<相続人等>
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Update 2015.02.02
相続人・代襲相続人・包括受遺者・相続分譲受人
- 相続人の範囲(被相続人の遺族のうち、配偶者と直近の血族に限定)
- 相続人:子→親→兄弟姉妹の順で決まる相続人(又はその代襲相続人)と配偶者
被相続人から廃除された者や相続欠格者は含まないが、その者につき、代襲相続発生
相続人である子又は兄弟姉妹が相続開始以前に既に死亡している場合、代襲相続発生
代襲者:子又は兄弟姉妹の直系卑属である子
ただし被相続人に廃除された者や相続欠格者を除く(代襲者自身)
また、被代襲者(先順位相続人)に対する欠格者は除く
被相続人と相続人の同時存在の原則は代襲相続にも適用され、
代襲者は相続開始時存在していること(胎児を含む:死産の場合は除く)
代襲原因発生の時には代襲者は存在していなくてもよい
例:廃除後の出生子・養子、被代襲者の遺言認知子
亡き相続人に代襲すべき子がなく他に同順位相続人がいない場合は次順位の者が相続人
- 被相続人の死亡の
・前に相続人の1人が死亡時:代襲相続
他の相続人と亡き相続人の代襲相続人が相続
・後に相続人の1人が死亡時:数次相続
他の相続人と亡き相続人が相続、ついで、
亡き相続人の相続人が亡き相続人を相続(10年以内の場合、税法上相次相続に該当)
→ 相次相続控除|国税庁
- 同時死亡の推定の場合は、死亡者相互間では相続は生じない(→相続人にならない)
遺贈は効力を生じないが、代襲相続は生じる(相続開始以前の死亡として扱う)
- 相続の順位(順位を変更する契約は無効、放棄は順位に影響せず)
※:死亡:以下、死亡の場合で述べるが廃除や欠格の場合も同様
「全員」と前置きあれば全員死亡、なければその者に限定
生存:「生きていれば」=全員でなく1人でも生存の意味で使用
養子:普通養子の場合で述べる
┌─────┐
│以上、順次│
│ | │
│┏━┷━┓│
│┃祖父母┃│
│┗━┯━┛│
│ | │
│┏━┷━┓│
│┃ 父母 ┃│第2順位の相続人(実親+養親)
│┗━┯━┛│
└──|──┘
┌──────┤
┌───|───┐ |
第3順位│┏━━┷━━┓│┏━┷━┓ ┌───┐
│┃ 兄弟姉妹 ┃│┃(被)┠┬┤配偶者│同順位で常に相続人
の相続人│┗━━┯━━┛│┗━━━┛│└───┘
│ | │ ┌──|──┐
│ ┏━┷━┓ │ │┏━┷━┓│
代襲相続人│ ┃ 甥姪 ┃ │ │┃ 子 ┃│第1順位の相続人(実子+養子)
│ ┗━━━┛ │ │┗━┯━┛│
└───────┘ │ | │
(再代襲不可) │┏━┷━┓│
│┃ 孫 ┃│代襲相続人
│┗━┯━┛│
│ | │
│┏━┷━┓│
│┃ ひ孫 ┃│再代襲相続人
│┗━┯━┛│
│ | │
│以下、順次│
└─────┘
- 子 :本人に子が有り、子が生きていれば、子は本人の相続人(第1順位)
・子は実子・養子・胎児を含む(死産の場合は除く) → 実親子関係
本人の連れ子を含み、配偶者の連れ子は含まない
よって、本人の子であれば、本人の前婚の子も後婚の子も相続人となる
・相続開始以前に既に離婚しているか又は死んでいる元配偶者の親族
(連れ子・親)は本人の親族(養子・養親)でもない限り相続に無関係
典型例:妻の前婚の子は夫の相続人でない(本人の直系卑属でないので)
・本人に親や兄弟姉妹がいても子がいれば親や兄弟姉妹は相続人にならない
- 孫 :本人の子が既に死んでおり、子の子が生きていれば、
亡き子を代襲して子の子(本人の孫)は本人の代襲相続人
養子に縁組前の子がいても、その子は代襲相続できない
(本人の直系卑属に限る)
- ひ孫 :本人の子も、子の子も既に死んでおり、子の孫が生きていれば、
亡き子の子を代襲して子の孫(本人のひ孫)が本人の再代襲相続人
ひ孫以下も同様である
- 親 :本人に子が無いか、子(子以下全て)の全員が既に死んでおり、
・本人の親(実親・養親)が生きていれば、親は本人の相続人(第2順位)
親は父母、祖父母以上全て含むが親等の近い者のみが相続人となる
親等が同じならば(離婚・再婚親)全て相続人となるが配偶者の親は除外
・本人に兄弟姉妹がいても親がいれば兄弟姉妹は相続人にならない
- 兄弟 :本人に子が無いか、子(子以下全て)の全員が既に死んでおり、
本人の親(父母以上全て)も全員既に死んでおり、
・本人に兄弟姉妹が有り、兄弟姉妹が生きていれば、兄弟姉妹は本人の相続人
(第3順位)、全血兄弟姉妹・半血兄弟姉妹を問わないので亡両親(父と母)
の前婚の子も相続人捜索の範囲であり、広範囲に戸籍を調べる必要がある
本人が養子の場合、実方の兄弟姉妹・養方の兄弟姉妹、ともに相続人となる
- 甥姪 :本人に子が無いか、子(子以下全て)が既に死んでおり、
本人の親(父母以上全て)も既に死んでおり、
本人の兄弟姉妹も既に死んでいるが、兄弟姉妹の子が生きていれば、
