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Top > 無料統計ソフトRで心理学 > R雑記9-11: 心理学におけるRの普及〜Rを薦める・薦めない 無料統計ソフトRで心理学 R雑記9-11: 心理学におけるRの普及〜Rを薦める・薦めない |
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日本心理学会第69回大会において,Rのシンポジウムが催されたらしい(残念ながら見学できず)。もちろん,主催は慶応の渡辺利夫先生です。これを期に,日本の心理学領域においても,Rが普及すればと願っています。。。 いくら,欧米の学術論文でRの利用が増えてきているからと言って,依然Rユーザーは,世界的にも超マイノリティーなのが現状です。心理学でRが普及するためには,(1) ブラインドタッチ,(2) 高校1,2年の数学知識,(3) 英語に抵抗がないこと,(4) 統計学の勉強が重要だと感じること,(5) SPSSを捨てること,の5点が不可欠かと思います。 しかし,SPSSは確かに便利で,捨てがたい存在なのは理解できるため,この点がR普及のボトルネックとなるとは思います。Rの普及を考えておられる方は,SPSS関連の多くの図書がいかにユーザーにとって頼りになるか認識する必要があるでしょう。普及に携わる方にとって,数式や統計学の理論が重要だと言う立場は,学生ユーザーである私でさえも共感します。しかし,心理学の多くの大学院生は,統計学を1日30分も勉強していないのです。私の時間と能力の問題から,この潜在クラスを無視して普及活動すると言う立場を私は取っています。けれども,SPSSのように,多くの人が僅かな勉強時間で,理論的な理解をしないで,直面しているデータを取りあえず解析できるような説明をすると言う立場は重要となると思います。
近頃,Rの普及が進展してきたように思えます。以下のグラフは2005年12月15日現在の,当ページのアクセス集計です。11月ごろからアクセスが急増してきました。卒業論文関連の季節の影響かもしれないが,やはり,続々と,新しい,わかりやすい教科書が出版されていることが原因だと思います。 舟尾先生の新作「データ解析環境R」を早速予約してしまった。 こういった,ユーザーの満足度を満たす文化がある限り,普及の勢いは,上昇するばかりだと思います。
最近,R 2.3.0 がリリースされました。私が使い始めたときは,1.6.0だったが,当時と比べると,Rの機能,学習環境ともに飛躍的に良くなっています。当時の学習環境は,英語中心にならざるを得なかったが,現在は,日本語の資料だけでも,かなりの情報を利用できるようになっています。 それにもかかわらず,私の周辺でRを利用している人は,極めて少ない(5%未満)のが現状です。普及を妨げる原因は,いくつも考えられるが,最近,Rの利用を薦めるべきではない状況も存在すると思い始めています。 このような現状を考えると,Rの利用率が20%を越えるような日が来るのは,まだまだ先の話な気がしてきます。 |
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