|
||||||||||||
Top > 無料統計ソフトRで心理学 > R雑記16-18: 反R派・信仰派?〜How to 学習 無料統計ソフトRで心理学 R雑記16-18: 反R派・信仰派?〜How to 学習 |
||||||||||||
|
Rを利用し始めて,私は5年目になります。SASユーザーだった私が (1年間ぐらいしかハードに使ってませんが),学部4年の終わりにRと出会い,SASを使えない環境に行くことが明確だったため,Rというフリーソフトウェアを使い始めました。 その後,Rの有用性を認識し始めて,同じような境遇の方 (高いソフトウェアを利用できない方) の一助を担えることを願って,このホームページを作成しました。そして,私の周辺の同僚や後輩,先輩,先生にも,大学院生というのは進路が見えにくい世界で生きているため,Rという便利な道具があるということを伝え続けました。今の私は,色々な環境的な事情もあり,R/STATA/SAS/SPSS/と主要なソフトウェアを一通り利用しており,複数のソフトウェアを利用できることは大事だと認識しています。それでもなお,Rは生涯学習の観点から最初に学習すると良いと思うソフトウェアだと感じています。 しかし,あろうことか,「反R派」と言えるような,潜在クラスが存在するような気がします。研究・教育・学習は,宗教ではないので,「反R派」を批判する必要はありませんが,あまりに,フェアーではない印象を受けている気がしますので,以下に,今までの観察で得られた,この「反R派」を判別する観測変数を列記します。 (a) R学習をやってみたが,何らかの抵抗があり,R学習を諦めた 別にRを使えなくても・知らなくても,何の落ち度もないと思いますが,「反R派」の有害な特徴は,知らないものに対して,極度に批判的であるということです。つまり,「私が,使えないものは,他の者も使える必要はない」と言う信念です。そして,「反R派」が発する最も有害な一句は「別にRなんて知らなくても大丈夫だよ」と初学者に伝えてしまうことです。 常識的に考えると,自分が学習を諦めた内容でも,他の方の学習を阻害するような発言をする必要がありません。むしろ,自分が学習を諦めた内容でも,有益な内容であれば,積極的に他の方の学習を促進させることが,重要かと思います。たとえば,英語を読めない研究者が,学生に対して「英語なんて読める必要がないよ」なんて言うことが,いかに非常識か,consensusは得られると思います。このような非常識を,平然と行ってしまうのが,「反R派?」の特徴なのです。 今まで私が出会った,「反R派?」は自己愛が極度に高い方が多い気もするのですが,「自分が知らないことへの学習に対して,他の方の学習を阻害するような行動・発言」は,慎んで頂きたいと切に願います。 次に,「反R派?」の対極に,「過度なR信仰派」もいるような気もします。以下に,今までの観察で得られた,この「過度なR信仰派」を判別する観測変数を列記します。 (a) 初心者の勉強不足だと思える質問に対して,いやに不親切に解答する 別に統計学のユーザーであるならば,Rを使えなくても・知らなくても,それほど落ち度はないはずなのですが,せっかく頑張って勉強しようとしている初学者に対して,尊大な態度で対応してしまうことは,Rユーザーを,ただのオタク集団にしてしまう危険性があるかと思います。CUI中心のソフトウェアは,どうしても,学習上のハードルが高くなってしまうことは,既知の事実なのですから,初学者に対して,広い心を持って頂ければと願います。 Burns,
P. (2006, p.6). には,「On the other hand, others find the R-help list quite hostile
and think that some commercial support, SAS's for instance,
is much preferable. 」という一節があります。
R初学者の多くには,関係のない話題になるかもしれませんが,Rを利用していて,論文を書く際に有利になる点を考えてみました。1点だけ思い浮かびました。RとTeXの連携が楽だと言うことです。その結果,図表をデータ解析をして,すぐに,文章に埋め込むことができ,解析をしょっちゅうやり直しても,最新の解析結果で,文章上に図表を表示できるというメリットを享受できます。 心理学の大多数の方は,文書作成時に,MS Wordを利用していますが,TeXとは,Wordの代わりになるような,文書作成ソフトウェアです。TeXを利用すると,Wordと違い,数式を綺麗にかけたり,引用文献を自動的に並べ替えてスタイルを投稿規定に合わせてくれたりします。それにもかかわらず,TeXの利用率が低いのは,単に「プログラムチックで取っつきにくい」というのが原因でしょう。TeXのマニアックな領域は,果てしなく深いですが,単に論文を書くだけであるならば,それほど深い知識を習得せずに (楽な労力で),TeXのメリットを享受できます。 ただし,TeXの「引用文献を自動的に並べ替えてスタイルを投稿規定に合わせる」というメリットを享受するためには,若干の工夫が必要です。日本語で論文を書く場合,多くの心理学系の雑誌は,日本心理学会の投稿要項に従っています。 「このような負担は,滅多に生じない」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが,私の経験上,このような負担が生じずに,一度解析して,一度図表を書いただけで,何の修正もなしに論文を書いた試しがありません。おそらく,多くの方は,データをよく見るために,同じ図表を何度も書き直して,何度もデータ解析をし直したりしていると思います。 詳しくは,心理学におけるLaTeXの利用 というTeX用ページを準備予定です (2008/1/11)。
Rの学習とは,多少離れますが,心理学の学生は (少なくとも私の周辺の大学院生は),統計学を1日あたり30分も勉強していません。 それでは,そのような方が,どのように対処しているかというと,以下のような方が多いです。
この手続きを取ることにより,「害の少ないHow to 学習」に変化すると思っています。地道な勉強が大事であるという私の主張 (統計学は独習できないといふけれど…) は変化しませんが,地道な勉強よりも少ない勉強時間 (1つの分析手法あたり20-30時間程度) で済むことが,この学習法の特徴だと言えます。心理学領域で,意味もわからずソフトウェアをいじるだけの行動特性を持つ方が減ることを切に願っております。 |
|
||||||||||
|