亡き兄弟姉妹を代襲して兄弟姉妹の子(甥姪)は本人の代襲相続人
兄弟姉妹が相続人の場合は、その子だけが代襲でき、再代襲は不可
- 配偶者:本人に配偶者が有り、配偶者が生きていれば、配偶者は本人の相続人
配偶者は他の血族相続人と同順位で常に相続人(配偶者は別格)
・内縁関係を含まない
・相続開始以前に離婚している本人の元配偶者に相続権はない
配偶者の一方は離婚により他方の相続権を失う(離婚の効果:相続権の消滅)
・子や親や兄弟姉妹がいても配偶者はその者と共に同順位で相続人となるが、
配偶者と同順位の相続人全員が相続放棄した場合は配偶者が単独で相続人
となり、次順位の者が配偶者と共に相続人となる訳ではない
- 子と配偶者の問題
・先妻の子と後妻が本人(子の父)を相続する場合、後妻の相続時、もし子が
先妻の子でなく後妻の子であれば、後妻が本人を相続した分をその子が相続
して結局本人(子の父)の全部を子が相続できるが、後妻とは血族関係にな
い先妻の子の場合は、義親(後妻)を相続できないので、後妻の分は後妻の
子(後妻の前婚の子や非嫡出子)や親や兄弟姉妹に相続されてしまう
- 養子と相続(普通養子)→ 相続人の中に養子がいるとき|相続税|国税庁
・養子は実方親族、養方親族、双方の相続人となる(特別養子は養方のみ)
・養子に子がある場合、養親の代襲相続人になれるのは縁組後の養子の子のみ
・養子に子がない場合、実方・養方双方の親(父母)の亡き後の養子(本人)
の相続時に、実方の兄弟姉妹と養方の兄弟姉妹が相続人である場合、養子の
配偶者は財産が自宅だけでも当事者の多い他の相続人と自宅は配偶者とする
等の遺産分割協議に臨まなければならない
- 代襲相続人(相続欠格や廃除との関係は「相続開始前」の推定相続人の項参照)
- 本人の相続開始以前に本人の相続人が既に死んでいる場合である(同時死亡を含む)
- 本人の相続人たる(亡き)子や(亡き)兄弟姉妹に代襲相続が生じる
「亡き子」が被代襲者、その子(本人の直系卑属に限る)が代襲相続人、再代襲可
(孫・ひ孫以下)
「亡き兄弟姉妹」が被代襲者、その子(本人の直系卑属)が代襲相続人、再代襲不可
(甥姪どまり)
本人の子の養子は代襲相続人になれるが養子の縁組前の子は代襲相続人になれない
本人の亡き子を代襲して親や配偶者(亡き子の親)は代襲相続人になれない
- 本人の親に代襲相続はない
祖父母の孫(本人)に対する相続は本位相続であって代襲相続ではない
- 本人の配偶者にも代襲相続はない(被代襲者にもなれないし代襲相続人にもなれない)
よって子の配偶者は亡き子を代襲して本人の代襲相続人になれない
よって配偶者の連れ子は亡き配偶者を代襲して本人の代襲相続人になれない
もっとも配偶者の連れ子は本人(夫)の血族でないので相続人資格すらない
典型例:夫の親が死亡したとき、夫が既に死亡していた場合、妻が夫を代襲して夫の
相続分を相続することはない!
(夫の親の老後の面倒を見た妻の場合、納得がいかないが・・・)
夫の生前に夫の父が死亡し、その相続手続きがなされないまま、その後に夫
の父が死亡した場合に、夫の死後、夫の父の相続に関する遺産分割協議で、
父の配偶者たる夫の母だけに相続させた場合、夫の母が亡くなった時に、夫
の母の相続に関して、亡き夫の妻は亡き夫の代襲相続人にはなれない!
この場合、妻は夫の母の相続人ではなく、夫の母の子である亡夫が相続人で
あるから、亡夫の子供だけが亡夫を代襲して夫の母を相続することになる
- 被相続人(祖父)に廃除された者(孫)や被相続人(祖父)に対する欠格者(孫)は代襲不可
- 親に対する欠格者はその親を代襲して祖父母を相続できない
父を代襲して孫が祖父を代襲相続できるか?
○:相続可,×:相続不可 | 代襲者 | 理由 |
代襲者は被相続人の相続欠格者 | × | 孫は祖父に対する欠格者 |
代襲者は被相続人に廃除された者 | × | 孫は祖父に廃除された者 |
代襲者は被代襲者の相続欠格者 | × | 孫は子(父)に対する欠格者 |
代襲者は被代襲者に廃除された者 | ○ | 孫は子(父)に廃除された者 |
- 包括受遺者・相続分譲受人 → 相続の開始の相続人の項参照
- 包括受遺者
包括遺贈の受遺者=一定の割合を示してする遺贈を受けた相続人や第三者 → 遺贈
- 相続分譲受人(相続分の譲渡を受けた他の相続人又は第三者) → 相続分の譲渡
- 相続資格の重複 → (外部)相続資格の重複
- 本人の親の養子である本人の配偶者
- 本人の配偶者であり、本人の兄弟姉妹である→配偶者としてのみ相続する
- 本人の非嫡出子を本人の養子としている場合→養子としてのみ相続する
- 本人の子であり、孫である場合→それぞれの資格に基づいて相続分を認める
- 本人に数人の子があり、本人が亡き1子の子(本人の孫)を養子としている場合
- 本人に数人の子があり、亡き年長子が年少子を養子としている場合
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