奥村泰之,坂本真士:
日本の大学生におけるうつ病治療の選好構造: コンジョイント分析を用いて
http://dx.doi.org/10.1177/0020764010390437 |
Okumura Y, Sakamoto S:
Depression treatment preferences among japanese undergraduates: using conjoint analysis.
International Journal of Social Psychiatry: in press. |
序論: 治療に対する好みは,うつ病治療の専門家への受療行動と治療遵守に寄与すると考えられるものの,これまでの研究は,実際的な阻害要因と考慮せず,加えて,個人差要因を統制することが少なかった.
目的: 本研究では,日本の大学生における,うつ病治療の選好構造を明らかにすることを目的とした.
方法: 985名の大学生を対象とした横断研究を実施した.
結果: 距離と治療法の効用が他の要因よりも大きかった.うつ病治療の中心は薬物療法であるにもかかわらず,医療費の自己負担額が1回あたり3,000円であっても,投薬単独の処方を肯定的にとらえる人は23.2%に留まることが示された.一方,医療費の自己負担額が1回あたり10,000円であっても,心理療法と投薬を併用することを肯定的にとらえる人は61.4%に上ることが示された.
結論: 距離と治療法に対して対策をすることにより,うつ病治療の選好が高まる可能性がある. |
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関連論文
- 奥村泰之, 下津咲絵, 岡隆, 坂本真士: うつ病治療の選好構造: 宮崎県内のA町の職員を対象として.
精神医学 50 (2): 133-139, 2008.
- 奥村泰之, 坂本真士, 岡隆: うつ病治療の便益性と危険性についての大学生の評価.
日本社会精神医学会雑誌 16 (2): 156-167, 2007.
- 奥村泰之, 坂本真士, 岡隆: 大学生におけるうつ病治療の選好構造: コンジョイント分析を用いて.
日本社会精神医学会雑誌 16 (1): 3-12, 2007.
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Cited by
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- Nicholas S et al: Cross-Cultural Considerations with Japanese American Clients: A Perspective on Psychological Assessment. Guide to Psychological Assessment with Asians: 27-42, 2014.
- Arean PA: Personalizing behavioral interventions: the case of late-life depression. Neuropsychiatry 2 (2): 135-145.
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