<成年後見制度>


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Update 2014.07.25

成年後見制度

 … 目的:自己決定の尊重、残存能力の活用、
          利用しやすい制度の提供

  対象者  認知症高齢者・知的障害者・精神障害者等であり、
       身体障害者を含まない
       自閉症の方、事故による脳の損傷又は脳の疾患に起因する精神上
       の障害がある方を含む(任意後見制度は、将来の不安に備えて)
  後見事務 契約等の法律行為に限られ、契約等に付随する事実行為は含まれ
       るが食事の世話や介護労働等の事実行為は含まない
       成年後見人等には法人もなれるし、複数人に依ることもできる
  種類   ①法定後見:すでに判断能力不十分な方に家裁の審判に基づく、
             3類型
       ②任意後見:本人の判断能力のあるうちに、契約に基づく、
       代理権の範囲
  制度課題 定型的権利制限でなく需要や必要の範囲に留める公的後見サービ
       スが必要

       ┌──────┬──┬──┬─────────┐
       │      │知力│体力│         │
       ├──────┼──┼──┼─────────┤
       │元気な高齢者│ ○ │ ○ │介護予防     │
       ├──────┼──┼──┼─────────┤
       │      │ △ │ × │介護支援 任意代理│
       │      ├──┼──┼─────────┤
       │衰えた高齢者│ × │ ○ │     成年後見│
       │      ├──┼──┼─────────┤
       │      │ × │ × │介護支援、成年後見│
       └──────┴──┴──┴─────────┘
        課題:親族後見人に公的支援が必要とされる

【制度全般】 → 成年後見関係事件の概況
  1.法務省民事局 - 自分のために-みんなの安心 成年後見制度
  2.法務省民事局 - 成年後見制度~成年後見登記制度~
  3.成年後見登記申請:東京法務局

【関係法令】
  1.後見登記等に関する法律
  2.任意後見契約に関する法律
  3.任意後見契約に関する法律第三条の規定による証書の様式に関する省令

【関連リンク】
  1.鑑定書・診断書 :成年後見制度における鑑定書・診断書作成の手引

法定後見

 → 家事事件手続法(別表一別表二)(一覧)
対象者補助保佐後見
判断能力が
不十分な方
判断能力が
著しく不十分な方
いつも判断能力
が欠ける方
日常的な買物は単独でできるが
●自己の財産を管理・処分する
 には援助が必要な場合がある
日常的な買物は単独で
できるが●自己の財産
 を管理・処分するに
 は常に援助が必要な程度
日常的な買物も自分で
はできず●自己の財産
 の管理・処分ができ
 ない程判断能力を欠く
家裁
申立権者と
本人の同意
本人、配偶者、四親等内の親族、
検察官等、市町村長(+特別区の区長)、
任意後見受任者、任意後見人、任意後見監督人
必要不要不要
支援者補助人保佐人成年後見人
同意権

取消権
民法13条1項
所定の行為の
一部(申立範囲内)
同意権付与の審判
本人の同意
民法13条1項
所定の行為
日常生活に関する
行為以外の行為
代理権特定の法律行為
(申立範囲内)
代理権付与の審判
本人の同意
特定の法律行為
(申立範囲内)
代理権付与の審判
本人の同意
財産に関する
全ての法律行為
身上配慮義務本人の心身の状態および生活の状況に配慮する義務

  民法第13条1項所定の行為の例
    借財・保証、不動産の譲渡・賃貸、家屋の大修繕、
    相続の承認や遺産の分割

  代理権の内容(後見:包括的にあり、保佐・補助:原則なし)
    ①財産管理権(費用の支払い、財産の保存、身上監護を行う費用の捻出)
    ②財産に関する法律行為の代理権(権利の得喪を目的とする契約締結等)

  成年後見人ができること
    ①本人の財産に関する法律行為を代理すること(代理権)
    ②本人の財産を管理すること        (財産管理権)
    ③本人が行った法律行為を取り消すこと   (取消権

  成年被後見人が単独でできること
  (①~③+④事実行為=成年後見人ができないこと)
    ①遺言、認知、婚姻、縁組などの一身専属権
      →身分行為は、本心に復しているとき本人の意思で
    ②本人が医的侵襲を伴う医療行為を受ける際の同意(代諾)
      →家族同意に限らず医学上の見地から最善の方法で
    ③日用品の購入その他日常生活に関する行為

