奥村泰之, 坂本真士:
抑うつの連続性議論: より質の高い研究に向けての提言.
心理学評論 52 (4): 504-518, 2009. |
Okumura Y, Sakamoto S:
Continuity controversy of depression: proposal for improving research quality (Japanese):
Japanese Psychological Review 52 (4): 504-518, 2009. |
本論文では,抑うつの連続性議論を展望し,さらに,近年の主流である分類分析を用いた連続性議論を展望する。非連続説派は健康な状態と異常な状態は明確に区分できると想定している,一方,連続説派は健康な状態から異常な状態までは連続的に変化していると想定している。しかし,非連続説派と連続説派の主張の根拠となる研究は,統計的・方法論的な限界があるため,この問題を解決するために作られた分類分析という統計手法を用いた検討の必要が求められた。分類分析を用いて抑うつの潜在構造を検討している研究の結果,抑うつの潜在構造は量的であるという結果が優勢であるが,
いまだ結論は得ていない。
抑うつ研究の質を向上するための,研究者への推奨事項を述べる。 |
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Cited by
- 川本静香 他: うつ病アナログ群の特徴について: 抑うつの連続性検討の観点から. パーソナリティ研究 23 (1): 1-12, 2014
- 村山恭朗, 岡安孝弘: コミュニティを対象とした反すうとストレッサーの相互関係が及ぼす抑うつへの縦断的影響. 行動療法研究 40 (1): 13-22, 2014.
- 村山 恭朗: 女子大学生を対象とした思考抑制とストレッサーがもたらすネガティブな反すうへの影響. パーソナリティ研究 22 (1): 61-72, 2013.
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