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私のような臨床心理学を専攻している学生にとっては,データ解析は,「使えれば良い」のであって,ソフトウェアをどれにするのか,固執する必要はありません。我々はユーザーですので,関数を書く能力も必要ありません。わざわざRのような大変なソフトウェアを使おうとする動機は,「無料だから」に尽きると思います。 私自身,「無料だから」Rの学習を始めましたが,実際,使っていくうちに,他のメリットがあることに気づきました。 進路が何であっても変わらず使えることはとても重要です。せっかく覚えた技術を,進路選択によって使えなくなってしまうことは,とても虚しいです。学部を卒業すれば,臨床心理士指定校に進学する人,卒業して一般就職する人,公務員試験を受ける人,指定校以外の大学院に進学する人,など様々な進路選択をします。「統計学の理論」というのは,どのような進路にも関わらず生かすことができると思います。しかし,ソフトウェアというのは,有料ですので,進路に左右されて使えるかどうか変化してしまいます。それが,「R」を使うことで解決されるのは,とても重要なことです。 また,我々ユーザーにとって,統計学というのは,とても取っ付き難い存在です。数式がいっぱい出てくるし,何をやっているのかイメージしづらいと思っている方は多いと思います。そこで,Rを使って,統計学の教科書に書いてある数式を追ってプログラムを書き (例: Rによる関数の作り方),可能な範囲でシミュレーションをすると,統計学を理解する補助として役に立ちます (例: Rによるシミュレーション)。 クリック一つで分析せず,プログラム一行で分析せず,あえて,「数式に忠実なプログラムを一から書いてみる」と,意外に統計学に対する抵抗感が薄れ,理解が促進されます。 Rでは,この「プログラムを書く」という,一見取っ付きにくいことが,とても簡単にできるように工夫されています。さらに,「シミュレーション」するという,「別世界のお話だ」と思うことが意外に簡単にできてしまいます。 「Rは大変だから勉強しないでおこう」と思う前に,ご自分に対するメリットを考えて,学習を始められることを強くお勧め致します。 目次: 雑多な知識 Rの導入に関するポイントを書いています。 |
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