1:従兄弟姉妹)
03.言葉の定義は必要十分か?
姻族:本人または血族の婚姻によってつながる親族 … △
理由:配偶連鎖の排除不能
姻族:自分の配偶者の血族、自分の血族の配偶者 … ◎
理由:どちらの境界も正確で明解
傍系:直系から分かれた枝葉の系統のこと … △
理由:子孫の分岐の排除不能
傍系:自分と同一の祖先から分かれた系統 … ◎
理由:自分の子孫の分岐を含まない
続柄:親族としての関係 … △
理由:身分関係限定
続柄:一定の者との生計関係又は親族的身分関係 … ◎
理由:実質的な関係をも示す(世帯主、筆頭者)
※民法現代語化(ひらがな民法)等に伴い、言い換えられた表現
民法726条(親等の計算)
「共同ノ始祖」 → 「同一の祖先」
「世数」 → 「世代数」
04.親族の名称か?呼称か?
名称:親族(系譜上)の一般名で、抽象名や個別名ではない
呼びかけには使わない(父)
呼称:人称(一人称、二人称、三人称)、名前の呼び捨ては除外
呼びかけに使う(お母さん)
対面彼我呼称、独言彼我呼称、相手又は第三者言及称
公用・商用、敬語・謙譲語、尊称・敬称、謙称・謙遜表現
性別・年令・職業・身分等で使い分ける自他の呼び名
私的・親しみ、愛称、通称・略称、あだ名、幼児語、…
尊大自称、侮蔑語(卑罵語)、卑称・蔑称、差別語、…
親族語彙=親族名称+親族呼称
=固有名詞、代名詞、親族語、称号、敬辞(接頭・接尾)
※お母さん:お・母・さん=接頭辞+親族語+接尾辞
※~ちゃん:「さん」の転、親しみを表す呼び方
05.何故、親族は6親等内の血族なのか?
[親族正名]宗族親属図:自分及び自分の祖先から各々玄孫まで
→ 親族正名(江戸時代の出版物)宗族親属図:15コマ目
旧民法 → 旧民法第四編(親族)
昭和34年7月法制審議会仮決定:民法725条(親族の範囲)は削除
実情に合わない:六世の祖の実在性や縁薄いいとこの孫に対し、
夫婦の父母同士や、養父母と養子の縁組前の子が親族でない等
06.薄くない面識はあるのに親族でない!!
夫の父母と妻の父母(夫婦の親同士は互いに親族でない)
養父母と養子の縁組前の子
配偶者の兄弟姉妹の配偶者 (例:妻の妹の夫、旦那の兄嫁)
兄弟姉妹の配偶者の父母 (例:妹の夫の親、兄嫁の親)
兄弟姉妹の配偶者の兄弟姉妹(例:妹の夫の兄、兄嫁の妹)
子の配偶者の父母や兄弟姉妹(例:娘の婿の親、息子の嫁の妹)
いとこの配偶者
※これからの家族?
横型家族 ={ 夫の父母家族 + 夫婦家族 + 妻の父母家族 }
役割の流動化 集団合議制 会社と家庭は等価
祖父母・父母・子が横並びで経済・労力・精神的に補完し合う
07.面識がないのに親族であり相続人である
生まれて間もなく養子に出された母の婚外子
前夫が養育する母と交流のない母の前婚の子
母の孫にあたるB
・母の前夫の子Aの子B
・母の後婚の子Cと異父兄弟のAの子B
・被相続人Cに子がなく親も亡き場合の
亡相続人である兄弟Aの代襲相続人B
→ 半血兄弟の相続人関係(自分が前婚子の場合)
→ 相続証明書等
08.曾孫でなく曽孫?(曾祖父母でなく曽祖父母?)