  成年被後見人ができなくなること
    印鑑証明書の取得

  法定後見制度の利用
    後見事務の内容・成年後見人候補者の決定、財産目録・収支状況報告書
      の作成
    法定後見開始の申立→法定後見開始の審判→成年後見人選任
    →成年後見の開始
    鑑定が必要な場合は鑑定費用を予納する、その結果、申立の趣旨の変更
      も可能
    補助以外は本人が植物状態又はこれに準ずる場合を除き原則として鑑定
      を実施

  主な申立の動機
    財産管理処分、身上監護、遺産分割協議、介護保険契約、訴訟手続等、
    その他

  申立後審判前の応急的財産保護(後見命令等)
    家裁に財産管理人選任の保全処分申立

  成年後見人の選任
    (選任にあたり家裁の考慮すべき事情は民法843条4項に例示)
    本人の意見を尊重、後見等の事務を行うにふさわしい適格性・信頼性の
      ある人
    事務の種類によっては専門的知識・技能や一定の経験をもつ人
      (司法・福祉)
    成年被後見人と利益相反する者はなれない(施設職員、介護支援専門員、
      他)
    家裁は、後見開始の審判をするときは、職権で、成年後見人を選任する
    必要があるとき、家裁は申立(本人可)又は職権で成年後見監督人を選任
      できる
    後見開始の審判確定時、後見登記の嘱託

  成年後見人に選任されたら
    収支状況報告書作成:被後見人の収入と支出の種類を年間予定表に年額
              で記載
    初回用財産目録作成:不動産、預貯金・株式等・その他資産・負債の
              残高記載
    家裁へ期限内に提出:成年後見人選任審判確定後、約1か月以内
      (伸長申立可)
    金融機関、証券会社、公共機関等へ成年後見人に選任された旨の届出、
      連絡等

  身上配慮義務の内容
    後見人等は本人の心身の状態並びに生活及び財産の状況に応じて本人の
    利益のため善良な管理者の注意をもって誠実に適切な後見等の事務を行
    う義務、及び本人の意思を尊重すべき義務を負う
    (善管注意は自己の財産管理より重い程度)

  財産管理に関する後見人の事務(財産管理・処分)
    本人所有の通帳・有価証券・現金の占有を後見人に移して管理、証書等
      の保管
    財産に関する法律行為について包括的代理
    居住用不動産の処分(売却、利用権の設定・解除、担保権設定)は家裁
      許可
    居住用以外の不動産の処分は後見監督人ある場合、後見監督人の同意
      要する
    本人が行った本人に不利益な法律行為の取消
      (日常生活に関する行為は除く)

  身上監護に関する後見人の事務(生活・療養監護)
    介護契約、施設入所契約、医療契約(医療行為の同意を含まず)、生活
      の配慮
    施設選びは本人の意向を確認し、本人の生活の本拠を考慮、本人と一緒
      に下見

  管理等に必要な付随する事務
    口座・貸金庫の利用、後見事務遂行に必要な郵便物の管理と処理
    預貯金の口座名義:成年被後見人Aの名義又はA成年後見人B名義
      が良い

  成年後見監督人の職務
  (後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は後見監督人になれない)
   ・後見人の事務の監督、選任請求、応急善処、後見人又はその代表者
   (後見人の親権に服する子、後見人を代表者とする法人等)との利益
    相反行為の本人代理
    後見監督人が選任されていない場合は、後見人は特別代理人の選任
      申立が必要
   ・後見人が被後見人に代る営業や民法13条1項所定の行為の代理をす
      る際に同意
     (ただし、民法13条1項第1号に掲げる元本の領収については
      同意を要しない)
   ・後見人の不正行為・著しい不行跡・不適任による家裁へ解任請求
   ・人事に関する訴訟の法定代理(原告又は被告として)

  後見事務報告(おおむね1年ごと)
    後見人は家裁に後見事務報告書・報告用財産目録・収支状況報告書の
      作成と提出
    後見監督人は後見人の財産目録等の調製に立会いを要する
    報酬は1年後の後払い
      (後見人自ら報告毎に家裁に報酬付与の審判申立が必要)

