奥村泰之,坂本真士:
日本における抑うつ研究の検定力と標本効果量
http://dx.doi.org/10.1111/j.1440-1819.2011.02208.x |
Okumura Y, Sakamoto S:
Statistical power and effect sizes of depression research in Japan.
Psychiatry and Clinical Neurosciences 65 (4): 356-364, 2011.
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序論: 効果量の大きさの基準 (Cohenの基準) の妥当性を検討している研究は少ない。 また、検定力を検討している先行研究の多くは、かなり広い研究領域で検討している。
目的: 日本の抑うつ研究における、(1) 検定力を推定すること、(2) 現実的な目標効果量を推定すること目的とした。 方法: 日本の精神医学と心理学における18の代表的な学術誌を系統的に展望した。 出版年は1990年から2006年に限定し、935の論文から974の該当する研究が同定された。
結果: 臨床群を使用することは、検定力が不十分になる (80%/50%未満) ことと強く関連していた。 中程度の母集団効果量を想定した場合、 臨床群を使用している研究の80%は検定力が80%未満であること、 臨床群を使用している研究の44%は検定力が50%未満であることが明らかになった。 加えて、研究の特性から、現実的な目標効果量を推定するための予測モデルを構築した。
結論: 真に差異や関連のある事象でも、 抑うつの研究者の大部分は、コイントスをするよりも、 正しい検定結果を得られていない可能性が高い。 研究を実施する前に、検定力分析を実施できるよう、 研究者に普及啓発することが重要である。 |
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Cited by
- Hefren JE: An examination of the significance parents place on belongings as a predictor of complicated grief following the death of a child. Dissertation. 2014.
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