2010(平成22)年11月30日の内閣告示で、常用漢字表が改定され、
康熙字典体の曾(旧字)は簡易慣用字体の曽(新字)に改められ
ましたので、本HPもこれにあわせました(共に人名用漢字です)
曽は戸籍法では常用平易な文字として曾より先に追加されました
→ 最高裁判例 平成15(許)37(民集第57巻11号2562頁)
→ 三省堂辞書サイト|人名用漢字の新字旧字:「曽」と「曾」
曾 → 曽(ソウ)… 1代離れた関係(Once Removed)
曽祖父:祖父-1、曽孫:孫+1
常用漢字にない漢字で、本HPが使用しているものは以下
甥(セイ、おい)
姪(テツ、めい)
舅(キュウ、しゅうと)
姑(コ、しゅうとめ)
嫂(ソウ、あによめ)・大娵(おおよめ)は説明文限定
仍(ジョウ)は親族外限定(仍孫:7親等)示偏もある
なお、以下の漢字は改定後の常用漢字にもあります
祖(ソ)
伯(ハク) … 父母の兄姉
叔(シュク) … 父母の弟妹
昆(コン) … 昔は日の下に弟という異体字を使う?
嫁(カ、よめ)
婿(セイ、むこ)
嬢(ジョウ)
交叉いとこと書くのは常用外なので、交差いとこの方を使用
→ 常用漢字表:文部科学省(平成22年内閣告示第2号)
→ 法務省:子の名に使える漢字
09.基準は「自分」か「本人」か?
自分:おのれ、わたくし(一人称的、誰の?にふさわしい!)
主観的に言うその人自身、客観的に言う当人
本人とか自己とか言うより普段の身近な言葉
本人:その人、当人(二人称か三人称的)
自己:自分であるが学問的であり常用的でない
目的は、自分の(特定の)親族の親等を調べるのか
一般に(他人の)親族や親等を調べるのか
と言うものの次第に自分(あなた)に当てはめている?
古書の親族図の中心には「己身」とあり自分自身です
10.親族、家族、親類?
家族=同居親族+他出家族員(単身赴任者等)
親族=家族+家族以外の親族(非同居親族)
親類・親戚:親族と同範囲で用いる場合と
遠い血縁・縁者を含めて用いる場合がある
11.血族は左側か右側か?
結婚披露宴席次表:新郎は(正面向き合っての)左側
血族が左側にあるのと同じ位、右側にあるものがある
12.自分より年少の叔父?
伯叔の区別は父母より年上の者が「伯」、年下の者が「叔」である
兄弟の順序で字に添える敬称として伯仲叔季が用いられた中国由来
伯叔の語だけでは兄と弟を意味する
父又は母の、兄・姉やその配偶者に伯父・伯母の字を用いる
父又は母の、弟・妹やその配偶者に叔父・叔母の字を用いる
したがって、
父の兄の妻が、父より年下でも伯母
父の弟の妻が、父より年上でも叔母
父の姉の夫が、父より年下でも伯父
父の妹の夫が、父より年上でも叔父
(以上は、母についても、言える)
父と年令が離れた妹の場合、その夫が自分より年少はあり得る
13.「おおおおば」でなく、なぜ「おおおば」?