  後見人の任務の終了
    死亡、判断能力回復による後見開始の審判の取消、後見人の辞任
      (正当事由・家裁の許可)・解任(不正行為・著しい不行跡
      ・不適任、家裁の審判又は職権)
    本人死亡時の後見終了は、死後事務委任契約が生前にあれば死後の事務、
    2か月以内に(後見監督人が居れば立会いのもと)管理の計算を行い、
      家裁に後見事務報告書提出(既提出以後分)、
      本人又は財産承継者に財産の引渡し、終了の登記

  補助・保佐の制度
    家裁は、補助・保佐開始の審判をするときは、職権で、補助人・保佐人
      を選任
    当事者が申立により選択した特定の法律行為について代理又は同意
      (取消)
    補助は各権限につき、保佐は代理権につき、本人の申立又は同意が付与
      の要件
    本人に不利益の恐れがないのに保佐人等が不同意の場合、
      本人は家裁に同意に代わる許可を請求可
    必要があるとき、家裁は申立又は職権で補助監督人・保佐監督人を選任
      できる
    補助監督人・保佐監督人がいない場合の利益相反行為は、
      補助人・保佐人から家裁に臨時補助人・臨時保佐人の選任申立が
      必要

  関連事項
    後見人の追加的選任の申立、複数後見の利用、法人後見の利用
    地域福祉権利擁護事業の利用
      生活支援員による福祉サービスの利用援助、日常的金銭管理、
      貸金庫利用
    本人の判断能力に応じて取消権のある法定後見(補助人・保佐人)か、
      取消権のない任意後見を選択(後見人は法定後見のみ)
    市町村長の行なう成年後見申立・補助制度
      (申立経費・後見人等の報酬の助成)

任意後見

 → 家事事件手続法(別表一・二)(一覧)
対象者現在は問題ないが
将来に備えたい人
契約者委任者本人
家裁
申立権者
本人、配偶者、四親等内
の親族、任意後見受任者
支援者任意後見人

  任意後見人の支援事項(職務)
    身上配慮義務のもと、以下の2つに限る
    「財産管理事務」
    「身上監護事務」(生活、療養監護)

  任意後見制度の利用
   ・任意後見人の代理権の範囲を定める代理権目録を作成
   ・任意後見監督人が選任された時から契約の効力が発生する旨の特約
    付した公正証書(法務省令様式)により、任意後見契約登記の嘱託
      ①          ②           ③
  任意後見契約締結→(判断能力の不十分な状況)→任意後見監督人選任申立
      ∥                      ↓本人の同意
  任意後見受任者 任意後見人代理権の効力発生←任意後見監督人選任審判
                 ⑤           ④
   ・任意後見制度利用の留意点
     本人が行った重要な法律行為を取り消すことができない
     (民法第13条1項所定の行為の取消権がない

  任意後見契約を締結する
    原則:本人の判断能力があるうちに、
    例外:判断能力が落ちたとき(即効型)
    本人が信頼できる人を任意後見人に指定:本人の親族、職業後見人等
    本人が委任内容を決める
    契約の準備や締結までに十分な時間をかける
      任意後見の長所と短所、任意後見契約の種類の説明
      任意代理・見守り契約・遺言、死後事務の需要確認
      本人の状況や家族の事情の調査、財産の調査、証書や公簿の確認
      代理権の範囲、財産管理や身上監護の方法、その他の業務の範囲
      在宅・施設入居、居住用不動産、希望する介護サービス等の確認

  任意後見契約の種類
    委任開始時期により将来型・移行型・即効型(契約能力疑義)に
    分けられる
    ①将来型:将来、判断能力が不十分となった時に後見開始
         現在、判断能力はあり、支援は特に必要としていない場合
         支援を必要とする場合は、任意代理契約と併用するか
         ②による
    ②移行型:判断能力が十分な間は任意代理、不十分となった時に後見
         開始
         現在、判断能力はあるが、支援を必要としている場合
         任意代理契約と任意後見契約を同一の公正証書で作成
    ③即効型:現在、既に判断能力が不十分で後見開始が必要な場合
         任意後見契約登記完了後直ちに家裁に任意後見監督人の選任
         請求
    代理権に関わる契約事項の後日の変更はできないが、以外は公正証書で
         可能

