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心理学でもRを使った学術論文が増えつつあります。Journal of Abnormal Psychologyで特に多いです。Taxometricという統計手法を利用しているケースが多いです(私も学会発表で使っている)。
データマイニングは心理学ではあまり使われないが,標本サイズが大きいケースでは有効です。 無料のソフトウェアではWEKAという有名なソフトがあります。Rでは,Association Ruleのpackageが最近発表されました(arules)。もちろん,決定木や自己組織化マップは昔からできます。
Conjoint分析のpackageは多分存在しないが,他のpackageを利用すれば,分析することはできます。しかし,数理的側面をかなり知る必要がありそうです。ordered probit model と conjoint analysis の両者を扱った分かりやすいデータ付きの教科書があれば助かるのだが。。。 コンジョイント分析の教科書は,「理論家向け」と「ユーザー向け」の格差が高い気がしてならない。「ユーザー向け」の教科書は,日本語でも多数あるが,プログラムを書くレベルでは記載されていません。一方,「理論家向け」の教科書は,私程度(高校数学をかじっている程度)では理解できなく,データも付いていません。 内容的な不足は感じられるが,Sas Technical Report R-109 はユーザーにとって良い教科書だとは思います。(1) データ付き,(2) プログラムを書ける程度の数式と理論,(3) プログラム付き,と重要な3点を押さえています。 心理学の人に「Rを使いたい」と思わせるポイントは欠損値処理にあると思います。Rは,欠損値処理のpackageが豊富です(多すぎる)。もちろん,EMアルゴリズムや多重代入法を使えます。有名なソフトウェアの,NORMやMICEが移植されていることは,論文を書く上でも不都合が少ないと思います。
心理学研究でRを使う上で,不満を挙げるとすれば効果量の計算をするpackageが十分ではないことでしょう。もっとも,計算方法自体は簡単なので,自作可能なのだが。。。 注) library(MBESS) の登場で状況改善中です (2006/8/23追記)
心理学研究で頻出する,因子分析や構造方程式モデルは,どうしてもRでやる気がしません。 このようなプログラムをRから利用する方法もありますので,
UCLAの"Stat Consulting Support Policies for R"は,的を得た指摘な気もするが, 不満も沸きます。"(R) It emphasizes power over ease of use."とあるが,果たしてそうでしょうか。 例えば,SAS/IMLは,Rでやると簡単な処理が,かなり面倒なときがあります(さらに,IMLの学習資料は英語中心なので大変)。また,"While R is free of charge in terms of dollars, it
can be more costly than other packages in terms of time to
learn and time to solve problems." とあるが,人生で1度しかデータ解析しないのならば,この立場は納得できます。 それに,学習/問題解決コストの大きさは,説明する教科書に拠って,大きく変わると思います。 もっとも,教科書を読むコストすら惜しいという人は,データ解析などしない方が良いと思いますが…
メタ・アナリシスは,Rでは2つのpackageが発表されています(meta, rmeta)。meta packageの方が優れているようです。もっとも,計算方法は簡単なので,自作可能ですが。。。 しかし,計算が簡単と言っても,メタ分析が日本の心理学領域に普及するには,4つの理由から時間を要すると思います。 第1に,文献検索データベースが欧米のものに比べて貧弱である。 しかし,データベース作成は,表計算ソフトなどと違い取っ付き難いので,ハードルが高い研究領域だと言えそうです。 |
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