おおおば :大伯母・大叔母(祖父母の姉妹)… 傍系4親等
おおおば :大祖母(曽祖母) … 直系3親等
おおじ :祖父(大父)
おおば :祖母(大母)
おおおおじ:曽祖父(大祖父=おお・おおじ)、これからだと、
大祖母は「おお・おおば」となるのだが・・
→ 【和名類聚抄】古語 によりますと、
曾祖父 オホオホヂ 於保於保知
曾祖母 オホオバ 於保於波
なるほど、これで納得しました。
※於保於保波の赤注記がある写本もあり、オホオホバも
曾祖父:大大父、曾祖母:大大母、の欄外別記もある
おじ :叔父もあるが、「小父」(よその年配の男性)もある
そうしますと、大父は親族で小父は他人ということに
従祖父を大小父と頁上欄外注記する和名抄写本もある
14.用法が二重?(辞書にある二重)
従祖父 :父の従兄弟? … 父と同世代、いとこおじ
祖父の兄弟? … 祖父と同世代(父と世代違い)
親族正名(古書)には従祖祖父→従祖父→従祖兄弟
とあり「従祖」は祖の傍系の意味であり「従+祖父」
でなく「従祖+親族名」の用い方であったようです
従祖母 :従祖父の妻、いとこおば
従父 :父の兄弟
従母 :母の姉妹
15.別表記
従祖伯叔父母 ⇔ 従伯叔祖父母 … 伯叔祖父母から後者あるが
曽祖伯叔父母から伯叔父母
に前置が引き継がれる系列
従伯叔父母 ⇔ 伯叔従父母 … 伯叔祖父母から伯叔父母に
中置が引き継がれるが再従
以降の名称と整合させ前置
従伯父 ⇔ 伯従父 … 同上の個別名称としてある
が伯従祖父はないので前者
明治37年8月26日司法省民刑第734号民刑局長回答による親族・親等
図表 → 親族・親等図表(民刑局長回答による親族名)
・曽祖、高祖、~祖の前置は直系表記からだが、従の置き場は混乱
・伯叔+父母からは伯叔従父母となるが、曽祖父母以上に及ばない
伯叔祖父母 ⇔ 祖伯叔父母 … 後者の表記は少ない
複合語修辞法からは主要素
が最後で整合性はあるが…
曽祖伯叔父母 ⇔ 伯叔曽祖父母 … 後者の表記は少ない
伯叔高祖父母の表記もない
伯叔と父母の連結強度相異
大伯母、大叔母についての下記表記については圧倒的に左側が多い
伯祖父・叔祖父 ⇔ 祖伯父・祖叔父… 後者の表記は中国にはない
伯祖母・叔祖母 ⇔ 祖伯母・祖叔母
16.継の用法とは?(父又は母の再婚による親族関係)
継親 :自分と血縁なし
継子 :自分と血縁なし
継兄弟 :自分と半血兄弟(自分と血縁あり)
17.よその国では?(親族名称の比較)
日本:昆孫の続き → 出典「箋注和名類聚抄」レファ協
孫,曽孫,玄孫,来孫,昆孫,仍孫,雲孫
中国:もっと細かい … いとこは16種類に細かく別称
父母×年上下×兄弟姉妹=2x2x4
年上下は分けない場合で8種類
→ 中国親族関係図表
祖輩(上九代):1 2 3 4 5 6 7 8 9
父 祖 曾 高 天 烈 太 遠 鼻
母 祖 祖 祖 祖 祖 祖 祖
孫輩(下九代):1 2 3 4 5 6 7 8 9
子 孫 曾 玄 來 昆 仍 雲 耳
孫 孫 孫 孫 孫 孫 孫
耳孫…新漢和辞典:末の子孫、何代目の子孫かについては三説ある。
曽孫・来孫(玄孫の子)・仍孫(玄孫の曽孫)
広辞苑 :来孫(玄孫の子)
祖宗十八代:下九代目(雲孫の子)
英語:遠い血縁まで … 直系と傍系1列は世代差(上下)、
傍系2列~は隔数(左右)と世数(上下)
Great,N-th cousin diff removed
直系と傍系1列:Grand,Great-Grand,~上下Greatの付け足し
傍系2列~隔数:first cousin,second cousin,third cousin
傍系2列~世数:once removed,twice removed,tree times..
18.血縁には、祖先の分岐はあっても、子孫の分岐はない
親族図表を見ると、祖先の分岐はあるのに、子孫の分岐はない
親族とは自分と血縁のある人々
祖先は分岐後は自分に至らない系統になる
父の兄弟は祖父母から分岐した伯叔父母の血縁
子孫は分岐後も自分に至るゆえ分岐が不要
子の兄弟は同じく子、孫の兄弟も孫
子孫は分岐を要せず全て自分に至る自分の血縁
ただし、子孫同士は、兄弟・従兄弟・再従兄弟・・・
家系図を見ると、祖先も子孫も分岐がある
旧来は特定の家の家督相続の継承を記した系図であったが、
現代では特定人の血縁や結婚の関係を表わした図
個体情報ですので本人や家族にとって有意義に活用するよう、
社会的にも科学的にも倫理の確立が望まれています
19.配偶関係・親子関係の表現方は?