  代理権の範囲
  (代理権目録を付す、共同行使特約・要同意特約は特約目録を付す)
A 財産の管理・保存・処分等に関する事項
B 金融機関との取引に関する事項
C 定期的な収入の受領及び費用の支払に関する事項
D 生活に必要な送金及ぴ物品の購入等に関する事項
E 相続に関する事項
F 保険に関する事項
G 証書等の保管及び各種の手続に関する事項
H 介護契約その他の福祉サービス利用契約等に関する事項
I 住居に関する事項
J 医療に関する事項
K A~J以外のその他の事項
  (別紙「その他の委任事項目録」記載のとおり)
L 以上の各事項に関して生ずる紛争の処理に関する事項
M 復代理人・事務代行者に関する事項
N 以上の各事務に関連する事項
  A~J以外のその他の委任事項の例
   ・任意後見開始までの見守り契約
   ・死後の事務処理に関する委任契約

  任意後見契約の変更
    変更できない部分:任意後見人・代理権の範囲・管理対象財産
    変更できる部分 :任意後見監督人候補者・報酬額・死後の事務等

  任意後見開始時期の判断
    医療や介護の関係者(ケアマネジャー等)との連携
    見守り契約の活用、成年後見診断書の活用

  任意後見監督人の選任
    申立の要件
      精神上の障害により本人の判断能力が不十分なこと(鑑定はない)
      任意後見契約が登記されていること(登記されてないと法定後見
      になる)
    本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見受任者から家裁へ選任申立
      本人以外からの申立は本人が意思表示できる場合、本人の同意を
      得ること
    後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は後見監督人になれない
    本人に法定後見が開始されていて、任意後見監督人が選任されない理由
      法定後見の継続が本人の利益のため特に必要であると認める場合
    任意後見開始手続:意見聴取等、審判告知、任意後見監督人選任登記の
             嘱託

  任意後見人の事務等
    財産管理・身上看護ともに法定後見と同じだが管理の方法は契約の定め
      に従う
    不動産の売却・購入なども契約に定める代理権により単独で本人を代理
      できる
    類型変更:取消権の必要や代理権の追加、
         判断能力の変化のため法定後見申立
    任意後見監督人に後見事務報告
      3か月~毎:業務日誌・会計帳簿・継続的管理業務以外の法律行為
            の書類
      1年毎  :法定後見と同じ財産目録・収支状況報告書
            (高額領収証添付)
    契約に定める方法で任意後見人が保管している本人の財産の中から報酬
      を受領

  任意後見監督人の職務
    任意後見人の事務に関し家裁に定期的報告、他は成年後見監督人の職務
      と同様
   ※応急善処や利益相反代理の事由による居住用不動産の処分は、家裁許可
      不要

    ただし、応急善処は、契約に定める任意後見人の代理権の範囲内に限ら
      れる
    事務費は本人の財産から支出、報酬は家裁決定

  任意後見契約の解除
    任意後見監督人選任前の契約解除:公証人の認証を得た書面によること
                    が必要
    任意後見監督人選任後の契約解除:正当事由・家裁の許可

  任意後見契約の終了
   (契約解除、後見人の解任、法定後見の開始、死亡・破産等)
    本人の利益のため特に必要があると認めるときに限り、家裁は法定後見
    の開始の審判をすることができ、任意後見監督人選任後では任意後見
    契約は終了する
    (以外の任意後見契約の優先効は任意後見契約が登記されている場合に
     限る)
    後見人の解任(解任事由:不正行為・著しい不行跡・不適任)は家裁
      審判
    本人死亡時の任意後見契約終了は、死後事務委任が契約にあれば死後の
      事務
    任意後見監督人に後見事務報告書提出(既提出以後分)、本人又は財産
      承継者に財産の引渡し、終了の登記

  任意後見契約の優先効の例外
    法定後見が本人の利益のため特に必要であると認める理由
    授権代理権の範囲が狭すぎる場合、本人について同意権・代理権が必要
    な場合