鎹(かすがい):二つのものをつなぎとめるもの
統:一すじに続くつながり
結婚線は二重線、世帯線(内縁関係)は実線とする方法もありますが、
離婚後の父母との親子関係も表しますので、当HPでは実線で結線して、
結婚線は天地向き鎹線、婚姻関係以外は全て上向き鎹線としています
天地向き鎹線 上向き鎹線
┏━┓ ┌─┐ ┏━┓ ┌─┐
┃自┃ │配│ ┃父┃ │母│離婚後の父母
┃ ┠┬┤偶│婚姻継続中の父母 ┗┯┛ └┬┘内縁継続中の父母
┃分┃││者│ │ │ 内縁解消後の父母
┗━┛│└─┘ └─┬─┘ 婚外父母
│ │
┏┷┓ ┏┷┓
┃子┃ ┃子┃
┗━┛ ┗━┛
20.兄弟は他人の始まり?
直系:血筋が親子で繋がる上下直線の系統
傍系:自分と同一の祖先から分かれた系統
血縁には、祖先の分岐はあっても、子孫の分岐はない
すべて、枝分かれの始まりは兄弟から … 兄弟は他人の始まり
兄弟2人いれば比較する、自分は守る … 親しき仲にも礼儀あり
兄弟仲良くても配偶者同士、子同士と … 次第に疎遠で他人同様
利害(相続)は公平に、契約(借金)は信義誠実に!
21.親子関係のことわざ自選
孝行のしたい時分に親はなし
子を持って知る親の恩
持つべきものは子
子は夫婦の鎹(かすがい)
22.夫婦関係のことわざ自選
縁は異なもの味なもの
破れ鍋に綴じ蓋(われなべにとじぶた)
好いた同士は泣いても連れる
女房の妬(や)くほど亭主もてもせず
夫婦喧嘩は貧乏の種蒔き
糟糠(そうこう)の妻は堂より下さず
内助の功
女房と鍋釜は古いほどよい
お前百までわしゃ九十九まで
23.先妻?前妻?元妻?
今は妻でなくとも妻の字を使いますね
辞書(広辞苑)によりますと前妻はなく先妻しかありません
・前妻「もとつめ」は「こなみ」として前の妻(旧妻)の意味
先にめとった妻、もとからいる妻のようです
嫡妻・前妻(こなみ) ⇔ 後妻(うわなり)
前妻は一夫多妻制の時代の言葉のようです
・後妻は先妻に対して後ぞいの妻とあります
・元妻は既に離婚している場合に用いるとあります
してみると前妻・後妻より先妻・後妻が無難かも
24.血族名称の連用
・直系尊属連用の可逆性
父母の父母 =祖父母
祖父母の父母 =曽祖父母 ⇔ 父母の祖父母 =曽祖父母
父母の曽祖父母=高祖父母 ⇔ 曽祖父母の父母=高祖父母
・直系卑属連用の可逆性
子の子=孫
孫の子 =曽孫 ⇔ 子の孫 =曽孫
孫の曽孫=来孫 ⇔ 曽孫の孫=来孫
・傍系尊属連用は同系統の1世代上
伯叔父母の伯叔父母 =伯叔祖父母
伯叔祖父母の伯叔祖父母=高祖伯叔父母
従伯叔父母の従伯叔父母=従祖伯叔父母
・同胞連用は自分
兄弟姉妹の兄弟姉妹 =自分又は自分の兄弟姉妹
従兄弟姉妹の従兄弟姉妹=自分又は自分の従兄弟姉妹
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