  任意代理の委任契約(代理権の内容は任意後見契約と同一・限定任意)
    (後見開始を待たず)契約締結時から受任者に事務処理を委任する場合
    に締結
    利点:任意後見契約による後見が開始されない場合にも本人の支援が
       できる
    任意後見契約と併用可能、重複を避けるため、任意後見監督人の選任に
    より本委任契約は終了する旨の約定を定めておく
    (見守り契約にも重複を避ける約定)
    他に、死後事務委任契約:葬儀関係・遺品整理他、等必要に応じて約定

  公正証書遺言
    死後の遺産の管理方法等(相続、遺贈、寄付行為他)を生前に定めて
      おく
    任意後見契約公正証書とセットにすることで、更に任意後見人を遺言
      執行人に指定しておくことで、本人に対する事務処理の連続性が
      期待できる

後見登記


  後見等の登記(後見、保佐又は補助の登記) → 成年後見登記申請
    後見等の開始の審判確定時、
      家裁書記官の嘱託に基づく後見等の登記
  後見等の開始の審判前の保全処分の登記(嘱託又は申請)
  任意後見契約の登記
    任意後見契約公正証書作成時、
      公証人の嘱託に基づく任意後見契約の登記
    任意後見監督人選任審判確定時、
      家裁書記官の嘱託に基づく任意後見監督人が
    選任された旨の登記
  変更の登記、終了の登記
    審判による嘱託以外は、本人・後見人等・任意後見受任者・利害関係人
      から
  証明書の交付請求
    欠格条項に該当しないことの証明
      平成12年3月31日以前は、本籍地の市町村が発行する
      「身分証明書」
      平成12年4月1日以降は、
      「登記されていないことの証明書」による
    登記されていないことの証明書交付請求
    登記事項証明書の交付請求
      各種申立の他、資格証明書として公的又は私的に必要な場合に請求
    閉鎖登記事項証明書の交付請求
      終了の登記後、閉鎖された後見等登記の登記事項の証明書

事例検討


  判断能力の程度
    軽度→頼れる親族が身近にいれば配偶者等が財産管理、将来に備えて
       任意後見契約
       頼れる親族がいなければ専門家に財産管理の委任契約と移行型
       任意後見契約
   不十分→申立ての事情(福祉サービスの利用等、申立の目的)、
       法定後見開始の申立
  複数の成年後見人
   ・入院した親の世話のために兄弟で共同して(権限の共同行使
   ・身上監護は配偶者が、財産管理は専門家に(事務の分掌
  弟が認知症の片親の財産を勝手に処分する恐れ
    親の財産管理のための法定後見申立(後見人)
  相続人が知的障害者
    相続放棄や遺産分割協議のために法定後見申立(後見人)
  判断能力が不十分な同居親の遠方実家の処分
    不在家屋の処分のための法定後見申立(後見人・保佐人)
  悪徳商法の被害から別居親を守りたい
    保護者選任のための法定後見申立(保佐人・補助人)
  無効遺言の防止
    兄弟仲良く半分づつと日頃諭していた母が認知症になって、にわか同居
    するようになった兄が医師の立会もなく財産は自分に全部の遺言を母に
    書かせた
  老人ホームの身元引受人
    身元引受人は成年後見人とは利益相反する立場ゆえ別人が良い
    地域福祉権利擁護事業
    (福祉サービス利用援助、財産管理・財産保全サービス)
    高齢者の権利擁護
    (法定後見制度の利用促進や高齢者への虐待の防止)

例1)任意後見契約公正証書+遺言公正証書:任意後見人=遺言執行者←事務処理の連続性を確保
例2)障害をもつ未成年の子が親の同意を得て親の老後・死後に保護を受けるための任意後見契約
例3)知的・精神障害をもつ未成年の子に意思能力がない場合に親が子本人に代わり任意後見契約
例4)障害をもつ未成年の子の親が自らの老後の財産管理等のために自己が当事者の任意後見契約
  +遺言執行者と遺産管理方法を指定する遺言+子の財産管理委託信託+子の介護の準委任契約

  成年後見制度の課題
   ・福祉現場は申立人探しに苦労する→裁判所が職権で後見人をつける等
   ・公的助成が市町村申立に限られている→後見費用の負担をどうするか
   ・後見人に医療行為の同意権がない→身寄りのない方の受診、終末医療

HP作成者:

中村三郎

,船橋市咲が丘